保健医療サービス分野 > 第41講 睡眠の介護|睡眠障害の種類・原因・引き起こす疾患のまとめ/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CH2 SEC16
第41講 睡眠の介護
睡眠は心身の疲労を回復させ、よりよい生活を営むために必要です。高齢者は加齢で全般的に眠りが浅くなり、睡眠障害を起こしやすくなります。この講では「睡眠障害の種類」「原因」「引き起こす疾患」を学びます。
- ①睡眠障害の種類(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害)
- ②睡眠障害の原因(身体・心理・物理・薬理学・疾病)
- ③睡眠障害を引き起こす疾患(無呼吸・周期性四肢運動・むずむず脚)
第41講を始めましょう。テーマは、睡眠の介護です。
睡眠は、心身の疲労を回復させ、よりよい生活を営むために必要なものです。高齢者は加齢とともに全般的に眠りが浅くなり、睡眠障害を起こしやすくなります。
今日のゴールは3つです。
1つめ、睡眠障害の種類。入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つです。
2つめ、睡眠障害の原因。身体的、心理的、物理的、薬理学的、そして疾病などの要因です。
3つめ、睡眠障害を引き起こす疾患。無呼吸、周期性四肢運動、むずむず脚です。
睡眠障害の種類
睡眠障害とは
睡眠障害は、単に「眠れない」だけでなく、睡眠の質が悪化するものも含み、いくつかの種類に分けられます。
- 高齢者は加齢で全般的に眠りが浅くなり、睡眠障害を起こしやすい
- 睡眠障害は健康や生活に影響を及ぼす
まず、睡眠障害とは何か。
睡眠障害は、単に眠れないというだけでなく、睡眠の質が悪くなるものも含み、いくつかの種類に分けられます。
高齢者は、加齢とともに全般的に眠りが浅くなり、睡眠障害を起こしやすくなります。
睡眠障害は、健康や生活にも影響を及ぼすため、種類と原因を理解しておくことが大切です。
入眠困難・中途覚醒
睡眠障害の種類①
睡眠障害の種類は、大きく4つです。まず2つ。
1つめ、入眠困難。寝つきが悪く、なかなか眠れないことです。
2つめ、中途覚醒。眠りが浅く、途中で目が覚めやすいことです。
早朝覚醒・熟眠障害
睡眠障害の種類②
残りの2つです。
3つめ、早朝覚醒。起床する予定の時刻よりも早く目が覚めて、そのまま眠れなくなることです。
4つめ、熟眠障害。眠ったのに、深く眠れたという感覚が得られないことです。
ここはひっかけ注意。寝つきが悪いのは入眠困難で、熟眠障害ではありません。過去の試験でも、この2つの取り違えが出題されています。
身体的・心理的要因
睡眠障害の原因①
次に、睡眠障害の原因です。原因は5つに分けられます。
1つめ、身体的要因。痛みやかゆみ、せき、呼吸困難、頻尿など、身体の不快や苦痛が原因になります。これは過去問にも出ました。
2つめ、心理的要因。ストレスや緊張、不安、心配などです。
物理的・薬理学的要因
睡眠障害の原因②
3つめ、物理的要因。騒音や、逆に無音、光、温度や湿度、それに引越しなどの生活環境の変化が原因になります。
4つめ、薬理学的要因。薬物の副作用による、日中の眠気、傾眠傾向や、夜間の興奮・覚醒です。
疾病等による要因
睡眠障害の原因③
- 疾病等による要因:うつ病や不安障害などの症状としての睡眠障害
5つめ、疾病などによる要因。うつ病や不安障害などの、症状としての睡眠障害です。
ここまでで原因は5つ。身体的、心理的、物理的、薬理学的、そして疾病などの要因でした。次は、睡眠障害を引き起こす疾患そのものを見ていきます。
睡眠障害を引き起こす疾患
引き起こす疾患①睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に10秒以上呼吸が止まる無呼吸が一定回数に上るもの。中途覚醒の原因となり、日中に強い眠気が生じます。
