介護支援分野 > 第16講 介護サービス情報の公表|誰が公表する?/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第16講 はじめに
情報公表ってなに?
第16講は介護サービス情報の公表。利用者が事業者を比べて選べるように、情報を見える化するしくみです。
- 誰が公表する?…ぜんぶ都道府県知事が軸
- 何を・いつ報告する?…情報の種類と報告のタイミング
- 調査機関・公表センター…事務を代わりに行う2つの機関
第16講は、介護サービス情報の公表です。利用者が事業者を比べて選べるように、情報を見える化するしくみを学びます。
1つ目は、誰が公表するか。これはすべて都道府県知事が軸になります。
2つ目は、何を、いつ報告するか。情報の種類と報告のタイミングです。
3つ目は、調査機関と公表センター。事務を代わりに行う2つの機関です。
この回は、主体は都道府県で市町村ではないこと、報告のタイミング、命令違反で指定取消、が問われます。主体のすり替えに注意しましょう。
報告 → 公表 → 閲覧
公表制度の全体像
流れはシンプルです。事業者が報告し、知事が公表し、利用者がネットで閲覧します。
流れはシンプルです。事業者が報告し、知事が公表し、利用者がネットで閲覧します。
まず、事業者・施設が都道府県知事に報告します。
次に、報告を受けた都道府県知事が公表します。
そして、利用者がインターネットで閲覧します。
情報は、全国共通の介護サービス情報公表システムで公開されます。国が一元管理し、誰でもインターネットで検索・比較できます。
公表するのは知事
主役は都道府県知事
この制度の主役は都道府県知事。報告を受けて公表しなければならないのは知事です(義務)。
- 報告を受けるのも、公表するのも都道府県知事
- 地域密着型サービスの情報公表も、市町村長ではなく都道府県知事
この制度の主役は、都道府県知事です。報告を受けて公表しなければならないのは知事で、これは義務です。
報告を受けるのも、公表するのも、都道府県知事です。
地域密着型サービスの情報公表も、市町村長ではなく、都道府県知事が行います。
引っかけ。地域密着型サービスの公表は市町村長が行う、はバツです。地域密着型でも公表は都道府県知事。主体を市町村にすり替える問題が頻出です。
開始時 と 計画策定時
報告は義務・タイミングは2つ
事業者・施設には情報の報告が義務づけられています。報告するタイミングは2つ。
- ①介護サービスの提供開始時
- ②都道府県が毎年定める計画で定めるとき(計画策定時)
事業者・施設には、情報の報告が義務づけられています。報告するタイミングは2つあります。
1つ目は、介護サービスの提供開始時です。
2つ目は、都道府県が毎年定める計画で定めるとき、計画策定時です。
引っかけ。報告は提供開始時だけでよい、はバツです。提供開始時に加えて、都道府県が計画で定めるときにも報告が必要です。
事実情報 と 取り組み状況
情報の種類①基本情報・運営情報
報告する情報の中心は基本情報と運営情報。知事はこの2つを公表しなければなりません。
- 基本情報=基本的な事実情報(所在地・従業員数・営業時間・サービス内容・利用料金など)
- 運営情報=具体的な取り組みの状況(外部機関との連携・苦情対応の状況・職員研修の実施状況など)
報告する情報の中心は、基本情報と運営情報です。知事はこの2つを公表しなければなりません。
基本情報は、基本的な事実情報です。所在地、従業員数、営業時間、サービス内容、利用料金などです。
運営情報は、具体的な取り組みの状況です。外部機関との連携、苦情対応の状況、職員研修の実施状況などです。
区別のコツ。基本情報は動かない事実、住所や料金。運営情報はやっていること、取り組み。事実か取り組みか、で分けましょう。
さらに2つの情報
情報の種類②任意報告・経営情報
基本情報・運営情報のほかに、知事が定める任意報告情報と、介護サービス事業者経営情報があります。
- 任意報告情報:知事が定める、サービスの質や従業者に関する情報。知事は公表に配慮するものとされる
- 経営情報:2024年4月創設。収益・費用などを知事に報告→国(厚生労働省)がデータベース化し分析結果を公表
基本情報・運営情報のほかに、知事が定める任意報告情報と、介護サービス事業者経営情報があります。
