介護支援分野 > 第25講 施設介護支援|計画担当・入所判定委員会を押さえる/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CH1 SEC25
第25講 施設介護支援
施設介護支援は、介護保険施設の入所者に対して、施設のケアマネが施設サービス計画をつくる仕事です。
- ①施設介護支援とは(計画担当介護支援専門員の責務)
- ②サービスの過程(入所→インテーク→課題分析→計画→モニタリング)
- ③施設サービス計画に含める事項
- ④よく出る数字とひっかけ
第25講を始めましょう。テーマは施設介護支援です。第1章の最後の単元です。
施設介護支援は、介護保険施設の入所者に対して、施設のケアマネが施設サービス計画をつくる仕事です。
今日のゴールは4つです。
1つめ、施設介護支援とは。計画担当介護支援専門員の責務を見ます。
2つめ、サービスの過程。入所からモニタリングまでの流れです。
3つめ、施設サービス計画に含める事項。
4つめ、よく出る数字とひっかけです。
計画担当介護支援専門員
施設介護支援とは
対象は介護保険施設の入所者。施設介護支援の事業所が別にあるわけではありません。
- 施設の介護支援専門員が施設サービス計画を作成し、計画どおり提供されるよう連絡・調整
- この業務を担当するケアマネを計画担当介護支援専門員とよぶ
施設介護支援の対象は、介護保険施設の入所者です。
居宅介護支援のように、施設介護支援の事業所が別に設けられているわけではありません。施設にいるケアマネが担当します。
施設の介護支援専門員が、入所者の施設サービス計画をつくり、計画どおりにサービスが提供されるよう連絡や調整を行います。
この業務を担当するケアマネを、計画担当介護支援専門員とよびます。
入所時の把握
計画担当の責務①
計画担当介護支援専門員の責務です。
- 入所時、居宅介護支援事業者に照会等で、心身の状況・生活歴・病歴・サービス利用状況等を把握
- 入所者が居宅で日常生活を営めるか、定期的に検討
計画担当介護支援専門員の責務を見ていきます。
まず、入所のときに、居宅介護支援事業者への照会などで、心身の状況、生活歴、病歴、それまでのサービスの利用状況などを把握します。
そして、入所者が居宅で日常生活を営めるかどうかを、定期的に検討します。
退所援助・記録
計画担当の責務②
- 居宅で生活できると認められる入所者には、円滑な退所のための援助
- 退所時、居宅介護支援事業者へ情報提供し、保健医療・福祉サービスの提供者と連携
- 苦情の内容、事故の状況と採った処置等を記録
居宅で生活できると認められる入所者には、円滑に退所できるよう援助します。
退所のときは、居宅介護支援事業者に情報を提供し、保健医療サービスや福祉サービスの提供者と密接に連携します。
そして、入所者や家族からの苦情の内容、事故の状況と、事故のときに採った処置などを記録します。第28回で出ました。
サービスの過程
施設入所までの流れ
ここからサービスの過程です。在宅での生活が難しくなると、介護保険施設への入所が考えられます。
入所にあたっては、まず施設に入所希望を出します。
次に、施設に置かれた、入所に関する検討のための委員会、入所判定委員会の合議を経て、入所が確定します。
そして、利用者の意思を確認して、入所が決定されます。
利用者情報の収集
インテーク
インテークとは、利用者情報の収集のこと。その面接をインテーク面接といいます。
- 入所判定委員会での検討や、意思確認後の面接などで、入所前にほぼ情報は集まっていることが多い
- 入所後、あらためて利用者・家族に面接し、サービスを説明して同意を得る
過程の1つめ、インテークです。インテークとは、利用者情報を集めることで、そのための面接をインテーク面接とよびます。
入所判定委員会での検討や、入所の意思確認のあとの面接などがあるので、入所前には必要な情報がほとんど集まっていることが多くなります。
入所したあとは、あらためて利用者と家族に面接して情報を集め、施設が提供するサービスを説明し、同意を得ます。
様式は自由
課題分析
過程の2つめ、課題分析です。本人の意向と課題を明らかにするために行います。
