介護支援分野 > 第12講 介護給付・予防給付|サービスの種類/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第12講 はじめに
介護保険のサービス、全部でいくつ?
第11講では「給付の3種類」を学びました。第12講は、その中身——実際にどんなサービスがあるかを整理します。
- 大きく介護給付(要介護者)と予防給付(要支援者)の2本立て
- それぞれ居宅・施設・地域密着・支援の4グループに分かれる
- 最大のヤマは「誰が指定するか」——都道府県か市町村か
第11講では給付の3種類を学びました。第12講は、その中身、実際にどんなサービスがあるかを整理します。
大きく、要介護者向けの介護給付と、要支援者向けの予防給付の2本立てです。
それぞれ、居宅・施設・地域密着・支援の4つのグループに分かれます。
そして最大のヤマが、誰が指定するか。都道府県か市町村か、です。
種類は多いですが丸暗記は不要。誰が指定するか、介護と予防の対比、この2軸で見れば一気にラクになります。
まず地図を頭に入れる
サービスの全体マップ
保険給付のサービスは、4つの箱で整理できます。介護給付にも予防給付にも、同じ箱が並びます。
- 居宅サービス(訪問・通所・短期入所など、家にいながら使う)
- 施設サービス(施設に入って使う)
- 地域密着型サービス(住み慣れた地域で使う、小規模)
- 居宅介護支援/介護予防支援(ケアプランづくり)
保険給付のサービスは、4つの箱で整理できます。介護給付にも予防給付にも、同じ箱が並びます。
1つ目は居宅サービス。訪問や通所、短期入所など、家にいながら使うものです。
2つ目は施設サービス。施設に入って使うものです。
3つ目は地域密着型サービス。住み慣れた地域で使う、小規模なサービスです。
4つ目は居宅介護支援、予防では介護予防支援。ケアプランをつくるサービスです。
先に一つ。予防給付には施設サービスがありません。要支援者は施設入所の対象外だからです。これを覚えておくと後がラクです。
指定権者の大原則(最重要)
最大のヤマ:誰が指定する?
サービス事業者には指定・監督する人がいます。都道府県知事か市町村長か——ここが第12講で一番出ます。
都道府県知事が指定
広く使うもの
居宅サービス/施設サービス/介護予防サービス
市町村長が指定
地域に密着するもの
地域密着型サービス/居宅介護支援/介護予防支援
サービス事業者には、指定・監督する人がいます。都道府県知事か市町村長か。ここが第12講で一番出ます。
都道府県知事が指定するのは、広く使うもの。居宅サービス・施設サービス・介護予防サービスです。
市町村長が指定するのは、地域に密着するもの。地域密着型サービス・居宅介護支援・介護予防支援です。
覚え方は、地域に密着するものは市町村、それ以外は都道府県。地元で完結するサービスを市町村が見る、とイメージしましょう。
ここで1点落とさない
指定権者の引っかけ
本番では、わざと逆にした選択肢が出ます。代表例がこれ。
- 通所介護は居宅サービス。だから指定は都道府県知事
- 市町村長が指定するのは地域密着型・居宅介護支援・介護予防支援だけ
本番では、わざと逆にした選択肢が出ます。代表例がこれです。
例題。通所介護は市町村長が指定する事業者が行うサービスである。これはバツ。
通所介護は居宅サービスです。だから指定は都道府県知事になります。
市町村長が指定するのは、地域密着型・居宅介護支援・介護予防支援だけ。
見分け方は、名前に地域密着型が付くか、ケアプランづくりの支援なら市町村。それ以外の普通のサービスは都道府県、と即断しましょう。
家に来てくれるサービス
居宅サービス①:訪問系
居宅サービスは全部で12種類。まずは家に来てくれる「訪問系」5つです。誰が来るかに注目。
- 訪問介護=訪問介護員(ヘルパー)。身体介護+生活援助
- 訪問入浴介護=介護職・看護職が浴槽を持参して入浴
- 訪問看護=看護師等。主治医の指示で療養上の世話・診療補助
- 訪問リハビリ=理学療法士・作業療法士等。主治医の指示で
- 居宅療養管理指導=医師・歯科医師・薬剤師等が管理・指導
居宅サービスは全部で12種類。まずは家に来てくれる訪問系5つです。誰が来るかに注目しましょう。
訪問介護は、訪問介護員、ヘルパーが来て、身体介護と生活援助を行います。
訪問入浴介護は、介護職と看護職が浴槽を持参して入浴を介助します。
