保健医療サービス分野 > 第30講 高齢者に多い疾病|脳血管・パーキンソン・心疾患・糖尿病・感染症ほか/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
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第30講 高齢者に多い疾病
高齢者によくみられる病気を、からだの系統(部位)ごとに、一つひとつていねいに見ていきます。試験では「その病気が介護保険の特定疾病かどうか」と、症状・数字のひっかけがねらわれます。丸暗記ではなく「なぜそうなるか」から押さえましょう。
- ①脳・神経(脳血管疾患・パーキンソン病・ALSほか)
- ②骨・関節(骨粗鬆症・変形性関節症・関節リウマチほか)
- ③循環器・代謝(高血圧・心疾患・糖尿病ほか)
- ④消化器・腎・呼吸器・皮膚・感覚器
- ⑤通して問われる「特定疾病」と「高齢者ならではのひっかけ」
第30講を始めましょう。テーマは、高齢者に多い疾病です。
この講では、高齢者によくみられる病気を、からだの系統、つまり部位ごとに、一つひとつていねいに見ていきます。数が多い単元ですが、系統で整理すれば必ず覚えられます。
試験で問われるのは2つ。1つは、その病気が介護保険の特定疾病かどうか。もう1つは、症状や数字のひっかけです。ただ覚えるのではなく、なぜそうなるか、という仕組みから押さえると、ひっかけにも強くなります。
今日の地図です。1つめ、脳と神経の病気。
2つめ、骨と関節の病気。
3つめ、循環器と代謝の病気。
4つめ、消化器、腎臓、呼吸器、皮膚、感覚器。
そして最後に、全体を通して問われる特定疾病と、高齢者ならではのひっかけを整理します。それでは始めましょう。
脳・神経の疾患
脳血管疾患①(種類と原因)
脳は、酸素や栄養を運ぶ血液が少し止まるだけでも障害を受けます。その脳の血管が「詰まる」か「破れる」かで起こるのが脳血管疾患(脳卒中)。介護保険の特定疾病です。
- 詰まる=脳梗塞。…脳血栓(その場の血管に血栓が詰まる)/脳塞栓(心臓などでできた血栓が飛んできて詰まる)
- 破れる=脳出血。…脳内出血(脳の中の血管が破れる)/くも膜下出血(脳動脈瘤=血管のコブが破れる)
- 最大の原因は動脈硬化。それを進める高血圧・高血糖・喫煙・多量飲酒が危険因子
- 血管が硬く・もろくなる→詰まりやすく・破れやすくなる、という流れ
まずは脳と神経の病気から。最初は、脳血管疾患、いわゆる脳卒中です。
大前提として、脳は血液が少し止まるだけでも、すぐに障害を受けます。その脳の血管が、詰まるか、破れるか。この2つで大きく分かれる、と覚えてください。
詰まるほうが、脳梗塞。さらに2つに分かれます。その場の血管に血栓が詰まるのが脳血栓。心臓などでできた血栓が、流れてきて詰まるのが脳塞栓です。
破れるほうが、脳出血。これも2つ。脳の中で血管が破れるのが脳内出血。脳の動脈にできたコブ、脳動脈瘤が破れるのが、くも膜下出血です。
そして、これらすべての最大の原因が動脈硬化。血管が硬く、もろくなる状態です。それを進めるのが、高血圧、高血糖、喫煙、多量の飲酒。この4つが危険因子で、よく問われます。
血管が硬くもろくなれば、詰まりやすく、破れやすくなる。だから危険因子を減らすことが予防になる、という理屈です。
なお脳血管疾患は、40歳から64歳の第2号被保険者でも給付対象になる、特定疾病です。だからこそ、何歳で発症したか、が問われやすい点も押さえましょう。
脳・神経の疾患
脳血管疾患②(後遺症と再発予防)
脳のどこがやられるかで、残る障害が変わります。主な後遺症と、なぜ再発予防が大切かを押さえます。
- 主症状:意識障害・神経障害・感情障害の3本柱
- 神経障害=運動障害(半身が動きにくい片麻痺が多い)・言語障害・感覚障害・視野障害・排せつ障害・嚥下障害
- 高次脳機能障害(失語など)も後遺症として残ることがある(次スライドで詳しく)
- 再発予防が重要:早期リハビリ・基礎疾患の管理・生活習慣の改善・医師の指示による抗凝固薬
脳血管疾患の後遺症を見ます。脳のどこがやられるかで、残る障害が変わります。
主な症状は、意識障害、神経障害、感情障害の3本柱です。
このうち神経障害が幅広い。運動障害では、半身が動きにくくなる片麻痺が多くみられます。ほかに、言語障害、感覚障害、視野障害、排せつの障害、そして飲み込みの障害である嚥下障害。嚥下障害は、誤嚥性肺炎にもつながるので大切です。
さらに、失語などの高次脳機能障害も後遺症として残ることがあります。これは次のスライドで詳しく扱います。
ここで強調したいのが、再発予防です。脳血管疾患は、発症から3年以内に、およそ1割から2割が再発します。そして再発すると、後遺症が重くなり、血管性認知症の原因にもなります。
だから、初回のあとの予防が勝負。早めのリハビリ、高血圧や糖尿病など基礎疾患の管理、生活習慣の改善、そして医師の指示による抗凝固薬の服用で、再発を防ぎます。
脳・神経の疾患
高次脳機能障害
脳の損傷で、記憶・注意・判断・言葉といった「高度な働き」に障害が出るもの。外見ではわかりにくく、本人にも自覚がないことがあるのが、対応の難しさです。
- 三大症状=失語(話す・理解が困難)・失行(着替え等の動作ができない)・失認(見聞きしてもわからない)
- 半側空間無視:障害された脳の反対側を見落とす(食事で片側だけ残す等)
- 注意障害(集中が続かない・同時に2つで混乱)/記憶障害(新しいことを覚えられない)
- 発動性の低下(自分から動かない・会話が続かない)/社会的行動障害(興奮しやすい・不適切な言動)
脳血管疾患の後遺症として、とくに大切なのが、高次脳機能障害です。
これは、脳の損傷で、記憶、注意、判断、言葉といった、高度な働きに障害が出るもの。やっかいなのは、外見ではわかりにくく、本人にも自覚がないことがある点です。だから周囲が気づきにくい。
まず三大症状。話すことや理解が難しい失語、着替えなどの動作ができない失行、見たり聞いたりしてもわからない失認。失語、失行、失認、とセットで覚えます。
次に半側空間無視。これは、障害された脳の反対側を、見落としてしまう症状です。お皿の片側だけ食べ残す、といった形で現れます。
ほかに、集中が続かず、同時に2つのことをすると混乱する注意障害。新しいことを覚えられない記憶障害。
そして、自分から動かず、会話も続かない発動性の低下や、興奮しやすく不適切な言動が出る社会的行動障害もあります。
見た目で分からないからこそ、本人や家族、周囲の人が、症状を正しく理解することが、支援の出発点になります。
脳・神経の疾患
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
体を動かす命令は、脳から「運動ニューロン」という神経を通って筋肉に伝わります。この運動ニューロンが壊れていくのがALS。全身の筋肉がやせ、力が入らなくなる、原因不明の難病で、特定疾病・指定難病です。
- 球麻痺(延髄の運動神経の麻痺)で、舌やのどが動かしにくくなり嚥下障害・構音障害が出る
