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保険給付|給付の種類・額・しくみ

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介護支援分野 > 第11講 保険給付|給付の種類・額・しくみ/全文

この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。

第11講 はじめに

保険給付って、結局なんの話?

第11講のテーマは保険給付。介護サービスにかかったお金を、介護保険がどう肩代わりしてくれるかの仕組みです。

この講は「誰に・いくら・どう払うか」の3点を軸に整理すると、ぐっと覚えやすくなります。

第11講のテーマは保険給付。介護サービスにかかったお金を、介護保険がどう肩代わりしてくれるかの仕組みです。

まず誰に給付するか。これは介護給付・予防給付・市町村特別給付の3種類があります。

次にいくら出るか。原則は9割。所得によって8割・7割の人もいます。

そしてどう払われるか。原則は現物給付で、代理受領という方法を使います。

この講は、誰に・いくら・どう払うか、の3点を軸に整理すると覚えやすくなります。

まずは土台の考え方

保険給付の理念(介護保険法第2条)

保険給付の基本的な考え方は、介護保険法第2条に書かれています。試験での重要度は高くないので、雰囲気をつかめば十分です。

ここだけ覚える
「悪化防止」「医療連携」「本人の選択」「居宅で自立」——介護保険が大事にしている言葉が並んでいる、と押さえればOK。

保険給付の基本的な考え方は、介護保険法第2条に書かれています。試験での重要度は高くないので、雰囲気をつかめば十分です。

まず、要介護状態などに応じて、必要な給付を行うこと。

そして、状態の軽減や悪化の防止に役立つように行うこと。

医療との連携にも十分配慮します。

被保険者本人の選択にもとづいて、適切なサービスを提供すること。

そして、居宅での自立した日常生活を営めるよう配慮します。

悪化防止・医療連携・本人の選択・居宅で自立。介護保険が大事にしている言葉が並んでいる、と押さえれば大丈夫です。

現物給付という考え方

本当は「お金」、でも実際は「サービス」

法律上、保険給付は「サービスにかかった費用を被保険者に支給する」と書かれています。つまり建前はお金(現金)の給付です。

法律の建前

現金給付

本人が費用を立て替え、あとで保険からお金が戻る

実際の運用

現物給付

本人は1割だけ払えばよく、サービスそのものを受けられる

なぜこうなる? → 本人が毎回全額立て替えるのは大変。そこで「代理受領」という方法で、現物給付のように使えるようにしています。次のスライドで詳しく。

法律上、保険給付は、サービスにかかった費用を被保険者に支給する、と書かれています。つまり建前はお金の給付です。

建前では、本人がいったん費用を立て替えて、あとで保険からお金が戻る、という現金給付の形です。

でも実際には、本人は1割だけ払えばよく、サービスそのものを受けられる現物給付として運用されています。

毎回全額立て替えるのは大変だからです。そこで代理受領という方法で、現物給付のように使えるようにしています。

現物給付を支える仕組み

代理受領のしくみ(法定代理受領方式)

利用者の代わりに事業者が保険給付を受け取る方法を代理受領といいます。法律で定めているので法定代理受領方式と呼びます。

利用者は
1割を払う
残り9割は
市町村→事業者
利用者は
立替え不要
引っかけ注意
ケアプランは「事業所に作成を依頼しなければならない」わけではありません。自己作成(セルフケアプラン)でもOKです。

利用者の代わりに事業者が保険給付を受け取る方法を代理受領といいます。法律で定めているので、法定代理受領方式と呼びます。

流れはこうです。利用者は1割を払う。残りの9割は市町村から事業者へ。だから利用者は立て替えが要りません。

代理受領の要件は、まず指定事業者や指定施設の指定サービスであること。

そして居宅サービスなどでは、ケアプランを市町村に届け出ていること。これは自分で作った計画でも構いません。

ここは引っかけ注意。ケアプランは事業所に依頼しなければならない、わけではなく、自己作成でもOKです。

代理受領じゃないグループ

立て替え払いになるもの(償還払い)

代理受領が使えず、いったん全額払って後で戻してもらうものもあります。これを償還払いといいます。

これらは「買ってから・直してから・払いすぎてから」精算する性質のもの。だから先に全額、あとで保険分が戻る償還払いになります。
覚え方
買う・直す・払い戻し」は償還払い。日常の通所や訪問のような毎回のサービスは現物給付(代理受領)。

