福祉サービス分野 > 第59講 特定施設入居者生活介護とは|対象施設・外部サービス利用型・人員基準をわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CH3 SEC8
第59講 特定施設入居者生活介護
特定施設に入居している要介護者に、能力に応じた自立生活を支援するサービス。「特定施設は3つ・計画は施設のケアマネ」が軸です。
- ①特定施設=有料・養護・軽費老人ホームの3つ
- ②一般型と外部サービス利用型/特定施設サービス計画
- ③人員基準(看護・介護職員3:1・計画作成担当者=ケアマネ)
- ④報酬3区分(+短期利用型)/予防は10:1に緩和
第59講を始めましょう。テーマは特定施設入居者生活介護と、介護予防特定施設入居者生活介護です。
今日のゴールは4つ。1つめ、特定施設は、有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームの3つ。
2つめ、一般型と外部サービス利用型の違い、そして特定施設サービス計画。
3つめ、人員基準。看護・介護職員は3対1、計画作成担当者は介護支援専門員です。
4つめ、報酬の3区分と、介護予防では人員が10対1に緩和される点です。
概要
特定施設とは(3つ)
- ①有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅で該当するものを含む)②養護老人ホーム ③軽費老人ホーム(おもにケアハウス)=第18回で○
- これらが指定を受け、入居している利用者(要介護1〜5の第1号被保険者または第2号被保険者)に、能力に応じた自立生活を支援
特定施設とは、老人福祉法で定める有料老人ホーム。サービス付き高齢者向け住宅で該当するものを含みます。そして養護老人ホーム、おもにケアハウスである軽費老人ホームの3つです。第18回で正しい肢として出ました。
これらの特定施設が指定を受けて、入居している要介護1から5の利用者に、能力に応じた自立生活を営むことができるように支援するのが、特定施設入居者生活介護です。
3施設の性格も押さえましょう。養護老人ホームは65歳以上で居宅での養護が困難な人が対象。軽費老人ホームは無料または低額な料金で入居できる施設。有料老人ホームは、老人福祉施設以外で、老人を居住させて介護等を供与する施設です。
内容
サービスの内容(6つ)
- ①入浴または清拭(週に2回以上)/②排せつ自立の援助ほか日常生活上の世話/③食事の提供
- ④健康管理(健康保持のための適切な措置)/⑤相談及び援助(社会生活に必要な支援)/⑥利用者の家族との連携等(交流機会の確保等)
共通するサービスは6つです。入浴または清拭は週に2回以上。排せつ自立の援助をはじめとした日常生活上の世話。食事の提供。
健康保持のための適切な措置としての健康管理。社会生活に必要な支援としての相談及び援助。そして、交流機会の確保など、利用者の家族との連携等です。
内容
一般型と外部サービス利用型
- 一般型=施設内でサービスを提供/外部サービス利用型=外部サービスを利用
- 軽費老人ホームはA型・B型・ケアハウスの3類型→ケアハウスへの一本化が示されている。ケアハウスは食事・入浴・相談・緊急時対応などを提供するが、介護は介護保険の居宅サービス利用が前提=外部サービス利用型となる
介護保険のサービスとの関係では、施設内でサービスを提供する一般型と、外部サービスを利用する外部サービス利用型に分類されます。
軽費老人ホームには、A型、B型、ケアハウスの3類型がありますが、ケアハウスへの一本化が示されています。ケアハウスは、食事や入浴、相談、緊急時対応などのサービスを提供しますが、介護は介護保険の居宅サービスを利用することが前提で、外部サービス利用型となります。
内容
特定施設サービス計画
- サービスの提供は、計画作成担当者が作成する特定施設サービス計画に基づく(居宅サービス計画に基づく=×・第16回)
- 介護保険施設のサービスと同様に、特定施設入居者生活介護では居宅介護支援は行われない
サービスの提供にあたっては、計画作成担当者が特定施設サービス計画を作成します。居宅サービス計画に基づいて提供される、という肢は誤り。第16回で出ました。
介護保険施設のサービスと同様に、特定施設入居者生活介護では、居宅介護支援は行われません。施設の中の計画で完結するイメージです。
内容
外部サービス利用型の仕組み
- 施設職員が行うのは:事業者との契約・計画作成・安否確認・生活相談などの基本サービスのみ。介護サービス等は外部の指定居宅サービス事業者に委託
- 利用できる居宅サービス:訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハ・通所介護・通所リハ・福祉用具貸与・認知症対応型通所介護の8つ
外部サービス利用型では、特定施設サービス計画に基づいて、事業者との契約、計画作成、安否確認、生活相談などの基本サービスのみを施設の職員が行い、介護サービス等は外部の指定居宅サービス事業者に委託します。
