介護支援分野 第2講 介護保険制度の創設/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第2講 はじめに
前回の続きから
前回は、家族だけでは介護を支えきれなくなり「介護の社会化」が必要になった、というところまで学びました。
今回は、その考えがいよいよ形になった 介護保険制度そのもの を見ていきます。
こんにちは。第2講を始めましょう。
前回は、家族だけでは介護を支えきれない、だから社会みんなで支える、介護の社会化を学びましたね。
今回は、その考えが形になった、介護保険制度そのものを見ていきます。
第2講 はじめに
この講のゴール
- 介護保険が いつ・なぜ できたかがわかる
- 措置から契約へ、という大転換を理解する
- 社会保険方式という支え方を知る
- 制度の 基本理念 と法律の目的をつかむ
今日のゴールは4つです。
まず、介護保険がいつ、なぜできたか。
次に、措置から契約へという、大きな転換。
そして、社会保険方式という支え方。
最後に、制度の基本理念と、法律の目的です。
制度のはじまり
介護保険はいつできた?
- 1997年(平成9年)に 介護保険法が成立、3年の準備期間をへて 2000年(平成12年)4月に施行
まずは、いつできたか。
介護保険制度がスタートしたのは、2000年4月です。
法律そのものは1997年に成立し、3年の準備をへて、2000年に始まりました。
ミレニアム、西暦2000年スタート、と覚えると忘れませんよ。
創設の背景
なぜ必要になった?
- 高齢化で 介護が必要な人が急増(前回の内容)
- 核家族化・共働きで 家族だけでは支えきれない
- 介護が 長期化・重度化 し、負担が大きくなった
なぜ介護保険が必要になったのか。
高齢化で、介護が必要な人が急増しました。前回やったところですね。
そして核家族化や共働きで、家族だけでは支えきれなくなった。
介護も長期化・重度化して、負担がどんどん大きくなりました。
前回の介護の社会化が、まさにこの背景なんです。
措置制度・社会的入院
それまでの仕組みの問題点
- 措置制度:サービスを 行政が決めていた。利用者は選べず、使いにくかった
- 社会的入院:介護目的で病院に 長期入院 する人が多く、医療費がふくらんだ
介護保険ができる前は、どんな仕組みだったのでしょう。
ひとつは措置制度。サービスを行政が決めていて、利用者は自分で選べませんでした。
もうひとつが社会的入院。介護のために病院に長く入院する人が多く、医療費がふくらみました。
選べない、医療と福祉がバラバラ。この不便さが見直しのきっかけです。
利用者が選ぶ時代へ
「措置」から「契約」へ
これまで(措置)
役所がサービスを割り当て。利用者は選べない。
介護保険(契約)
利用者が事業者と契約し、サービスを選択できる。
ここが、介護保険の一番大きな転換点です。
これまでの措置では、行政がサービスを決めて割り当てていました。
介護保険では、利用者が事業者と契約して、自分でサービスを選びます。
与えられる福祉から、自分で選ぶ福祉へ。この転換をしっかり覚えてください。
みんなで支える仕組み
社会保険方式とは
介護保険は 社会保険方式 でつくられています。みんなで保険料を出し合い、介護が必要になったとき給付を受ける仕組みです。
- 医療保険・年金と 同じ「保険」の考え方
- 税で行う措置と違い、権利として サービスを使える
介護保険は、社会保険方式という形でつくられています。
みんなで保険料を出し合い、介護が必要になったときに給付を受ける。医療保険や年金と同じ考え方です。
税で行う措置と違って、権利としてサービスを使えるのが特徴です。
根っこにあるのは、国民の共同連帯。みんなで支え合う、という考え方です。
制度の柱
基本理念① 自立支援
介護保険のねらいは、ただお世話をすることではありません。その人が自分らしく、できるだけ自立して暮らせるよう支える ことです。
基本理念の1つ目は、自立支援です。
介護保険のねらいは、ただお世話をすることではありません。その人ができるだけ自立して暮らせるよう支えることです。
能力を活かし、できることを奪わない。前回出てきた介護予防も、この自立支援の考えにつながります。
制度の柱
基本理念② 利用者本位
主役は利用者です。自分でサービスを選び、自分で決める(自己決定) ことを大切にします。
基本理念の2つ目は、利用者本位です。
主役は利用者。自分でサービスを選び、自分で決める。この自己決定を大切にします。
