保健医療サービス分野 > 第43講 訪問看護・介護予防訪問看護|サービス内容と基準のまとめ/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CH2 SEC18
第43講 訪問看護・介護予防訪問看護
訪問看護は、看護師などが居宅を訪問して行う医療系サービスです。この講では「概要」「サービス内容」「事業の基準」「介護報酬」「介護予防訪問看護」を学びます。数字(6か月・90分・14日・2.5人)がよく問われます。
- ①訪問看護の概要(目的・医療保険との関係)
- ②サービス内容(8つ)と実施の留意点
- ③事業の基準(2種類・人員・設備・運営)
- ④介護報酬/⑤介護予防訪問看護
第43講を始めましょう。テーマは、訪問看護と介護予防訪問看護です。
訪問看護は、看護師などが利用者の居宅を訪問して行う、医療系のサービスです。この講では、概要、サービス内容、事業の基準、介護報酬、そして介護予防訪問看護を学びます。6か月、90分、14日、2.5人といった数字がよく出ます。
今日のゴールは大きく5つです。
1つめ、訪問看護の概要。目的と、医療保険との関係です。
2つめ、サービス内容の8つと、実施の留意点。
3つめ、事業の基準。2種類の事業所と、人員・設備・運営です。
4つめが介護報酬、5つめが介護予防訪問看護です。
目的と保険関係
訪問看護の概要
看護師が居宅を訪問し、主治医が必要と認めた居宅要介護者に提供されます。目的は次の3つ。
- 要介護状態の悪化を予防
- 可能な限り居宅での生活を継続
- 利用者と家族の自立した生活とQOL(生活の質)の向上
まず、訪問看護の概要です。
訪問看護は、看護師などが居宅を訪問し、主治医がその治療の必要の程度について、基準に適合すると認めた居宅の要介護者に対して提供されます。
目的は3つ。要介護状態の悪化を予防すること。
可能な限り、居宅での生活を継続すること。
そして、利用者と家族の自立した生活と、QOL、生活の質の向上です。
訪問看護は医療保険でも提供されますが、要介護被保険者については、原則として介護保険の給付が優先します。
例外を押さえる
医療保険の訪問看護になる場合
要介護者でも、次の場合は医療保険の訪問看護の対象になります。
- 末期がん・難病患者、エイズ、頸髄損傷、人工呼吸器装着者 など
- 精神科訪問看護
- 急激な容態の悪化で主治医の指示があった場合
ただし、要介護者であっても、医療保険の訪問看護になる場合があります。ここは例外として押さえましょう。
1つは、末期がんや難病の患者、エイズ、頸髄損傷、人工呼吸器を装着している人など。
2つめは、精神科訪問看護。
3つめは、急激な容態の悪化で、主治医の指示があった場合です。これらは医療保険の対象になります。
訪問看護の内容
サービス内容①(8つ)
訪問看護の内容は、大きく分けて8つ。まず前半4つ。
- ①病状の観察と情報収集
- ②療養上の世話(清潔の介護・排せつ・食事の援助・移動など)
- ③診療の補助(バイタル測定・状態観察・薬剤管理・医師の指示による処置など)
- ④精神的支援
訪問看護のサービス内容は、大きく分けて8つあります。まず前半の4つ。
1つめ、病状の観察と情報収集。2つめ、療養上の世話。清潔の介護、排せつや食事の援助、移動などです。
3つめ、診療の補助。バイタルサインの測定、状態観察、薬剤管理、医師の指示による処置などです。
4つめ、精神的支援です。
訪問看護の内容
サービス内容②(8つ)
- ⑤リハビリテーション
- ⑥家族支援
- ⑦療養指導(介護方法・医療処置の方法の指導など)
- ⑧在宅での看取りの支援(ターミナルケア)
後半の4つです。
5つめ、リハビリテーション。6つめ、家族支援。
7つめ、療養指導。介護方法や、医療処置の方法の指導などです。
8つめ、在宅での看取りの支援、ターミナルケアです。この看取りの支援は、あとで学ぶ介護予防訪問看護には含まれないので、区別して覚えておきましょう。
訪問看護の内容
実施の留意点(医師との連携)
- 訪問看護は医師の指示によりサービス提供が開始される
- 開始時に主治医の訪問看護指示書(有効期間6か月)が必要
- 実施した処置・観察事項は医師に報告し、連携を図る
サービス実施の留意点です。まず、医師との連携。
訪問看護は、医師の指示によってサービスの提供が開始されます。
開始のときには、主治医の訪問看護指示書が必要です。この指示書の有効期間は6か月です。数字を押さえましょう。
そして、実施した処置や観察した事項は医師に報告し、医師との連携を図ります。
訪問看護の内容
計画書と記録
次に、計画書と記録です。
サービス提供の前に、アセスメントを行って訪問看護計画を作成し、利用者と家族に説明して同意を得ます。計画に沿って提供したあとは評価を行い、必要に応じて計画を見直す、という流れです。
