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介護支援分野 > 第5講

介護保険制度の全体像をわかりやすく

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介護支援分野 > 第5講 介護保険制度の全体像をわかりやすく/全文

この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。

第5講 はじめに

この講のゴール

ここまでの講義で、介護保険制度がなぜ生まれたか・どう改正されてきたかを学びました。この講では制度の骨組みを全体で押さえます。

はじめましょう。この講のゴールを確認します。

ここまでで高齢化の背景や改正の流れを学びました。今回は制度の全体像、骨組みをひと目で掴みます。

学ぶのは4つ。まず制度の目的です。

次に保険者と被保険者、誰が運営し誰がもらうかです。

そして財源の仕組み。公費50%と保険料50%です。

最後に利用の流れと給付の種類です。

なぜ作られたのか

介護保険制度の目的

介護保険制度の目的は、介護保険法第1条に定められています。

試験で問われる 「自立支援」が核心。「介護してあげる」ではなく、「本人の力を引き出して自立を支える」という発想です。

介護保険制度の目的は2つです。

1つめは尊厳の保持。要介護状態になってもその人らしい生活を守ること。

2つめは自立した日常生活の支援。持てる能力を活かして自立できるよう支えることです。

試験では、「自立支援」が核心です。介護してあげるではなく、本人の力を引き出す発想が問われます。

誰が運営するの?

保険者は市町村・特別区

介護保険を実際に運営するのは保険者です。

市町村・特別区
(東京23区を含む)が保険者
保険証の
交付
要介護認定
の実施
保険料の
徴収
国・都道府県の立場 国と都道府県は保険者ではなく、市町村を財政的・技術的に「支援」する立場です。

保険者、つまり介護保険を運営するのは市町村と特別区です。

東京23区もここに含まれます。

保険者の主な仕事は3つ。保険証の交付、要介護認定の実施、保険料の徴収です。

注意:国と都道府県は保険者ではありません。市町村を支援する立場です。

65歳以上と40〜64歳

第1号・第2号被保険者

介護保険の被保険者は2種類に分かれます。

第1号被保険者

65歳以上

原因を問わず、要介護・要支援状態になれば給付を受けられる

第2号被保険者

40〜64歳

医療保険加入者に限る。特定疾病が原因の場合のみ給付対象

ひっかけ注意
第2号被保険者が要介護状態でも、特定疾病が原因でなければ給付なし。試験の定番の引っかけです。

被保険者は第1号と第2号の2種類です。

第1号は65歳以上。原因を問わず、要介護・要支援状態になれば給付が受けられます。

第2号は40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。こちらは特定疾病が原因の場合だけ給付対象です。

試験の引っかけ:第2号被保険者が要介護状態でも、特定疾病が原因でなければ給付はありません。

公費50%+保険料50%

財源の全体像

介護保険の財源は大きく2つに分かれます。

50%+50%
公費(税金)と保険料で半分ずつ負担
公費
国・都道府県
市町村の税金
保険料
第1号+第2号
の保険料
利用者負担は別枠 上の50%+50%は利用者負担1割を除いた「残り9割分」の財源です。利用者は別途1〜3割を負担します。

介護保険の財源の仕組みです。

利用者負担の1割を除いた残り9割分を、公費と保険料で半分ずつ負担します。

つまり公費(税金)が50%、保険料が50%です。

注意:この50%ずつは利用者負担を除いた部分です。利用者は別に1〜3割を自己負担します。

国・都道府県・市町村の分担

公費の内訳

公費50%の内訳は国・都道府県・市町村の3者です。

25%
都道府県
12.5%
市町村
12.5%
施設等給付は異なる 特養・老健などへの施設等給付費は国20%・都道府県17.5%・市町村12.5%と変わります。試験では「居宅か施設か」を区別して問われます。

公費50%の内訳を覚えましょう。

国が25%、都道府県が12.5%、市町村が12.5%です。

合計で50%になります。国が半分、都道府県と市町村が4分の1ずつです。

ただし施設等給付費の場合は異なります。国20%・都道府県17.5%・市町村12.5%です。居宅と施設で国と都道府県の割合が変わる点が試験に出ます。

第1号23%・第2号27%(令和6〜8年度)

保険料の内訳(第9期)

保険料50%の内訳も2種類に分かれます。割合は3年ごとの介護保険事業計画で改定されます。

第1号保険料

23%

第9期(令和6〜8年度)の割合。原則、年金からの天引き(特別徴収)

第2号保険料

27%

第9期の割合。医療保険料と合わせて徴収。全国プールして配分

覚え方 第1号(65歳〜)より第2号(40〜64歳)の方が人数が多いため、27%と多くなっています。人口比で3年ごとに決まります。

保険料50%の内訳です。第9期、令和6年から8年度の数字です。

第1号保険料が23%。65歳以上の方が年金から天引きされる分です。

第2号保険料が27%。40歳以上65歳未満の方が医療保険料と合わせて払う分です。

第2号の方が多いのは、人数が多いからです。全国人口比で3年ごとに決まります。

申請からサービス開始まで

サービスを受けるまでの流れ

介護保険のサービスを利用するには、認定を受ける必要があります。

申請
(市町村)
認定調査
・主治医意見書
一次・
二次判定
ケアプラン
作成
サービス
利用
申請から認定まで 原則30日以内に通知。申請は本人・家族のほか、成年後見人・地域包括支援センター・居宅介護支援事業者なども代行できます。

