福祉サービス分野 > 第58講 短期入所生活介護(ショートステイ)とは|計画は4日以上・連続30日ルールをわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CH3 SEC7
第58講 短期入所生活介護
短期入所生活介護は、いわゆるショートステイ。在宅の利用者を短期間受け入れ、介護や機能訓練などを提供します。
- ①目的と緊急・臨時利用(結婚式や趣味活動もOK)
- ②計画はおおむね4日以上で管理者が作成
- ③類型3つ(単独・併設・空床利用)と定員20人・人員基準
- ④報酬は連続30日が上限/予防は認定有効期間の半数ルール
第58講を始めましょう。テーマは短期入所生活介護、いわゆるショートステイと、介護予防短期入所生活介護です。
今日のゴールは4つ。1つめ、目的と緊急・臨時利用。結婚式や趣味活動を理由にした利用もできます。
2つめ、短期入所生活介護計画。おおむね4日以上の利用で、管理者が作成します。
3つめ、単独型・併設型・空床利用型の3類型と、定員20人以上、人員基準。
4つめ、介護報酬は連続30日が上限。予防には、認定有効期間の半数ルールがあります。
概要
概要・目的
- 目的:利用者の社会的孤立感の解消・心身機能の維持・介護者の負担の軽減
- 冠婚葬祭や介護者の傷病など突発的な事態には緊急・臨時的な利用も可能。結婚式への出席や趣味活動を理由とした利用もできる(できない=×・第22回再)
- 利用目的の調査では「介護者、家族の心身の負担軽減のため」が最多。次いで「家族の疲弊に伴う利用者の状態像悪化を防ぐため」
目的は3つ。利用者の社会的孤立感の解消、心身機能の維持、そして介護者の負担の軽減です。介護者にとって、疲労の回復、仕事の調整、家庭生活の維持に欠かせないサービスです。
冠婚葬祭や介護者の傷病など、突発的な事態に際して、緊急・臨時的な利用も可能です。家族の結婚式への出席や、趣味活動への参加を理由とした利用もできます。できない、という肢は誤り。第22回再試験で出ました。
利用目的の調査では、介護者、家族の心身の負担軽減のため、が最も多く、次いで、家族の疲弊に伴う利用者の状態像悪化を防ぐため、となっています。
内容
サービスの内容(8つ)
日常生活への支援を中心に、利用者の状況に応じて個別に提供されることが原則です。
- ①送迎(利用者が負担。送迎加算を算定している場合は利用料に含まれる)/②日常生活上の世話(排せつ・離床・整容・移動など)/③機能訓練(状況に応じて)
- ④健康への配慮・健康保持の対応/⑤利用者・家族への相談・助言/⑥レクリエーション(適宜)/⑦食事の提供
- ⑧入浴または清拭は週に2回以上
サービスは、日常生活への支援を中心に、利用者の状況に応じて個別に提供されることが原則です。
内容は8つ。送迎は利用者の負担で、送迎加算を算定している場合は利用料に含まれます。排せつ、離床、整容、移動などの日常生活上の世話。状況に応じた機能訓練。
健康への配慮と健康保持の対応、利用者・家族への相談・助言、適宜行うレクリエーション、食事の提供。
そして、入浴または清拭。これは週に2回以上とされています。数字ポイントです。
内容
短期入所生活介護計画
- 利用期間がおおむね4日以上になる場合、事業所の管理者が作成(利用期間にかかわらず作成=×・第28回)
- 事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者にとりまとめを行わせることが望ましい。利用者と家族に説明し同意
- 3日以下は不要だが、居宅介護支援事業所等と連携し状況に応じたサービスを提供。居宅サービス計画があれば、その内容に沿って作成
短期入所生活介護計画です。利用期間がおおむね4日以上になる場合に、事業所の管理者が作成します。利用期間にかかわらず作成、という肢は誤り。第28回で出ました。
事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者に計画のとりまとめを行わせることが望ましいとされています。利用者と家族に説明し、同意を得ます。
3日以下の場合は計画は不要ですが、居宅介護支援事業所等と連携を取り、状況に応じたサービスを提供します。すでに居宅サービス計画が作成されている場合は、その内容に沿って作成します。
事業の基準