また、サービス提供時には訪問看護記録を作成します。訪問看護計画書と報告書は、事業所の管理者が定期的に主治医へ提出します。
事業の基準
事業の基準①(2種類・人員)
- 事業所は2種類:指定訪問看護ステーション/病院・診療所からの指定訪問看護事業所
- 管理者は原則保健師または看護師(常勤)
- ステーションの看護職員(保健師・看護師・准看護師)は常勤換算2.5人以上(うち1人は常勤)
ここから事業の基準です。まず、事業所の種類と人員基準。
訪問看護を行う事業所には2種類あります。1つは指定訪問看護ステーション。もう1つは、病院または診療所から訪問看護を提供する、指定訪問看護事業所です。
管理者は、原則として保健師または看護師で、常勤です。医師ではありません。ここはよく出ます。
指定訪問看護ステーションの看護職員、保健師・看護師・准看護師は、常勤換算で2.5人以上、そのうち1人は常勤とされています。
事業の基準
事業の基準②(設備・運営)
- 設備:指定訪問看護ステーションには専用の事務室と必要な設備・備品を備える
- 運営:家族に対する訪問看護は禁止
- 訪問看護は24時間365日提供に意義。24時間連絡体制の義務はないが、緊急時訪問看護(加算)で対応可
次に、設備と運営の基準です。
設備は、指定訪問看護ステーションには、運営に必要な広さの専用の事務室を設け、訪問看護に必要な設備や備品を備えます。
運営の基準で注意したいのが、家族に対する訪問看護は禁止されている、という点です。自分の家族には提供できません。
訪問看護は24時間365日提供されることに意義があります。事業所に24時間の連絡体制の義務はありませんが、緊急時訪問看護加算をケアプランに入れることで、サービスを受けられます。
介護報酬
訪問看護の介護報酬
- 基本サービス費は所要時間で決まる。1回の上限は90分
- 事業者の種類で2体系。ステーションのほうが高く設定
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護と連携する場合は月単位の額も設定
訪問看護の介護報酬です。
基本サービス費は、所要時間で決まります。1回の上限は90分です。
また、事業者の種類によって2体系となっていて、訪問看護ステーションのほうが高く設定されています。
さらに、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業所と連携して訪問看護を行う場合は、月単位の額も設定されています。
介護報酬
特別訪問看護指示書
- 急性増悪などで主治医から特別訪問看護指示書が出た場合、指示日から14日間は医療保険からの給付
- この期間は訪問看護費(介護保険)は算定されない
重要な例外、特別訪問看護指示書です。
利用者の急性増悪などにより、主治医から特別訪問看護指示書が出た場合は、指示の日から14日間は医療保険からの給付となります。
つまり、この14日間は、介護保険の訪問看護費は算定されません。介護保険ではなく医療保険、という点がよく問われます。
介護予防
介護予防訪問看護
要支援者に提供されるサービス。内容・人員・報酬は訪問看護に準じます。
- ターミナルケア(看取り)は含まれない
- 2018(平成30)年度改定で、訪問看護と基本サービス費に差を設けた
- 主治医の文書による指示/計画作成/期間中少なくとも1回モニタリング/報告書を作成し提出
最後に、介護予防訪問看護です。
これは要支援者に提供されるサービスです。内容や人員基準、介護報酬などは訪問看護に準じます。
ただし、大事な違いが1つ。ターミナルケア、看取りに関するものは含まれません。
介護報酬は、以前は訪問看護と同じ評価でしたが、2018年、平成30年度の改定で、基本サービス費に一定の差が設けられました。
実施では、主治医の文書による指示が必要で、計画を作成し、提供期間中に少なくとも1回モニタリングを行い、報告書を作成して指定介護予防支援事業者や医師に提出します。
おつかれさまでした
第43講 まとめ
- 管理者は医師ではなく、原則保健師・看護師(常勤)/特別指示書は医療保険(14日間)/介護予防はターミナル含まない
- 数字=指示書6か月・1回90分・特別指示14日・看護職員2.5人以上
- 要介護は介護保険優先(末期がん・難病・精神科・急変は医療保険)/家族への訪問看護は禁止
第43講のまとめです。ひっかけを中心に整理します。
管理者は医師ではなく、原則、保健師または看護師で常勤。特別訪問看護指示書が出たら14日間は医療保険。介護予防訪問看護にはターミナルケアが含まれない。この3つは特に狙われます。
数字は、訪問看護指示書が6か月、基本サービス費は1回90分が上限、特別指示は14日間、看護職員は常勤換算2.5人以上でした。
そして、要介護者は原則介護保険が優先。ただし末期がん・難病・精神科・急変などは医療保険。家族に対する訪問看護は禁止です。
