介護支援分野 第4講 介護保険制度の改正と実施状況/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第4講 はじめに
前回の続きから
前回は、介護保険が 社会保障・社会保険のどこに位置するか を学びました。
今回は、2000年に始まった介護保険が どう変わってきたか(改正の歴史) と、今どれくらい使われているか(実施状況) を見ていきます。
第4講を始めましょう。
前回は、介護保険が社会保障や社会保険のどこに位置するかを学びましたね。
今回は、その介護保険が2000年からどう変わってきたか、そして今どれくらい使われているかを見ていきます。
第4講 はじめに
この講のゴール
- 改正は 3年ごと に行われることを知る
- 主な改正の 年と内容 を大づかみにつかむ
- 地域包括ケアという大きな流れを理解する
- 利用者・認定者が 大きく増えた ことを知る
今日のゴールは4つです。
まず、改正は3年ごとに行われること。
次に、主な改正の年と内容を大づかみに。
そして、地域包括ケアという大きな流れ。
最後に、利用者や認定者が大きく増えたこと、です。
まず大原則
改正は「3年ごと」
- 高齢化や介護のニーズの変化に合わせ、定期的にアップデート していく仕組み
まず大原則から。介護保険は、3年ごとに見直されます。
これは、介護保険事業計画が3年を1期としていることに合わせたものです。
高齢化やニーズの変化に合わせて、定期的にアップデートしていく仕組みなんですね。
最初の大改正(2006年施行)
2005年改正 — 予防を重視
- 予防重視型システム へ転換(要支援・新予防給付)
- 地域包括支援センター を創設
- 地域密着型サービス を創設
- 施設の 食費・居住費を保険給付の対象外 に(低所得者は補足給付で軽減)
ここから主な改正です。最初の大きな改正は2005年。
キーワードは予防重視。できるだけ要介護にならないよう、予防に力を入れる形に変わりました。
その中心として、地域包括支援センターが創設されました。これはとても重要です。
住み慣れた地域で暮らせるよう、地域密着型サービスも生まれました。
また、施設の食費と居住費が保険の対象外に。ただし低所得者は補足給付で軽減されます。
2012年施行
2011年改正 — 地域包括ケア
- 24時間対応の 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 を創設
- 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護) を創設
- 介護福祉士等による たんの吸引 が可能に
2011年改正の柱は、地域包括ケアシステムの推進です。
医療・介護・予防・住まい・生活支援を、地域で切れ目なく提供する。これからの介護の基本方針です。
その手段として、24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護が創設されました。
訪問看護と小規模多機能を組み合わせた、複合型サービスも生まれました。
また、介護福祉士などがたんの吸引をできるようになりました。
2015年施行・頻出
2014年改正 — 重点化と負担
- 予防給付の 訪問介護・通所介護を総合事業(市町村)へ移行
- 特養の新規入所を原則「要介護3以上」 に重点化
- 一定以上の所得者に 2割負担 を導入
- 地域ケア会議 を推進
2014年改正は、試験でもよく問われます。
まず、予防給付の訪問介護と通所介護を、市町村の総合事業へ移しました。
そして、特別養護老人ホームの新規入所を、原則として要介護3以上に重点化しました。
さらに、一定以上の所得がある人には、2割負担が導入されました。
地域ケア会議の推進も、この改正です。
2018年施行
2017年改正 — 新しい施設と3割
- 介護医療院 を創設(医療と生活の場を兼ねた施設)
- 共生型サービス を創設(介護と障害福祉の橋渡し)
- 現役並み所得者に 3割負担 を導入
2017年改正のキーワードは、新しい施設と3割負担です。
医療と生活の場を兼ねた、介護医療院が創設されました。
介護と障害福祉をつなぐ、共生型サービスも生まれました。
そして、特に所得の高い人には3割負担が導入されました。2割の次は3割、と覚えましょう。
大づかみでOK
近年の改正(2020・2024)
- 2020年:地域共生社会へ。相談窓口を高齢者以外にも広げる
- 2024年施行:介護情報基盤の整備、事業者の財務状況の報告義務化
- ※ ケアプランの有料化は 見送り となった
近年の改正は、大づかみで大丈夫です。
2020年改正では、相談窓口を高齢者だけでなく、障害や子どもなどにも広げる、地域共生社会の方向が示されました。
