訪問入浴介護とは|3人体制・減算される場合・介護予防との違いをわかりやすく
福祉サービス分野/第56講の解説記事 | 更新:2026年
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訪問入浴介護は、専用浴槽を居宅に持ち込み、ベッドのすぐそばで入浴を提供するサービスです。試験では、看護職員1人+介護職員2人の3人体制、サービスの流れと留意点、部分浴・清拭への変更、運営基準(温泉水等の費用・1人ごとの消毒)、減算3パターン、そして介護予防訪問入浴介護(2人体制)との違いがねらわれます。数字の対比を軸に整理しましょう。
ここだけ覚える
- 原則3人体制=看護職員1人+介護職員2人(看護1+介護1は×・第22回)。介護予防は2人体制(看護1+介護1)。
- 状態が安定していれば、主治医の意見を確認のうえ、介護給付は介護職員3人、予防給付は介護職員2人で実施可。
- 自宅に浴室があっても利用できる(第27回)。ターミナル期の利用者も対象。
- 減算3パターン=①介護職員のみ ②部分浴・清拭に変更 ③同一建物居住者。中止は算定不可。
- サービス提供の責任者は3人のうち1人。看護職員でなければならない規定はない(第26回)。
訪問入浴介護の概要と目的
入浴介助は訪問介護でも行われますが、訪問入浴介護は専用浴槽を利用し、ベッドのすぐそばで行えることが大きな違いです。家庭浴槽での入浴介助や通所サービスの入浴では困難な人、移動が難しい利用者、ターミナル期の利用者などが対象で、自宅に浴室があっても利用できます(第27回問52)。目的は次の3つです。
- 入浴の機会の保障:設備を持参し、身体負担の少ない方法で入浴の機会を保障する。
- 身体の清潔保持と生活機能の向上:代謝の促進、褥瘡や感染症の予防。全身状態の観察の機会となり、異常の早期発見・疾病の予防につながる。
- 精神的な安定:尊重されている安心感が生まれ、孤立感の解消につながる。
サービスの流れと実施上の留意点
サービスは原則として看護職員1人+介護職員2人の3人で行います。流れは、①訪問(入浴方法・作業手順・入浴後の留意点など提供方法の説明)→②体調確認(看護職員による血圧・脈拍・体温のチェック)・浴槽の持ち込み設置・脱衣・移動→③入浴(体調に応じて顔拭き・洗髪・洗身)→④体調の再確認・着衣・排水・浴槽の洗浄消毒、の4段階です。
- 事前訪問:あらかじめ利用者の了解を得て訪問し、主治医の指示の確認と全身状況・健康状態の観察を行う。介護職は浴槽の搬送方法・設置場所・移動方法を検討。必要に応じ主治医や医療機関に連絡。
- 計画と記録:事前訪問の結果に基づき訪問入浴介護計画を作成。実施時は入浴記録簿に記載。
- 変更・中止:主治医の指示と状態が異なる場合や体調の変化があった場合は、主治医の指示を受け、部分浴や清拭に変更または中止。変更・中止は利用者に説明し了解を得る。
- 経管栄養や留置カテーテル等の利用者は主治医から事前に注意事項の説明を受ける。感染症の利用者は感染防止・消毒や廃棄の方法の説明を受ける。事前・事後に医療処置が必要なら往診や訪問看護と調整。
事業の基準(人員・設備・運営)
- 管理者:常勤専従1人。資格要件なし(支障がなければ兼務可)。
- 人員:看護師または准看護師1人以上、介護職員2人以上(看護職員・介護職員のうち1人以上は常勤)。提供を行う3人のうち1人がサービス提供の責任者(入浴介護の知識・技術を有した者。看護職員に限る規定はない・第26回問51)。
- 設備:専用区画、浴槽と備品の設置。
- 運営:利用者の選定による特別な浴槽水等(温泉水等)の費用は通常の利用料以外に受領可。状態が安定していれば主治医の意見を確認のうえ介護職員3人で実施可。身体に直接触れる器具は利用者1人ごとに消毒、タオル等は1人ごとに取り替えるか個人専用。症状の急変時は速やかに主治医・協力医療機関へ連絡。なお2021年度改定で、すべての介護サービス事業者にハラスメント防止措置が義務化。
介護報酬(減算3パターン)
- 基本サービス費は1回ごとの定額制。
- 減算:①介護職員のみで提供した場合 ②部分浴または清拭に変更した場合(清拭のみで全身入浴と同じ単位数は×・第24回問52)③同一建物居住者への提供の場合。
- 入浴を中止した場合は算定不可。短期入所系・入所系サービスの利用中も算定不可。同一時間帯に別の訪問介護員等が入浴介助を行っても、訪問介護費を別に算定できない。
介護予防訪問入浴介護との違い
- 対象は要支援者。最大の違いは看護職員1人+介護職員1人の2人体制。
- 状態が安定している場合は、主治医の意見を確認のうえ介護職員2人での提供が可能(第16回問56)。
- 基本サービス費は訪問入浴介護より低く設定。加算・減算は訪問入浴介護に準じる。人員基準の介護職員は1人以上。
よくある質問(FAQ)
訪問入浴介護は何人で行いますか?
原則として看護職員1人と介護職員2人の3人で行います。利用者の状態が安定している場合は、主治医の意見を確認したうえで介護職員3人での実施も可能です。看護職員1名と介護職員1名で行うとした肢は誤りです(第22回問52)。
自宅に浴室があっても利用できますか?
利用できます。訪問入浴介護は、家庭用浴槽での入浴が困難な利用者などを対象に専用浴槽を提供して行うサービスであり、浴室の有無では判断されません(第27回問52)。移動が難しい人やターミナル期の利用者も対象です。
体調が悪いときはどうなりますか?
主治医の指示と状態が異なる場合や体調の変化があった場合は、主治医の指示を受けて部分浴や清拭に変更、または中止します。変更・中止は利用者に説明して了解を得る必要があります。部分浴・清拭に変更した場合は減算され、中止した場合は算定できません。
減算されるのはどんな場合ですか?
①介護職員のみでサービスを提供した場合、②部分浴または清拭に変更した場合、③同一建物居住者へのサービス提供の場合の3つです。また、短期入所系・入所系サービスの利用中は訪問入浴介護費を算定できません。
介護予防訪問入浴介護との違いは何ですか?
要支援者を対象とし、看護職員1人と介護職員1人の2人でサービスを提供する点が最大の違いです。状態が安定していれば主治医の意見を確認のうえ介護職員2人でも提供できます(第16回問56)。基本サービス費は訪問入浴介護より低く設定されています。
本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。掲載内容は執筆時点の情報にもとづく学習用の解説です。制度・定義・数値(人員基準・報酬の減算要件など)は改定されることがあるため、最新・正確な情報は教科書や公式サイトでご確認ください。入浴の可否など個別の判断は、主治医などの専門職にご相談ください。