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相談面接技術とは|バイステックの7原則・イーガンのSOLER・インテークをわかりやすく

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福祉サービス分野 > 第53講 相談面接技術とは|バイステックの7原則・イーガンのSOLER・インテークをわかりやすく/全文

この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。

CH3 SEC2

第53講 相談面接技術

相談面接は、クライエントとの信頼関係(ラポール)に基づく共同作業です。今日は面接の「姿勢」と「技術」を一気に整理します。

第53講を始めましょう。テーマは相談面接技術です。

相談面接は、クライエントとの信頼関係、ラポールに基づく共同作業です。

今日のゴールは4つです。

1つめ、基本姿勢。4つの基本的視点と、バイステックの7原則です。

2つめ、コミュニケーションの技術。傾聴、ソーラー、質問、焦点化です。

3つめ、インテーク面接の過程。

4つめ、ニーズが隠される4つの要因です。

基本姿勢

相談面接とラポール

援助者は、クライエントのアセスメント→援助計画の作成・実施→管理・評価を行います。この過程で行われるのが相談面接です。

援助者は、クライエントのアセスメントをして援助計画をつくり、実施し、その状況を管理・評価します。この一連の過程で行われるのが相談面接です。

キーワードはラポール。援助者とクライエントとの信頼関係のことです。

ひっかけに注意。特定領域の専門家から助言や指導を受けること、という説明はラポールではありません。第26回で出ました。

面接は、家族を含めた関係者との、ラポールに基づく共同作業です。援助者が一方的に進めるものではありません。

基本姿勢

4つの基本的視点(前半)

なぜ全体かクライエントは一人ひとり独自の存在。同じような生活問題でも、解決方法や実行可能な援助は異なる。

基本的視点は4つ。まず前半の2つです。

1つめ、人権尊重と権利擁護。援助者とクライエントは対等であることを、態度や言葉で示し、敬意を表します。

面接の過程で、虐待などの権利侵害に気づいた場合、権利擁護を行うのも援助者の責務です。

2つめ、生活の全体的把握。生活問題だけに焦点をあてるのではなく、生活を全体的・総合的にとらえます。

クライエントはそれぞれが独自の存在。同じような問題でも、解決方法は人によって異なるからです。

基本姿勢

4つの基本的視点(後半)

スーパービジョンベテランの専門職が経験の浅い専門職に、資質向上のための指導や訓練を行うこと。精神的なサポートも含む。

3つめ、自立支援、自己決定、社会参加支援。介護する側の一方的な保護ではなく、高齢者が自信を回復し、自立への意欲をもてる方向へ支えます。

社会的孤立が深まっている場合は、日常の小さな事柄から自己決定を体験できるよう支援すると、意欲が高まり、社会的な接触が増えていきます。

4つめ、専門的援助関係と職業倫理。相談の内容はきわめて個人的です。情報は業務上必要な範囲にとどめ、秘密として保持します。これは退職したあとも同様です。

倫理違反を予防するために有効なのがスーパービジョン。ベテランの専門職が、経験の浅い専門職を指導・訓練することで、精神的なサポートも含みます。

実践の前提

自己覚知と他者理解

実践の前提となるのが、自己覚知と他者理解です。

自己覚知とは、自分自身のものの見方や考え方を、客観的な視点から理解しようとすることです。

自分が抱く感情にどんな背景があるかを知ることで、先入観をもたずにクライエントに接し、信頼関係を築けるようになります。

他者理解は、生活歴や家族関係などの背景も含めて、クライエントの価値観や考え方を知ろうとすること。ケアプランを考える基準にもなります。

実践原則

バイステックの7原則(前半)

信頼関係を構築するための実践原則が、バイステックの7原則。まず前半の4つです。

信頼関係を構築するための実践原則が、バイステックの7原則です。前半の4つからいきます。

個別化。クライエントを個別性をもつ個人としてとらえ、一人ひとり異なるのが当然という認識で、対応もニーズに合わせます。

意図的な感情表出。感情表現の機会を意図的につくり、客観的な事実だけでなく、事実に伴うクライエントの感情を理解します。

統制された情緒的関与。共感的理解を伝えながら情緒的に関与しつつ、感情に巻き込まれないよう、自分の感情をコントロールします。ここはひっかけの定番です。

受容。クライエントの行動や認識、行動の結果などを、背後にある感情も含めて承認します。

実践原則

バイステックの7原則(後半)

