介護支援分野 > 第24講 介護予防支援|居宅との違い・基本チェックリストを押さえる/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CH1 SEC24
第24講 介護予防支援
介護予防支援は、要支援者などの介護予防サービス計画をつくり、要介護になるのを防ぐ仕事です。事業者が行います。
- ①事業の基準(指定・人員・運営)
- ②介護報酬(予防支援費ⅠとⅡ)
- ③サービスの中身(課題分析・基本チェックリスト・計画の流れ)
- ④よく出る数字とひっかけ
第24講を始めましょう。テーマは介護予防支援です。
介護予防支援は、要支援の人などの介護予防サービス計画をつくって、要介護になるのを防ぐ仕事です。
今日のゴールは4つです。
1つめ、事業の基準。指定・人員・運営です。
2つめ、介護報酬。予防支援費のⅠとⅡを押さえます。
3つめ、サービスの中身。課題分析、基本チェックリスト、計画づくりの流れ。
4つめ、よく出る数字とひっかけです。
事業の基準
介護予防支援とは/事業者の指定
対象は要支援者。事業者が実施します。基準は市町村が条例で定めますが、厚生労働省令の基準に則ります。
- 指定申請ができるのは、従来は地域包括支援センターだけ
- 2023(令和5)年の改正で、指定居宅介護支援事業者もできるように
介護予防支援の対象は、要支援者です。要介護者は、別の居宅介護支援になります。
基準は市町村が条例で定めますが、国の省令基準に則る必要があります。
ここで一つ、よく出る変更点があります。
事業者の指定申請ができるのは、もともとは地域包括支援センターだけでした。
ところが、2023年、令和5年の改正で、指定居宅介護支援事業者も指定を受けられるようになりました。
事業の基準
人員基準
人員は、担当職員と管理者が決められています。
- 担当職員=保健師その他の介護予防支援の知識をもつ職員 1名以上
- ほかに、介護支援専門員・社会福祉士・経験ある看護師・相談業務3年以上の社会福祉主事 1名以上
- 管理者=常勤。原則は専従(管理に支障がない範囲で兼務可)
人員基準は、担当職員と管理者です。
担当職員は、保健師など、介護予防支援の知識をもつ職員を1名以上置きます。
そのほか、介護支援専門員、社会福祉士、経験のある看護師、相談業務に3年以上の社会福祉主事などを1名以上置きます。
管理者は常勤で、原則は専従です。ただし、管理に支障がなければ、ほかの職務を兼ねることもできます。
ひっかけ
管理者は主任でなければならない?
- ただし、指定居宅介護支援事業者でもある事業者の管理者は、原則として主任介護支援専門員
管理者で、ひっかけが出ます。
介護予防支援の管理者は、主任介護支援専門員でなければならない。これはバツです。管理者の要件は、とくに定められていません。第18回で出ました。
ただし注意。居宅介護支援事業者を兼ねている事業者の管理者は、原則として主任介護支援専門員でなければなりません。
ここが頻出
運営基準(居宅との違い2つ)
運営基準は、基本的に居宅介護支援と同じです。ただし、違いが2つあります。
- 提供拒否の正当な理由に「現員で応じきれない」は含まれない
- 利用料等の受領で「交通費」の規定がない
運営基準は、基本的には居宅介護支援と同じです。ですが、違いが2つあって、ここが狙われます。
1つめ。サービス提供を断ってよい正当な理由に、「現員で応じきれない」は含まれません。居宅介護支援では認められていたのに、です。
2つめ。利用料等の受領で、交通費についての規定がありません。これも居宅介護支援にはありました。
現員不足はダメ、交通費もなし。居宅介護支援との違いとして、セットで覚えましょう。
効果的な支援の方法
固有の運営基準①
固有の基準として「介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」があります(基本取扱方針・具体的取扱方針・留意点)。