代理受領が使えず、いったん全額払って後で戻してもらうものもあります。これを償還払いといいます。

まず、福祉用具の購入費。特定福祉用具の販売です。

次に、住宅改修費。手すりの取り付けや段差解消などですね。

そして、高額介護サービス費と、高額医療合算介護サービス費。

これらは買ってから、直してから、払いすぎてから精算する性質のもの。だから先に全額、あとで保険分が戻る償還払いです。

覚え方は、買う・直す・払い戻し、は償還払い。毎回の通所や訪問は現物給付、と区別しましょう。

審査・支払いのしくみ

お金の流れと国保連の役割

現物給付化されたサービス費用は、市町村から事業者へ支払われます。この事務を任されるのが国保連です。

ここがポイント
国保連は都道府県単位。「市町村ごと」ではありません。審査と支払いの事務を市町村から委託されている、と覚えましょう。

現物給付化されたサービス費用は、市町村から事業者へ支払われます。この事務を任されるのが国保連です。

国保連は、国民健康保険団体連合会の略。都道府県単位で設置されています。

流れは、事業者が国保連に請求し、国保連が市町村に請求、市町村が支払い、国保連が事業者に支払う、という形です。

さらに国保連は、その請求が適正かどうかの審査も行います。

ポイントは、国保連は都道府県単位だということ。市町村ごとではありません。審査と支払いの事務を市町村から委託されている、と覚えましょう。

保険給付の額①

いくら給付される? 原則は9割

保険給付の額は、原則として費用の9割。残りの1割が利用者の自己負担です。

原則のケース
9割保険給付
1割自己負担
「費用の何割を保険が出すか」を給付率といいます。原則は9割給付・1割負担。ここを基準に、所得が高い人だけ負担が増えていきます(次のスライド)。

保険給付の額は、原則として費用の9割です。残りの1割が利用者の自己負担になります。

図のように、9割を保険が給付し、1割を本人が負担する。これが原則のかたちです。

費用の何割を保険が出すかを給付率といいます。原則は9割給付・1割負担。ここを基準に、所得が高い人だけ負担が増えていきます。

保険給付の額②(頻出)

所得が高いと8割・7割に

一定以上の所得がある人は、自己負担が2割・3割に上がります(給付は8割・7割)。

一定以上の所得(合計所得160万円以上 / 年金収入者は単身280万円以上)
8割給付
2割負担
特に高い所得(合計所得220万円以上 / 年金収入者は単身340万円以上)
7割給付
3割負担
覚え方
給付率は9 → 8 → 7と階段で下がる。基準の数字は「160/280で2割」「220/340で3割」。所得が上がるほど自分で多く払う、と理解で押さえる。

一定以上の所得がある人は、自己負担が2割や3割に上がります。給付は8割・7割になります。

まず、合計所得160万円以上、年金収入者なら単身で280万円以上の人は、給付が8割、自己負担が2割です。

さらに高い、合計所得220万円以上、年金収入者なら単身340万円以上の人は、給付が7割、自己負担が3割になります。

覚え方は、給付率は9・8・7と階段で下がる。基準は160と280で2割、220と340で3割。所得が上がるほど自分で多く払う、と理解しましょう。

ケアマネジメントは10割給付

自己負担ゼロの例外

ほとんどのサービスは1割(〜3割)負担ですが、例外があります。

10割給付
居宅介護支援 / 介護予防支援(ケアマネジメント)は利用者負担なし
なぜ無料?
ケアマネジメントの費用で利用をためらわせないため。「相談・計画づくりはタダ」とイメージすると覚えやすい。試験頻出ポイントです。

ほとんどのサービスは1割から3割の負担ですが、例外があります。

居宅介護支援と介護予防支援、つまりケアマネジメントは、10割給付で利用者負担がありません。

ケアプラン作成などの居宅介護支援は、全額が保険給付です。

介護予防支援も同じく、利用者負担はありません。

これは、ケアマネジメントの費用で利用をためらわせないため。相談や計画づくりはタダ、とイメージすると覚えやすいです。試験によく出ます。

こんなときは給付されない

給付が制限される場合

一定の事情があると、保険給付が制限されることがあります。

拘禁だけ「行わない」と言い切り、あとは「全部または一部」行わない、という書き分けが狙われます。

一定の事情があると、保険給付が制限されることがあります。

まず、刑事施設や労役場などに拘禁されたとき。このときは給付を行いません。

故意の犯罪や重大な過失で要介護などになったときは、全部または一部を行いません。

正当な理由なくサービス利用などの指示に従わないときも、全部または一部を行いません。

正当な理由なく文書の提出を拒否したり、職員の質問に答えないときも、全部または一部を行いません。

拘禁だけは行わないと言い切り、あとは全部または一部行わない、という書き分けが狙われます。

保険給付の種類(重要度A)

