障害者総合支援法をわかりやすく|自立支援給付6本柱・介護保険優先原則と例外・共生型サービス
福祉サービス分野/第71講の解説記事 | 更新:2026年
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障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)は、国連の「障害者の権利に関する条約」の批准に向けた国内法整備の一環として、障害者自立支援法が2012(平成24)年に名称を含めて改正されたものです。障害種別を区分せず、身体・知的・精神障害者と難病患者等を対象とします。ケアマネ試験では介護保険との関係(優先原則と例外)を軸に毎年のように出題される横断単元で、教科書掲載の過去問だけでも第18回・第22回再・第25回と実績豊富。この記事で体系・利用の流れ・優先原則を一気に整理しましょう。
ここだけ覚える
- 体系=自立支援給付(①介護給付 ②訓練等給付 ③自立支援医療 ④補装具 ⑤地域相談支援 ⑥計画相談支援)+地域生活支援事業。実施主体は原則市町村。介護給付+訓練等給付=障害福祉サービス。
- 利用の流れ=市町村に申請(第25回:都道府県×)→アセスメント80項目→一次判定(コンピュータ)→二次判定(市町村審査会・医師の意見書)→障害支援区分1〜6・非該当→計画案(指定特定相談支援事業者)→市町村が支給決定。訓練等給付に区分認定なし。
- 負担=原則応能負担(介護保険の応益負担と対比)・月の負担上限あり・高額障害福祉サービス等給付費。
- 介護保険との関係=原則介護保険優先。例外4つ=①相当サービスなし(同行援護等)②支給限度額超え ③利用困難と市町村が認める ④非該当でも支援必要と市町村が認める(第18回:65歳以降利用不可×)。
- 共生型サービス=2018年4月創設。ホームヘルプ・デイサービス・ショートステイ等で相互に指定を受けやすくする特例。
障害者総合支援法の概要と改正史
- 障害者自立支援法を2012(平成24)年に名称を含めて改正。2013年4月と2014年4月の2段階で施行。
- 2013年施行:社会的障壁の除去などの基本理念の創設/障害者の定義に難病等を追加。2014年施行:障害程度区分→障害支援区分へ改正/重度訪問介護の対象拡大/共同生活介護(ケアホーム)を共同生活援助(グループホーム)に一元化。
- 2016(平成28)年改正(施行2018年4月):就労定着支援・自立生活援助の創設/重度訪問介護の医療機関への入院時支援/高齢障害者の介護保険サービスの利用者負担を軽減。
- 目的・基本理念:個人としての尊厳/障害の有無にかかわらず安心してくらせる地域社会の実現/共生する社会・社会参加の機会・社会的障壁(妨げとなる制度・慣行・観念など)の除去/支援を総合的かつ計画的に。
過去問(第18回-問60):「平成24年の改正によって、共同生活介護(ケアホーム)と共同生活援助(グループホーム)は、共同生活援助に一元化された」=○。
サービスの体系(自立支援給付6本柱+地域生活支援事業)
- サービスは自立支援給付と地域生活支援事業の2つ。実施主体は自立支援医療の一部を除き原則市町村。
- ①介護給付:居宅介護(ホームヘルプ)・重度訪問介護・同行援護・行動援護・短期入所(ショートステイ)・療養介護・生活介護・施設入所支援など。
- ②訓練等給付:自立訓練・就労移行支援・就労継続支援(A型/B型)・就労定着支援・自立生活援助・共同生活援助(グループホーム)など。①+②=障害福祉サービスとよぶ。
- ③自立支援医療:公費負担医療。障害者=更生医療/障害児=育成医療/精神障害者=精神通院医療。④補装具:身体機能を補完・代替する用具の費用の給付。
- ⑤地域相談支援=地域移行支援(入所・入院からの地域移行の相談)+地域定着支援(常時の連絡体制・緊急時の相談)。⑥計画相談支援=サービス利用支援(計画案・計画の作成)+継続サービス利用支援(モニタリングと見直し)。
- 費用は利用者負担分を除き公費:国50%・都道府県/市町村 各25%。
- 地域生活支援事業:地域の実情に応じ柔軟に実施(必須+任意)。中心的な担い手は市町村(相談支援・成年後見制度利用支援・意思疎通支援・日常生活用具・移動支援・地域活動支援センター機能強化など)。都道府県は専門性の高い支援・広域的な支援。
過去問(第22回再-問58):「自立支援医療費の支給は、自立支援給付の一つである」=○。
利用のしくみと利用者負担
- 申請:障害者やその家族などが市町村に申請→アセスメント(80項目)→一次判定=コンピュータ→二次判定=市町村審査会(一次判定の結果・医師の意見書などに基づく)→市町村が障害支援区分1〜6・非該当を認定し通知。
- 支給決定まで:利用者は指定特定相談支援事業者にサービス等利用計画案の作成を依頼し市町村に提出→市町村が支給決定→指定特定相談支援事業者がサービス担当者会議を開催→サービス等利用計画を作成し利用開始。
- 訓練等給付の場合は障害支援区分の認定は行われない(アセスメント後、計画案の作成から始まる)。
- 利用者負担:原則応能負担で、所得に応じた1月あたりの負担上限額を設定。世帯合算額が基準を超えると高額障害福祉サービス等給付費を支給。食費・光熱水費・グループホームの家賃などは実費(低所得者へ減免・助成)。