- 地域支援事業・介護給付と連続性・一貫性のある支援
- 利用者の主体的な取組を支援し、生活機能向上の意欲を高める
- 担当職員が介護予防サービス計画を作成
介護予防支援に固有の基準もあります。「介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」です。
ポイントは、地域支援事業や介護給付と、連続性・一貫性をもった支援をすること。
そして、利用者の主体的な取組を支援し、生活機能を高める意欲を引き出すこと。
計画をつくるのは担当職員です。
報告聴取は月1回
固有の運営基準②/評価
- 計画的な指定介護予防サービス・地域密着型介護予防サービスの利用
- 総合的な計画(利用者の個別性を重視)
- 個別サービス計画の指導・提出依頼、少なくとも月1回、提供状況等の報告を聴取
- 実施状況を把握し、計画期間の終了時に目標達成状況を評価
続きです。計画的に、指定介護予防サービスや地域密着型の介護予防サービスを利用します。
計画は総合的に、利用者の個別性を重視してつくります。
サービス事業者には個別サービス計画の作成を指導し、少なくとも月に1回、提供状況などの報告を聞き取ります。
そして実施状況を把握し、計画期間が終わるときに、目標達成状況を評価します。
居宅と頻度が違う
モニタリング
モニタリングは、居宅介護支援と頻度が違います。ここが最大のひっかけ。
- 少なくとも開始月の翌月から3月に1回、計画期間の終了月、状況が変化したときに、利用者宅を訪問・面接
- 訪問しない月は、面接や電話等で実施
- 少なくとも月1回、モニタリングの結果を記録
モニタリングです。ここは居宅介護支援と頻度が違うので、最大のひっかけになります。
利用者宅を訪問して面接するのは、少なくとも開始月の翌月から3月に1回、それと計画期間の終了月、利用者の状況が変わったときです。
訪問しない月は、面接や電話などでモニタリングを行います。
そして、少なくとも月に1回、モニタリングの結果を記録します。
居宅介護支援は、月1回、訪問でした。介護予防支援は、訪問は3月に1回。でも、記録は月1回。この違いを必ず押さえましょう。
予防支援費ⅠとⅡ
介護報酬
- 単価は1月あたり。地域包括が行う=予防支援費(Ⅰ)/指定居宅介護支援事業者が行う=予防支援費(Ⅱ)
- 要支援区分による違いはない
- 加算:初回加算(居宅と同様)/委託連携加算は地域包括だけ算定可
- 減算:高齢者虐待防止措置未実施減算/業務継続計画(BCP)未策定減算
介護報酬です。単価は1月あたりで決まります。
地域包括支援センターが行う場合は予防支援費のⅠ、指定居宅介護支援事業者が行う場合はⅡとして定められています。
要支援1か2かといった、区分による違いはありません。
加算は、居宅介護支援と同じ初回加算があります。委託連携加算は、地域包括支援センターだけが算定できます。
減算は、虐待防止の措置をしていない場合や、BCP、業務継続計画を作っていない場合などです。具体的な金額は改定で変わるので、最新は教科書で確認してください。
対象と目的
介護予防支援サービスとは
ここからサービスの中身です。
- 対象=要支援1・要支援2の認定者と、総合事業の対象者
- 目的=要介護状態等になることを予防。予防給付などが包括的・効率的に届くよう援助
- 利用者の望む生活へ、能力の維持・向上に向けた効果的な支援
ここから、介護予防支援サービスの中身を見ていきます。
対象は、要支援1・要支援2の認定を受けた人と、介護予防・日常生活支援総合事業の対象者です。
目的は、要介護状態などになるのを予防すること。予防給付をはじめ、いろいろなサービスが包括的・効率的に届くように援助します。
利用者が望む生活を送れるよう、能力の維持・向上に向けた支援を行うことが大切です。
例示項目はない
課題分析
課題分析では、居宅介護支援のような例示された項目はありません。
- 要介護認定調査票・主治医意見書