- 四大陰性徴候=感覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害・褥瘡はみられにくい
- 痛みなどの知覚や記憶力は保たれる(意識・知能は侵されない)=ここがひっかけ
- 進行で寝たきり・呼吸筋の萎縮→呼吸困難。気管切開・人工呼吸器・喀痰吸引が必要に
次は、筋萎縮性側索硬化症、エーエルエスです。
まず仕組みから。体を動かす命令は、脳から運動ニューロンという神経を通って、筋肉に伝わります。ALSは、この運動ニューロンが壊れていく病気。命令が届かなくなるので、全身の筋肉がやせ、力が入らなくなります。原因は不明で、特定疾病であり、指定難病でもあります。
特徴的な症状が、球麻痺。延髄にある運動神経の麻痺で、舌やのどが動かしにくくなり、飲み込みの嚥下障害や、発音の構音障害が出ます。
そして、最大のひっかけポイント。四大陰性徴候といって、感覚障害、眼球運動障害、膀胱直腸障害、褥瘡。この4つは、みられにくいのが特徴です。
さらに、痛みなどの知覚や、記憶力も保たれます。つまり、意識や知能は侵されない。筋肉は動かなくても、感じる力や考える力は残っている。ここが、よく問われます。
進行すると、寝たきりになり、呼吸の筋肉もやせて呼吸困難が起こります。そうなると、気管切開や人工呼吸器、痰の吸引である喀痰吸引が必要になっていきます。
支える制度として、難病法による医療費の助成、障害者総合支援法のサービス、在宅で人工呼吸器を使う患者さんを支える事業などがあります。本人と家族の負担をやわらげることが大切です。
脳・神経の疾患
パーキンソン病①(四大運動症状)
脳の奥(黒質)で、スムーズな動きをつくる物質「ドパミン」が減って起こる病気。50〜60歳代に多く、認知症を合併することも少なくありません。特定疾病です。まずは覚えるべき四大運動症状から。
- 四大運動症状=安静時振戦・筋固縮・無動(寡動)・姿勢反射障害
- 安静時振戦:じっとしていると手足が震え、動かすと止まる(逆ではない)
- 筋固縮:筋肉がこわばり、他人が動かすと歯車現象(ガクガクした抵抗)
- 無動:動作が遅い・仮面様顔貌(表情が乏しい)/姿勢反射障害:転びやすい・突進現象・小刻み歩行・すくみ足
次はパーキンソン病。受験でも頻出の重要疾患です。2枚に分けて、まずは症状から。
仕組みはこうです。脳の奥にある黒質という場所で、スムーズな動きをつくる物質、ドパミンが減ることで起こります。50歳から60歳代に多く、認知症を合併することも、少なくありません。これも特定疾病です。
覚えるべきは、四大運動症状。安静時振戦、筋固縮、無動つまり寡動、そして姿勢反射障害の4つです。
1つめ、安静時振戦。じっとしているときに手足が震え、動かすと止まるのが特徴。動作時に強くなる、は逆なので注意です。
2つめ、筋固縮。筋肉がこわばって、他人が手足を動かすと、ガクガクと規則的な抵抗、歯車現象が感じられます。
3つめの無動は、動作に時間がかかり、表情も乏しくなる仮面様顔貌。4つめの姿勢反射障害が出ると、バランスを崩して転びやすく、前のめりで止まれない突進現象、歩幅の狭い小刻み歩行、一歩目が出ないすくみ足がみられます。
ドパミンは、動きの潤滑油だとイメージしてください。それが減ると、動き出し、止まり、バランスがうまくいかなくなる。そう考えると、4つの症状がつながって覚えやすくなります。
脳・神経の疾患
パーキンソン病②(重症度と注意点)
進行すると、自律神経症状や幻覚・妄想などの精神症状が現れ、自立が難しくなります。重症度の分類と、見落としやすい誤嚥が出題ポイントです。
- ホーエン・ヤール重症度分類(I〜V)=I一側性→II両側性→III姿勢反射障害・独立生活可→IV介助で辛うじて歩行→V寝たきり/車いす
- あわせて厚労省の生活機能障害度(1〜III度)でも評価
- ステージIII以上 かつ 生活機能障害II度以上で介護保険の特定疾病(パーキンソン病関連疾患)
- 不顕性誤嚥=誤嚥してもむせないことが多い→誤嚥性肺炎に要注意
パーキンソン病の2枚目。重症度と、注意点です。
進行すると、自律神経の症状や、幻覚・妄想などの精神症状が現れ、自立した生活が難しくなっていきます。
重症度は、ホーエン・ヤールの分類で5段階に分けます。ステージ1は体の片側だけ。2で両側に。3で姿勢反射障害が出るが、まだ独立した生活は可能。4は介助があれば辛うじて歩ける。5は、介助なしでは寝たきりか車いす、です。
あわせて、厚生労働省の生活機能障害度、1度から3度でも評価します。
ここが大事。重症度がステージ3以上で、かつ、生活機能障害が2度以上のものが、介護保険の特定疾病、パーキンソン病関連疾患になります。数字の組み合わせで問われます。
もう一つの注意点が、不顕性誤嚥。パーキンソン病では、誤嚥しても、むせないことが多いのです。むせないから気づかれにくく、誤嚥性肺炎につながる。だから注意が必要です。
治療は、不足したドパミンを補うなどの薬物療法が基本。あわせて、手足を動かす運動療法やリハビリで、日常生活動作を保ちます。
脳・神経の疾患
その他の神経難病(特定疾病)
パーキンソン病以外にも、特定疾病に指定された進行性の神経難病があります。それぞれの「ひと言の特徴」で区別できるようにします。
- 進行性核上性麻痺=思考の遅延・無感情など、認知機能の低下を早期から認めやすい
- 脊髄小脳変性症/多系統萎縮症=脊髄や小脳が変性し、運動失調(ふらつく失調性歩行・手のふるえ・言語不明瞭)が主症状
- 多系統萎縮症は睡眠時無呼吸などを来し、突然死の可能性に注意
- 早老症=老化が急速に進行。糖尿病・骨粗鬆症・白内障が若年で。ただし知能の低下はない
脳・神経の最後に、その他の神経難病をまとめます。いずれも特定疾病。ひと言の特徴で区別できるようにしましょう。
まず、進行性核上性麻痺。これは、思考の遅れや、無感情といった、認知機能の低下を、早い段階から認めやすいのが特徴です。過去問でも問われました。
次に、脊髄小脳変性症と、多系統萎縮症。脊髄や小脳の神経細胞が変性して、ふらつく失調性歩行、手のふるえ、言葉の不明瞭さといった、運動失調を主な症状とします。運動失調、がキーワードです。
とくに多系統萎縮症は、睡眠時無呼吸などを起こし、突然死の可能性もあるので、注意が必要です。
そして早老症。老化が、全身や特定の臓器に急速に進む病気で、糖尿病、骨粗鬆症、白内障などが、若いうちから出やすくなります。ただし、知能の低下はみられません。ここがポイントです。
これらは共通して、根治が難しく、リハビリと環境整備でADLを保ち、対症療法を行います。すべて、第2号被保険者でも給付対象になる、特定疾病です。
骨・関節の疾患
変形性関節症
関節は、骨の端を「軟骨」がおおってクッションになっています。この軟骨がすり減り、骨どうしが直接ぶつかって痛むのが変形性関節症。関節の病気でもっとも多く、高齢者の大多数に起こります。
- 膝関節が最も多い。肥満があると関節への負担が増え、悪化しやすい
- 症状=関節の痛み・こわばり・腫脹(はれ)