覚え方「個・意・統・受・非・自・秘(こいとうじゅひじひ)」で7つをリズムで暗記。

後半の3つです。

非審判的態度。クライエントの意見や行動を、援助者の価値観などにより一方的に評価したり、表明したりしません。

自己決定。手段をつくし、時間をかけて、自己決定の能力が発揮できるように援助します。安易に代行してはいけません。

秘密保持。面接で知り得た情報は、クライエントの了解なくほかに伝えてはいけません。秘密を守ることを、クライエント本人にもきちんと伝えておきます。

7つまとめて、個別化、意図的な感情表出、統制された情緒的関与、受容、非審判的態度、自己決定、秘密保持。頭文字のリズムで覚えましょう。

実践原則

レヴィによる専門職の価値

レヴィは、ソーシャルワーク専門職の価値として4つをあげました。バイステックの7原則と多くが共通します。

レヴィは、ソーシャルワーク専門職の価値として4つをあげました。

社会的価値、組織および機関の価値、専門職としての価値、対人援助サービスの価値の4つです。

さらにレヴィは3つの問いかけをあげています。あなたはどのような社会をよしとするか、どのような人間をよしとするか、どのような援助をよしとするか。

援助の過程では、価値観や倫理をめぐるジレンマが必ず起こります。倫理綱領や行動規範に照らし、他者に相談してスーパービジョンを得るなど、適切に対処します。

知識と技術

コミュニケーションの方法

面接は一方的に話を聞く場ではなく、双方向のコミュニケーションの場です。

面接は、一方的に話を聞いたり説明したりする場ではなく、援助者とクライエントが双方向でやりとりする場です。

コミュニケーションは大きく2つ。言語によって行われる、言語的コミュニケーション。

そして、言葉の抑揚、話す速さ、表情、目線、しぐさなどで行われる、非言語的コミュニケーションです。

クライエントの能力に応じて、文字やイラスト、手話、映像など、多様な方法を使うことは有効です。混乱させるので控える、という記述は誤り。第25回で出ました。

さらに、場所の選択、雰囲気、いすの配置、服装や身だしなみといった、環境の設定にも配慮します。

知識と技術

傾聴を支える技術

傾聴はコミュニケーションの基本。それを支える3つの技術です。

傾聴はコミュニケーションの基本です。傾聴を支える技術が3つあります。

予備的共感。準備的共感ともいいます。面接の前に、クライエントの生活課題や気持ちを予測し、共感的な理解を準備しておくことです。

観察。話を聞くだけでなく、クライエントや家族の表情、位置関係、誰が発言しているか、部屋の中の配置なども観察します。

波長合わせ。クライエントの反応や感じ方を確認しながら、援助者が態度や言葉遣い、話題、質問の形式を軌道修正していくことです。第22回再試験で、そのままの記述が正しい肢として出ました。

なお共感とは、クライエントの立場に立って理解しようとすることをいいます。

知識と技術

イーガンのSOLER

関心をもって耳を傾けていることが伝わる姿勢を、5つの英単語の頭文字で示したのがイーガンのSOLER(ソーラー)です。

話を聞くときの姿勢を示したのが、イーガンのソーラーです。5つの英単語の頭文字をとっています。

エスは、スクエアリー。相手と真っ直ぐに向かい合う。

オーは、オープン。開放的な姿勢をとる。

エルは、リーン。相手に向かって、からだを少し傾ける。

イーは、アイコンタクト。適度に視線を合わせる。

アールは、リラックスト。適度にリラックスした態度で話を聞く、です。

知識と技術

質問の技術

質問には、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンがあります。

オープンクエスチョン、開かれた質問は、どうしてですか、どう思いますか、など、その人にしか答えられない考えや状態を尋ねる質問。多くの情報を引き出せますが、答えにくい面があります。