- 支援計画書の「アセスメント領域と現在の状況」(運動移動/日常生活〈家庭生活〉/社会参加・対人関係・コミュニケーション/健康管理)
- 「本人・家族の意欲・意向」
- 利用者基本情報・基本チェックリスト
課題分析です。介護予防支援には、居宅介護支援のような、例示された課題分析の項目はありません。
使う材料は、まず要介護認定調査票と、主治医意見書。
そして支援計画書の、アセスメント領域と現在の状況。運動・移動、日常生活、社会参加や対人関係、健康管理の4つの領域です。
さらに、本人・家族の意欲・意向。
これらに加えて、利用者基本情報と基本チェックリストを使って情報を集めます。
生活の全体像
利用者基本情報
- 本人の現況(在宅・入院/入所中)/認定情報(要介護度等・有効期限)
- 住居環境/日常生活自立度(障害・認知症)
- 経済状況(年金・生活保護等)/現病歴・既往歴 など
利用者基本情報では、相談内容と、生活の全体像をつかみます。
本人の現況、認定情報、住居環境。
日常生活自立度、経済状況、現病歴や既往歴などを把握します。
6つの介護予防ニーズ
基本チェックリスト
基本チェックリストは、6つの介護予防ニーズを、25項目・はい/いいえで判断します。
- ①運動機能の低下 ②低栄養 ③口腔機能の低下
- ④閉じこもり ⑤認知機能の低下 ⑥うつ病の可能性
基本チェックリストです。6つの介護予防ニーズを、25項目の質問で確かめます。答えは、はい、か、いいえ、です。
6つのニーズは、運動機能の低下、低栄養、口腔機能の低下。
そして、閉じこもり、認知機能の低下、うつ病の可能性です。
ここが出る
番号と分野の対応
どの番号がどのニーズか、出題されます。
1から5は日常生活の動作、6から10は運動機能。
11と12は低栄養。12は、BMIが18.5未満なら該当です。
13から15は口腔機能、16と17は閉じこもり。
18から20は認知症。たとえば、20の「今日が何月何日かわからない時がありますか」は、認知機能の低下をみる項目です。第28回で出ました。
21から25は、うつ状態についての項目です。
目標志向型
計画原案の作成
課題分析でニーズをつかんだら、担当職員が介護予防サービス計画の原案をつくります。
- 利用者のセルフケア(自ら取り組めること)を盛り込む
- 家族の支援やインフォーマルサービスを盛り込む
- 目標志向型で作成する
計画づくりの流れです。課題分析でニーズをつかんだら、担当職員が原案をつくります。
原案には、利用者のセルフケア、つまり自分で取り組めることを盛り込みます。
さらに、家族の支援や、インフォーマルサービス、制度の外の支えも盛り込みます。
そして、目標志向型でつくるのがポイントです。
交付先に注意
担当者会議と交付
原案ができたら、サービス担当者会議です。担当職員が利用者・家族・関係者を集め、専門的な見地から意見をもらいます。
内容を検討して計画を完成させ、同意を得て、利用者および担当者に交付します。
あとは計画に基づいて実施し、期間が終わるときに目標達成状況を評価します。
ひっかけです。計画を作ったら、必ず主治医に交付する。これはバツ。交付先は、利用者および担当者です。第21回で出ました。担当者会議は、原案づくりのときに必ず開きます。
おつかれさまでした
第24講 まとめ
- 対象=要支援者+総合事業対象者/指定は地域包括+(2023〜)居宅介護支援事業者
- 管理者の主任要件はなし(居宅を兼ねる事業者は主任)/拒否に現員不足なし・交通費なし
- モニタリングは3月に1回訪問・月1回記録/計画は利用者と担当者に交付
第24講のまとめです。対象は要支援者と総合事業の対象者。指定は地域包括支援センターと、2023年からは居宅介護支援事業者もできます。
管理者に主任の要件はなし。ただし居宅介護支援を兼ねる事業者は主任。提供拒否に現員不足はなく、交通費の規定もなし。
モニタリングは、訪問が3月に1回、記録は月1回。計画は利用者と担当者に交付。ここを押さえれば大丈夫です。