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴うものは介護保険の特定疾病
- 治療=根治は難しい。鎮痛薬で痛みを抑えつつ、運動で筋力強化・減量で負担を軽く。進めば人工関節置換術
ここから骨と関節の病気です。まずは変形性関節症。
仕組みから。関節は、骨の端を軟骨がおおって、クッションの役目をしています。この軟骨がすり減って、骨どうしが直接ぶつかると、痛みが出る。これが変形性関節症です。関節の病気でいちばん多く、高齢者の大多数に起こります。
とくに多いのが、膝関節。肥満があると、関節にかかる負担が大きくなり、悪化しやすくなります。
症状は、関節の痛み、こわばり、そして腫れ、腫脹です。
ここが出題ポイント。両側の膝関節、または股関節に、著しい変形を伴うものが、介護保険の特定疾病になります。
治療は、根治は難しいので、鎮痛薬で痛みを抑えながら、運動による筋力強化や減量で関節への負担を軽くし、進行を遅らせます。進んだ場合は、人工関節に置き換える手術も行います。
注意したいのは、変形性関節症がすべて特定疾病ではない、という点。両側の膝か股関節で、著しい変形を伴う、という条件付きです。ここがひっかけられます。
骨・関節の疾患
関節リウマチ
本来は外敵を攻撃する免疫が、誤って自分の関節を攻撃してしまう(原因不明の全身性の免疫異常)。関節の炎症が主症状で、特定疾病です。変形性関節症との区別が問われます。
- 左右対称に、指など小さい関節から始まり、膝・股・肩へ広がる
- 特徴は日内変動。とくに起床時に1時間以上続く朝のこわばり・痛み・熱感・はれ
- 進行すると関節の不安定性・変形。関節以外にも発熱・体重減少・易疲労感などの全身症状
- 皮下結節・間質性肺炎・血管の炎症などを起こすことも
次は、関節リウマチ。これも特定疾病で、変形性関節症との区別が問われます。
仕組みを押さえましょう。本来、免疫は、ウイルスなどの外敵を攻撃する仕組みです。それが誤って、自分の関節を攻撃してしまう。これが、原因不明の全身性の免疫異常で、関節の炎症が主な症状です。
特徴の1つめ。からだの左右対称に、指などの小さな関節から始まり、膝や股、肩へと広がっていきます。
2つめ、日内変動。とくに、起床時に1時間以上続く、朝のこわばりが有名です。あわせて痛み、熱感、はれを伴います。ここがよく問われます。
進行すると、関節が不安定になり、変形します。さらに、関節以外にも、発熱、体重減少、易疲労感といった全身症状が出ます。
皮下のしこりである皮下結節や、間質性肺炎、血管の炎症などを起こすこともあります。
治療は、薬物療法のほか、手術やリハビリ。歩行には適切な装具、日常の動作には自助具を使い、転倒予防や負担軽減のための環境整備が大切です。
骨・関節の疾患
脊柱管狭窄症・後縦靱帯骨化症
背骨の中には、神経の通り道「脊柱管」があります。ここが狭くなって神経が圧迫される2つの病気。どちらも特定疾病で、キーワードは間欠性跛行です。
- 脊柱管狭窄症=脊柱管が狭くなり神経を圧迫。原因疾患は変形性脊椎症が最多
- 症状=腰痛・下肢痛・しびれ・間欠性跛行。高度だと膀胱直腸障害も
- 間欠性跛行=しばらく歩くと痛み・しびれ→休むと回復→また歩ける、を繰り返す
- 後縦靱帯骨化症=背骨を縦に走る靱帯が骨化して脊髄を圧迫。手足のしびれ、進行で歩行困難・排尿障害。首を強く反らすと悪化
次は、背骨まわりで神経が圧迫される、2つの病気です。
前提として、背骨の中には、神経の通り道である脊柱管があります。ここが狭くなって神経が圧迫されるのが、これから話す病気。どちらも特定疾病で、共通のキーワードが間欠性跛行です。
1つめ、脊柱管狭窄症。脊柱管が狭くなって神経が圧迫される症候群で、原因となる病気は、変形性脊椎症がもっとも多くなります。
症状は、腰痛、下肢の痛み、しびれ、そして間欠性跛行。圧迫が強いと、膀胱直腸障害が出ることもあります。
間欠性跛行とは、しばらく歩くと足に痛みやしびれが出て、休むと回復し、また歩けるけれど、また休む、これを繰り返すものです。
2つめ、後縦靱帯骨化症。背骨の中を縦に走る後縦靱帯が、骨のように硬くなって、脊髄を圧迫します。手足のしびれが出て、進行すると歩行困難や排尿障害に。首を強く後ろに反らすと症状が悪化するので、その動作は避けます。
なお、この間欠性跛行は、あとで出てくる、下肢閉塞性動脈疾患、LEADでもみられます。血管が原因か、神経が原因か、で区別する。あとでまた触れます。
骨・関節の疾患
骨粗鬆症
骨がすかすかにもろくなり、骨折しやすくなる病気。骨折は寝たきりの主要な原因のひとつです。高齢者の骨粗鬆症は、ほとんどが老化によるもの。
- 圧倒的に女性に多い。閉経後の女性ホルモンの低下で急激に進行(男性は70歳以上で増える)
- 症状=腰背部の痛み・円背(背中が丸くなる)・身長の短縮
- 骨折を伴う骨粗鬆症は介護保険の特定疾病
- 予防=早期にチェックを受け、カルシウムの摂取・運動習慣で骨を守る
次は、骨そのものの病気、骨粗鬆症です。
骨が、すかすかにもろくなって、骨折しやすくなる病気です。そして、この骨折が、寝たきりになる主要な原因のひとつ。高齢者の骨粗鬆症は、ほとんどが老化によるものです。
最大の特徴。圧倒的に女性に多い。閉経後に、女性ホルモンが低下することで、急激に進みます。男性では、カルシウムの吸収が落ちてくる70歳以上で、患者数が増えます。
症状は、腰や背中の痛み、背中が丸くなる円背、そして身長が縮む身長短縮です。
ここが特定疾病。骨折を伴う骨粗鬆症が、介護保険の特定疾病になります。骨粗鬆症だけでなく、骨折を伴う、がポイントです。
予防は、早めにチェックを受けて、カルシウムの摂取や運動習慣で骨を守ること。
なぜ女性に多いのか。女性ホルモンには、骨を守る働きがあります。閉経でそれが減るので、骨量が急に落ちる。だから閉経後の女性に多い、と理由で覚えると忘れません。
骨・関節の疾患
大腿骨頸部骨折
高齢者は骨密度が下がり、体の機能も落ちるため、転倒による骨折のリスクが高い。なかでも太ももの付け根が折れる大腿骨頸部骨折は、寝たきりに直結するため要注意です。
- 高齢者に多い骨折=大腿骨頸部・胸腰椎圧迫骨折・橈骨遠位端(手首)・肋骨。なかでも大腿骨頸部骨折が要注意
- 症状=転倒をきっかけに股関節が痛み、立てなくなる
- 治療=可能なら人工骨頭置換術。リハビリで早期離床を目指す(歩行能力は骨折前より落ちることが多い)
- 予防=骨粗鬆症の早期発見・治療、転倒防止、床材の工夫・ヒッププロテクター
骨・関節の最後は、大腿骨頸部骨折です。
高齢者は、骨密度が下がり、体の機能も落ちるため、転倒による骨折のリスクが高くなります。とくに、太ももの付け根が折れる大腿骨頸部骨折は、寝たきりに直結するので、要注意です。
高齢者に多い骨折は、大腿骨頸部、背骨が押しつぶされる胸腰椎圧迫骨折、手首の橈骨遠位端、肋骨。なかでも、大腿骨頸部骨折が要注意です。
症状は、転倒をきっかけに、股関節が痛んで、立つことができなくなります。
治療は、可能であれば、人工の骨頭に置き換える人工骨頭置換術。そして、リハビリで早期離床を目指します。ただし、歩く力は、骨折する前より落ちることが多くなります。