訪問看護は、看護師などが主治医の指示で、療養上の世話や診療の補助を行います。
訪問リハビリは、理学療法士や作業療法士などが、主治医の指示で行います。
居宅療養管理指導は、医師・歯科医師・薬剤師などが、療養上の管理や指導を行います。
担い手で覚えましょう。看護は看護師、リハはPT・OT、管理指導は医師・歯科医師・薬剤師。誰が来るかを問う出題が多いです。
通う・泊まる
居宅サービス②:通所・短期入所系
次は、施設に通う「通所系」と、短期間泊まる「短期入所系」です。
- 通所介護(デイサービス)=施設に通って入浴・食事・機能訓練など
- 通所リハビリ=主治医の指示で、老健・医療機関に通ってリハビリ
- 短期入所生活介護(ショートステイ)=特養等に短期入所、生活介護中心
- 短期入所療養介護=老健等に短期入所、医療・看護中心
次は、施設に通う通所系と、短期間泊まる短期入所系です。
通所介護、デイサービスは、施設に通って入浴・食事・機能訓練などを受けます。
通所リハビリは、主治医の指示で、老健や医療機関に通ってリハビリを受けます。
短期入所生活介護、ショートステイは、特養などに短期入所し、生活介護が中心です。
短期入所療養介護は、老健などに短期入所し、医療や看護が中心です。
対で覚えましょう。通所は介護がデイサービス、リハが老健・医療機関。短期入所は生活が特養、療養が老健で医療あり、です。
残り3つ
居宅サービス③:そのほか
居宅サービスの残り3つ。施設に住みながら・道具・住まいの工夫に関わるものです。
- 特定施設入居者生活介護=有料老人ホーム等の入居者へ、計画に基づく介護
- 福祉用具貸与=福祉用具のレンタル
- 特定福祉用具販売=入浴・排せつ用など、厚生労働大臣が定める用具の販売
居宅サービスの残り3つ。施設に住みながら、道具、住まいの工夫に関わるものです。
特定施設入居者生活介護は、有料老人ホームなどの入居者に、計画に基づいて介護を行います。
福祉用具貸与は、福祉用具のレンタルです。
特定福祉用具販売は、入浴や排せつ用など、厚生労働大臣が定める用具の販売です。
福祉用具は原則レンタル。入浴・排せつ用など、他人が使い回しにくいものだけ特定福祉用具販売で買い取り、という線引きです。
施設は3種類
施設サービス:3つだけ
施設サービスは3種類だけ。それぞれ役割が違います。
福祉施設
保健施設
医療院
- 介護老人福祉施設(特養)=生活の場。介護中心
- 介護老人保健施設(老健)=在宅復帰を目指す。看護・リハ中心
- 介護医療院=長期療養+生活。医療と介護を一体で
施設サービスは3種類だけ。それぞれ役割が違います。
福祉・保健・医療。介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院の3つです。
介護老人福祉施設、いわゆる特養は、生活の場で、介護が中心です。
介護老人保健施設、老健は、在宅復帰を目指す施設で、看護やリハビリが中心です。
介護医療院は、長期の療養と生活を、医療と介護を一体で提供します。
福祉は暮らし、保健は家に帰るためのリハ、医療院は長く療養、と役割で区別すると混ざりません。
ここ、よく出ます
施設の引っかけ:許可と廃止
施設サービスには、2つの大事な引っかけがあります。
- 老健・介護医療院は「指定」ではなく「許可」(都道府県知事の許可)
- 介護老人福祉施設(特養)は「指定」
- 介護療養型医療施設は2024年(令和6年)3月末で廃止
施設サービスには、2つの大事な引っかけがあります。
老健と介護医療院は、指定ではなく許可です。都道府県知事の許可で開設します。
一方、介護老人福祉施設、特養は指定です。
そして介護療養型医療施設は、2024年、令和6年3月末で廃止されました。
覚え方は、医療っぽい2つ、老健と医療院は許可、特養は指定。そして療養型医療施設はもう無い。選択肢に出たら誤りです。
地域で使う小規模サービス
地域密着型①:訪問・通所系
地域密着型は全部で9種類。市町村が指定し、原則その市町村の住民が使います。まず訪問・通所系から。
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護=日中夜間を通じ、訪問介護と訪問看護が連携
- 夜間対応型訪問介護=夜間の定期巡回・通報による訪問
- 地域密着型通所介護=利用定員19人未満の小規模デイ
- 認知症対応型通所介護=認知症の人向けのデイサービス