おつかれさまでした。読んで復習したい人は、下の解説記事もどうぞ。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
訪問看護は、看護師などが利用者の居宅を訪問して提供される医療系のサービスである。
答えと解説
◯ ○。目的は要介護状態の悪化予防・居宅生活の継続・利用者と家族のQOL向上。
訪問看護は医療保険でも提供されるが、要介護被保険者については原則として介護保険の給付が優先する。
答えと解説
◯ ○。要介護被保険者は原則、介護保険が優先。末期がん・難病等は医療保険となる。
末期がん患者や人工呼吸器装着者などは、医療保険の訪問看護の対象となることがある。
答えと解説
◯ ○。末期がん・難病・エイズ・頸髄損傷・人工呼吸器装着者、精神科訪問看護、急変時などは医療保険。
訪問看護の内容には、バイタルサインの測定や薬剤管理などの診療の補助が含まれる。
答えと解説
◯ ○。内容は8つ。診療の補助(バイタル測定・状態観察・薬剤管理・医師の指示による処置など)を含む。
在宅での看取りの支援(ターミナルケア)は、訪問看護の内容には含まれない。
答えと解説
✕ ×(含まれる)。看取りの支援は訪問看護に含まれる。介護予防訪問看護には含まれない。
訪問看護の開始には主治医の訪問看護指示書が必要で、その有効期間は6か月である。
答えと解説
◯ ○。訪問看護は医師の指示で開始し、訪問看護指示書(有効期間6か月)が必要。
指定訪問看護ステーションの管理者は、医師でなければならない。
答えと解説
✕ ×(保健師・看護師)。第27回問40。管理者は原則として常勤の保健師または看護師。
看護師は、自分の家族に対して訪問看護を行うことができる。
答えと解説
✕ ×(禁止)。運営基準で、家族に対する訪問看護は禁止されている。
訪問看護の基本サービス費は所要時間で決まり、1回の上限は90分である。
答えと解説
◯ ○。基本サービス費は所要時間で決まり、1回の上限は90分。事業者の種類で2体系。
急性増悪時に主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合、介護保険から給付が行われる。
答えと解説
✕ ×(医療保険)。第25回問41。指示日から14日間は医療保険からの給付で、訪問看護費は算定されない。
介護予防訪問看護には、ターミナルケアに関するものは含まれない。
答えと解説
◯ ○。介護予防訪問看護は訪問看護に準じるが、ターミナルケアは含まない。
介護予防訪問看護は、要介護者に対して提供されるサービスである。
答えと解説
✕ ×(要支援者)。介護予防訪問看護は要支援者に提供される。
五肢複択
訪問看護について、正しいものを2つ選べ。
- 訪問看護は、医師の指示によりサービスの提供が開始される。
- 訪問看護計画書や報告書は、主治医が作成して事業所に提出する。
- 指定訪問看護ステーションの看護職員は、常勤換算で2.5人以上とされている。
- 訪問看護は、要介護者であれば常に医療保険からの給付が優先される。
- 訪問看護には、看取りの支援(ターミナルケア)は一切含まれない。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。訪問看護は医師の指示によりサービス提供が開始される。開始時に訪問看護指示書(6か月)が必要。
2 誤り。訪問看護記録や計画書・報告書は事業所側で作成し、計画書・報告書は管理者が定期的に主治医へ提出する。
3 正しい。指定訪問看護ステーションの看護職員は常勤換算2.5人以上(うち1人は常勤)。
4 誤り。要介護被保険者は原則として介護保険の給付が優先する(末期がん・難病等は医療保険)。
5 誤り。在宅での看取りの支援は訪問看護に含まれる(介護予防訪問看護には含まれない)。
訪問看護の報酬・運営・介護予防訪問看護について、正しいものを2つ選べ。
- 基本サービス費は所要時間で決まり、1回の上限は90分である。
- 急性増悪で特別訪問看護指示書が出た場合、指示日から14日間は介護保険から給付される。
- 介護予防訪問看護は、要支援者に提供され、ターミナルケアは含まれない。
- 訪問看護は、看護師の家族に対しても提供することができる。
- 訪問看護ステーションの管理者は、原則として医師である。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。基本サービス費は所要時間で決まり、1回の上限は90分。事業者の種類で2体系。
2 誤り。特別訪問看護指示書が出た場合は、指示日から14日間は医療保険からの給付で、訪問看護費は算定されない。
3 正しい。介護予防訪問看護は要支援者が対象で、ターミナルケアに関するものは含まれない。
4 誤り。家族に対する訪問看護は禁止されている。
5 誤り。管理者は原則として常勤の保健師または看護師で、医師ではない。