予防は、骨粗鬆症の早期発見と治療、転倒防止。そして、転んでも骨折しにくいよう、床材を工夫したり、腰を守るヒッププロテクターを着けたりします。
なぜ早期離床が大切か。寝たままだと、筋力の低下や肺炎など、廃用症候群が進んでしまうからです。だから手術のあとは、早く起こして動かす。これが高齢者ケアの鉄則です。
循環器の疾患
高血圧
血圧は、血液が血管の壁を押す力。これが慢性的に高いのが高血圧です。原因のはっきりしない本態性高血圧が大半。初期は自覚症状が乏しく、放っておくと動脈硬化を進めます。
- 原因がはっきりする二次性と、大半を占める本態性(原因不明)。70歳以上の約7割が高血圧
- 続くと動脈硬化を進め、脳血管疾患・心不全などの要因に
- 高齢者の特徴=収縮期が上がり拡張期は低めで脈圧が大きい・血圧が動揺・起立性低血圧や食後の血圧低下
- 治療=塩分摂取や肥満の改善などの生活習慣の見直し+必要に応じて薬剤
ここから循環器、心臓と血管の病気です。まずは高血圧。
血圧とは、血液が血管の壁を押す力のこと。これが慢性的に高いのが高血圧です。多くは、原因のはっきりしない本態性高血圧。初期は自覚症状が乏しく、放っておくと、動脈硬化を進めます。
高血圧には、原因がはっきりする二次性と、大半を占める原因不明の本態性があります。70歳以上では、およそ7割が高血圧といわれます。
高血圧が続くと、動脈硬化を進め、脳血管疾患や心不全などの要因になります。
高齢者の高血圧の特徴。収縮期、つまり上が上がり、拡張期、下は低めになって、上と下の差、脈圧が大きくなります。また、血圧が動揺しやすく、起立性低血圧や、食後の血圧低下も起こりやすくなります。
治療は、塩分の摂取や肥満の改善など、生活習慣の見直しが基本で、必要に応じて薬を使います。
高血圧は、サイレント・キラーとも呼ばれます。自覚症状が乏しいまま、血管を傷めていくのが怖いところ。症状がないから軽い、ではない、と理解してください。
循環器の疾患
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心臓を動かす筋肉にも、冠動脈という血管が酸素を送っています。この冠動脈の血流が悪くなるのが虚血性心疾患。狭心症と心筋梗塞の2つを区別します。
- 狭心症=冠動脈が狭くなり血流が減る/心筋梗塞=冠動脈が詰まり心筋が壊死する
- 危険因子=喫煙・肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症(=動脈硬化の因子)
- 発作時、狭心症はニトログリセリンの舌下投与が有効。…しかし心筋梗塞には有効ではない
- 心筋梗塞は激しい胸痛・締めつけ・左肩〜頸部の痛み。ただし高齢者は無痛性心筋梗塞もあり要注意
次は、虚血性心疾患。狭心症と心筋梗塞です。
心臓を動かす筋肉にも、冠動脈という血管が酸素を送っています。この冠動脈の血流が悪くなるのが、虚血性心疾患。2つを区別しましょう。
狭心症は、冠動脈が狭くなって、血流が減るもの。心筋梗塞は、冠動脈が詰まって、心臓の筋肉が壊死してしまうものです。狭くなるか、詰まるか、の違いです。
危険因子は、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症。いずれも動脈硬化の因子ですね。
発作のとき、狭心症には、ニトログリセリンの舌下投与が有効です。しかし、心筋梗塞には、有効ではありません。ここが大事なひっかけです。
心筋梗塞では、激しい胸痛、締めつけ感、左肩から頸部の痛みが生じます。ただし、高齢者では、胸の痛みが少ない無痛性心筋梗塞もあるので、注意が必要です。
なぜニトロが梗塞に効かないのか。ニトロは血管を広げる薬です。狭心症は、狭いだけなので、広げれば改善する。でも心筋梗塞は、詰まって壊死しているので、広げても間に合わない。そう理解すると納得できます。
循環器の疾患
不整脈
心臓は規則正しく拍動していますが、そのリズムが乱れるのが不整脈。脈が遅くなる徐脈性と、速くなる頻脈性があります。高齢者では、必ずしも全部が治療対象ではない点が大切です。
- 心臓自体の異常のほか、ストレス・喫煙・睡眠不足・飲酒でも起こる
- 高齢者は生理的に不整脈が増えるが、すべてが治療対象になるわけではない
- 拍動が欠ける結滞は、健常な高齢者でもよくみられる
- 血圧低下・意識障害・心不全を伴う場合は速やかに治療。徐脈にはペースメーカー、心房細動には血栓予防の抗凝固薬(ワルファリン等)
次は、不整脈です。
心臓は、規則正しく拍動していますが、そのリズムが乱れるのが不整脈。脈が遅くなる徐脈性と、速くなる頻脈性があります。高齢者では、全部が治療対象とは限らない、という点が大切です。
原因は、心臓自体の異常のほか、ストレス、喫煙、睡眠不足、飲酒でも起こります。
高齢者では、生理的に不整脈が増えます。でも、すべてが治療対象になるわけではありません。
たとえば、拍動が欠ける結滞は、健康な高齢者でも、よくみられます。
ただし、血圧低下、意識障害、心不全を伴う場合は、速やかな治療が必要です。脈が遅い場合はペースメーカー、心房細動による不整脈には、血栓を防ぐワルファリンなどの抗凝固薬が使われます。
なぜ心房細動で抗凝固薬を使うのか。心房がうまく動かないと、心臓の中で血液がよどんで、血栓ができやすくなります。それが脳へ飛ぶと、脳塞栓になる。だから、血栓を防ぐ薬を使うのです。
循環器の疾患
心不全
心臓は、全身に血液を送り出すポンプ。そのポンプ機能が低下して、全身に血液を十分送れなくなった状態が心不全です。加齢とともに増えます。
- 原因=心筋梗塞・不整脈・高血圧による心肥大など
- 左心不全=呼吸困難・チアノーゼ(肺に水がたまる)/右心不全=むくみ・食欲不振(全身に水がたまる)
- 高齢者では、活動性の低下や食欲不振として現れ、見過ごされやすい
- 呼吸困難時は、横にせず起座位・半座位にすると楽になる。治療は運動制限・塩分制限・薬剤、重症度はNYHA分類(I〜IV)
次は、心不全です。
心臓は、全身に血液を送り出すポンプです。そのポンプの機能が低下して、全身に血液を十分送れなくなった状態が、心不全。加齢とともに増えていきます。
原因は、心筋梗塞や不整脈、高血圧による心臓の肥大などです。
左右で症状が違います。左心不全では、肺に水がたまり、呼吸困難やチアノーゼ。右心不全では、全身に水がたまり、むくみや食欲不振が出ます。左は呼吸、右はむくみ、と覚えます。
高齢者では、活動性の低下や、食欲不振として現れることがあり、見過ごされやすいので注意です。
呼吸が苦しいときは、横にするのではなく、起き上がった起座位や、半分起こした半座位にすると、楽になります。治療は、運動制限、塩分制限、薬。重症度は、ニーハ分類、I度からIV度で評価します。
なぜ起座位で楽になるのか。横になると、肺に血液が戻って水がたまりやすい。起き上がると、重力で下に下がって、肺がらくになる。だから苦しいときは座る、と理由で覚えましょう。
循環器の疾患