サービスを受けるまでの流れです。

まず市町村の窓口に申請します。

次に認定調査が行われ、主治医の意見書も用意します。

コンピュータで一次判定を行い、介護認定審査会が二次判定をします。

認定を受けたら、ケアマネジャーがケアプランを作成します。

プランに基づいてサービスを利用します。

申請から認定通知まで原則30日以内です。

介護給付・予防給付・市町村特別給付

給付の3種類

介護保険の給付(サービス)は3種類に分かれます。

介護給付
要介護1〜5
予防給付
要支援1〜2
市町村
特別給付
市町村独自
区分支給限度基準額 介護給付・予防給付には、要介護度ごとに支給限度額があります。超えた分は全額自己負担です。

給付の種類は3つです。

介護給付は要介護1〜5の人が対象。居宅サービス・施設サービス・地域密着型サービスが使えます。

予防給付は要支援1〜2の人が対象。状態の悪化を予防するサービスです。

市町村特別給付は市町村が独自に定めるサービスで、対象は第1号被保険者です。

なお給付には要介護度ごとに支給限度額があり、超えた分は全額自己負担になります。

保険給付とは別の「事業」

地域支援事業の位置づけ

地域支援事業は、介護給付・予防給付とは別の「事業」として位置づけられています。

総合事業
介護予防・
日常生活支援
包括的
支援事業
地域包括支援
センターが担当
任意事業
市町村が
独自に実施
財源の違い 包括的支援事業・任意事業は第2号被保険者の保険料負担がなく、その分公費で補填されます(第1号23%・国38.5%・都道府県19.25%・市19.25%)。

地域支援事業は保険給付ではなく、市町村が実施する「事業」です。

3種類あります。介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業です。

総合事業は要支援者などの介護予防と日常生活支援が目的です。

包括的支援事業は地域包括支援センターが主体となって担います。

財源の注意点:包括的支援事業と任意事業は第2号保険料の負担がなく、公費で補填されます。

原則1割・一定以上所得は2〜3割

利用者負担

介護サービスを利用した場合の利用者負担です。

原則1割
一定以上の所得がある場合は2割または3割
高額介護サービス費 同じ月の自己負担額が限度額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度があります。

利用者負担は原則1割です。

ただし一定以上の所得がある第1号被保険者は2割または3割です。

2割は合計所得金額160万円以上など一定の条件を満たす場合です。

3割は合計所得金額220万円以上など、より高い収入の場合です。

第2号被保険者は所得によらず一律1割です。

なお同月の負担が限度額を超えた場合は高額介護サービス費として払い戻されます。

第5講 おつかれさまでした

まとめ & 次の講へ

第5講の内容を確認しましょう。この講では介護保険制度の全体像を骨組みから押さえました。

📝 おすすめのおさらい講座

第5講はこれで完了です。おつかれさまでした!

目的は尊厳の保持と自立した日常生活の支援の2つでした。

財源は公費50%と保険料50%。国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%が公費の内訳でした。

給付は介護給付・予防給付・市町村特別給付の3種類です。次の講も頑張りましょう。

この講の一問一答(◯×8問・五肢複択2問)

すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →

  1. 介護保険の保険者は、市町村及び特別区である。

    答えと解説

     保険者は市町村・特別区。国と都道府県は保険者ではなく、財政・事務面で支援する立場。

  2. 介護保険法第1条は、その目的として「尊厳の保持」と「自立した日常生活の支援」を掲げている。

    答えと解説

     第1条の核心は“自立支援”。単なる世話ではなく、自分らしい生活を支えることが目的。

  3. 第2号被保険者は、要介護状態になった原因を問わず介護給付を受けられる。

    答えと解説

     原因を問わず受けられるのは第1号。第2号は特定疾病が原因のときのみ給付対象。

  4. 介護給付費の財源は、公費50%と保険料50%で構成される。

    答えと解説

     利用者負担を除いた給付費を、公費と保険料で半分ずつ賄う。

  5. 居宅給付費の公費負担割合は、国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%である。

    答えと解説

     居宅は国25。国25%には調整交付金5%分を含む。

  6. 第9期(令和6〜8年度)の保険料負担割合は、第1号23%・第2号27%である。

    答えと解説

     3年ごとに人口比で見直し。第2号が多いのは対象人数が多いから。

  7. 要支援1・2の人が利用するのは介護給付である。

    答えと解説

     要支援1・2は予防給付。介護給付は要介護1〜5。

  8. 第2号被保険者の利用者負担は、所得にかかわらず一律1割である。

    答えと解説

     2割・3割は第1号の一定以上所得者の話。第2号は一律1割。

五肢複択

  1. 介護保険制度について正しいものを2つ選べ。

    • 保険者は都道府県である。
    • 第1号被保険者は65歳以上の者である。
    • 介護給付費は、公費と保険料がそれぞれ50%である。
    • 第2号被保険者は30歳以上の医療保険加入者である。
    • 市町村特別給付の財源には第2号被保険者の保険料が充てられる。
    答えと解説

    正解:2・3

    1 誤り。保険者は市町村・特別区。都道府県は支援する立場。

    2 正しい。第1号=65歳以上。

    3 正しい。給付費は公費50%+保険料50%。

    4 誤り。第2号は40〜64歳の医療保険加入者。

    5 誤り。市町村特別給付(横出し)は第1号被保険者の保険料で賄う。

  2. 介護保険の費用負担について正しいものを2つ選べ。

    • 施設等給付費の国の負担割合は20%である。
    • 居宅給付費の国の負担割合は20%である。
    • 第1号被保険者の保険料負担割合は3年ごとに見直される。
    • 利用者負担は所得にかかわらず一律3割である。
    • 給付費は全額公費で賄われる。
    答えと解説

    正解:1・3

    1 正しい。施設等給付費は国20%・都道府県17.5%・市町村12.5%。

    2 誤り。居宅給付費の国は25%。

    3 正しい。第1号23%・第2号27%は3年ごとに改定。

    4 誤り。原則1割、一定以上所得で2割・3割。

    5 誤り。公費50%+保険料50%。

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