- 閉塞性睡眠時無呼吸:舌根が沈下して気道が狭くなり無呼吸に
- 中枢性睡眠時無呼吸:心不全などで起こる
ここから、睡眠障害を引き起こす代表的な疾患を3つ見ます。1つめは、睡眠時無呼吸症候群。
睡眠中に10秒以上、呼吸が止まる無呼吸の状態が、一定の回数に上るものです。中途覚醒の原因となり、日中に強い眠気が生じます。
タイプは2つ。1つは閉塞性睡眠時無呼吸。睡眠時に舌の根もと、舌根が沈み込んで気道が狭くなり、無呼吸になります。
もう1つは中枢性睡眠時無呼吸。心不全などが原因で起こります。
睡眠障害を引き起こす疾患
引き起こす疾患②周期性四肢運動異常症
- 睡眠中に、瞬間的に手足にけいれんが起こることで睡眠が中断される
- 中途覚醒の原因となる
2つめは、周期性四肢運動異常症。
睡眠中に、瞬間的に手足にけいれんが起こることで、睡眠が中断されます。
これも、中途覚醒の原因となります。
むずむず脚症候群
引き起こす疾患③レストレスレッグス症候群
- 脚がほてり、かきむしりたくなるような不快感やむずむずした感覚が起こる
- 眠りが妨げられ、中途覚醒の原因となる
3つめは、レストレスレッグス症候群。むずむず脚症候群とも呼ばれます。
脚がほてったり、かきむしりたくなるような不快感や、むずむずとした感覚が起こります。
そのために眠りが妨げられ、これも中途覚醒の原因となります。3つの疾患は、いずれも中途覚醒につながると覚えましょう。
ここで差がつく
ひっかけ総整理
- 「寝つきが悪い」=入眠困難(熟眠障害ではない)
- 睡眠時無呼吸では中途覚醒が起き、日中に強い眠気が生じる(昼間眠気なし、は誤り)
- 無呼吸・周期性四肢運動・むずむず脚は、いずれも中途覚醒の原因
試験で差がつくポイントを整理します。
1つめ。寝つきが悪いのは入眠困難。深く眠れた感覚が得られないのが熟眠障害。この2つを取り違えないこと。
2つめ。睡眠時無呼吸では中途覚醒が起き、日中に強い眠気が生じます。中途覚醒がないから昼間は眠気を感じない、という記述は誤りです。
3つめ。無呼吸、周期性四肢運動、むずむず脚。この3つの疾患は、いずれも中途覚醒の原因になります。
おつかれさまでした
第41講 まとめ
- 種類=入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害
- 原因=身体的・心理的・物理的・薬理学的・疾病等の5つ
- 疾患=睡眠時無呼吸(閉塞性/中枢性)・周期性四肢運動異常症・むずむず脚(いずれも中途覚醒の原因)
第41講のまとめです。
睡眠障害の種類は4つ。入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害でした。
原因は5つ。身体的、心理的、物理的、薬理学的、そして疾病などの要因です。
引き起こす疾患は3つ。睡眠時無呼吸症候群、これは閉塞性と中枢性。周期性四肢運動異常症。そしてむずむず脚症候群。いずれも中途覚醒の原因でした。
おつかれさまでした。読んで復習したい人は、下の解説記事もどうぞ。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
高齢者は加齢とともに全般的に眠りが浅くなり、睡眠障害を起こしやすい。
答えと解説
◯ ○。高齢者は加齢で眠りが浅くなり、睡眠障害を起こしやすく、健康や生活に影響する。
睡眠障害は、眠れないこと(不眠)だけを指し、睡眠の質の悪化は含まない。
答えと解説
✕ ×(質の悪化も含む)。睡眠障害は眠れないだけでなく、睡眠の質が悪化するものも含む。
寝つきが悪く、なかなか眠れない状態を入眠困難という。
答えと解説
◯ ○。入眠困難は寝つきが悪いこと。中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害と区別する。