下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)
動脈硬化が足の血管で進み、血管が狭くなったり詰まったりして、足に血液が十分届かなくなる病気。旧称は閉塞性動脈硬化症(ASO)。特定疾病です。
- 原因=動脈硬化。足の血流が悪くなり、冷感・しびれが出る
- 自覚症状は間欠性跛行=歩くと下肢が痛み、立ち止まると痛みがひく
- 進行すると、安静時の痛みや、組織が死ぬ壊死に至る
- ほかの動脈疾患(狭心症など)を合併することがあり、注意を要する
循環器の最後は、下肢閉塞性動脈疾患、LEADです。
これは、動脈硬化が、足の血管で進んで、血管が狭くなったり詰まったりして、足に血液が十分届かなくなる病気です。昔は閉塞性動脈硬化症、エーエスオーと呼ばれました。特定疾病です。
原因は動脈硬化。足の血流が悪くなって、足の冷えやしびれが出ます。
自覚症状は、間欠性跛行。歩くと下肢が痛み、立ち止まると痛みがひく、というものです。
進行すると、安静にしていても痛む安静時痛や、組織が死んでしまう壊死に至ります。
また、狭心症など、ほかの動脈の病気を合併することがあるので、注意が必要です。
ここで、間欠性跛行のひっかけ。間欠性跛行は、神経が原因の脊柱管狭窄症と、血管が原因のLEADの、両方でみられます。どちらか一方、と決めつけると誤りです。原因が神経か血管か、で区別しましょう。
消化器の疾患
胃・十二指腸潰瘍/潰瘍性大腸炎
ここから消化器。胃や腸の粘膜が、自分の消化液などで傷つく病気です。痛むタイミングと原因菌が、試験の決め手になります。
- 胃・十二指腸潰瘍=消化液で粘膜に潰瘍。ピロリ菌の感染も原因
- 胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時に痛みが増す
- 悪化で吐血・下血、穴があく穿孔が起きると生命にかかわる
- 潰瘍性大腸炎=大腸粘膜の炎症(原因不明)。持続する血性の下痢・粘血便が特徴。重症は入院・大腸切除も
ここから消化器の病気です。まずは潰瘍と、潰瘍性大腸炎。
胃や腸の粘膜が、自分の消化液などで傷つくのが潰瘍です。痛むタイミングと、原因菌が試験の決め手になります。
胃・十二指腸潰瘍は、消化液で粘膜に潰瘍ができる病気。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染も原因になります。
ここが大事。痛むタイミングが違います。胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時に、痛みが増します。
悪化すると、口から血を吐く吐血や、便に血が混じる下血。さらに、潰瘍で穴があく穿孔が起こると、生命にかかわることもあります。
もう一つ、潰瘍性大腸炎。これは、大腸の粘膜に炎症が起こる、原因不明の病気。持続して繰り返す、血性の下痢や、粘血便が特徴です。重症の場合は、入院して、大腸を切除することもあります。
覚え方。胃にものが入る食後に痛むのが胃潰瘍、胃が空っぽの空腹時に痛むのが十二指腸潰瘍。逆に覚えないよう、注意してください。
消化器の疾患
胆石症・胆嚢炎・胆管炎/肝炎・肝硬変
消化を助ける胆汁と、その工場である肝臓の病気です。胆汁が固まる胆石、肝臓の炎症から進む肝硬変を押さえます。
- 胆石症=胆汁が固まった石。胆嚢結石(胆嚢内)/胆管結石(胆管内)。胆嚢結石は無症状のことも
- 急性胆嚢炎=発熱・右季肋部痛(右上腹部の痛み)/胆管炎=発熱・悪寒・黄疸、悪化で敗血症も
- 肝炎=肝臓の炎症。急性肝炎は安静で予後良好。慢性肝炎(B型・C型ウイルスが最多)は初期無症状
- 慢性肝炎が進行すると肝硬変。肝硬変まで進むと、根本治療は肝移植のみ
次は、胆汁と肝臓の病気です。
胆汁は、消化を助ける液体。その胆汁が固まってできた石による病気が、胆石症です。胆嚢の中にできるのが胆嚢結石、胆管の中にできるのが胆管結石。胆嚢結石は、無症状のこともあります。
症状が出ると、急性胆嚢炎では、発熱と、右の上腹部の痛み、右季肋部痛。胆管炎では、発熱、悪寒、そして黄疸が出て、悪化すると敗血症やショックになることもあります。
次に肝臓。肝炎は、肝臓の炎症です。急性肝炎は、安静で多くは予後が良好。一方、慢性肝炎は、B型・C型のウイルスが最も多く、初期には無症状です。
ここがポイント。慢性肝炎が進行すると、肝臓が硬くなる肝硬変になります。そして、肝硬変まで進むと、根本的な治療は、肝移植のみになってしまいます。
流れで理解しましょう。肝炎、つまり炎症から、慢性化して、肝臓が硬く線維化する肝硬変へ。一本道です。だから、慢性肝炎のうちに、進行を食い止めることが大切なのです。
腎・尿路の疾患
腎不全・前立腺肥大症
腎臓は、血液をろ過して老廃物を尿として捨てる臓器。その働きが落ちるのが腎不全です。あわせて、男性に多い前立腺肥大症も見ます。
- 腎不全=急性/慢性に分かれる。急性は脱水・薬剤・尿路閉塞などで乏尿・浮腫
- 慢性腎不全の原因=糖尿病性腎症・慢性糸球体腎炎など。乏尿・多尿いずれも起こりうる
- 慢性腎不全は食事療法(たんぱく質・カリウム・塩分・水分の制限)で人工透析の開始を遅らせる
- 前立腺肥大症=前立腺が大きくなり尿道を圧迫→排尿症状。多くは薬物療法、進めば手術
次は、腎臓と泌尿器の病気です。
腎臓は、血液をろ過して、老廃物を尿として捨てる臓器。その働きが落ちるのが、腎不全です。
腎不全は、急性と慢性に分かれます。急性腎不全は、脱水や薬剤、尿の通り道がふさがる尿路閉塞などで起こり、尿が減る乏尿や、むくみが出ます。
慢性腎不全の原因は、糖尿病性腎症や、慢性糸球体腎炎など。尿が減る乏尿も、増える多尿も、どちらも起こりえます。
治療のポイント。慢性腎不全では、たんぱく質、カリウム、塩分、水分を制限する食事療法を中心に行い、人工透析を始める時期を、できるだけ遅らせます。
もう一つ、前立腺肥大症。男性の前立腺が大きくなって、尿道を圧迫し、排尿の症状が出ます。多くは薬で改善しますが、ひどければ手術をします。
つながりを意識しましょう。あとで出てくる糖尿病の合併症、糖尿病性腎症が、慢性腎不全から人工透析に至る、最大の原因です。病気どうしはつながっています。
がん
がん(悪性腫瘍)
細胞が無秩序に増え、周囲の正常な組織を壊しながら広がるのが、がん(悪性腫瘍・悪性新生物)。日本人の死因第1位で、高齢になるほど増えます。
- 日本人の死因第1位。男性は肺がん、女性は大腸がんがトップ
- 高齢者は、若年者と質的な差はないが、発症頻度と多発がん(複数臓器に同時)が増える
- 終末期には、どのがんでも全身倦怠感・食欲不振・痛みがみられる
- 治療=手術・化学療法・放射線療法。末期は延命治療に代えて緩和ケア(苦痛を除く)が選択されることも
次は、がんです。
がんは、細胞が無秩序に増えて、周囲の正常な組織を壊しながら広がる病気。悪性腫瘍、悪性新生物とも呼ばれます。日本人の死因の第1位で、高齢になるほど増えます。
覚えどころ。日本人の死因第1位。そして、男性では肺がん、女性では大腸がんが、それぞれトップです。
