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福祉用具貸与・特定福祉用具販売とは|13種目と9種目・10万円・選択制をわかりやすく

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福祉サービス分野 > 第60講 福祉用具貸与・特定福祉用具販売とは|13種目と9種目・10万円・選択制をわかりやすく/全文

この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。

CHAPTER 3 | SEC9 | 重要度A

福祉用具とは何か

福祉用具とは、高齢者や障害者などが使用する、日常生活上の便宜を図るための用具、機能訓練のための用具・補助具のことです。

「借りる(貸与)」と「買う(販売)」のどちらの種目かを問う問題が頻出。この講の最重要テーマです。

第60講、福祉用具・介護予防福祉用具を始めましょう。重要度はAの頻出単元です。

福祉用具とは、高齢者や障害者などが使用する、日常生活上の便宜を図るための用具や、機能訓練のための用具・補助具のことです。

介護保険では、居宅サービスのなかに、福祉用具貸与と、特定福祉用具販売という2つのサービスとして含まれています。

なお、障害者用の補装具は障害者総合支援法で支給されますが、車いす、歩行器、杖のように介護保険と重なるものは、介護保険での給付が優先されます。

この講の最大のテーマは、借りる種目か、買う種目かの区別です。ここが試験で繰り返し問われます。

貸与13種目 その1

福祉用具貸与の種目(前半・からだと寝台まわり)

まずは貸与の対象13種目のうち、からだと寝台まわりの6つ。

福祉用具貸与の対象は、全部で13種目あります。まずは、からだと寝台まわりの6つから見ていきます。

1つめのグループは車いすです。自走用標準型、普通型電動、介助用標準型、介助用電動の車いすと、車いす付属品が貸与の対象です。

2つめは特殊寝台と、その付属品です。付属品には、スライディングボードや介助用ベルトなどが含まれます。

3つめは、エアマットなどの床ずれ防止用具と、体位変換器です。

貸与13種目 その2

福祉用具貸与の種目(後半・移動と見守り)

手すり・スロープは「工事を伴わないもの」だけが貸与対象。工事をするなら住宅改修の扱いです(第25回で出題)。

後半の7種目です。手すりとスロープは、取り付け工事を伴わないものだけが貸与の対象です。スロープは持ち運びの容易なものに限られます。

歩行器と、松葉杖や多点杖などの歩行補助杖も貸与の対象です。

認知症老人徘徊感知機器は、外部との通信機能を除いた部分が対象となります。

移動用リフトは、つり具の部分を除いて貸与の対象です。そして、自動排泄処理装置。これで13種目です。

ひっかけ注意です。取り付け工事の有無にかかわらず手すりは貸与の対象となる、という第25回の問題はバツ。工事が必要なものは住宅改修の扱いになります。

誰に貸せる?

軽度者への貸与制限

5種目
軽度者にも貸与できる種目(手すり・スロープ・歩行器・歩行補助杖・自動排泄処理装置)

次に、誰に貸与できるかの制限です。手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖、自動排泄処理装置の5種目は、軽度の人にも貸与できます。

逆に言うと、この5種目以外は、要介護2以上の人が対象です。車いすや特殊寝台は、軽い人には原則貸せません。

さらに、自動排泄処理装置のうち、排便機能を有するものは、要介護4以上が対象です。数字で覚えましょう。原則は要介護2以上、排便機能つきは要介護4以上です。

2024(令和6)年度〜

貸与か販売か選べる「選択制」

2024年度、令和6年度から、新しい仕組みが入りました。貸与と販売の選択制です。

対象となるのは、スロープ、歩行器、歩行補助杖の3種目です。

この3種目については、利用者が、借りるか買うかのいずれかを選択できます。

選択にあたって事業者は、利用者への十分な説明と、多職種の意見や利用者の身体状況を踏まえた提案等を行います。

どう給付される?

貸与の保険給付と介護報酬

介護報酬福祉用具貸与の介護報酬は、1か月あたりの貸与にかかる実費

貸与の保険給付です。福祉用具貸与では、福祉用具は現物給付されます。

要介護度別の支給限度基準額の範囲内で、訪問介護や通所介護など、他のサービスと組み合わせて利用します。

また、複数の福祉用具を貸与する場合は、あらかじめ都道府県等に届け出ることによって、通常の貸与価格から減額して貸与することができます。

介護報酬は、1か月あたりの貸与にかかる実費です。ここも過去に問われています。

買うのはコレ

特定福祉用具販売の種目(9種目)

入浴や排せつに使う、貸与になじまないものは購入します。

次は、買うほうの特定福祉用具販売です。入浴や排せつに使う、貸与になじまないものは購入することになります。対象は9種目です。

排せつ系では、水洗ポータブルトイレを含む腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、チューブなどですね、それに排泄予測支援機器。