とくに、なぜ、で始まる質問は、クライエントの戸惑いが増幅することが多いので注意が必要です。

クローズドクエスチョン、閉じられた質問は、はい、いいえ、など一言で答えられる簡単な質問。答えやすく事実確認に有効ですが、十分な情報は引き出せません。

知識と技術

焦点を定める技術

問題の焦点を絞り込む技術は5つです。

励まし。クライエントの話を肯定的にとらえ、うなずいたり、励ましたりします。

明確化。クライエントの考えや感情を、具体的に言葉にして明確にすること。クライエントの代わりに意思決定することではありません。第27回のひっかけです。

要約。話された内容の要点を整理し、端的に伝えます。

反映。話の背後にある思いや感情を理解して、言葉にして返します。クライエントの言葉を反復することも含みます。

直面化。クライエント自身が見つめ直す必要のある感情や言動に対して、向かい合うきっかけをつくるために、質問を投げかけます。

面接の過程

インテーク

インテークは、援助者とクライエントが初めて出会い、状況と課題を確認し、サービスを説明して、契約に至る過程。1回で終わるとは限りません

①→③
導入と場面設定/主訴の聴取と情報交換/問題の確認と援助目標の仮設定
④→⑥
援助計画の作成/援助に関する契約/終結

インテークとは、援助者とクライエントが初めて出会い、状況と課題を確認し、提供できるサービスを説明して、計画を話し合い、契約に至る過程です。必ずしも1回で終わるとは限りません。

面接の流れは6段階。導入と場面設定、主訴の聴取と情報交換、問題の確認と援助目標の仮設定。

そして、援助計画の作成、援助に関する契約、終結、と進みます。

自分の機関では問題解決が困難と判断された場合は、適切な他機関を紹介します。これをリファーラルといいます。

インテークでは、クライエントの主訴と、支援機関の役割が合致するかの確認が重要です。第24回で正しい肢として出ました。

まだ情報がない段階なので、緊急連絡などに備えて、面接内容の正確で迅速な記録が必要です。

まとめ

隠されたニーズの発見

明らかにされたニーズのほかに、隠されたニーズがあります。隠される要因は4つです。

過去問(第19回)ボランティアによる話し相手の訪問や会食への誘いは、本人が自覚していないニーズの発見に有効な場合が多い=

最後に、隠されたニーズの発見です。ニーズが隠される要因は4つあります。

社会的抑圧。そもそもサービスの存在が認識されていない、費用の節約や遠慮、家族への配慮といった心理的な規制です。

個人的・家族的抑圧。ニーズを自覚しているのに表明されない、あるいは客観的にはニーズがあるのに自覚されていない場合です。

社会的孤立。閉じこもりで近隣との関係が絶たれている、衰弱して援助機関と接触できない、といった場合。

問題の複雑化。問題行動などが混在して、必要なニーズが見えなくなっている場合です。

ボランティアによる話し相手の訪問や、会食への誘いは、本人が自覚していないニーズの発見に有効なことが多い。これは第19回で正しい肢でした。第53講は以上です。おつかれさまでした。

この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)

すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →

  1. 相談面接は、クライエントとの信頼関係(ラポール)に基づく共同作業である。

    答えと解説

     ○。援助者が一方的に進めるものではなく、家族を含めた関係者との信頼関係に基づく共同作業である。

  2. ラポールとは、特定領域の専門家から助言・指導を受けることである。

    答えと解説

     ×(ラポールとは、援助者とクライエントとの信頼関係をいう。第26回問47)。

  3. 相談面接の過程でクライエントに対する権利侵害に気づいた場合、権利擁護を行うのも援助者の責務である。

    答えと解説

     ○。虐待や介護者等との力関係などの権利侵害に気づいた場合、クライエントの権利擁護を行うのも援助者の責務である。

  4. 相談で得られた情報の秘密は、援助者が退職したあとも保持しなければならない。

    答えと解説

     ○。情報は業務上必要な範囲にとどめて秘密として保持し、これは退職したあとも同様である。

  5. バイステックの7原則の受容とは、クライエントの意見や要求にすべて賛成することである。

    答えと解説

     ×(受容とは、行動や認識、行動の結果などを背後にある感情も含めて承認することであり、賛成・同意とは異なる)。

  6. 非審判的態度の原則とは、クライエントの意見や行動を、援助者の価値観などにより一方的に評価、表明しないことである。

    答えと解説

     ○。援助者の価値観による一方的な評価・表明をしないのが非審判的態度の原則である。

  7. 秘密保持の原則では、相手が家族であれば、クライエントの了解なく面接で知り得た情報を伝えてよい。

    答えと解説

     ×(面接で知り得た情報は、クライエントの了解なくしてほかに伝えてはならない。家族も例外ではない)。

  8. 面接では、言葉の抑揚や表情、目線、しぐさなどの非言語的コミュニケーションも重要である。

    答えと解説

     ○。コミュニケーションは言語的なものと非言語的なもの(抑揚・話す速さ・表情・目線・しぐさなど)に分けられ、いずれも重要である。

  9. オープンクエスチョン(開かれた質問)とは、「はい」や「いいえ」など一言で答えられる簡単な質問のことである。

    答えと解説

     ×(それはクローズドクエスチョン。オープンクエスチョンは、その人にしか答えられない考えや状態を尋ねる質問である)。

  10. 直面化とは、クライエント自身が見つめ直す必要のある感情や言動に向き合うきっかけをつくるために、質問を投げかけることである。

    答えと解説

     ○。焦点を定める技術の一つで、向かい合うきっかけをつくるために質問を投げかけることをいう。

  11. インテーク面接は、必ず1回で終わらせなければならない。

    答えと解説

     ×(インテーク面接は、必ずしも1回で終わるとは限らず、終わらせなければならないものでもない)。

  12. インテークで自機関の機能では問題解決が困難と判断された場合は、適切な他機関を紹介(リファーラル)する。

    答えと解説

     ○。主訴と支援機関の役割が合致するかを確認し、困難な場合は適切な他機関を紹介する(第24回問48)。

五肢複択

  1. 相談面接の基本姿勢について正しいものはどれか。3つ選べ。

    • 援助者とクライエントが対等であることを、態度や言葉で示す。
    • 援助を幅広いものにするため、クライエントの生活問題のみに焦点を絞る。
    • 高齢者のケアでは、介護する側の保護的なかかわりに徹することが自立支援につながる。
    • 日常の小さな事柄から自己決定を体験できるよう支援することは、社会的な接触を増やすことにつながる。
    • 職業倫理の違反を予防するためには、スーパービジョンが有効である。
    答えと解説

    正解:1・4・5

    1 正しい。クライエントは自尊感情が低くなっている場合もあり、対等であることを態度や言葉で示し、敬意を表す。

    2 誤り。生活問題のみに焦点をあてるのではなく、生活を全体的・総合的にとらえる視点が必要である。

    3 誤り。一方的な保護的かかわりではなく、自信を回復し自立への意欲をもてる方向へ支えることが自立支援である。

    4 正しい。小さな自己決定の体験の積み重ねが意欲を高め、社会的な接触が増えることにつながる。

    5 正しい。ベテランの専門職が経験の浅い専門職を指導・訓練するスーパービジョンは、倫理違反の予防に有効である。

  2. コミュニケーションの技術とインテークについて正しいものはどれか。2つ選べ。

    • 予備的共感とは、面接前にクライエントの生活課題や気持ちを予測し、共感的な理解を準備しておくことである。
    • イーガンのSOLERのEは、クライエントと視線を合わせないようにすることを意味する。
    • クローズドクエスチョンは、クライエントの思いや考えなど、より多くの情報を引き出すのに適している。
    • 要約とは、話された内容の要点を整理し、端的に伝えることである。
    • インテーク面接の記録は、緊急連絡に備える必要がないため、後日まとめて作成すればよい。
    答えと解説

    正解:1・4

    1 正しい。準備的共感ともいい、面接前に共感的な理解を準備しておくことで傾聴を支える。

    2 誤り。EはEye Contactで、適度に視線を合わせることを意味する。

    3 誤り。多くの情報を引き出せるのはオープンクエスチョン。クローズドは事実確認に有効だが情報は限られる。

    4 正しい。焦点を定める技術の一つで、要点を整理して端的に伝えることをいう。

    5 誤り。緊急連絡などに備え、面接した内容についての正確で迅速な記録が必要である。

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