介護支援分野 > 第14講 利用者負担|負担割合・軽減・減免/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第14講 はじめに
自己負担のしくみと軽減
第14講は、利用者がいくら払うのか、そして払いきれないときの助けを学びます。前講に続き数字が主役です。
- 負担割合:原則1割。所得が高いと2割・3割
- 軽減:高すぎる負担を抑える6つのしくみ
- 減免:災害など特別な事情での免除
第14講は、利用者がいくら払うのか、そして払いきれないときの助けを学びます。前の講に続き、数字が主役です。
1つ目は負担割合。原則1割で、所得が高いと2割・3割になります。
2つ目は軽減。高すぎる負担を抑える6つのしくみがあります。
3つ目は減免。災害など特別な事情での免除です。
払う側のルールの回です。割合と、軽減策の名前と特徴を結びつけて覚えましょう。
利用者負担の基本
原則は1割負担
介護保険では、サービス費用の大部分を保険が給付し、残りを利用者が負担します。
- 原則、費用の9割が保険給付(利用者負担1割)
- これは要介護でも要支援でも基本の考え方は同じ
介護保険では、サービス費用の大部分を保険が給付し、残りを利用者が負担します。
原則は9割給付、1割負担。かかった費用の1割を利用者が払うのが基本です。
原則、費用の9割が保険給付で、利用者負担は1割です。
これは要介護でも要支援でも、基本の考え方は同じです。
次に見るとおり、所得が高い人は給付が8割・7割に下がり、負担が2割・3割に増えます。原則1割、所得が高いと増える、と理解しましょう。
1割・2割・3割
負担割合は3段階
負担割合は所得で決まり、1割・2割・3割の3段階です(年金収入等が目安)。
負担割合は所得で決まり、1割・2割・3割の3段階です。年金収入等が目安になります。
年金収入等が340万円以上で3割、280万円以上で2割、280万円未満で1割が目安です。
理解のコツは、所得が上がると給付が減って負担が増える。給付は9割・8割・7割、負担は1割・2割・3割と動きます。実際は合計所得など細かい要件がありますが、試験では3段階で所得で決まる、を押さえましょう。金額の基準は改定で変わることがあるので最新は教科書で確認を。
1割のほかに払うもの
サービス費用以外の負担
1割(〜3割)負担のほかに、保険給付の対象外として自己負担するものがあります。
- 施設等の食費・居住費(短期入所は滞在費/通所は食費)
- 日常生活費(理美容代・教養娯楽費など)
- 遠隔地事業者の交通費・送迎費、特別室・特別食などの上乗せ分
1割から3割負担のほかに、保険給付の対象外として自己負担するものがあります。
施設等の食費・居住費。短期入所では滞在費、通所では食費がこれにあたります。
日常生活費。理美容代や教養娯楽費などです。
そして、遠隔地の事業者を使う場合の交通費・送迎費、特別室や特別食などの上乗せ分です。
食費は食材料費プラス調理コスト相当額、居住費・滞在費は室料プラス光熱水費相当額が基本。これらは原則として保険の外、と理解しましょう。
ひっかけ注意
おむつ代は給付対象
「自己負担になりそうで、実は保険給付」という引っかけの定番がおむつ代です。
- 施設・短期入所では、おむつ代は給付に含まれる
- 日常生活費(理美容代など)とは扱いが違うので注意
自己負担になりそうで、実は保険給付、という引っかけの定番がおむつ代です。
ポイント。施設サービスと短期入所系サービスでは、おむつ代は保険給付の対象で、自己負担になりません。
施設や短期入所では、おむつ代は給付に含まれます。
理美容代などの日常生活費とは扱いが違うので注意しましょう。
覚え方は、施設・ショートのおむつは保険持ち。理美容代は自己負担、おむつ代は給付、と対比で覚えましょう。
1か月単位
軽減①高額介護サービス費
1か月の自己負担が高くなりすぎたら、上限を超えた分が戻ってきます。これが高額介護サービス費。
- 同一世帯の1か月の自己負担合計が上限超 → 超過分を償還払いで支給
- 福祉用具購入費・住宅改修費・食費・居住費・日常生活費は対象外
1か月の自己負担が高くなりすぎたら、上限を超えた分が戻ってきます。これが高額介護サービス費です。
同一世帯の1か月の自己負担合計が上限を超えたら、超過分が償還払いで支給されます。
ただし、福祉用具購入費・住宅改修費・食費・居住費・日常生活費は対象外です。
例題。上限額は6月単位で設定、はバツ。正しくは1か月単位です。
引っかけのポイントは、1か月単位。6月や1年などに変える引っかけが出ます。
所得区分別の月額上限
高額介護サービス費の上限
上限額は所得区分ごとに設定されています(世帯単位)。高所得ほど上限が高い=戻りにくい。
上限額は所得区分ごとに設定されています。世帯単位で、高所得ほど上限が高い、つまり戻りにくくなります。