入浴系では、入浴用いすや浴槽内いすなどの入浴補助用具と、取水・排水の工事を伴わない簡易浴槽。

それから、移動用リフトのつり具部分。本体は貸与で、つり具だけが販売です。

最後に、選択制のスロープ、歩行器、歩行補助杖の3種目。これらは貸与と販売の両方に載っています。

本体とパーツで分かれる

貸与?販売? ひっかけ整理

「自動排泄処理装置は、交換可能部品も含め、特定福祉用具販売の対象となる」→×。交換可能部品を除き、貸与の対象です。

貸与と販売の区別で、試験が突いてくるポイントを整理します。

自動排泄処理装置は、本体が貸与、交換可能部品が販売です。第22回再試験で出題されました。

移動用リフトも同じ発想で、本体が貸与、つり具の部分が販売です。

考え方はシンプルです。肌に直接触れるもの、入浴や排せつに使うものは、使い回しがきかないので販売、と覚えましょう。

過去問です。自動排泄処理装置は交換可能部品も含め特定福祉用具販売の対象となる。答えはバツ。交換可能部品を除き、福祉用具貸与の対象です。

数字で覚える

販売の保険給付(償還払い・10万円)

10万円
年間(4月1日から12か月間)の購入費の上限

販売の保険給付です。上限は、年間10万円。4月1日から12か月間で数えます。

購入費用は、自己負担分を除き、償還払いで保険給付されます。いったん全額を支払い、あとから払い戻しを受ける方式です。

同一年度では、1品目につき1回の購入が原則です。ただし、破損などの事情がある場合は除きます。

償還払いの保険給付を受けるためには、市町村への申請が必要です。貸与は現物給付、販売は償還払い。この対比を押さえましょう。

重要度B

事業の基準(指定・人員基準)

事業の基準です。福祉用具貸与あるいは販売を行う事業者は、指定事業者として、都道府県知事の指定が必要です。

人員基準の主役は、福祉用具専門相談員です。常勤換算で2人以上の配置が義務づけられています。1人ではダメです。第22回再試験で出題されました。

専門相談員になれるのは、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、義肢装具士、または専門講習の修了者です。

管理者は、専従・常勤で1人。支障がなければ兼務も可能です。

なお、同一の事業者が貸与と販売を一体的に運営している場合は、どちらかの事業で人員基準を満たせばよいとされています。

計画と義務化の流れ

福祉用具専門相談員の仕事

福祉用具専門相談員の仕事です。まず、居宅サービス計画に沿った福祉用具サービス計画を作成します。貸与なら福祉用具貸与計画、販売なら特定福祉用具販売計画で、同時に提供する場合は一体的に作成します。計画には、具体的な利用目標、福祉用具の種類、選定理由などを含めます。

そのほか、福祉用具に関する相談、用具の点検、使用方法の指導、必要な場合の修理などを行います。

義務化の流れも問われます。2018年、平成30年4月からは、機能や価格帯の異なる複数の商品を提示すること、そして貸与計画書を介護支援専門員にも交付することが義務になりました。

同じ年の10月からは、その福祉用具の全国平均貸与価格と、その事業者の貸与価格の両方を、利用者に説明することが義務づけられました。

要支援者むけ | 重要度C

介護予防福祉用具貸与・特定介護予防福祉用具販売

「要支援者への支給対象は歩行補助つえに限定されている」→×(手すり・スロープ・歩行器も対象。第9回)。

要支援者むけの、介護予防福祉用具貸与と、特定介護予防福祉用具販売です。事業所の基準や介護報酬、対象種目、手続きなどは、要介護者むけと同じです。

ただし、介護予防福祉用具貸与の対象は、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖の4種目です。それ以外は、要支援者には必要ではないと考えられることから、原則、対象外です。

例外もあります。医師の医学的な所見に基づき判断され、サービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより福祉用具が必要と判断された場合は、市町村が確認することにより給付が可能になります。

過去問です。要支援者に対する介護予防福祉用具貸与費の支給対象は、歩行補助つえに限定されている。答えはバツ。手すり、スロープ、歩行器も対象です。

第60講のゴール

まとめ:福祉用具の4つの使用目的

まとめです。福祉用具の使用目的は4つ。失った身体機能の補完、生活動作の自立、利用者の生活の活性化、そして介護者の負担軽減です。

給付の形も対比で覚えます。貸与13種目は現物給付で報酬は1か月あたりの実費。販売9種目は償還払いで、年間10万円、同一年度1品目1回が原則です。

事業の基準は、都道府県知事の指定と、福祉用具専門相談員2人以上。介護予防福祉用具貸与は4種目が原則で、例外給付の仕組みがありましたね。

第60講はここまでです。次は一問一答で、貸与と販売の区別を確実にしていきましょう。おつかれさまでした。

この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)

すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →

  1. 福祉用具貸与では、福祉用具は現物給付され、要介護度別の支給限度基準額の範囲内で他のサービスと組み合わせて利用する。

    答えと解説

     正しい。貸与は現物給付。複数の福祉用具を貸与する場合、あらかじめ都道府県等に届け出ることで貸与価格から減額できる。

  2. 福祉用具貸与の支給対象となる手すりには、取付工事を伴うものも含まれる。

    答えと解説

     誤り。貸与対象の手すり・スロープは取付工事を伴わないものに限る(第25回-問54)。工事を伴うものは住宅改修の対象。

  3. 自動排泄処理装置は、交換可能部品を除き、福祉用具貸与の対象である。

    答えと解説

     正しい。本体は貸与、チューブなどの交換可能部品は特定福祉用具販売の対象(第22回再-問51)。

  4. 特定福祉用具の購入費は、現物給付で支給される。

    答えと解説

     誤り。購入費用は自己負担分を除き償還払いで保険給付され、市町村への申請が必要。現物給付は貸与のほう。

  5. 特定福祉用具の購入費は、年間(4月1日からの12か月間)10万円を上限とし、同一年度で1品目1回の購入が原則である。

    答えと解説

     正しい。ただし破損などの事情がある場合は同一年度でも再購入が認められる。

  6. 福祉用具貸与事業所には、福祉用具専門相談員を1人以上置けばよい。

    答えと解説

     誤り。福祉用具専門相談員は常勤換算で2人以上の配置が必要(第22回再-問51)。

  7. 福祉用具貸与あるいは特定福祉用具販売を行う事業者は、都道府県知事の指定が必要である。

    答えと解説

     正しい。指定福祉用具貸与事業者・指定特定福祉用具販売事業者として都道府県知事の指定を受ける。

  8. 福祉用具専門相談員は、福祉用具を貸与する際、機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示しなければならない。

    答えと解説

     正しい。2018(平成30)年4月から義務化。同年10月からは全国平均貸与価格と当該事業者の貸与価格の両方の説明も義務化された。

  9. 福祉用具貸与計画書は利用者に交付すればよく、介護支援専門員への交付までは義務づけられていない。

    答えと解説

     誤り。2018(平成30)年4月から、利用者に交付する福祉用具貸与計画書を介護支援専門員にも交付することが義務づけられた。

  10. 介護予防福祉用具貸与の対象種目は、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖である。

    答えと解説

     正しい。それ以外の種目も、医師の医学的な所見に基づき適切なケアマネジメントにより必要と判断され、市町村が確認した場合は給付が可能。

  11. 障害者総合支援法の補装具と介護保険の福祉用具貸与が重なる場合は、障害者総合支援法による支給が優先される。

    答えと解説

     誤り。介護保険と重なるもの(車いす・歩行器・杖)は介護保険での給付が優先される。

  12. 2024(令和6)年度から、スロープ・歩行器・歩行補助杖については、利用者が貸与か販売のいずれかを選択できる。

    答えと解説

     正しい。選択制の導入にあたり、事業者は十分な説明と、多職種の意見や利用者の身体状況を踏まえた提案等を行う。

五肢複択

  1. 特定福祉用具販売の対象となるものはどれか。3つ選べ。

    • 簡易浴槽
    • 自動排泄処理装置の交換可能部品
    • 体位変換器
    • 床ずれ防止用具
    • 排泄予測支援機器
    答えと解説

    正解:1・2・5

    1 正しい。簡易浴槽(取水・排水の工事を伴わないもの)は特定福祉用具販売の対象。

    2 正しい。自動排泄処理装置は本体が貸与、チューブなどの交換可能部品が販売の対象。

    3 誤り。体位変換器は福祉用具貸与の対象である。

    4 誤り。床ずれ防止用具(エアマットなど)は福祉用具貸与の対象である。

    5 正しい。排泄予測支援機器は特定福祉用具販売の対象である。

  2. 福祉用具について正しいものはどれか。2つ選べ。

    • 福祉用具貸与の介護報酬は、1か月あたりの貸与にかかる実費である。
    • 特定福祉用具の購入費は、現物給付される。
    • 福祉用具専門相談員は、居宅サービス計画に沿った福祉用具サービス計画を作成し、利用目標や選定理由などを記載する。
    • 福祉用具貸与事業所の管理者は、非常勤でもよい。
    • 要支援者には、いかなる場合も車いすの介護予防福祉用具貸与は行われない。
    答えと解説

    正解:1・3

    1 正しい。福祉用具貸与の介護報酬は1か月あたりの貸与にかかる実費とされている。

    2 誤り。購入費は償還払いで保険給付され、市町村への申請が必要。

    3 正しい。貸与計画または販売計画(同時提供の場合は一体的に作成)に、具体的な利用目標・福祉用具の種類・選定理由などを含める。

    4 誤り。管理者は専従・常勤1人(支障がなければ兼務可)。

    5 誤り。医師の医学的な所見に基づき、サービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより必要と判断され、市町村が確認した場合は給付が可能。

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