給付は3種類に分かれる

介護保険の保険給付は、大きく3種類です。誰に対する給付かで分かれます。

介護給付
要介護者へ
予防給付
要支援者へ
特別給付
市町村が条例で
市町村特別給付=横出し
移送・配食・寝具乾燥など、国の給付に上乗せ・横出しする独自サービス。お金は1号保険料でまかなう、が頻出。

介護保険の保険給付は、大きく3種類です。誰に対する給付かで分かれます。

介護給付・予防給付・市町村特別給付。この3つです。

介護給付は、要介護者に対する給付です。

予防給付は、要支援者に対する給付です。

市町村特別給付は、市町村が条例で独自に定める給付。横出しサービスとも呼ばれ、財源は第1号被保険者の保険料です。

市町村特別給付は、移送や配食、寝具乾燥などの独自サービス。お金は1号保険料でまかなう、というのが頻出ポイントです。

給付の種類を整理

介護給付と予防給付の中身

介護給付(要介護者向け)と予防給付(要支援者向け)は、同じ顔ぶれが「予防」付きで対になっているのが特徴です。

介護給付(要介護者)

居宅介護サービス費/地域密着型/施設介護サービス費/福祉用具購入費/住宅改修費/居宅介護サービス計画費/高額介護サービス費 など

予防給付(要支援者)

介護予防サービス費/地域密着型介護予防/介護予防福祉用具購入費/介護予防住宅改修/介護予防サービス計画費 など

対で覚える
介護給付に「介護予防」を付ければ予防給付。ただし施設サービスは予防給付にない——ここが引っかけ。

介護給付と予防給付は、同じ顔ぶれが予防付きで対になっているのが特徴です。

左が要介護者向けの介護給付、右が要支援者向けの予防給付。名前がほぼ対応しているのが分かります。

多くの給付には、特例マルマルという特例版があります。これは次のスライドで説明します。

ただし注意。予防給付には施設サービス費がありません。要支援者は施設入所の対象外だからです。

覚え方は、介護給付に介護予防を付ければ予防給付。でも施設サービスは予防給付にない、ここが引っかけです。

「特例」が付く給付

特例サービス費とは

給付のなかには「特例〇〇サービス費」というものがあります。本来の支給要件を満たさないが、市町村が必要と認めたときの給付です。

これらを市町村が認めると、費用相当額を基準に償還払いで支給します。支払い方は、立て替え→あとで戻る、です。
引っかけ頻出
「特例特定入所者介護サービス費は市町村特別給付の一つ」は誤り。特例〇〇は介護給付(または予防給付)の一つです。

給付のなかには、特例マルマルサービス費というものがあります。本来の支給要件を満たさないけれど、市町村が必要と認めたときの給付です。

たとえば、指定事業者以外からサービスを受けたとき。

認定の申請前に、緊急などでサービスを受けたとき。

緊急やむを得ず、被保険者証を提示せずに受けたとき。

これらを市町村が認めると、費用相当額を基準に償還払いで支給します。立て替えて、あとで戻る形です。

引っかけ頻出。特例マルマルは市町村特別給付ではなく、介護給付または予防給付の一つです。ここを間違えないように。

どっちが優先?

他の制度との給付の調整

介護保険と似た給付が他の法律にもある場合、どちらを優先するかのルールがあります。

一点だけ覚える
災害補償(労災など)だけ介護保険に勝つ」。残りは全部介護保険が優先。国家賠償的な性格が強いものは介護保険より優先、と理解。

介護保険と似た給付が他の法律にもある場合、どちらを優先するかのルールがあります。

まず、労災や公務災害などの災害補償関係各法。これだけは各法が優先で、介護保険より上です。

医療保険各法に対しては、介護保険が優先します。

障害者総合支援法の自立支援給付に対しても、介護保険が優先です。

生活保護法の介護扶助に対しても、介護保険が優先します。

覚えるのは一点。災害補償、つまり労災などだけが介護保険に勝つ。残りは全部介護保険が優先、と覚えましょう。

第11講 おつかれさまでした

第三者行為・不正利得 & まとめ

最後に、事故や不正にまつわる給付の扱いと、第11講のまとめです。

第11講のキモ
誰に=介護・予防・特別給付/いくら=9・8・7割(支援は10割)/どう=現物給付(代理受領)。調整は災害補償だけ優先、不正は事業者に4割加算
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最後に、事故や不正にまつわる給付の扱いと、第11講のまとめです。