高齢者のがんは、若い人と質的な差はありませんが、発症する頻度と、複数の臓器に同時に生じる多発がんが、増えるのが特徴です。
症状は臓器によって異なりますが、終末期には、どのがんでも、全身倦怠感、食欲不振、痛みがみられます。
治療は、手術、化学療法、放射線療法など。末期の場合は、積極的な延命治療に代えて、痛みなどの苦痛を除く緩和ケアが、選択されることもあります。
ケアの視点として、高齢のがんでは、治すことより、苦痛をやわらげ、その人らしく過ごす緩和ケアが、重要になる場面が多くなります。介護でも大切な考え方です。
代謝の疾患
糖尿病①(病態・分類・症状)
食べた糖を細胞に取り込む鍵が、膵臓から出るインスリン。これが不足・不足ぎみになると、糖が血液にあふれ、慢性的に血糖が高い状態が続きます。これが糖尿病です。
- 1型=自己免疫などでインスリン分泌が障害/2型=遺伝・生活習慣でインスリンの作用不足。2型がほとんど
- そのほか、妊娠を契機の妊娠糖尿病なども
- 症状=初期は無症状。進むと口渇・多飲多尿・倦怠感・体重減少
- 動脈硬化を進め、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞が起こりやすくなる。治療は食事・運動+薬・インスリン
ここから代謝の病気。受験の最重要の一つ、糖尿病です。2枚に分けます。まずは病態から。
仕組みです。食べた糖を、細胞に取り込む鍵が、膵臓から出るインスリン。これが不足したり、効きが悪くなったりすると、糖が血液にあふれ、慢性的に血糖が高い状態が続く。これが糖尿病です。
分類。自己免疫などでインスリンの分泌が障害されるのが1型。遺伝や生活習慣で、インスリンの作用が不足するのが2型。そして、2型がほとんどを占めます。
そのほか、妊娠をきっかけに発症する、妊娠糖尿病などもあります。
症状は、初期には無症状のことが多く、進むと、口の渇き、多飲多尿、倦怠感、体重減少などが現れます。
そして糖尿病は、動脈硬化を進めるので、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞が起こりやすくなります。治療は、食事療法と運動療法を基本に、血糖を下げる薬やインスリン注射です。
注意点。飲み薬でも、効きすぎると低血糖を起こすおそれがあります。インスリン注射をしていなくても、油断しないことが大切です。
代謝の疾患
糖尿病②(三大合併症)/脂質異常症
糖尿病でいちばん問われるのが三大合併症。高い血糖が、細い血管や神経を、じわじわ傷めて起こります。3つともすべて特定疾病です。
- 網膜症=網膜の血管が障害され視力低下・眼底出血(中途失明原因の上位)
- 腎症=腎臓の毛細血管が障害→腎機能低下→透析(人工透析導入の原因第1位)
- 神経障害=手足のしびれ・痛み。感覚麻痺から足の壊疽に至ることも
- 脂質異常症=血中脂質が異常(高LDL/低HDL等)。自覚症状はなく血液検査で発見。動脈硬化を進める
糖尿病の2枚目。いちばん問われる、三大合併症です。
高い血糖が、細い血管や神経を、じわじわ傷めて起こるのが、三大合併症。3つとも、すべて特定疾病です。
1つめ、網膜症。目の網膜の血管が障害され、視力低下や眼底出血を起こします。中途失明の原因の上位です。
2つめ、腎症。腎臓の毛細血管が障害されて、腎機能が低下し、透析が必要になります。これが、人工透析導入の原因の第1位です。とても重要な数字です。
3つめ、神経障害。手足のしびれや痛みが出て、感覚が麻痺すると、足の組織が死ぬ壊疽に至ることもあります。
あわせて、脂質異常症。血液中の脂質が、高すぎたり低すぎたりする状態です。自覚症状はなく、血液検査で見つかります。動脈硬化を進めます。
頻出のひっかけ。三大合併症は、網膜症、腎症、下肢の壊疽、という選択肢は誤り。正しくは神経障害で、壊疽は、その神経障害の結果として生じるもの。ここは確実に。
代謝・環境の疾患
低ナトリウム血症・熱中症
高齢者は、体の水分・塩分の調節がうまくいかず、脱水や熱中症を起こしやすい。命にかかわることもあり、ケアでも重要です。
- 低ナトリウム血症=血液中のナトリウムが薄くなる(水分過剰でも起こる)。倦怠感・頭痛・見当識障害→重度で痙攣も
- 熱中症=高温多湿で体温調節がきかず、体に熱がこもる。高齢者は屋内でも起こしやすい(暑さを自覚しにくい)
- 風邪薬の抗ヒスタミン薬・抗コリン薬(発汗を抑える)が熱中症の要因になることも
- 熱中症の応急=首・腋窩(わきの下)・大腿の太い血管を集中的に冷やす。意識がなければ救急車
代謝の最後に、高齢者に多い、脱水と熱中症を扱います。
高齢者は、体の水分や塩分の調節がうまくいかず、脱水や熱中症を起こしやすいのです。命にかかわることもあり、ケアでも重要です。
まず低ナトリウム血症。血液中のナトリウムが薄くなる状態で、水分が過剰になっても起こります。倦怠感、頭痛、見当識障害から始まり、重度になると痙攣を起こすこともあります。
熱中症は、高温多湿の環境で、体温調節がきかなくなり、体に熱がこもる状態。高齢者は、屋内でも起こしやすく、暑さを自覚しにくいのが特徴です。
注意したいのが、風邪薬。風邪薬に含まれる抗ヒスタミン薬や抗コリン薬は、汗を抑える作用があり、熱中症の要因になることがあります。
熱中症の応急処置。首、わきの下である腋窩、そして太ももの、太い血管を、集中的に冷やすのが効果的です。意識がなければ、すぐに救急車を呼びます。
予防のコツ。汗をたくさんかくときは、水分だけでなく、塩分も補給すること。水だけを大量に飲むと、かえって低ナトリウム血症になることがあるからです。
呼吸器の疾患
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
長年の喫煙などで、気道や肺に炎症が起き、息がうまく吐けなくなる病気。肺気腫と慢性気管支炎をまとめてCOPDと呼びます。特定疾病です。
- 主な原因は喫煙。労作時(歩行・階段)の息切れ、慢性のせき・痰が症状
- 全身の炎症・栄養障害・骨格筋機能障害・骨粗鬆症なども伴う
- 予防・治療ともに禁煙が基本。インフルエンザ・肺炎球菌ワクチンも有効
- 薬は気管支拡張薬・吸入ステロイド。重症化すると酸素療法が必要に
ここから呼吸器の病気です。まずはCOPD、慢性閉塞性肺疾患。
長年の喫煙などで、気道や肺に炎症が起きて、息がうまく吐けなくなる病気です。肺がふくらんで戻らない肺気腫と、慢性気管支炎をまとめて、COPDと呼びます。特定疾病です。
主な原因は喫煙。症状は、動いたときの息切れ、労作時の息切れと、慢性のせき、痰です。
さらに、全身の炎症や、栄養障害、骨格筋の機能障害、骨粗鬆症なども伴います。
予防も治療も、禁煙が基本です。インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種も有効です。
薬は、気管支を広げる気管支拡張薬や、吸入ステロイド。重症になると、酸素療法が必要になります。
過去問。COPDのある高齢者では禁煙が重要、は正しい。原因が喫煙なのだから、まず禁煙。理屈で押さえれば確実です。
呼吸器の疾患
