介護支援分野 > 第7講 被保険者とは|第1号・第2号/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第7講 はじめに
この講のゴール
介護保険に入る人(被保険者)には、年齢で2タイプあります。この講では、誰が・どんな条件で給付を受けられるかを、ひっかけ対策まで整理します。
- 第1号・第2号の違い(年齢と給付条件)
- 特定疾病16種類(第2号のカギ)
- 外国人・適用除外(被保険者にならない人)
- 資格の取得・喪失と住所地特例
第7講を始めましょう。今回のゴールです。
介護保険に入る人を被保険者といいます。年齢で2タイプに分かれます。今回はその違いと、給付の条件を整理します。
まず第1号と第2号の違い。年齢と、給付を受けられる条件です。
次に特定疾病16種類。第2号のカギになります。
そして外国人や適用除外。被保険者にならない人もいます。
最後に資格の取得・喪失と、住所地特例です。
年齢で2タイプ
第1号・第2号被保険者
介護保険は社会保険なので、条件に当てはまれば必ず加入します(強制適用)。条件は「年齢」と「市町村に住所があること」です。
第1号被保険者
要介護・要支援になれば、原因を問わず給付が受けられる
第2号被保険者
医療保険加入者に限る。特定疾病が原因のときだけ給付
被保険者は年齢で2タイプに分かれます。
第1号は65歳以上。要介護・要支援になれば、原因を問わず給付が受けられます。
第2号は40歳以上65歳未満で、医療保険に入っている人。こちらは特定疾病が原因のときだけ給付されます。
分かれ目はここ。第1号は原因を問わず、第2号は特定疾病が原因のときだけ。この差が何度も問われます。
加入していないと第2号になれない
第2号は「医療保険加入」が条件
第2号被保険者になるには、40〜64歳であることに加えて医療保険に加入していることが必要です。
第2号には、もう一つ大事な条件があります。
40歳から64歳というだけでなく、医療保険に加入していることが必要です。
逆に言うと、医療保険に入っていなければ、40から64歳でも第2号にはなりません。
たとえば生活保護を受けている人は、医療保険に入っていない扱いになるため、第2号にはなりません。介護が必要なときは生活保護の介護扶助で対応します。
老化に関係する病気
特定疾病とは
特定疾病は、加齢(老化)と関係が深い病気として、介護保険法施行令で定められた16種類です。
- 40〜64歳でも発症し、加齢との関係が認められる病気
- 3〜6か月以上要介護・要支援が続く割合が高い病気
特定疾病とは何かを押さえましょう。
加齢、つまり老化と関係が深い病気として、法令で16種類が定められています。
40から64歳でも発症し、加齢との関係が認められること。
そして、3から6か月以上、要介護や要支援が続く割合が高いこと。この2つを満たす病気です。
最重要のひっかけです。第2号が要介護でも、交通事故など特定疾病以外が原因なら給付はありません。毎年のように問われます。
目で見て確認しよう
特定疾病16種類(一覧)
16種類すべてを暗記する必要はありませんが、がん・関節リウマチ・ALS・パーキンソン病・認知症などが代表です。まずは眺めて、雰囲気をつかみましょう。
特定疾病16種類の一覧です。全部を丸暗記する必要はありません。
代表は、がん末期、関節リウマチ、ALS、パーキンソン病、初老期の認知症などです。
画面に16個並べました。今は、こういう老化に関係する病気が並んでいるんだな、と眺めるだけで大丈夫です。
パーキンソン病やがん末期など、ニュースでも聞く病名が多いと気づけば十分です。
住民票がカギ
外国人は被保険者になる?