提供施設と3つの類型
- 提供施設:特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・老人短期入所施設、特定施設入居者生活介護(予防含む)・指定地域密着型特定施設の指定施設。病院・診療所・介護老人保健施設でも提供可
- 類型:単独型/併設型(本体施設事業に支障がなく夜間の介護体制が整っていることが前提)/特養の空きベッドを利用する空床利用型。ユニット型もあり
提供するのは、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、老人短期入所施設のほか、特定施設入居者生活介護や指定地域密着型特定施設入居者生活介護の指定施設。病院・診療所、介護老人保健施設でも提供できます。
類型は3つ。単独型、本体施設に併設する併設型、そして特別養護老人ホームの空きベッドを利用する空床利用型です。併設型は、本体施設の事業に支障がなく、夜間における介護体制が整っていることが前提です。ユニット型の施設もあります。
事業の基準
利用定員
- 単独型=20人以上が必要/併設型・空床利用型=20人未満も可
利用定員です。短期入所生活介護の利用定員は、20人以上とされています。
ただし、併設型と空床利用型では、20人未満も認められます。単独型は20人以上が必要、という対比で覚えましょう。
事業の基準
人員基準①
- 管理者:常勤専従1人(併設型では兼務可)。すべての類型で常勤が必要(20人未満の併設なら常勤でなくてよい=×・第23回)
- 医師:1人以上
- 生活相談員:利用者1〜100人あたり1人(常勤換算)。※利用者20人未満の併設型では非常勤可
人員基準です。管理者は常勤専従1人。併設型では兼務ができます。ただし、常勤であることはすべての類型で必要です。20人未満の併設事業所なら常勤でなくてもよい、という肢は誤り。第23回で出ました。
医師は1人以上。ショートステイには医師の配置が必要です。
生活相談員は、利用者1人から100人あたり1人、常勤換算です。利用者20人未満の併設型では、非常勤でもかまいません。
事業の基準
人員基準②
- 介護・看護職員:利用者3人あたり1人(常勤換算)。※20人未満の併設型では非常勤可
- 看護職員の配置が必須でない単独型・併設型かつ20人未満の事業所→看護職員を病院・診療所・訪問看護ステーション等との連携により確保
- 栄養士または管理栄養士1人以上(利用者40人以下は他施設の栄養士との連携があれば配置なし可)/機能訓練指導員1人以上(併設施設との兼務可)/調理員その他は実情に応じた数
介護・看護職員は、利用者3人あたり1人、常勤換算です。利用者20人未満の併設型では非常勤でもかまいません。
看護職員の配置が必須ではない、単独型・併設型かつ利用者20人未満の事業所については、看護職員を、病院、診療所または訪問看護ステーション等との密接かつ適切な連携により確保します。
栄養士または管理栄養士は1人以上。利用者40人以下の場合は、他施設の栄養士と連携があれば配置なしでもかまいません。機能訓練指導員は1人以上で、併設施設との兼務ができます。調理員その他は実情に応じた数です。
事業の基準
設備基準
- 建物:建築基準法で定める耐火建築物。日常生活の場所が2階以上・地下にない場合は準耐火でも可。木造平屋建てで初期消火・避難路対策や避難訓練実施などの要件に該当すれば、耐火・準耐火でなくてもよい
- 居室:定員4人以下・1人あたり床面積10.65㎡以上。保健衛生・防災に十分配慮
- 食堂・機能訓練室(支障のない広さを確保できれば同一の場所とすることができる)、浴室・トイレ・洗面設備
設備基準です。建物は、建築基準法で定める耐火建築物であること。利用者が日常生活をする場所が2階以上や地下にない場合は、準耐火建築物でもかまいません。木造平屋建てで、初期消火や避難路の対策が講じられ、避難訓練がしっかり実施されているなどの要件に該当する場合は、耐火・準耐火建築物でなくてもよいとされます。
居室は、定員4人以下、1人あたり床面積10.65平方メートル以上。日照、採光、換気など、保健衛生と防災に十分配慮します。
食堂と機能訓練室は、食事の提供と機能訓練に支障のない広さを確保できる場合には、同一の場所とすることができます。浴室、トイレ、洗面設備も設置します。
事業の基準
運営基準