様式は自由ですが、目安として課題分析標準項目が示されています。居宅介護支援と同じ、合計23項目です。
説明と同意
施設サービス計画原案
課題分析でニーズをつかんだら、計画担当介護支援専門員が施設サービス計画の原案をつくります。
- 原案は入所者への説明と同意が必要
- 必要に応じて、家族にも説明・同意を得ることが望ましい
過程の3つめ、計画原案の作成です。課題分析でニーズをつかんだら、計画担当のケアマネが原案をつくります。
原案の内容は、入所者への説明と同意が必要です。
そして、必要に応じて、家族にも説明して同意を得ることが望ましいとされています。
意向・認定審査会の意見
計画に含める事項①
- 利用者・家族の生活に対する意向(確認できない/食い違う場合はその旨を記載)
- 介護認定審査会の意見・サービスの種類の指定(被保険者証の留意点を転記)
施設サービス計画に含める事項を見ます。
まず、利用者と家族の、生活に対する意向。意向の確認ができない場合や、利用者と家族で食い違う場合は、その理由や調整が難しい旨を記載します。
次に、介護認定審査会の意見と、サービスの種類の指定。これは介護保険被保険者証にある留意点を転記します。
援助方針・課題
計画に含める事項②
- 総合的な援助の方針(長期目標と整合する包括的な目標)
- 生活全般の解決すべき課題(優先順位をつけて記載。必要性・改善可能性・緊急性が高いものを優先)
総合的な援助の方針は、長期目標と整合性のある、包括的な目標として記載します。
そして、生活全般の解決すべき課題には、優先順位をつけます。必要性が高いもの、改善の可能性や緊急性が高いものを優先します。
目標・サービス内容
計画に含める事項③
- 目標=各課題に、長期目標と、その段階としての短期目標
- 目標の期間/サービスの内容・担当者・頻度・援助期間(誰が・何を・どの頻度で・どれくらい)
目標は、課題ごとに、到達点を示す長期目標と、その段階としての短期目標を示します。
さらに、目標の期間、そしてサービスの内容・担当者・頻度・援助期間。誰が、何を、どんな頻度で、どれくらいの期間提供するかを記載します。
第26回 ○
地域の自発的活動も位置づけ
ここはよく出ます。施設サービス計画は、施設のサービスだけでなく、入所者の日常生活全般を支援する観点から、地域の住民による自発的な活動、つまりインフォーマルなサービスの利用も含めて、計画に位置づけるよう努めなければなりません。第26回で、正しい、として出ました。
具体化と保存
週間・日課計画/2年保存
- 具体化のため、週単位の週間サービス計画、1日単位の日課サービス計画を作成(いずれか選択も可)
- 作成した計画は入所者に遅滞なく交付
- 交付した施設サービス計画は2年間保存
計画を具体的に展開するために、週単位の週間サービス計画と、1日単位の日課サービス計画をつくります。必要に応じて、どちらかを選ぶこともできます。
できた計画は、入所者に遅滞なく交付します。
そして、交付した施設サービス計画は、2年間保存します。
サービスの過程④
担当者会議と計画の確定
過程の4つめ、サービス担当者会議と計画の確定です。
施設・週間・日課の計画原案ができたら、利用者・家族・関係者などでサービス担当者会議を開き、内容を検討します。
そのうえで、計画を確定します。
サービスの過程⑤
モニタリング
- 利用者ごとにモニタリングの期間を設定
- 定期的な面接と、定期的なサービス担当者会議を開催
- 状況に応じて計画を見直し、必要なら再アセスメントして書き換え
過程の5つめ、モニタリングです。利用者ごとに、モニタリングの期間を設定します。
そして、定期的な面接と、定期的なサービス担当者会議を開きます。
状況に応じて施設サービス計画を見直し、必要があれば、再アセスメントをして計画を書き換えます。
第1章おつかれさまでした
第25講 まとめ
- 施設のケアマネ=計画担当介護支援専門員が施設サービス計画を作成
- 入所は入所判定委員会の合議/原案は入所者に説明・同意(家族にも望ましい)
- 地域の自発的活動も位置づけ/計画は2年保存/会議・面接でモニタリング
第25講のまとめです。施設のケアマネ、計画担当介護支援専門員が、施設サービス計画をつくります。