おつかれさまでした。読んで復習したい人は、下の解説記事もどうぞ。次は第25講、施設介護支援です。
この講の一問一答(◯×11問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
介護予防支援の対象は要支援者である。
答えと解説
◯ ○。対象は要支援1・要支援2の人と総合事業の対象者。要介護者は居宅介護支援の対象。
介護予防支援の指定を受けられるのは、地域包括支援センターだけである。
答えと解説
✕ ×。従来は地域包括支援センターだけだったが、2023(令和5)年改正で指定居宅介護支援事業者もできるようになった。
介護予防支援事業所の管理者は、主任介護支援専門員でなければならない。
答えと解説
✕ ×(第18回)。管理者の要件はとくに定められていない。ただし、指定居宅介護支援事業者でもある事業者の管理者は、原則として主任。
介護予防支援では、現員で応じきれない場合、サービスの提供を拒むことができる。
答えと解説
✕ ×。提供拒否の正当な理由に「現員で応じきれない」は含まれない(居宅介護支援との違い)。
介護予防支援には、通常の事業実施地域以外の訪問に対する交通費の規定がある。
答えと解説
✕ ×。介護予防支援には交通費についての規定がない(居宅介護支援との違い)。
介護予防支援のモニタリングでは、利用者の居宅を毎月訪問しなければならない。
答えと解説
✕ ×。訪問・面接は少なくとも開始月の翌月から3月に1回(ほか終了月・状況変化時)。訪問しない月は面接・電話等で行う。
介護予防支援のモニタリングの結果は、少なくとも1月に1回記録する。
答えと解説
◯ ○。訪問は3月に1回だが、記録は月1回。訪問と記録の頻度を混同しない。
委託連携加算は、地域包括支援センターだけが算定できる。
答えと解説
◯ ○。報酬は予防支援費(Ⅰ)地域包括/(Ⅱ)居宅事業者。初回加算は居宅と同様。単位数は改定で変わるため最新を確認。
介護予防サービス計画は、目標志向型で作成する。
答えと解説
◯ ○。利用者のセルフケアや家族支援・インフォーマルサービスを盛り込み、目標志向型で作る。作成は担当職員。
介護予防サービス計画を作成した際には、必ずそれを主治の医師に交付しなければならない。
答えと解説
✕ ×(第21回)。交付先は利用者および担当者。担当者会議は原案作成時に必ず開催する。
基本チェックリストには「今日が何月何日かわからない時がありますか」という項目があり、認知機能の低下を判断する。
答えと解説
◯ ○(第28回)。基本チェックリストは6つの介護予防ニーズを25項目で判断する。
五肢複択
介護予防支援について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 対象は要介護者である
- 指定を受けられるのは、2023年改正で指定居宅介護支援事業者も含まれるようになった
- 提供を断れる正当な理由に「現員で応じきれない」が含まれる
- 管理者の要件として、主任介護支援専門員であることは定められていない
- モニタリングの結果は少なくとも1月に1回記録する
答えと解説
正解:2・4・5
1 誤り。対象は要支援者。
2 正しい。
3 誤り。「現員で応じきれない」は含まれない(居宅介護支援との違い)。
4 正しい。
5 正しい。
介護予防支援の課題分析・基本チェックリストについて正しいものはどれか。3つ選べ。
- 居宅介護支援と同じ課題分析標準項目が課題分析に用いられる
- 基本チェックリストは、6つの介護予防ニーズについて25項目で判断する
- 基本チェックリストの①〜⑤は運動機能についての項目である
- 「今日が何月何日かわからない時がありますか」は認知機能の低下を判断する項目である
- 利用者基本情報や基本チェックリストを活用して情報を収集する
答えと解説
正解:2・4・5
1 誤り。介護予防支援には例示された課題分析項目はない。
2 正しい。
3 誤り。①〜⑤は日常生活関連動作で、運動機能は⑥〜⑩。
4 正しい。
5 正しい。