CH30
保健医療サービス分野 > 第42講

入浴・清潔保持、整容の介護|清潔の意義と介護の方法

🏠 トップ
📖 この講の全文を、文字で読む
👆
📋
「始める」を押すと、先生が声に出して解説します。
1 / 13
速さ 1.0×

保健医療サービス分野 > 第42講 入浴・清潔保持、整容の介護|清潔の意義と介護の方法/全文

この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。

CH2 SEC17

第42講 入浴・清潔保持、整容の介護

身体を清潔に保つことは、汚れをとるだけでなく心理的・社会的にも効果があり、全身状態を観察して異常の早期発見にもつながります。この講では「清潔の意義」「清潔介護の方法」「整容の介護」を学びます。

第42講を始めましょう。テーマは、入浴・清潔保持、そして整容の介護です。

身体を清潔に保つことは、単に汚れをとるだけでなく、心理的・社会的にも効果があります。また、全身状態を観察する機会となり、異常の早期発見にもつながります。

今日のゴールは3つです。

1つめ、清潔の意義。身体的・心理的・社会的な意義と効果です。

2つめ、清潔介護の方法。入浴、清拭、手浴・足浴、洗髪、陰部清拭です。

3つめ、整容の介護。整髪、洗顔、爪切り、ひげ剃りです。

身体的・心理的・社会的

清潔の意義

身体身体的:皮膚の機能を健康に保つ/血液循環・新陳代謝の促進/リハビリ効果
心理心理的:爽快感で気分をリフレッシュ/リラックス感をもたせる
社会社会的:他者へ清潔感を与え、社会性を高める
見落とし注意清潔ケアは全身状態を観察する機会。異常の早期発見につながる。

まず、清潔の意義です。3つの面があります。

1つめ、身体的な意義。皮膚の機能を健康に保ち、血液循環や新陳代謝を促進します。リハビリの効果もあります。

2つめ、心理的な意義。爽快感で気分をリフレッシュし、リラックス感をもたせます。

3つめ、社会的な意義。他者へ清潔感を与え、社会性を高めます。

そしてもう一つ大切なのが、清潔ケアは利用者の全身状態を観察する機会になるということ。異常の早期発見につながります。

清潔介護の方法

清潔介護①入浴(留意点)

ここから清潔介護の方法です。まず入浴。

入浴は身体への負担が大きいため、入浴の前後に体調確認を行います。

また、転倒、溺水、そしてヒートショックなどの事故予防に留意します。ヒートショックは次のスライドで説明します。

適切な入浴補助具や浴槽を選んで活用し、利用者の入浴習慣を尊重して、プライバシーに配慮します。

清潔介護の方法

清潔介護①入浴(湯温・時間)

38〜40℃ / 10〜15分湯温の目安 / 入浴時間の目安

入浴の続きです。数字を押さえましょう。

湯温は38度から40度程度、入浴時間は10分から15分をめやすとします。

入浴の前後には水分を補給し、脱水を予防します。

ヒートショックとは、急激な温度変化がもたらす身体への悪影響のことです。居室と廊下、脱衣室と浴室など、温度差が大きい場所への移動で血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。高温浴では、入湯時の血圧上昇と、温まってからの血圧降下で、めまいや意識消失の危険もあります。

