生活困窮者自立支援法をわかりやすく|必須事業2つ・住居確保給付金は原則3か月
福祉サービス分野/第73講の解説記事 | 更新:2026年
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生活困窮者自立支援法は、生活保護受給者や生活困窮に至るリスクの高い人々の増加を背景に、生活保護に至る前の段階の自立支援策を強化するため、2013(平成25)年に制定、2015(平成27)年に施行された法律です。生活保護が「最後のセーフティネット」なら、こちらは一歩手前で受け止める第2のセーフティネット。ケアマネ試験では必須事業2つ(自立相談支援事業・住居確保給付金)の即答と、各事業の期間の数字が問われます。第22回で「住居確保給付金は任意事業」=×が出題済み。事業の振り分け表ごと整理しましょう。
ここだけ覚える
- 生活困窮者=就労・心身の状況、地域社会との関係性等により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある者(2018年改正で定義追加)。実施主体=都道府県・市・福祉事務所設置町村。委託可(住居確保給付金の支給を除く)。
- 必須事業2つ=自立相談支援事業(中核。評価分析→自立支援計画作成。主任相談支援員・相談支援員・就労支援員)+住居確保給付金(離職により住居喪失/おそれ→家賃相当額・原則3か月・最長9か月)。
- 努力義務=就労準備支援事業(基礎能力の形成・6か月〜1年程度)・家計改善支援事業(家計把握+貸付けのあっせん)・居住支援事業(宿泊場所や衣食の提供・原則3か月以内)。
- 任意事業=子どもの学習・生活支援事業(生活保護受給世帯を含む)。就労訓練事業(中間的就労)は知事等の認定を受けた社会福祉法人等の自主事業。
- 2018年改正=自立相談・就労準備・家計改善の三事業の一体的実施を促進(国庫補助率の引き上げ等)。
法の目的と生活困窮者の定義
- 生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、2013(平成25)年制定・2015(平成27)年施行。
- 生活困窮者=就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者。「できなくなった者」に限らない点が○×の題材。
- 実施主体=福祉事務所を設置する自治体(都道府県・市・福祉事務所設置町村)。事業は社会福祉協議会・社会福祉法人・NPO法人等に委託可(住居確保給付金の支給は除く)。
必須事業(自立相談支援事業・住居確保給付金)
- 自立相談支援事業:制度の中核。相談を受け、課題を評価・分析してニーズを把握し、自立支援計画を作成、関係機関と連携して支援。自立相談支援機関には主任相談支援員・相談支援員・就労支援員の配置が基本。
- 住居確保給付金:離職により住居を失った、または失うおそれが高い生活困窮者に、安定した住居の確保と就労自立を図るため家賃相当額を支給。原則3か月間、就職活動を誠実に行っている場合は延長により最長9か月。
- 金銭給付である住居確保給付金は委託の対象外——「必須+委託の例外」がセットで問われる。
過去問(第22回-問58):「生活困窮者住居確保給付金の支給は、任意事業である」=×。必須事業である。
努力義務・任意の事業
- 就労準備支援事業(努力義務):一般就労に従事する準備としての基礎能力の形成を、6か月〜1年程度、計画的かつ一貫して支援。
- 就労訓練事業(いわゆる中間的就労):なお一般就労が困難な人に支援付きの就労の機会等を提供。都道府県知事等の認定を受けた社会福祉法人等による自主事業。
- 家計改善支援事業(努力義務):収入・支出の状況を適切に把握し家計改善の意欲を高める支援+生活に必要な資金の貸付けのあっせん(貸付けそのものではない)。
- 居住支援事業:住居をもたない生活困窮者に、一定期間(原則3か月以内)、宿泊場所や衣食の提供などを行う。
- 子どもの学習・生活支援事業(任意):生活保護受給世帯を含む生活困窮世帯の子どもへの学習支援・居場所づくり・養育に関する保護者への助言など。
- 2018(平成30)年改正:自立相談支援・就労準備支援・家計改善支援の三事業の一体的実施を促進。就労準備・家計改善の実施が努力義務とされ、一体実施には国庫補助率の引き上げ等。
よくある質問(FAQ)
生活困窮者自立支援法はどんな法律ですか?
生活保護受給者や生活困窮に至るリスクの高い人々が増加してきた社会的背景を踏まえ、生活保護に至る前の段階の自立支援策を強化するため、2013(平成25)年に制定され、2015(平成27)年に施行された法律です。生活保護が「最後のセーフティネット」であるのに対し、その一歩手前で受け止める「第2のセーフティネット」と位置づけられます。生活困窮者とは、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいい、2018年の改正で「地域社会との関係性」等が定義に追加されました。
必須事業は何ですか?
2つです。①自立相談支援事業(制度の中核。相談を受けて課題を評価・分析し、自立支援計画を作成して関係機関と連携した支援を行う。主任相談支援員・相談支援員・就労支援員の配置が基本)と、②住居確保給付金の支給(離職により住居を失った、または失うおそれが高い生活困窮者に家賃相当額を支給。原則3か月間、就職活動を誠実に行っている場合は延長により最長9か月)です。第22回試験では「住居確保給付金の支給は任意事業」=×が出題されました。なお、事業は社会福祉協議会やNPO法人等へ委託できますが、金銭給付である住居確保給付金の支給は委託の対象外です。
就労準備支援事業と就労訓練事業はどう違いますか?
就労準備支援事業(努力義務)は、一般就労に従事する準備としての基礎能力の形成を、6か月〜1年程度、プログラムに沿って計画的かつ一貫して支援する事業です。それでもなお一般就労が困難な生活困窮者に対しては、支援付きの就労の機会の提供等を行う就労訓練事業(いわゆる中間的就労)があり、こちらは都道府県知事等の認定を受けた社会福祉法人等による自主事業です。「準備=6か月〜1年」「訓練=認定を受けた自主事業」で区別しましょう。
家計改善支援事業ではお金を貸してもらえますか?
事業として資金の貸付けを直接行うものではありません。家計改善支援事業(努力義務)は、収入や支出などの状況を適切に把握し、家計改善の意欲を高めるよう支援するほか、生活に必要な資金の「貸付けのあっせん」を行う事業です。貸付けそのものではなく「あっせん」である点が試験の引っかけポイントです。なお、2018年改正により、自立相談支援事業・就労準備支援事業・家計改善支援事業の三事業の一体的実施が促進されています。
子どもの学習・生活支援事業の対象に、生活保護世帯の子どもは含まれますか?
含まれます。子どもの学習・生活支援事業(任意事業)は、生活保護受給世帯を含む生活困窮世帯の子どもに対する学習支援や居場所づくり、養育に関する保護者への助言などを行う事業です。「生活保護受給世帯の子どもは対象外」とする選択肢は×です。また、住居をもたない生活困窮者には、一定期間(原則3か月以内)宿泊場所や衣食の提供などを行う居住支援事業があります。
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