入所は入所判定委員会の合議を経て決まります。計画の原案は入所者に説明して同意を得ます。家族にも説明・同意が望ましいです。
地域の自発的な活動も計画に位置づけ、施設サービス計画は2年保存。担当者会議と面接でモニタリングします。
おつかれさまでした。これで第1章、介護支援分野の単元はひと区切りです。読んで復習したい人は、下の解説記事もどうぞ。
この講の一問一答(◯×11問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
施設介護支援の対象は、介護保険施設の入所者である。
答えと解説
◯ ○。施設の介護支援専門員=計画担当介護支援専門員が施設サービス計画を作成する。
施設介護支援は、施設とは別に専用の事業所を設けて支援を行う。
答えと解説
✕ ×。施設介護支援の事業所が別に設けられるわけではなく、施設のケアマネが担当する。
施設サービス計画の業務を担当する介護支援専門員を、計画担当介護支援専門員という。
答えと解説
◯ ○。入所者に施設サービス計画を作成し、計画どおり提供されるよう連絡・調整する。
計画担当介護支援専門員は、入所者・家族からの苦情の内容等を記録する。
答えと解説
◯ ○(第28回)。事故の状況および事故に際して採った処置についても記録する。
施設への入所は、入所判定委員会の合議を経て確定し、利用者の意思確認をして決定する。
答えと解説
◯ ○。施設に入所希望を出し、入所に関する検討の委員会(入所判定委員会)の合議を経る。
施設サービス計画原案は、入所者への説明と同意を得る必要がある。
答えと解説
◯ ○。必要に応じて、家族にも説明し同意を得ることが望ましい。原案を作るのは計画担当介護支援専門員。
施設サービス計画の課題分析には、課題分析標準項目は示されていない。
答えと解説
✕ ×。課題分析の様式は自由だが、課題分析標準項目(23)が示されている。
介護認定審査会の意見やサービスの種類の指定は、介護保険被保険者証の留意点を転記する。
答えと解説
◯ ○。出どころ(被保険者証)が問われる。
施設サービス計画は、地域住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて位置づけるよう努めなければならない。
答えと解説
◯ ○(第26回)。入所者の日常生活全般を支援する観点から位置づける。
交付した施設サービス計画は、5年間保存しなければならない。
答えと解説
✕ ×。2年間保存する。専門員証の5年などと数字を混同しない。
施設サービス計画原案について、家族への説明・同意は一切必要とされない。
答えと解説
✕ ×。入所者への説明と同意が必要で、必要に応じて家族にも説明・同意を得ることが望ましい。
五肢複択
施設介護支援について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 施設介護支援は、施設とは別の専用事業所が担当する
- 施設サービス計画を作成するのは計画担当介護支援専門員である
- 入所は入所判定委員会の合議を経て確定する
- 施設サービス計画原案は、入所者への説明と同意を得る必要がある
- 交付した施設サービス計画の保存は不要である
答えと解説
正解:2・3・4
1 誤り。別事業所はなく、施設のケアマネが担当する。
2 正しい。
3 正しい。
4 正しい。
5 誤り。2年間保存する。
施設サービス計画に含める事項等について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 介護認定審査会の意見は、介護保険被保険者証の留意点を転記する
- 生活全般の解決すべき課題は、優先順位をつけて記載する
- 施設サービス計画は施設のサービスのみで構成し、インフォーマルサービスは含めない
- 目標は長期目標のみを示し、短期目標は設けない
- 課題分析の様式は自由だが、課題分析標準項目が示されている
答えと解説
正解:1・2・5
1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。地域住民の自発的な活動も含めて位置づけるよう努める。
4 誤り。長期目標と、その段階としての短期目標を示す。
5 正しい。