肺炎・誤嚥性肺炎/肺結核・喘息
高齢者の呼吸器で最重要が誤嚥性肺炎。飲み込む力の低下で、食べ物や唾液が気道に入って起こります。肺炎による死亡者の95%以上が高齢者です。
- 誤嚥性肺炎=唾液や食べかす・分泌物の繰り返す誤嚥で発症。口腔ケアが予防に
- 高齢者の肺炎は症状がはっきり出ないことも(元気がない・食欲低下も兆候)
- 肺結核=若い頃の感染が、加齢の免疫低下で再燃。せき・微熱・体重減少。抗結核薬を6か月以上(空気感染)
- 喘息=気道が狭くなり喘鳴・呼吸困難。子どもの病気と思われがちだが中高年発症も多く治りにくい
次は、肺炎を中心に、結核と喘息もまとめます。
高齢者の呼吸器で、いちばん重要なのが誤嚥性肺炎。飲み込む力が落ちて、食べ物や唾液が気道に入って起こります。肺炎で亡くなる人の、95パーセント以上が高齢者です。
誤嚥性肺炎は、唾液や、食べかす、分泌物を、繰り返し誤嚥することで発症します。だからこそ、口腔ケアが予防につながります。
高齢者の肺炎は、せきや高熱といった症状が、はっきり出ないこともあります。なんとなく元気がない、食欲が落ちた、これも肺炎を疑う兆候です。
肺結核は、若い頃にかかった結核が、加齢で免疫が落ちて、再び活動する再燃が起こります。せき、微熱、体重減少に注意。治療は、抗結核薬を6か月以上。空気感染します。
喘息は、気道が狭くなって、ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴や、呼吸困難が出ます。子どもの病気と思われがちですが、中高年での発症も多く、子どもより治りにくいのが特徴です。
口腔ケアの意味を理解しましょう。口の中を清潔に保てば、たとえ誤嚥しても、肺炎になりにくい。だから高齢者の口腔ケアは、肺炎予防として、とても重要なのです。
皮膚の疾患
皮膚①(疥癬・白癬)
高齢者施設で問題になりやすいのが、うつる皮膚の感染症。疥癬と白癬は、感染対策が出題されます。
- 疥癬=ヒゼンダニの寄生。腋窩・外陰部・手などに発疹とかゆみ
- ノルウェー疥癬(角化型)はダニが極めて多く感染力が非常に強い→施設では個室管理・寝具やタオルを分け洗濯も別に
- 白癬(水虫)=白癬菌の感染。爪にうつると爪白癬(白く濁り厚くなる)
- 白癬は家庭内感染するので、スリッパや足拭きマットを共用しない
ここから皮膚の病気です。まずは、うつる感染症から。
高齢者施設で問題になりやすいのが、うつる皮膚の感染症。疥癬と白癬は、感染対策が出題されます。
疥癬は、ヒゼンダニという小さなダニの寄生で起こります。わきの下や外陰部、手などに、発疹とかゆみが出ます。
ここが大事。ダニの数が桁違いに多い、ノルウェー疥癬、角化型疥癬は、感染力が非常に強い。施設で発生すると集団感染の危険があるため、一定期間の個室管理が必要です。寝具やタオルを分け、洗濯も別にします。
白癬は、いわゆる水虫。カビの一種、白癬菌の感染で、手足にかゆみが出ます。爪にうつると、爪が白く濁って厚くなる、爪白癬になります。
白癬は、家庭内で感染するので、スリッパや足拭きマットを共用しないようにします。
通常の疥癬と、ノルウェー疥癬。同じヒゼンダニでも、数が桁違いに多いノルウェー疥癬は、感染力が段違いです。だから、個室管理など、特別な対応が必要になる、と理解しましょう。
皮膚の疾患
皮膚②(帯状疱疹・乾燥・薬疹)
うつらないタイプの皮膚トラブル。帯状疱疹と、加齢による乾燥のかゆみが中心です。
- 帯状疱疹=水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化。昔の水ぼうそうのウイルスが体に潜み、再び暴れる
- 体の片側に帯状の水疱とかなりの痛み。早期治療が肝心(帯状疱疹後神経痛が残ることも)
- 皮脂欠乏症・皮膚掻痒症=加齢で皮脂が減り乾燥→とくに冬にかゆみ。こすりすぎず、石けんは泡で優しく、保湿
- 薬疹=薬へのアレルギー。すべての薬で起こりうる。原因薬剤を速やかに中止
皮膚の2枚目。うつらないタイプのトラブルです。
中心は、帯状疱疹と、加齢による乾燥のかゆみです。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化で起こります。昔かかった水ぼうそうのウイルスが、体に潜んでいて、再び暴れ出すのです。
症状は、体の片側に、帯状の水疱と、かなりの痛み。早く治療を始めることが肝心で、治った後も、帯状疱疹後神経痛という痛みが残ることがあります。
次に、皮脂欠乏症と皮膚掻痒症。加齢で皮脂が減って乾燥し、とくに冬にかゆみが出ます。こすりすぎず、石けんはよく泡立てて優しく洗い、保湿を心がけます。
最後に薬疹。薬に対するアレルギーで、すべての薬で起こりえます。原因となった薬剤を、速やかに中止します。
なぜ帯状疱疹が高齢者に多いのか。水ぼうそうのウイルスは、治った後も神経に潜んでいます。加齢や疲れで免疫が落ちると、再び活動する。だから高齢者に多いのです。
感覚器の疾患
目の疾患(白内障・緑内障)
最後は感覚器。まずは目です。加齢でほぼ全員に起こる白内障と、気づきにくく失明につながる緑内障は、必ず区別します。
- 白内障=水晶体が濁って視力が低下。加齢が主因で80歳以上はほぼ全員。進めば眼内レンズの手術
- 緑内障=眼圧の上昇などで視神経が障害。日本では正常眼圧緑内障が多い
- 緑内障は自覚症状が乏しく、進行すると視力が戻りにくい→早期発見・早期治療が重要(失明原因の上位)
- 加齢黄斑変性=網膜の中心(黄斑)が障害され、視野の中心がゆがむ・中心暗点。失明原因の上位
ここから感覚器、目と耳の病気です。まずは目から。
加齢でほぼ全員に起こる白内障と、気づきにくく失明につながる緑内障。この2つは、必ず区別できるようにしましょう。
白内障は、目の水晶体が濁って、視力が下がる病気。加齢が主な原因で、80歳以上では、ほぼ全員にみられます。ある程度進んだら、濁った水晶体を取って、眼内レンズを入れる手術をします。
緑内障は、眼圧が上がるなどして、視神経が障害される病気。ただし、日本では、眼圧が正常なのに起こる、正常眼圧緑内障が多いのが特徴です。
緑内障の怖いところ。自覚症状に乏しく、進行すると視力が戻りにくい。だから、早期発見、早期治療が重要です。失明原因の上位に入ります。
もう一つ、加齢黄斑変性。網膜の中心にある黄斑が障害され、視野の真ん中がゆがんだり、中心が見えなくなる中心暗点が出ます。これも失明原因の上位です。
白内障と緑内障の違いを整理。白内障は、水晶体が濁るので、見え方がかすむ。緑内障は、視神経がやられるので、視野が欠ける。原因の場所が違う、と覚えましょう。
感覚器の疾患
耳鼻の疾患(難聴・めまい)
感覚器の最後は、耳。聞こえにくくなる難聴と、ふらつくめまいを押さえます。
- 難聴=障害の部位で伝音性(外耳・中耳)と感音性(内耳・神経)に分かれる
- 加齢性難聴は感音性。高い音から聞こえにくくなる
- 対応=正面を向いてゆっくり話す・補聴器の活用
- めまい=内耳など平衡感覚の障害。良性発作性頭位めまいが代表。起立性低血圧やパーキンソン病でも起こる
感覚器の最後は、耳の病気です。難聴と、めまいを押さえます。