清潔介護の方法

清潔介護②清拭

2つめは、清拭。身体を拭いて清潔にすることです。

室温を適切に保ち、プライバシーに配慮して、露出は最小限にします。

拭く方向の基本は、末端から中枢へ。つまり手足の先から体の中心に向かって拭きます。おなか、腹部は、大腸の走行に沿って、の の字を描くように拭きます。

清潔介護の方法

清潔介護③手浴・足浴

3つめは、手浴・足浴。手や足だけをお湯で洗うことです。

湯温に注意し、やけど、熱傷を予防して、適温を保ちます。

手足に拘縮などがある場合は、温めながら、無理のないように伸ばして洗います。

拘縮が強い場合は、関節に負担をかけない良肢位を保つようにします。

清潔介護の方法

清潔介護④洗髪

4つめは、洗髪、髪を洗うことです。

まず、頭皮に異常がないことを確認します。

ベッドの上で行う場合は、寝具や寝衣を濡らさない工夫をします。

洗髪のあとは十分に乾かし、髪や頭皮に水分を残さないようにします。

清潔介護の方法

清潔介護⑤陰部清拭

過去問陰部は汚れやすく、放置すると褥瘡・皮膚炎・尿路感染の原因となる(第11回問36)。

5つめは、陰部清拭です。

陰部は汚れやすいため、1日に1回は行うようにします。放置すると、褥瘡や皮膚炎、尿路感染の原因になります。

介助する人は手袋を着用し、感染を予防します。

女性の場合は、尿道への感染を防ぐため、前から後ろへ向かって拭きます。ここは試験で狙われるポイントです。

整容の介護

整容の介護とは

整容には整髪・洗顔・爪切り・ひげ剃りなどがあり、利用者の社会参加に重要なかかわりがあります。

ここから整容の介護です。

整容には、整髪、洗顔、爪切り、ひげ剃りなどがあり、利用者の社会参加に重要なかかわりがあります。

整容には2つの側面があります。外出しないから整容をしない場合と、逆に、整容ができないために外出をしない場合です。

この両面に配慮しながら、介護を行うことが必要です。身だしなみが整うと、外に出るきっかけにもなります。

整容の介護

整容①整髪・洗顔

整髪髪の毛を整える。カットやパーマなどは自費となるが、理美容のニーズも考慮する
洗顔顔を洗うだけでなく、汚れのつきやすい目・鼻・耳・口のまわりもていねいに拭く

整容の1つめ、整髪と洗顔です。

整髪は、髪の毛を整えること。カットやパーマなどは自費となりますが、理美容のニーズも考慮します。

洗顔は、顔を洗うだけでなく、汚れのつきやすい目、鼻、耳、口のまわりも、ていねいに拭きます。

整容の介護

整容②爪切り・ひげ剃り

とくに足指の爪の状態を観察。深爪に注意。手入れを怠ると巻爪・爪白癬が引き起こされる
ひげ電動シェーバーなどを使用し、利用者本人が行う。肌に傷がついていないか確認する

整容の2つめ、爪切りとひげ剃りです。

爪切りでは、とくに足指の爪の状態を観察します。深爪になっていないか注意します。手入れを怠ると、巻き爪や爪白癬が引き起こされるので注意します。

ひげ剃りは、電動シェーバーなどを使用し、できるだけ利用者本人が行います。その際、肌に傷がついていないかを確認します。

ここで差がつく

ひっかけ総整理

試験で差がつくポイントを整理します。

1つめ。清拭は、末端から中枢へ拭きます。中枢から末端、は誤り。腹部は の の字でした。

2つめ。女性の陰部清拭は、前から後ろへ。後ろから前、は誤りです。尿道への感染を防ぐためでした。

3つめ。数字。湯温は38度から40度、入浴時間は10分から15分。陰部清拭は1日1回。この数字を押さえましょう。

おつかれさまでした

第42講 まとめ

第42講のまとめです。

清潔の意義は、身体的・心理的・社会的の3つ。そして全身状態を観察して、異常の早期発見につながることでした。

入浴は湯温38から40度、時間10から15分、水分補給とヒートショック注意。清拭は末端から中枢へ、腹部は の の字。女性の陰部清拭は前から後ろへ、1日1回でした。

整容は社会参加に重要。爪はとくに足指を観察し深爪に注意、巻き爪や爪白癬に気をつけます。ひげは電動シェーバーで本人が行います。

おつかれさまでした。読んで復習したい人は、下の解説記事もどうぞ。

この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)

すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →

  1. 身体の清潔を保つことは、汚れをとるだけでなく、血液循環や新陳代謝の促進につながる。

    答えと解説

     ○。皮膚の健康・血液循環や新陳代謝の促進・リハビリ効果は、清潔保持の身体的な意義。

  2. 清潔ケアは、利用者の全身状態を観察して異常を早期に発見する機会にもなる。

    答えと解説

     ○。清潔ケアは全身状態を観察する機会となり、異常の早期発見につながる。

  3. 入浴介助では、転倒や溺水、ヒートショックなどの事故予防に留意する。

    答えと解説

     ○。入浴は身体負担が大きいため、前後の体調確認とこれらの事故予防に留意する。

  4. 入浴の湯温は42〜45℃程度、入浴時間は30分程度をめやすとする。

    答えと解説

     ×(38〜40℃・10〜15分)。湯温は38〜40℃程度、入浴時間は10〜15分がめやす。

  5. 清拭は、中枢から末端に向かって拭くのが基本である。

    答えと解説

     ×(末端から中枢へ)。清拭の基本は末端から中枢へ。腹部は大腸に沿って の の字。

  6. 清拭で腹部を拭くときは、大腸の走行に沿って「の」の字に拭く。

    答えと解説

     ○。腹部は大腸の走行に沿って の の字を描くように拭く。

  7. 手足に拘縮がある場合は、温めながら無理のないように伸ばして洗う。

    答えと解説

     ○。拘縮があれば温めながら無理なく伸ばして洗い、強い場合は良肢位を保つ。

  8. 陰部は汚れやすいので、放置すると褥瘡や皮膚炎、尿路感染などの原因となる。

    答えと解説

     ○(第11回問36)。陰部は湿潤・汚れがつきやすく、褥瘡や皮膚炎を起こしやすい。

  9. 女性の陰部清拭は、尿道への感染防止のため、後ろから前へ向かって拭く。

    答えと解説

     ×(前から後ろへ)。女性は尿道への感染を防ぐため、前から後ろへ向かって拭く。

  10. ひげ剃りは、安全のため必ず介護者が行い、利用者本人には行わせない。

    答えと解説

     ×(本人が行う)。電動シェーバーなどを使用し、できるだけ利用者本人が行い、肌の傷を確認する。

  11. 爪の手入れを怠ると、巻爪や爪白癬が引き起こされることがある。

    答えと解説

     ○。とくに足指の爪を観察し、深爪に注意する。怠ると巻爪や爪白癬が引き起こされる。

  12. 整容の介護は、利用者の社会参加とは関係がないため、外出の有無を考慮する必要はない。

    答えと解説

     ×(社会参加に重要)。整容ができないために外出をしないこともあり、社会参加の観点から配慮する。

五肢複択

  1. 清潔の意義と清潔介護の方法について、正しいものを2つ選べ。

    • 身体の清潔を保つことには、爽快感やリラックス感をもたらす心理的な効果がある。
    • 入浴の湯温は、45℃以上の高温を保つことが望ましい。
    • 清拭では、末端から中枢へ向かって拭くのが基本である。
    • 入浴の前後には、水分を控えて脱水を防ぐ。
    • 清拭では、プライバシーよりも観察を優先し、全身を大きく露出させる。
    答えと解説

    正解:1・3

    1 正しい。爽快感やリラックス感は、清潔保持の心理的な意義・効果。

    2 誤り。入浴の湯温は38〜40℃程度、入浴時間は10〜15分がめやす。

    3 正しい。清拭は末端から中枢へ向かって拭くのが基本。腹部は の の字。

    4 誤り。入浴の前後には水分を補給して、脱水を予防する。

    5 誤り。プライバシーに配慮し、露出は最小限とする。

  2. 清潔介護と整容について、正しいものを2つ選べ。

    • ベッド上での洗髪では、寝具や寝衣を濡らさない工夫をする。
    • 女性の陰部清拭は、尿道への感染防止のため、前から後ろへ向かって拭く。
    • 陰部清拭は、汚れがたまってから週に1回程度行えばよい。
    • 爪切りでは、深爪にして短く切りそろえるのが望ましい。
    • 整容は社会参加と関係がなく、外出しない人には不要である。
    答えと解説

    正解:1・2

    1 正しい。ベッド上での洗髪は、寝具や寝衣を濡らさない工夫をする。

    2 正しい。女性の陰部清拭は、尿道への感染を防ぐため前から後ろへ拭く。

    3 誤り。陰部は汚れやすいため、1日に1回は行うようにする。

    4 誤り。爪切りは深爪に注意する。怠ると巻爪や爪白癬が引き起こされる。

    5 誤り。整容は社会参加に重要で、整容ができないために外出をしないこともある。

▲ スライドに戻る

ケアマネ講座トップ / 一問一答 / まとめページ