地域密着型は全部で9種類。市町村が指定し、原則その市町村の住民が使います。まず訪問・通所系から。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が連携します。
夜間対応型訪問介護は、夜間の定期巡回や、通報による訪問を行います。
地域密着型通所介護は、利用定員19人未満の小規模なデイサービスです。
認知症対応型通所介護は、認知症の人向けのデイサービスです。
数字に注意。地域密着型通所介護の定員は19人未満。19人以下ではありません。小規模だから地域密着、と結びつけましょう。
残り5つ
地域密着型②:泊まり・住まい系
地域密着型の残り5つ。泊まりや住まいに関わるものです。
- 小規模多機能型居宅介護=通い・訪問・泊まりを組み合わせ
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)=認知症の人が共同生活
- 地域密着型特定施設入居者生活介護=定員29人以下の有料老人ホーム等
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護=定員29人以下の特養
- 看護小規模多機能型居宅介護=小多機+訪問看護
地域密着型の残り5つ。泊まりや住まいに関わるものです。
小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・泊まりを組み合わせて使えます。
認知症対応型共同生活介護、グループホームは、認知症の人が共同生活を送ります。
地域密着型特定施設入居者生活介護は、定員29人以下の有料老人ホームなどです。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、定員29人以下の特養です。
看護小規模多機能型居宅介護は、小多機に訪問看護を加えたものです。
数字で区別。地域密着型の特定施設と介護老人福祉施設は定員29人以下。通所は19人未満。通所19、施設29で覚えましょう。
ケアプランをつくる
居宅介護支援(ケアマネジメント)
居宅介護支援は、在宅の要介護者がサービスを上手に使えるよう支援する仕組み。介護保険のケアマネジメントを担います。
- 心身の状況に合わせてサービス計画(ケアプラン)を立てる
- 事業者との連絡調整を行う
- 指定するのは市町村長(地域密着型と同じグループ)
居宅介護支援は、在宅の要介護者がサービスを上手に使えるよう支援する仕組み。介護保険のケアマネジメントを担います。
心身の状況に合わせて、サービス計画、ケアプランを立てます。
そして、事業者との連絡調整を行います。
指定するのは市町村長。地域密着型と同じグループです。
第11講で学んだとおり、居宅介護支援は利用者負担なしの10割給付。相談・計画づくりはタダ、を思い出してください。
介護給付より少なめ
予防給付:要支援者向け
予防給付は要支援者向け。介護給付と顔ぶれは似ていますが、種類が少なく、いくつか無いものがあります。
- 介護予防サービス=10種類(「介護予防〇〇」の形)
- 地域密着型介護予防サービス=3種類だけ(予防認知症通所/予防小多機/予防グループホーム)
- 介護予防支援=予防のケアプランづくり
- 施設サービスは無い(要支援者は施設対象外)
予防給付は要支援者向け。介護給付と顔ぶれは似ていますが、種類が少なく、いくつか無いものがあります。
介護予防サービスは10種類。すべて介護予防マルマルという形です。
地域密着型介護予防サービスは3種類だけ。予防の認知症通所、予防の小多機、予防のグループホームです。
介護予防支援は、予防のケアプランづくりです。
そして施設サービスはありません。要支援者は施設の対象外だからです。
予防のグループホーム、介護予防認知症対応型共同生活介護は、要支援2のみが対象です。要支援1は使えません。よく問われます。
対で押さえる
介護給付と予防給付の対比
最後に、両者の違いを対比でつかみます。基本は「介護予防を付ければ対応」、でも無いものに注意。
介護給付(要介護)
居宅12/施設3/地域密着9/居宅介護支援。施設サービスあり
予防給付(要支援)
介護予防10/地域密着型予防3/介護予防支援。施設サービスなし
- 予防給付に無いもの:施設サービス全般/訪問介護・通所介護(総合事業へ移行)など
- 地域密着型は介護9種類に対し、予防は3種類だけ