利用できる居宅サービスは、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、福祉用具貸与、そして認知症対応型通所介護の8つです。
事業の基準
人員基準①
- 生活相談員:利用者100人に1人以上(常勤換算)。1人以上は常勤
- 看護職員1人以上と介護職員1人以上は常勤。看護職員は利用者30人以下で1人以上、30人以上では50人増すごとに1人ずつ。介護職員は常に1人以上配置
人員基準です。生活相談員は、利用者100人に1人以上、常勤換算で、1人以上は常勤とします。
看護・介護職員は、要介護者3人につき1人以上、常勤換算です。看護職員1人以上と介護職員1人以上は常勤とします。
看護職員は、利用者30人以下の施設で1人以上、30人以上の施設では50人増すごとに1人ずつ。介護職員は常に1人以上を配置します。
事業の基準
人員基準②
- 機能訓練指導員:機能の減退を防止するための訓練を行う能力のある者1人以上(兼務可)
- 計画作成担当者=介護支援専門員。利用者100人につき1人を標準に1人以上(兼務可)/管理者:常勤1人以上(支障がなければ兼務可)
- 外部サービス利用型の場合:利用者10人あたり介護職員1人以上。看護職員・機能訓練指導員の配置は定められていない
機能訓練指導員は、機能の減退を防止するための訓練を行う能力のある者を1人以上。兼務ができます。
計画作成担当者は介護支援専門員で、利用者100人につき1人を標準に1人以上。兼務可です。管理者は常勤1人以上で、支障がなければ兼務できます。
外部サービス利用型の場合、人員の基準は、利用者10人あたり介護職員1人以上となり、看護職員と機能訓練指導員の配置は定められていません。
事業の基準
設備・運営基準
- 設備:耐火建築物または準耐火建築物(一定要件を満たせば不要)/居室定員は原則1人/一時介護室・浴室・トイレ・食堂・機能訓練室の設置
- 運営:サービス開始にあたっての契約書による契約の締結/特定施設サービス計画の説明と同意・利用者への交付
- 協力医療機関を定め、協力歯科医療機関を定めるよう努める(歯科は努力義務=第10回で○)/地域住民との連携協力等により地域との交流を図るよう努める
設備基準です。耐火建築物または準耐火建築物であること。一定要件を満たした場合はそうでなくてもかまいません。居室の定員は原則1人。一時介護室、浴室、トイレ、食堂、機能訓練室を設置します。
運営基準です。サービス開始にあたっては、契約書による契約を締結します。特定施設サービス計画は、説明と同意のうえ、利用者に交付します。
協力医療機関を定め、協力歯科医療機関については、定めるように努めます。歯科は努力義務です。第10回で正しい肢として出ました。地域住民との連携協力等により、地域との交流を図るよう努めます。
介護報酬
介護報酬
- 基本サービス費は一般型・外部サービス利用型・短期利用型に区分され、1日あたりで要介護度別に決められる
- 予防・介護給付とも、事業者は特定施設入居者生活介護のサービス以外で、利用者の選定により提供される介護等の費用や、おむつ代・日常生活費等の支払いを受けることができる
介護報酬です。基本サービス費は、一般型と外部サービス利用型、短期利用型に区分され、1日あたりで要介護度別に決められています。
また、予防給付、介護給付ともに、事業者は、特定施設入居者生活介護のサービス以外で、利用者の選定により提供される介護等の費用や、おむつ代、日常生活費等の支払いを受けることができます。
まとめ
介護予防特定施設入居者生活介護
- 対象は要支援者。事業の基準は特定施設入居者生活介護と同様だが、看護・介護職員数が10:1に緩和
- 介護予防特定施設サービス計画を作成。計画作成担当者は、サービス提供期間終了までに少なくとも1回モニタリングを行い、必要に応じて計画を変更
最後に、介護予防特定施設入居者生活介護です。介護予防を目的として、要支援者に提供されます。事業の基準は特定施設入居者生活介護と同様ですが、人員基準の看護・介護職員数が、利用者10人につき1人以上と緩和されています。
サービスの提供にあたっては、介護予防特定施設サービス計画を作成します。計画作成担当者は、サービス提供期間が終了するまでに少なくとも1回、モニタリングを行い、必要に応じて計画の変更を行います。第59講は以上です。おつかれさまでした。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
特定施設は、有料老人ホーム、養護老人ホーム及び軽費老人ホームである。
答えと解説
◯ ○。有料老人ホームにはサービス付き高齢者向け住宅で該当するものを含み、軽費老人ホームはおもにケアハウスである(第18回問53)。
特定施設入居者生活介護の対象者は、特定施設に入居している要支援者及び要介護者である。
答えと解説
✕ ×(介護給付の特定施設入居者生活介護の対象は要介護1〜5の入居者であり、要支援者には介護予防特定施設入居者生活介護が提供される)。
特定施設入居者生活介護のサービスには、週に2回以上の入浴または清拭が含まれる。
答えと解説