第三者行為。交通事故などが原因のときは、市町村は損害賠償の範囲内で給付責任を免れます。すでに給付していれば、第三者に求償できます。

不正利得の徴収。偽りなどで給付を受けた人からは、全部または一部を徴収します。事業者が不正に受け取った場合は、返還額に4割を加算して徴収できます。

第11講のキモ。誰には介護・予防・特別給付、いくらは9・8・7割で支援は10割、どうは現物給付で代理受領。調整は災害補償だけ優先、不正は事業者に4割加算です。

おつかれさまでした。次は第12講、または問題演習で力だめししてみましょう。

この講の一問一答(◯×10問・五肢複択2問)

すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →

  1. 介護給付は要介護1〜5の人、予防給付は要支援1・2の人が対象である。

    答えと解説

     正しい。要介護は介護給付、要支援は予防給付。対象の振り分けは頻出です。

  2. 保険給付は、介護給付・予防給付・市町村特別給付の3種類に大きく分けられる。

    答えと解説

     正しい。市町村特別給付は市町村が条例で独自に行う給付(横出しサービス)です。

  3. 市町村特別給付の財源は、第2号被保険者の保険料でまかなわれる。

    答えと解説

     誤り。市町村特別給付の財源は第1号被保険者の保険料です。

  4. 介護保険のサービスは、原則として費用の9割が保険給付され、利用者負担は1割である。

    答えと解説

     正しい。所得に応じて2割・3割負担となる人もいます(負担割合9/8/7)。

  5. 現物給付とは、利用者がいったん全額を支払い、後で現金で払い戻しを受ける方式である。

    答えと解説

     誤り。それは償還払い。現物給付は、利用者は自己負担分だけ払えばサービスを受けられる方式です。

  6. 法定代理受領により、利用者は自己負担分だけを事業者に支払えばよい。

    答えと解説

     正しい。残りの保険給付分は市町村から事業者へ直接支払われ、現物給付化されます。

  7. 居宅介護支援(ケアプラン作成)の費用は、利用者の自己負担が1割である。

    答えと解説

     誤り。居宅介護支援は全額が保険給付(10割給付)で、利用者負担はありません。

  8. 償還払いでは、利用者がいったん費用の全額を支払い、後から保険給付分の払い戻しを受ける。

    答えと解説

     正しい。福祉用具購入費や住宅改修費などが代表例です。

  9. 要介護認定の効力は、原則として申請日にさかのぼって生じる。

    答えと解説

     正しい。認定の効力は申請日に遡及します。認定前にサービスを受けても給付対象になり得ます。

  10. 介護給付を受けようとする被保険者は、原則として要介護認定を受けなければならない。

    答えと解説

     正しい。保険給付の前提として要介護・要支援認定が必要です。

五肢複択

  1. 介護保険の保険給付について、正しいものを2つ選べ。

    • 保険給付は介護給付・予防給付・市町村特別給付に大別される。
    • 予防給付の対象は要介護1〜5の者である。
    • 市町村特別給付の財源は第2号被保険者の保険料である。
    • 原則として費用の9割が給付され、利用者負担は1割である。
    • 居宅介護支援の費用には1割の自己負担がある。
    答えと解説

    正解:1・4

    1 正しい。

    2 誤り。予防給付は要支援1・2が対象。

    3 誤り。財源は第1号被保険者の保険料。

    4 正しい。所得により2割・3割もある。

    5 誤り。居宅介護支援は10割給付で自己負担なし。

  2. 保険給付の支払方式について、正しいものを2つ選べ。

    • 現物給付では、利用者がいったん全額を支払う。
    • 現物給付では、利用者は自己負担分だけ支払えばよい。
    • 法定代理受領により保険給付分は市町村から事業者へ直接支払われる。
    • 償還払いでは利用者負担が生じない。
    • 居宅介護支援には1割の自己負担がある。
    答えと解説

    正解:2・3

    1 誤り。全額支払うのは償還払い。

    2 正しい。

    3 正しい。これにより現物給付化される。

    4 誤り。償還払いは一度全額払い後で払い戻し。

    5 誤り。居宅介護支援は全額給付。

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