- 利用者に、利用者の負担により、従業者以外の者の介護を受けさせてはならない
- 身体拘束等の禁止。緊急やむを得ず実施した場合は理由の記録と本人または家族への説明
- 病状急変時などに備え、主治医または協力医療機関(近距離が望ましい)への連絡等の措置/利用定員超過の禁止(災害等のやむを得ない事情を除く)
- 介護支援専門員が緊急やむを得ないと認めた場合、専用の居室以外の静養室も利用できる
運営基準です。利用者に、利用者の負担によって、事業所の従業者以外の者の介護を受けさせてはいけません。
身体拘束等は禁止。緊急やむを得ず実施した場合は、その理由を記録し、本人または家族に説明します。
病状の急変時などに備え、主治医または協力医療機関への連絡等の措置をとります。協力医療機関は、緊急時に速やかに対応できるよう、近距離にあることが望ましいとされます。利用定員を超えた提供は、災害等のやむを得ない事情を除き、行いません。
また、介護支援専門員が緊急やむを得ないと認めた場合には、専用の居室以外の静養室も利用できます。緊急ショートの受け皿です。
介護報酬
共生型/介護報酬(連続30日)
- 基本サービス費は事業所の類型(単独型・併設型・空床利用型)ごとに区分され、要介護度別に決まる
- 共生型短期入所生活介護(2017年改正):障害福祉制度の短期入所(併設型・空床利用型に限る)の指定事業所なら基本的に指定を受けられる
介護報酬です。基本サービス費は、単独型、併設型、空床利用型という事業所の類型ごとに区分され、要介護度別に決められます。
利用の上限は連続30日まで。連続して30日を超えて受けている場合、30日を超える日以降については、短期入所生活介護費は算定できません。第24回で正しい肢として出ました。
共生型短期入所生活介護は、2017年改正で創設。障害福祉制度における短期入所、ただし併設型および空床利用型に限りますが、その指定を受けた事業所であれば、基本的に指定を受けられます。
まとめ
介護予防短期入所生活介護
- 対象は要支援者。事業の基準・報酬の区分は短期入所生活介護に準じる
- 相当期間(おおむね4日)以上の利用で介護予防短期入所生活介護計画を作成
- 特に必要と認められる場合を除き、介護予防サービス計画に位置づける利用日数は要支援認定の有効期間の半数を超えないようにする(介護予防短期入所療養介護も同様)
最後に、介護予防短期入所生活介護です。介護予防を目的として、要支援者に提供されます。事業の基準と介護報酬の区分は、短期入所生活介護に準じます。
相当期間、おおむね4日以上の利用に際しては、介護予防短期入所生活介護計画を作成しなければなりません。
そして重要ポイント。利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、介護予防サービス計画に位置づける場合の利用日数は、要支援認定の有効期間の半数を超えないようにします。介護予防短期入所療養介護も同様です。第58講は以上です。おつかれさまでした。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
短期入所生活介護は、家族の結婚式への出席や趣味活動への参加などを理由とした利用はできない。
答えと解説
✕ ×(冠婚葬祭や趣味活動など、介護者の負担軽減のために利用することができる。第22回再問50)。
短期入所生活介護は、冠婚葬祭や介護者の傷病などの突発的な事態に際して、緊急・臨時的に利用することができる。
答えと解説
◯ ○。介護者の身体的・精神的疲労の回復、仕事の調整、家庭生活の維持に欠かせないサービスとされる。
短期入所生活介護では、入浴または清拭を週に2回以上行う。
答えと解説
◯ ○。サービスは日常生活への支援を中心に、利用者の状況に応じて個別に提供されることが原則である。
短期入所生活介護計画は、利用期間にかかわらず、作成しなければならない。
答えと解説
✕ ×(相当期間〈おおむね4日〉以上連続して利用が予定される場合に、事業所の管理者が作成しなければならない。第28回問53)。
事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者に短期入所生活介護計画のとりまとめを行わせることが望ましい。
答えと解説
◯ ○。計画は利用者と家族に説明し、同意を得る。すでに居宅サービス計画がある場合はその内容に沿って作成する。