国籍ではなく、日本に生活の本拠(住民票)があるかで判断します。
被保険者になる
特別永住者や、3か月を超えて在留する中長期在留者で、年齢などの要件を満たす人
ならない
日本国籍でも、外国に長期滞在し日本に住民票がない人
外国人は被保険者になるのか。判断のカギは国籍ではありません。
日本に生活の本拠、つまり住民票があるかどうかで決まります。
特別永住者や、3か月を超えて在留する外国人で、年齢などの要件を満たす人は被保険者になります。
逆に、日本国籍でも、外国に長く住んで日本に住民票がない人は、被保険者になりません。
ポイントは、日本人だから・外国人だからではなく、住民票があるかどうかです。
施設に入っている特別なケース
適用除外(被保険者にならない人)
条件を満たしていても、特定の施設に入っている間は当分の間、被保険者になりません。これを適用除外といいます。
- 長く入所していて介護サービスを受ける可能性が低い
- 施設が介護に当たるサービスを提供している
次に適用除外です。条件を満たしていても、被保険者にならない人がいます。
特定の施設に入っている間は、当分の間、被保険者になりません。
理由は2つ。長く入所していて介護サービスを受ける可能性が低いこと。
そして、その施設がすでに介護に当たるサービスを提供していることです。
代表は、障害者支援施設や救護施設、労災の介護施設など。障害・救護・労災の施設、とざっくり押さえれば大丈夫です。
届け出なしで自動的に
資格はいつ取得する?
介護保険の資格は、申請や手続きなしで自動的に取得します。これを発生主義といいます。
- 第1号:65歳の誕生日の前日に取得
- 第2号:40歳になり、かつ医療保険加入者であるとき(40歳の誕生日の前日)
- 他の市町村から引っ越してきた日、適用除外施設を退所した日なども取得日
資格はいつ取得するのか。実は届け出なしで自動的に取得します。これを発生主義といいます。
第1号は、65歳の誕生日の前日に取得します。
第2号は、40歳になり、医療保険に入っているとき。やはり40歳の誕生日の前日です。
ほかにも、他の市町村から引っ越してきた日や、適用除外施設を退所した日も取得日になります。
注意は、当日ではなく前日という点。年齢計算の独特なルールです。
原則『翌日』、例外『当日』
資格はいつ喪失する?
資格を失うタイミングは、原則と例外を分けて覚えます。
原則:翌日に喪失
死亡した日の翌日、市町村から引っ越した日の翌日に喪失
例外:当日に喪失
第2号が医療保険加入者でなくなった場合は、その当日に喪失
資格を失うタイミングです。原則と例外を分けて覚えます。
原則は翌日。死亡した日の翌日、引っ越した日の翌日に喪失します。
例外は当日。第2号が医療保険をやめて加入者でなくなった場合は、その当日に喪失します。
頻出のひっかけです。医療保険加入者でなくなった当日に第2号資格を失う、これは正しい。原則の翌日とまぜないように。
第1号は全員・第2号は申請者
被保険者証は誰に渡る?
被保険者証は、介護保険の被保険者であることの証明書です。配られる範囲が第1号と第2号で違います。
第1号
65歳以上には、申請しなくても全員に交付される
第2号
要介護・要支援認定を申請した人や、交付を申請した人にのみ交付
被保険者証は、被保険者であることの証明書です。配られる範囲が違います。
第1号は全員に交付されます。65歳以上には、申請しなくても届きます。
第2号は、要介護・要支援認定を申請した人や、交付を申請した人にだけ交付されます。
使う場面は、認定の申請やサービス利用のとき。資格を失ったら、すみやかに市町村へ返します。
施設のある市町村に偏らせない仕組み
住所地特例
原則は「住んでいる市町村の被保険者」です(住所地主義)。でも施設入所で住所を移すと、施設のある市町村に高齢者が偏ってしまいます。
- 自宅A市 → B市の施設に入所 ⇒ 保険者はA市のまま
- 対象:介護保険施設、特定施設(有料老人ホーム等)、養護老人ホーム等
最後に住所地特例です。原則は、住んでいる市町村の被保険者になります。
でも施設に入って住所を移すと、施設のある市町村に高齢者が偏ってしまいます。
そこで、施設に移っても保険者は元の市町村のまま、というルールにしています。
たとえば自宅がA市で、B市の施設に入っても、保険者はA市のままです。
対象は、介護保険施設や有料老人ホームなどの特定施設、養護老人ホームなどです。
理由は、施設の多い市町村に費用負担が集中しないようにするためです。
第7講 おつかれさまでした
まとめ & 次の講へ
第7講の要点です。第1号と第2号の違いを軸に整理しましょう。
- 第1号=65歳以上・原因問わず / 第2号=40〜64歳・医療保険加入・特定疾病のみ
- 特定疾病16種類(がん末期・パーキンソン病など)。交通事故は対象外
- 住民票で判断(外国人も対象に)。適用除外施設は被保険者にならない
- 取得は前日・自動(発生主義)/ 喪失は原則翌日・医療保険脱退は当日 / 住所地特例
第7講はこれで完了です。おつかれさまでした!