◯ ○。ほかに排せつ自立の援助、食事の提供、健康管理、相談及び援助、利用者の家族との連携等がある。
特定施設入居者生活介護は、居宅サービス計画に基づいて提供される。
答えと解説
✕ ×(施設の計画作成担当者〈介護支援専門員〉が作成する特定施設サービス計画に基づいて提供される。第16回問53)。
特定施設入居者生活介護の利用者には、居宅介護支援は行われない。
答えと解説
◯ ○。介護保険施設のサービスと同様に、サービスの提供は特定施設サービス計画に基づいて行われる。
外部サービス利用型では、介護サービス等を含むすべてのサービスを当該施設の職員が提供する。
答えと解説
✕ ×(施設職員が行うのは計画作成・安否確認・生活相談などの基本サービスのみで、介護サービス等は外部の指定居宅サービス事業者に委託する)。
外部サービス利用型特定施設入居者生活介護で利用できる居宅サービスには、福祉用具貸与や認知症対応型通所介護が含まれる。
答えと解説
◯ ○。訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・通所介護・通所リハビリテーション・福祉用具貸与・認知症対応型通所介護の8つである。
特定施設入居者生活介護の看護・介護職員は、常勤換算で要介護者3人につき1人以上を配置する。
答えと解説
◯ ○。看護職員1人以上と介護職員1人以上は常勤とし、看護職員は利用者30人以下で1人以上、30人以上では50人増すごとに1人ずつ配置する。
特定施設サービス計画を作成する計画作成担当者は、介護支援専門員でなくてもよい。
答えと解説
✕ ×(計画作成担当者は介護支援専門員であり、利用者100人につき1人を標準に1人以上〈兼務可〉配置する)。
特定施設入居者生活介護の居室の定員は、原則として1人である。
答えと解説
◯ ○。設備基準では、耐火・準耐火建築物であること(一定要件で例外あり)や、一時介護室・浴室・トイレ・食堂・機能訓練室の設置も定められている。
特定施設入居者生活介護の事業者は、あらかじめ協力医療機関を定めるとともに、協力歯科医療機関の確保に努めなければならない。
答えと解説
◯ ○。協力医療機関は定める必要があり、協力歯科医療機関は努力義務とされている(第10回問51)。
介護予防特定施設入居者生活介護の看護・介護職員数は、利用者3人につき1人以上とされている。
答えと解説
✕ ×(介護予防では利用者10人につき1人以上と緩和されている)。
五肢複択
特定施設入居者生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- サービス付き高齢者向け住宅で有料老人ホームに該当するものは、特定施設に含まれる。
- ケアハウスは、施設内で介護を提供する一般型となることが前提とされている。
- サービスの提供は、計画作成担当者が作成する特定施設サービス計画に基づいて行われる。
- サービス開始にあたっては、契約書による契約を締結する。
- 介護老人福祉施設は、特定施設に含まれる。
答えと解説
正解:1・3・4
1 正しい。特定施設の有料老人ホームには、サービス付き高齢者向け住宅で該当するものを含む。
2 誤り。ケアハウスは介護保険の居宅サービスを利用することが前提であり、外部サービス利用型となる。
3 正しい。居宅サービス計画ではなく、特定施設サービス計画に基づいて提供され、居宅介護支援は行われない。
4 正しい。運営基準で、サービス開始にあたっての契約書による契約の締結が定められている。
5 誤り。特定施設は有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホームの3つであり、介護老人福祉施設は介護保険施設である。
特定施設入居者生活介護の基準・報酬について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 生活相談員は、利用者100人に1人以上を配置し、1人以上は常勤とする。
- 外部サービス利用型では、看護職員を要介護者3人につき1人以上配置しなければならない。
- 基本サービス費は、月単位の包括報酬として要介護度別に決められている。
- 介護予防特定施設入居者生活介護では、計画作成担当者は、サービス提供期間が終了するまでに少なくとも1回モニタリングを行う。
- 特定施設入居者生活介護の事業者は、おむつ代の支払いを利用者から受けることができる。
答えと解説
正解:1・4・5
1 正しい。生活相談員は常勤換算で利用者100人に1人以上、うち1人以上は常勤である。
2 誤り。外部サービス利用型の人員基準は利用者10人あたり介護職員1人以上であり、看護職員・機能訓練指導員の配置は定められていない。
3 誤り。基本サービス費は一般型・外部サービス利用型・短期利用型に区分され、1日あたりで要介護度別に決められている。
4 正しい。介護予防特定施設サービス計画を作成し、提供期間終了までに少なくとも1回モニタリングを行い、必要に応じて計画を変更する。
5 正しい。サービス以外で利用者の選定により提供される介護等の費用や、おむつ代、日常生活費等の支払いを受けることができる。