最後に、両者の違いを対比でつかみます。基本は介護予防を付ければ対応、でも無いものに注意です。
介護給付は、居宅12・施設3・地域密着9・居宅介護支援。施設サービスがあります。
予防給付は、介護予防10・地域密着型予防3・介護予防支援。施設サービスがありません。
予防給付に無いものは、施設サービス全般、それに訪問介護や通所介護は総合事業へ移っています。
地域密着型は、介護が9種類に対し、予防は3種類だけです。
引っかけ。予防給付にも施設サービスがある、は誤り。要支援者は施設に入れない、が鉄則です。
第12講 おつかれさまでした
まとめ & 次の講へ
第12講のまとめです。種類は多いですが、要点は4つに絞れます。
- 指定権者:地域密着型・支援は市町村、それ以外は都道府県
- 施設は3つ:特養は指定、老健・医療院は許可。療養型医療施設は廃止
- 定員:地域密着型通所は19人未満、地域密着型の特定施設・老福は29人以下
- 予防給付:種類少なめ・施設なし・予防グループホームは要支援2のみ
第12講のまとめです。種類は多いですが、要点は4つに絞れます。
指定権者。地域密着型と支援は市町村、それ以外は都道府県です。
施設は3つ。特養は指定、老健と医療院は許可。療養型医療施設は廃止されました。
定員。地域密着型通所は19人未満、地域密着型の特定施設と老福は29人以下です。
予防給付。種類は少なめ、施設はなし、予防グループホームは要支援2のみが対象です。
おつかれさまでした。次は第13講、または問題演習で力だめししてみましょう。
この講の一問一答(◯×10問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
地域密着型サービスと居宅介護支援の指定は、市町村長が行う。
答えと解説
◯ 正しい。地域密着・支援・予防支援は市町村長、それ以外は都道府県知事です。
居宅サービス・施設サービスの指定は、市町村長が行う。
答えと解説
✕ 誤り。居宅・介護予防・施設は都道府県知事が指定します。
介護保険施設は、特養・老健・介護医療院の3つである。
答えと解説
◯ 正しい。療養型医療施設は2024年3月末で廃止されました。
指定介護老人福祉施設(特養)は、都道府県知事の許可を受けて開設する。
答えと解説
✕ 誤り。特養は「指定」。許可なのは老健と介護医療院です。
予防給付には、施設サービスがない。
答えと解説
◯ 正しい。要支援者は施設入所の対象外で、予防給付に施設サービスはありません。
地域密着型通所介護の定員は、19人未満である。
答えと解説
◯ 正しい。19人以上は通常の通所介護(居宅サービス)になります。
介護予防認知症対応型共同生活介護(予防のグループホーム)は、要支援1・2の両方が対象である。
答えと解説
✕ 誤り。予防のグループホームは要支援2のみが対象です。
介護老人福祉施設(特養)の入所定員は、原則29人以下である。
答えと解説
✕ 誤り。29人以下は地域密着型介護老人福祉施設。広域型の特養は30人以上です。
療養病床等を持つ介護療養型医療施設は、2024年3月末で廃止された。
答えと解説
◯ 正しい。介護医療院などへの転換が進められました。
指定地域密着型サービスの指定は、原則として都道府県知事が行う。
答えと解説
✕ 誤り。地域密着型サービスの指定は市町村長です。
五肢複択
指定権者について、正しいものを2つ選べ。
- 地域密着型サービスの指定は市町村長が行う。
- 居宅サービスの指定は市町村長が行う。
- 施設サービスの指定は市町村長が行う。
- 介護予防サービスの指定は市町村長が行う。
- 居宅介護支援の指定は市町村長が行う。
答えと解説
正解:1・5
1 正しい。
2 誤り。居宅サービスは都道府県知事。
3 誤り。施設は都道府県知事。
4 誤り。介護予防サービスは都道府県知事。
5 正しい。2018年度から市町村長。
介護保険施設について、正しいものを2つ選べ。
- 介護保険施設は特養・老健・介護医療院の3つである。
- 特養は都道府県知事の許可を受けて開設する。
- 予防給付には施設サービスがない。
- 介護療養型医療施設は現在も存続している。
- 老健は都道府県知事の指定を受けて開設する。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。
2 誤り。特養は指定。
3 正しい。要支援者は施設対象外。
4 誤り。2024年3月末で廃止。
5 誤り。老健は許可。