年収1160万円以上で14万100円、770万から1160万円未満で9万3000円、383万から770万円未満と住民税世帯課税で4万4400円、世帯非課税で2万4600円です。
金額の暗記は深追いしすぎないこと。所得が高いほど上限も高いという方向と、最頻出の1か月単位をまず固めましょう。金額は改定で変わるので最新は教科書で確認を。
医療と介護を合算
軽減②高額医療合算介護サービス費
医療保険と介護保険、両方の自己負担が重なって重い世帯を助けるのが高額医療合算介護サービス費。
- 同一世帯で、1年間(8月〜翌7月)の医療+介護の自己負担を合算
- 合算額が上限を超えたら支給
- 介護分は介護保険者(市町村)から支給
医療保険と介護保険、両方の自己負担が重なって重い世帯を助けるのが、高額医療合算介護サービス費です。
同一世帯で、1年間、8月から翌年7月までの医療と介護の自己負担を合算します。
その合算額が上限を超えたら支給されます。
介護分は、介護保険者である市町村から支給されます。
例題。高額医療合算介護サービス費は医療保険から支給、はバツ。介護分は市町村から、医療の自己負担分は高額介護合算療養費として医療保険者から支給されます。
食費・居住費を補助
軽減③補足給付
特定入所者介護サービス費(補足給付)は、施設等の食費・居住費を補助するしくみです。
- 食費・居住費の自己負担が、基準費用額と負担限度額の差額を支給
- 対象は利用者負担段階の第1〜第3段階の人(低所得者)
- 生活保護受給者も第1段階の対象に含まれる
特定入所者介護サービス費、いわゆる補足給付は、施設等の食費・居住費を補助するしくみです。
食費・居住費の自己負担について、基準費用額と負担限度額の差額が支給されます。
対象は、利用者負担段階の第1から第3段階の人、つまり低所得者です。
生活保護受給者も、第1段階の対象に含まれます。
例題。生活保護受給者は補足給付の対象に含まれない、はバツ。第1段階の対象に含まれます。
第1〜第4段階
補足給付の負担段階
補足給付の対象は所得と預貯金で4段階に分かれます。第1〜3段階が対象、第4段階は対象外。
- 第1段階:生活保護受給者/市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者
- 第2・第3段階:市町村民税非課税世帯(所得・年金収入で細分)
- 第4段階:上記に該当しない人(=対象外)
補足給付の対象は、所得と預貯金で4段階に分かれます。第1から第3段階が対象で、第4段階は対象外です。
第1段階は、生活保護受給者と、市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者です。
第2・第3段階は、市町村民税非課税世帯で、所得や年金収入で細分されます。
第4段階は、これらに該当しない人で、補足給付の対象外です。
段階ごとに預貯金の要件もあります。たとえば第1段階は単身1000万円以下などです。対象者には申請で負担限度額認定証が交付され、提示すると限度額までの支払いで済みます。
生活保護を防ぐ・配偶者を守る
軽減④⑤特例減額など
ほかにも、低所得や特別な事情の人を守る軽減策があります。
- 生活保護移行防止の負担軽減:通常の上限だと生活保護になる人の上限を下げ、保護にならないようにする
- 食費・居住費の特例減額:高齢夫婦の一方が施設入所し、在宅の配偶者が生計困難になる場合、段階を1つ下げて補足給付
ほかにも、低所得や特別な事情の人を守る軽減策があります。
生活保護移行防止の負担軽減は、通常の上限だと生活保護になってしまう人の上限を下げて、保護にならないようにするものです。
食費・居住費の特例減額は、高齢夫婦の一方が施設に入所して、在宅の配偶者が生計困難になる場合に、負担段階を1つ下げて補足給付を行うものです。
どちらも、そのまま負担させると生活が破綻するのを防ぐ調整です。名前と、誰を守るかをセットで覚えましょう。
低所得者をさらに軽減
軽減⑥社会福祉法人等の軽減
社会福祉法人等による利用者負担軽減は、低所得者の自己負担・食費・居住費をさらに軽くする制度です。
- 市町村民税非課税で収入・資産等が要件に該当し、市町村が認めた人が対象(生活保護受給者も)
- 原則、利用者負担の4分の1を軽減(老齢福祉年金受給者は2分の1、生活保護受給者は全額)
- 補足給付の支給後の利用者負担にも適用される
社会福祉法人等による利用者負担軽減は、低所得者の自己負担・食費・居住費を、さらに軽くする制度です。
市町村民税が非課税で、収入・資産等が要件に該当し、市町村が認めた人が対象です。生活保護受給者も含まれます。
原則、利用者負担の4分の1を軽減します。老齢福祉年金受給者は2分の1、生活保護受給者は全額が軽減されます。
補足給付の支給後の利用者負担にも適用されます。
例題。補足給付支給後の負担には軽減制度が適用されない、はバツ。支給後の負担にも適用されます。
災害など特別な事情
利用者負担の減免
最後に減免。災害など特別な事情で負担が困難なとき、定率負担が減額・免除されます。