短期入所生活介護は、介護老人保健施設や病院・診療所では提供できない。
答えと解説
✕ ×(特別養護老人ホームや老人短期入所施設のほか、病院・診療所、介護老人保健施設でも提供することができる)。
短期入所生活介護の利用定員は20人以上とされているが、併設型と空床利用型では20人未満も認められる。
答えと解説
◯ ○。単独型では20人以上が必要である。
利用者20人未満の併設事業所の場合には、管理者は常勤でなくてもよい。
答えと解説
✕ ×(短期入所生活介護事業所の管理者は、すべての類型で常勤でなければならない。併設型で認められるのは兼務である。第23回問50)。
短期入所生活介護の人員基準では、医師を1人以上置くこととされている。
答えと解説
◯ ○。生活相談員は利用者1〜100人あたり1人、介護・看護職員は利用者3人あたり1人(いずれも常勤換算)である。
緊急やむを得ず身体拘束等を行った場合には、その理由を記録し、本人または家族に説明しなければならない。
答えと解説
◯ ○。身体拘束等は原則禁止であり、実施時は理由の記録と本人または家族への説明が必要である。
利用者が連続して30日を超えて指定短期入所生活介護を受けている場合には、30日を超える日以降については短期入所生活介護費は算定できない。
答えと解説
◯ ○。短期入所サービスは、連続して利用する場合は30日目までが介護報酬算定の限度となっている(第24回問53)。
介護予防短期入所生活介護を介護予防サービス計画に位置付ける場合、利用日数の制限は設けられていない。
答えと解説
✕ ×(特に必要と認められる場合を除き、利用日数が要支援認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない)。
五肢複択
短期入所生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 送迎は利用者の負担であり、送迎加算を算定している場合は利用料に含まれる。
- 短期入所生活介護計画は、利用期間が3日以下の場合にも必ず作成する。
- 併設型は、本体施設事業に支障がなく、夜間における介護体制が整っていることが前提とされる。
- 介護支援専門員が緊急やむを得ないと認めた場合には、専用の居室以外の静養室も利用できる。
- 協力医療機関は、遠方の高度医療機関であることが望ましいとされている。
答えと解説
正解:1・3・4
1 正しい。通所介護(区域内の送迎費用は不要)とは送迎の扱いが異なる。
2 誤り。計画の作成が必要なのは、利用期間がおおむね4日以上になる場合である(3日以下は居宅介護支援事業所等との連携で対応)。
3 正しい。類型には単独型・併設型・空床利用型があり、空床利用型は特別養護老人ホームの空きベッドを利用する。
4 正しい。緊急時の受け入れのため、静養室の利用が認められている。
5 誤り。協力医療機関は、緊急時等に速やかに対応できるよう、近距離にあることが望ましいとされる。
短期入所生活介護の事業の基準と介護報酬について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 生活相談員は、常勤換算で利用者1〜100人あたり1人を置く。
- 栄養士は、利用者の人数にかかわらず、必ず配置しなければならない。
- 居室の定員は4人以下とし、利用者1人あたりの床面積は10.65㎡以上とする。
- 基本サービス費は、事業所規模(月延べ利用者数)ごとに区分される。
- 共生型短期入所生活介護の指定を受けられるのは、障害福祉制度の生活介護の指定を受けた事業所である。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。利用者20人未満の併設型では非常勤も認められる。
2 誤り。利用者40人以下の場合は、他施設の栄養士との連携があれば配置しないことも認められる。
3 正しい。食堂と機能訓練室は、支障のない広さを確保できる場合には同一の場所とすることができる。
4 誤り。基本サービス費は、事業所の類型(単独型・併設型・空床利用型)ごとに区分され、要介護度別に決められる。
5 誤り。共生型短期入所生活介護は、障害福祉制度の短期入所(併設型および空床利用型に限る)の指定を受けた事業所が対象である。