2024年施行の改正では、介護情報の基盤づくりや、事業者の財務状況の報告義務化などが盛り込まれました。
なお、議論されていたケアプランの有料化は、見送りとなりました。
数字で見る
実施状況 — 大きく増えた
- 高齢化が進み、サービスが定着したことで、利用者・給付費とも大きく増えた
次に、実施状況です。数字で見てみましょう。
要介護・要支援の認定を受けた人は、制度が始まったときから、3倍以上に増えています。
高齢化が進み、サービスが定着したことで、利用者も給付費も大きく増えました。これが財源の課題にもつながっています。
得点に直結
試験のツボ
- 改正は 3年ごと
- 2005=予防重視・地域包括支援センター
- 2011=地域包括ケア・定期巡回
- 2014=総合事業へ移行・特養要介護3・2割
- 2017=介護医療院・3割
試験のツボを整理します。年号とキーワードをセットで覚えましょう。
改正は3年ごと。
2005年は、予防重視と地域包括支援センター。
2011年は、地域包括ケアと定期巡回。
2014年は、総合事業へ移行、特養は要介護3以上、2割負担。
2017年は、介護医療院と3割負担。
特に、2005年の地域包括支援センターと、2014年の特養要介護3以上は、よく出ます。
第4講 おつかれさまでした
まとめ & 次回予告
- 改正は 3年ごと
- 大きな流れは 予防重視 → 地域包括ケア
- 負担は 1割 → 2割(2014)→ 3割(2017) へ
- 認定者は 3倍以上 に増加
おつかれさまでした。第4講のまとめです。
改正は3年ごと。
大きな流れは、予防重視から地域包括ケアへ。
利用者負担は、1割から、2014年に2割、2017年に3割へと広がりました。
そして、認定者は3倍以上に増えています。
次回は第5講、介護保険制度の概要。制度の全体像をまとめて見ていきます。
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もっと深く学びたい人へ
この講はここまで。理解を定着させるために、次のアクションへどうぞ。
最後に、もっと学びたい人へのご案内です。
改正は量が多いですが、年号とキーワードのセットで、くり返し覚えれば必ず身につきますよ。
この講の一問一答(◯×8問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
介護保険制度は、3年ごとに見直される。
答えと解説
◯ 正しい。介護保険事業計画が3年を1期とすることに合わせています。
地域包括支援センターは、2005年改正で創設された。
答えと解説
◯ 正しい。予防重視への転換とともに創設されました。頻出。
2014年改正で、特別養護老人ホームの新規入所は原則「要介護3以上」となった。
答えと解説
◯ 正しい。重度者に重点化されました。頻出。
介護医療院は、2005年改正で創設された。
答えと解説
✕ 介護医療院の創設は2017年改正(2018年施行)です。
利用者負担に3割が導入されたのは、2017年改正である。
答えと解説
◯ 正しい。2014年に2割、2017年に3割が導入されました。
2011年改正の柱は、地域包括ケアシステムの推進である。
答えと解説
◯ 正しい。定期巡回・随時対応型訪問介護看護などが創設されました。
制度開始から、要介護・要支援の認定者数は減少している。
答えと解説
✕ 逆に、3倍以上に増加しています。
一定以上の所得者への2割負担が導入されたのは、2014年改正である。
答えと解説
◯ 正しい。2割は2014年、3割は2017年です。
五肢複択
介護保険制度の改正について、正しいものを2つ選べ。
- 介護保険制度は3年ごとに見直される。
- 地域包括支援センターは2005年改正で創設された。
- 介護医療院は2011年改正で創設された。
- 制度開始から認定者数は減少している。
- 利用者負担は一律1割のまま変わっていない。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。介護医療院は2017年改正。
4 誤り。3倍以上に増加。
5 誤り。2014年に2割、2017年に3割を導入。
2014年改正の内容について、正しいものを2つ選べ。
- 予防給付の訪問介護・通所介護を市町村の総合事業へ移行した。
- 特別養護老人ホームの新規入所を原則要介護3以上に重点化した。
- 介護医療院を創設した。
- 3割負担を導入した。
- 地域包括支援センターを創設した。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。介護医療院は2017年改正。
4 誤り。2014年は2割。3割は2017年。
5 誤り。地域包括支援センターは2005年改正。