- 災害等による住宅等の財産の著しい損害
- 死亡・障害・長期入院による収入の著しい減少
- 事業の休廃止・失業等による収入の著しい減少
- 干ばつ・冷害等による農作物の不作・不漁
最後に減免です。災害など特別な事情で負担が困難なとき、定率負担が減額・免除されます。
1つ目は、災害等による住宅等の財産の著しい損害。
2つ目は、死亡・障害・長期入院による収入の著しい減少。
3つ目は、事業の休廃止や失業等による収入の著しい減少。
4つ目は、干ばつ・冷害等による農作物の不作や不漁です。
覚え方は、災害・死亡や病気・失業・不作。どれも急に収入や財産を失う事態です。低所得者向けの恒常的な軽減とは別物、と区別しましょう。
第14講 おつかれさまでした
まとめ & 次の講へ
第14講のまとめです。負担と軽減を一気におさらいします。
- 負担割合:原則1割、所得で2割・3割(9割→8割→7割)
- 給付の外:食費・居住費・日常生活費。ただし施設・ショートのおむつ代は給付
- 軽減:高額介護(1か月単位)/合算(1年・市町村から)/補足給付(食費居住費・第1〜3段階)/社福法人軽減(4分の1)
- 減免:災害・収入減など特別事情で減額・免除
第14講のまとめです。負担と軽減を一気におさらいします。
負担割合は、原則1割、所得で2割・3割。給付は9割・8割・7割と動きます。
給付の外は、食費・居住費・日常生活費。ただし、施設やショートステイのおむつ代は給付に含まれます。
軽減は、高額介護が1か月単位、合算が1年で市町村から、補足給付が食費・居住費で第1から3段階、社会福祉法人軽減が4分の1。
減免は、災害や収入減など特別な事情で減額・免除されます。
おつかれさまでした。次は第15講、または問題演習で力だめししてみましょう。
この講の一問一答(◯×10問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
介護保険のサービス利用者負担は、原則1割である。
答えと解説
◯ 正しい。所得に応じて2割・3割負担となる人もいます。
一定以上の所得がある人は、利用者負担が2割または3割になる。
答えと解説
◯ 正しい。年金収入等の額に応じて段階的に上がります(最新基準は教科書で確認を)。
高額介護サービス費は、1年単位で上限を超えた分が支給される。
答えと解説
✕ 誤り。高額介護サービス費は1か月単位です。
高額医療合算介護サービス費は、1年(8月〜翌7月)単位で計算される。
答えと解説
◯ 正しい。医療と介護の自己負担を合算し、年単位で上限を超えた分が支給されます。
施設入所や短期入所でのおむつ代は、保険給付の対象である。
答えと解説
◯ 正しい。施設・短期入所のおむつ代は給付対象に含まれます。
補足給付(特定入所者介護サービス費)は、施設の食費・居住費を対象とする。
答えと解説
◯ 正しい。所得段階(第1〜3段階)に応じて負担限度額が設けられます。
生活保護受給者は、補足給付の所得段階で第3段階に区分される。
答えと解説
✕ 誤り。生活保護受給者は第1段階に区分されます。
社会福祉法人による利用者負担軽減は、原則として負担の4分の1を軽減する。
答えと解説
◯ 正しい。老齢福祉年金受給者は2分の1、生活保護受給者は全額軽減です。
高額介護サービス費の負担上限額は、所得にかかわらず一律である。
答えと解説
✕ 誤り。世帯の所得区分に応じて上限額が異なります(最新額は教科書で確認を)。
災害により住宅が著しく損害を受けた場合、利用者負担が減免されることがある。
答えと解説
◯ 正しい。災害・死亡障害・長期入院・事業休廃止失業などのケースで減免があります。
五肢複択
利用者負担について、正しいものを2つ選べ。
- 利用者負担は原則1割で、所得により2割・3割もある。
- 高額介護サービス費は1年単位で計算される。
- 補足給付は施設の食費・居住費を対象とする。
- 施設のおむつ代は保険給付の対象外である。
- 補足給付で生活保護受給者は第3段階である。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。
2 誤り。高額介護サービス費は1か月単位。
3 正しい。所得段階に応じた負担限度額がある。
4 誤り。施設・短期入所のおむつ代は給付対象。
5 誤り。生活保護受給者は第1段階。
利用者負担の軽減について、正しいものを2つ選べ。
- 高額医療合算介護サービス費は1か月単位で計算される。
- 高額医療合算介護サービス費は1年単位で計算される。
- 社会福祉法人の軽減は原則4分の1である。
- 施設のおむつ代は保険給付の対象外である。
- 補足給付の負担限度額は所得にかかわらず一律である。
答えと解説
正解:2・3
1 誤り。1年単位(8月〜翌7月)。
2 正しい。
3 正しい。生保は全額、老齢福祉年金受給者は2分の1。
4 誤り。施設・短期入所のおむつ代は給付対象。
5 誤り。所得段階で異なる。