第1号は65歳以上で原因問わず。第2号は40から64歳で医療保険加入、特定疾病のときだけ。
特定疾病は16種類。がん末期やパーキンソン病など。交通事故は対象外でした。
被保険者かどうかは住民票で判断。適用除外施設に入っている人は被保険者になりません。
取得は前日に自動的に、喪失は原則翌日、医療保険脱退だけ当日。そして住所地特例。次の講も頑張りましょう。
この講の一問一答(◯×8問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
第1号被保険者は、65歳以上の者である。
答えと解説
◯ 第1号=65歳以上。原因を問わず給付対象。
第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
答えと解説
◯ 第2号=40〜64歳で医療保険に加入している人。
第2号被保険者は、交通事故が原因で要介護状態になった場合でも介護給付を受けられる。
答えと解説
✕ 第2号は特定疾病が原因のときのみ。交通事故など特定疾病以外が原因では給付なし。
加齢に伴う特定疾病は、政令で16種類定められている。
答えと解説
◯ 末期がん・関節リウマチ・ALSなど施行令で定める16種類。
第1号被保険者の資格は、65歳の誕生日の前日に取得する。
答えと解説
◯ 資格取得は申請不要の自動(発生主義)。取得日は誕生日の“前日”。
医療保険を脱退して第2号被保険者でなくなる場合、資格は脱退日の翌日に喪失する。
答えと解説
✕ 医療保険脱退による喪失は“当日”。死亡・転出は“翌日”喪失で、ここと混同しやすい。
被保険者証は、第1号・第2号を問わず全員に交付される。
答えと解説
✕ 第1号は全員交付。第2号は認定申請者・交付申請者のみ。
住所地特例の対象施設に入所して住所を移しても、保険者は引き続き元の市町村となる。
答えと解説
◯ 施設集中地への負担偏りを防ぐ仕組み。介護保険施設・特定施設・養護老人ホーム等が対象。
五肢複択
介護保険の被保険者について正しいものを2つ選べ。
- 第1号被保険者は、原因を問わず要介護認定を受けられる。
- 第2号被保険者は、35歳以上の医療保険加入者である。
- 生活保護を受けている40歳以上65歳未満の者は、第2号被保険者となる。
- 第2号被保険者は、特定疾病が原因の場合に給付を受けられる。
- 海外に居住する日本人は、第1号被保険者となる。
答えと解説
正解:1・4
1 正しい。第1号は原因を問わない。
2 誤り。第2号は40〜64歳。
3 誤り。生活保護受給者は医療保険未加入扱いで第2号にならない(介護扶助で対応)。
4 正しい。第2号は特定疾病が原因のときに給付対象。
5 誤り。住民票(生活の本拠)で判断するため、海外在住の日本人はならない。
資格の取得・喪失について正しいものを2つ選べ。
- 第1号被保険者の資格取得には、市町村への申請が必要である。
- 第1号被保険者の資格は、65歳の誕生日の前日に取得する。
- 被保険者が死亡した場合、資格は死亡日の翌日に喪失する。
- 適用除外施設に入所中の者も、被保険者となる。
- 第2号被保険者には、全員に被保険者証が交付される。
答えと解説
正解:2・3
1 誤り。資格取得は申請不要・自動(発生主義)。
2 正しい。取得は誕生日の前日。
3 正しい。死亡・転出による喪失は翌日(医療保険脱退は当日)。
4 誤り。適用除外施設の入所中は被保険者にならない。
5 誤り。第2号は認定申請者・交付申請者のみ交付。