難聴は、障害を受けている部位によって、外耳や中耳の問題である伝音性と、内耳や神経の問題である感音性に分かれます。
ここが大事。加齢による難聴は、感音性難聴です。高い音から、聞こえにくくなっていきます。
対応は、正面を向いて、ゆっくり話すこと。そして、補聴器を活用します。
めまいは、内耳など、平衡感覚の障害で起こります。代表は、良性発作性頭位めまい。ほかに、起立性低血圧や、パーキンソン病でも、めまいが起こることがあります。
伝音性と感音性。音を伝える外耳・中耳の問題が伝音性、音を感じる内耳・神経の問題が感音性。加齢で衰えるのは、感じる側、つまり感音性、と理解しましょう。
おつかれさまでした
第30講 まとめ
おつかれさまでした。たくさんの疾患を見てきましたが、系統と特定疾病、そして高齢者ならではの注意点で総整理しましょう。
- 特定疾病の常連:脳血管疾患・パーキンソン・ALS・脊柱管狭窄症・後縦靱帯骨化症・骨折を伴う骨粗鬆症・関節リウマチ・LEAD・COPD・糖尿病の三大合併症
- 数字とひっかけ:心筋梗塞にニトロは無効/間欠性跛行は脊柱管狭窄症とLEAD/糖尿病性腎症は透析導入1位/肺炎死亡の95%が高齢者
- 高齢者の横断注意:不顕性誤嚥(むせない誤嚥)・脱水と熱中症(首/腋窩/大腿を冷やす)・症状が出にくい(無痛性・非定型)
おつかれさまでした。第30講のまとめです。たくさんの疾患を見てきましたが、系統と特定疾病、高齢者ならではの注意点で総整理しましょう。
まず、特定疾病の常連。脳血管疾患、パーキンソン病、ALS、脊柱管狭窄症、後縦靱帯骨化症、骨折を伴う骨粗鬆症、関節リウマチ、LEAD、COPD、そして糖尿病の三大合併症です。
次に、数字とひっかけ。心筋梗塞にニトログリセリンは無効。間欠性跛行は、脊柱管狭窄症とLEADの両方。糖尿病性腎症は、人工透析導入の原因第1位。肺炎で亡くなる人の95パーセント以上が高齢者です。
そして、高齢者で横断的に注意したいのが、むせない誤嚥である不顕性誤嚥、脱水と熱中症、そして症状が出にくいこと。熱中症では、首やわきの下、太ももの太い血管を冷やします。
下の解説記事で、もう一度全体を整理しておきましょう。次回もお楽しみに。
この講の一問一答(◯×11問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
脳卒中(脳血管疾患)は、再発すると後遺症が重くなることがある。
答えと解説
◯ ○(第24回)。再発を繰り返すと重篤な後遺症が生じ、血管性認知症の原因にもなる。詰まる脳梗塞と破れる脳出血に大別。特定疾病。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、感覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害・褥瘡が早期から目立つ。
答えと解説
✕ ×。これらは四大陰性徴候で、みられにくいのが特徴。痛覚などの知覚や記憶力は保たれる。球麻痺で嚥下・構音障害。特定疾病。
パーキンソン病の安静時振戦は、動作をすると強くなり、安静にすると消える。
答えと解説
✕ ×。逆。じっとしていると震え、動作で止まるのが安静時振戦。四大運動症状は振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害。特定疾病。
進行性核上性麻痺では、早期から認知機能の低下を認めやすい。
答えと解説
◯ ○(第20回)。思考の遅延や無感情などが早期から現れやすい。特定疾病。
関節リウマチでは、症状の日内変動はみられない。
答えと解説
✕ ×(第28回)。起床時に1時間以上続く朝のこわばりなど、日内変動がみられる。左右対称・小さい関節から。特定疾病。
脊柱管狭窄症では、腰痛・下肢痛・しびれはみられない。
答えと解説
✕ ×(第20回)。腰痛・下肢痛・しびれのほか間欠性跛行がみられる。原因疾患は変形性脊椎症が最多。特定疾病。
骨折を伴う骨粗鬆症は、介護保険の特定疾病である。
答えと解説
◯ ○。骨粗鬆症は圧倒的に女性に多く、骨折は寝たきりの主要原因の一つ。大腿骨頸部骨折は手術+早期離床で廃用を防ぐ。
高齢者が心筋梗塞を起こしている場合は、必ず強い胸痛がある。
答えと解説
✕ ×(第28回)。高齢者では胸痛がなく、左肩〜頸部の痛みや呼吸困難で現れる無痛性心筋梗塞もある。心筋梗塞にニトロは無効。
慢性腎不全では、人工透析の開始を遅らせるため、食事療法を中心に行う。
答えと解説
◯ ○。たんぱく質・カリウム・塩分・水分などを制限する。慢性腎不全の原因として糖尿病性腎症が多い。
糖尿病の三大合併症は、網膜症・腎症・下肢の壊疽である。
答えと解説
✕ ×(第11回)。神経障害が正しい。下肢の壊疽は神経障害の結果として生じる。三大合併症はいずれも特定疾病。腎症は透析導入の原因第1位。
誤嚥性肺炎は、口腔内・咽頭の分泌物などを繰り返し誤嚥することにより発症する。
答えと解説
◯ ○(第20回)。高齢者で増加し、肺炎による死亡者の95%以上が高齢者。口腔ケアが予防に有効。
五肢複択
高齢者に多い疾病について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 脳血管疾患は、介護保険の特定疾病ではない
- パーキンソン病の四大運動症状に、姿勢反射障害が含まれる
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主な原因は喫煙である
- 関節リウマチは、身体の片側だけに症状が現れる
- 誤嚥性肺炎の予防には、口腔ケアが有効である
答えと解説
正解:2・3・5
1 誤り。脳血管疾患は特定疾病である。
2 正しい。四大運動症状は安静時振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害。
3 正しい。COPDは主に喫煙が原因で、予防・治療とも禁煙が基本。
4 誤り。関節リウマチは身体の左右対称に現れる。
5 正しい。唾液減少や分泌物の繰り返す誤嚥で生じ、口腔ケアが予防になる。
高齢者の疾患の特徴について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 心筋梗塞の発作時には、ニトログリセリンの舌下投与が有効である
- 間欠性跛行は、脊柱管狭窄症と下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)でみられる
- 糖尿病性腎症は、人工透析導入の原因の第1位である
- 加齢性難聴は、伝音性難聴である
- 緑内障は自覚症状が乏しく、進行すると視力回復が困難になる
答えと解説
正解:2・3・5
1 誤り。舌下投与が有効なのは狭心症。心筋梗塞には有効でない。
2 正しい。どちらも間欠性跛行を呈し、両者の区別が問われる。
3 正しい。糖尿病性腎症は人工透析導入の原因の第1位。
4 誤り。加齢性難聴は感音性難聴である。
5 正しい。日本では正常眼圧緑内障が多く、早期発見・早期治療が重要。