だからこそ、措置から契約へ変わったんですね。さっきの話とつながります。
第1条のキーワード
介護保険法の目的
- 尊厳の保持:その人の尊厳を守る
- 自立した日常生活:能力に応じて自立して暮らせるように
- 国民の共同連帯:みんなで支え合う
介護保険法の目的、第1条のキーワードです。
まず、尊厳の保持。その人の尊厳を守ること。
次に、能力に応じて自立した日常生活を営めるように。
そして、国民の共同連帯。みんなで支え合う。
とくに尊厳の保持は、2005年の改正で目的に明記された、とても大事な言葉です。
得点に直結
試験のツボ
- 2000年4月施行(法成立は1997年)
- 措置→契約 の転換
- 社会保険方式・国民の共同連帯
- 目的の 「尊厳の保持」「自立」
試験のツボを整理します。
まず、2000年4月施行。法律の成立は1997年。
措置から契約への転換。
社会保険方式と、国民の共同連帯。
そして目的の、尊厳の保持と自立。
年号と4つのキーワードをセットで覚えましょう。
第2講 おつかれさまでした
まとめ & 次回予告
- 介護保険は 2000年4月 スタート
- 措置→契約、自分で選ぶ福祉へ
- 社会保険方式(国民の共同連帯)
- 理念は 自立支援・利用者本位・尊厳の保持
おつかれさまでした。第2講のまとめです。
介護保険は2000年4月スタート。
措置から契約へ、自分で選ぶ福祉になりました。
支え方は社会保険方式、国民の共同連帯。
理念は、自立支援・利用者本位・尊厳の保持です。
次回は第3講、社会保障と社会保険。介護保険が全体のどこに位置づくかを学びます。
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もっと深く学びたい人へ
この講はここまで。理解を定着させるために、次のアクションへどうぞ。
最後に、もっと学びたい人へのご案内です。
独学が不安なら、講座やテキストを併用すると効率的ですよ。自分の生活に合うものを選んでみてください。
この講の一問一答(◯×7問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
介護保険法は2000年4月に施行された。
答えと解説
◯ 正しい。成立は1997年、施行が2000年4月です。
介護保険制度は、税のみを財源とする税方式で運営されている。
答えと解説
✕ 「社会保険方式」です(保険料が中心。公費も組み合わせます)。
介護保険の導入により、行政が決める「措置」から、利用者が選ぶ「契約」へ変わった。
答えと解説
◯ 正しい。介護保険最大の転換点です。
介護保険制度の創設前は、介護のための「社会的入院」が問題となっていた。
答えと解説
◯ 正しい。制度創設の背景の一つです。
「自立支援」は、介護保険の基本理念の一つである。
答えと解説
◯ 正しい。ほかに利用者本位、尊厳の保持などがあります。
介護保険法が成立したのは2005年である。
答えと解説
✕ 成立は1997年、施行が2000年。2005年改正で目的に「尊厳の保持」が明記されました。
介護保険では、利用者は自分でサービスを選ぶことができない。
答えと解説
✕ 契約により、利用者が自分で選べます(利用者本位)。
五肢複択
介護保険制度の創設について、正しいものを2つ選べ。
- 介護保険法は2000年4月に施行された。
- 介護保険は税方式で運営されている。
- 介護保険の導入により、措置から契約へ変わった。
- 介護保険法が成立したのは2005年である。
- 介護保険の導入で、利用者はサービスを選べなくなった。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。
2 誤り。社会保険方式(保険料中心+公費)。
3 正しい。
4 誤り。成立は1997年、施行が2000年。
5 誤り。契約により自分で選べる。
介護保険制度の理念・目的について、正しいものを2つ選べ。
- 基本理念の一つに自立支援がある。
- 介護保険法の目的に「尊厳の保持」が含まれる。
- 介護保険は家族介護を前提とした制度である。
- 創設前に社会的入院は問題視されていなかった。
- 介護保険は行政主導で、利用者本位ではない。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。
2 正しい(2005年改正で明記)。
3 誤り。介護の社会化が理念。
4 誤り。社会的入院は大きな問題だった。
5 誤り。利用者本位が理念。