過去問(第25回-問60):「障害福祉サービスの利用を希望する障害者は、都道府県に対して支給申請を行う」=×。申請先は市町村。
障害福祉サービスと介護保険サービス(優先原則と例外)
- 両者には、同様のサービス(居宅介護と訪問介護など)、障害福祉固有のもの(視覚障害者への同行援護など)、介護保険固有のもの(訪問入浴介護など)がある。
- 障害者が介護保険の被保険者となる場合:①原則として介護保険サービスが優先 ②介護保険に相当するサービスがない場合は障害福祉サービスが利用できる ③介護保険の支給限度額を超え、介護保険のみでは確保できない場合も利用できる ④事業所が身近にない等利用が困難と市町村が認める場合も利用できる ⑤要介護認定で非該当でも、支援が必要と市町村が認める場合は利用できる。
- ケアマネジャーは、ケアプランの作成にあたり、これらに留意し障害福祉サービスをケアプラン上に位置づけることも視野に入れる。
- 共生型サービス:2017年の介護保険法改正により2018(平成30)年4月創設。障害福祉サービス事業所等であれば介護保険事業所の指定も受けやすくする特例(逆も同じ)。対象は①ホームヘルプサービス ②デイサービス ③ショートステイ等。65歳以上になっても使い慣れた事業所で利用しやすくなった。
- 65歳に至るまで長期間障害福祉サービスを利用してきた低所得の高齢障害者には、介護保険サービスの利用者負担を障害福祉制度により軽減(償還)できる仕組みがある。
過去問(第18回-問60):「障害者が65歳以上になった場合には、介護保険法の適用を受けるため、それ以後障害福祉サービスは利用できない」=×。固有のサービスや介護保険でカバーしきれない分は利用できる。
よくある質問(FAQ)
障害者総合支援法はいつ、どのようにできた法律ですか?
国連の「障害者の権利に関する条約」の批准に向けた国内法整備の一環として、障害者自立支援法が2012(平成24)年に名称を含めて改正されたものです。2013年4月と2014年4月の2段階で施行され、2013年施行では社会的障壁の除去などの基本理念の創設と難病等の追加、2014年施行では障害支援区分への改正、重度訪問介護の対象拡大、共同生活介護(ケアホーム)の共同生活援助(グループホーム)への一元化が行われました。第18回試験ではこの一元化が○の肢として出題されています。障害種別を区分せず、身体・知的・精神障害者と難病患者等を対象とします。
自立支援給付にはどんな種類がありますか?
6本柱です。①介護給付(居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・短期入所・療養介護・生活介護・施設入所支援など)、②訓練等給付(自立訓練・就労移行支援・就労継続支援・就労定着支援・自立生活援助・共同生活援助など)、③自立支援医療(更生医療・育成医療・精神通院医療)、④補装具、⑤地域相談支援(地域移行支援+地域定着支援)、⑥計画相談支援(サービス利用支援+継続サービス利用支援)。介護給付と訓練等給付をあわせて「障害福祉サービス」とよびます。費用は利用者負担分を除き、国50%・都道府県/市町村各25%の公費でまかなわれます。第22回再試験では「自立支援医療費の支給は自立支援給付の一つ」=○が出題されました。
サービス利用の申請はどこにしますか?流れも教えてください。
申請先は市町村です(第25回試験で「都道府県に申請」=×が出題)。流れは、市町村に申請→アセスメント(80項目の調査)→一次判定(コンピュータ)→二次判定(市町村審査会が一次判定の結果や医師の意見書などに基づき判定)→市町村が障害支援区分1〜6または非該当を認定・通知。その後、指定特定相談支援事業者にサービス等利用計画案の作成を依頼して市町村に提出し、市町村が支給決定、サービス担当者会議を経てサービス等利用計画を作成し利用開始となります。なお、訓練等給付の場合は障害支援区分の認定は行われません。
利用者負担は介護保険とどう違いますか?
障害福祉サービスの利用者負担は原則として「応能負担」で、所得に応じた1月あたりの負担上限額が設定されています。介護保険の「応益負担」(利用したサービス費用の原則1割)との違いが試験で問われるポイントです。利用者負担の世帯合算額が一定基準を超えた場合には、高額障害福祉サービス等給付費が支給されます。施設での食費・光熱水費、グループホームの家賃などは実費負担ですが、低所得者へは減免や助成の措置がとられています。
65歳になったら障害福祉サービスは使えなくなりますか?
使えなくなりません(第18回試験で「利用できない」=×が出題)。原則として介護保険サービスが優先されますが、①同行援護など介護保険に相当するサービスがない場合、②介護保険の支給限度額を超えて確保できない場合、③事業所が身近にない等で利用困難と市町村が認める場合、④要介護認定で非該当でも支援が必要と市町村が認める場合には、障害福祉サービスが利用できます。また2018年4月創設の共生型サービス(ホームヘルプ・デイサービス・ショートステイ等)により、65歳以上になっても使い慣れた事業所でサービスを利用しやすくなり、低所得の高齢障害者には介護保険の利用者負担を軽減(償還)する仕組みもあります。
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