床に就いてもなかなか眠れないことを、熟眠障害という。
答えと解説
✕ ×(入眠困難)。第22回問28。熟眠障害は深く眠れた感覚が得られないこと。寝つきの悪さは入眠困難。
起床予定時刻よりも早く目が覚め、そのまま眠れなくなることを中途覚醒という。
答えと解説
✕ ×(早朝覚醒)。中途覚醒は眠りが浅く目が覚めやすいこと。早く目覚めて眠れないのは早朝覚醒。
痛みやかゆみ、咳、呼吸困難、頻尿が睡眠障害の原因となることがある。
答えと解説
◯ ○(第28回問27)。身体の不快や苦痛は、睡眠障害の身体的要因となる。
騒音は睡眠障害の物理的要因になるが、無音は要因にならない。
答えと解説
✕ ×(無音も物理的要因)。騒音や無音・光・温度・湿度・生活環境の変化が物理的要因。
うつ病や不安障害の症状として、睡眠障害が現れることがある。
答えと解説
◯ ○。うつ病や不安障害などの症状としての睡眠障害は、疾病等による要因。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に10秒以上呼吸が止まる無呼吸が一定回数に上るものである。
答えと解説
◯ ○。中途覚醒の原因となり、日中に強い眠気が生じる。閉塞性と中枢性がある。
睡眠時無呼吸が認められる高齢者は、中途覚醒がないため昼間は眠気を感じないことが多い。
答えと解説
✕ ×(昼間に強い眠気)。第16回問32。中途覚醒の原因となり、昼間に強い眠気を感じることが多い。
周期性四肢運動異常症は、睡眠中の手足のけいれんで睡眠が中断され、中途覚醒の原因となる。
答えと解説
◯ ○。睡眠中に瞬間的に手足にけいれんが起こり、睡眠が中断される。
レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、脚の不快感で眠りが妨げられ、中途覚醒の原因となる。
答えと解説
◯ ○。脚のほてりやむずむず感で眠りが妨げられる。3疾患はいずれも中途覚醒の原因。
五肢複択
睡眠障害の種類と原因について、正しいものを2つ選べ。
- 中途覚醒とは、眠りが浅く目が覚めやすいことをいう。
- 入眠困難とは、深く眠れた感覚が得られないことをいう。
- ストレスや不安は、睡眠障害の心理的要因である。
- 薬物の副作用による夜間の興奮は、睡眠障害の身体的要因である。
- 騒音や光は、睡眠障害の心理的要因である。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。中途覚醒は、眠りが浅く目が覚めやすいこと。
2 誤り。深く眠れた感覚が得られないのは熟眠障害。入眠困難は寝つきが悪いこと。
3 正しい。ストレス・緊張・不安・心配などは心理的要因。
4 誤り。薬物の副作用による傾眠や夜間の興奮・覚醒は薬理学的要因。
5 誤り。騒音や無音・光・温度・湿度などは物理的要因。
睡眠障害を引き起こす疾患について、正しいものを2つ選べ。
- 睡眠時無呼吸症候群には、閉塞性と中枢性がある。
- 睡眠時無呼吸症候群では、中途覚醒が起こらず、日中の眠気もない。
- 閉塞性睡眠時無呼吸は、舌根が沈下して気道が狭くなることで起こる。
- 周期性四肢運動異常症は、覚醒中に手足が動かなくなる疾患である。
- レストレスレッグス症候群は、睡眠の質を高め、中途覚醒を防ぐ。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。睡眠時無呼吸症候群には、舌根沈下による閉塞性と、心不全等による中枢性がある。
2 誤り。睡眠時無呼吸症候群は中途覚醒の原因となり、日中に強い眠気が生じる。
3 正しい。閉塞性は睡眠時に舌根が沈下して気道が狭くなり、無呼吸となる。
4 誤り。周期性四肢運動異常症は、睡眠中に瞬間的に手足にけいれんが起こり睡眠が中断される。
5 誤り。レストレスレッグス症候群は脚の不快感で眠りが妨げられ、中途覚醒の原因となる。