任意報告情報は、知事が定める、サービスの質や従業者に関する情報です。知事は公表に配慮するものとされています。
経営情報は、2024年4月に創設された新しいしくみです。収益・費用などを知事に報告し、国、厚生労働省がデータベース化して分析結果を公表します。
経営情報の制度は新しく、細部は改正されやすいところです。大枠だけ押さえて、最新は教科書で確認しましょう。
開始時 と 計画策定時で違う
公表される項目
公表が義務づけられる項目は、提供開始時と計画策定時で内容が変わります。
- 提供開始時:法人や事業所の名称・所在地・連絡先、従事者に関する情報、運営方針、サービス内容、苦情対応窓口、利用料 など
- 計画策定時:上記に加えて、権利擁護・質の確保・相談苦情対応・評価改善・適切な運営・安全衛生・情報管理などの「講じている措置」
公表が義務づけられる項目は、提供開始時と計画策定時で内容が変わります。
提供開始時は、法人や事業所の名称・所在地・連絡先、従事者に関する情報、運営方針、サービス内容、苦情対応窓口、利用料などです。
計画策定時は、これらに加えて、権利擁護、質の確保、相談苦情対応、評価改善、適切な運営、安全衛生、情報管理などの、講じている措置が公表されます。
覚え方。開始時は事業所の基本スペック、計画策定時はプラス取り組みの中身、措置です。計画策定時の方が項目が多い、と押さえましょう。
必要に応じて行う
調査(訪問調査)
報告された内容を確かめるため、都道府県は必要に応じて訪問調査を行うことができます。
- 調査の場面:新規指定時・更新申請時・虚偽報告が疑われる場合など必要に応じて
- 調査結果は公表情報に反映される(調査項目は都道府県が設定)
報告された内容を確かめるため、都道府県は必要に応じて訪問調査を行うことができます。
調査の場面は、新規指定時、更新申請時、虚偽報告が疑われる場合など、必要に応じてです。
調査結果は公表情報に反映されます。調査項目は都道府県が設定します。
調査は、毎回必ずではなく、必要に応じてです。報告後に調査した場合は、その結果の公表をもって、報告内容を公表したものとできます。
報告しない・ウソ → 取消も
命令と処分
報告をしない事業者や虚偽の報告をした事業者には、知事が是正を求め、従わなければ処分もあります。
- 報告なし・虚偽報告 → 知事が報告・是正などの調査命令を出せる
- 命令に従わない → 指定の取消や効力の停止ができる
- 市町村長が指定する事業者については、知事は市町村長に通知する
報告をしない事業者や、虚偽の報告をした事業者には、知事が是正を求め、従わなければ処分もあります。
報告なし、または虚偽報告のときは、知事が報告や是正などの調査命令を出せます。
その命令に従わないときは、指定の取消や、効力の停止ができます。
市町村長が指定する事業者については、知事は市町村長に通知します。
過去問のマル。指定居宅サービス事業者が是正命令に従わないとき、指定を取り消されることがある、はマルです。命令違反から取消の流れは頻出です。
調査事務を代わりに行う
指定調査機関
調査の事務は、知事が指定する指定調査機関に行わせることができます(任意)。
- 都道府県知事が、都道府県ごとに指定する
- 秘密保持義務が課され、知事の指導・監督下に置かれる
- 調査は、研修を修了し調査員名簿に登録された調査員が行う
調査の事務は、知事が指定する指定調査機関に行わせることができます。これは任意です。
都道府県知事が、都道府県ごとに指定します。
秘密保持義務が課され、知事の指導・監督下に置かれます。
調査は、研修を修了し、調査員名簿に登録された調査員が行います。
引っかけ。調査事務は都道府県の附属の調査機関が行わなければならない、はバツです。知事が行いますが、指定調査機関に行わせることもできる。義務ではありません。
公表事務を代わりに行う
指定情報公表センター
公表の事務は、知事が指定する指定情報公表センターに行わせることができます。
- 都道府県知事が、都道府県ごとに指定する
- 担う事務は報告の受理・公表・指定調査機関の指定
- 指定調査機関と同じく秘密保持義務が課される
公表の事務は、知事が指定する指定情報公表センターに行わせることができます。
都道府県知事が、都道府県ごとに指定します。
担う事務は、報告の受理、公表、そして指定調査機関の指定です。
指定調査機関と同じく、秘密保持義務が課されます。
引っかけ。指定情報公表センターの指定は市町村の事務、はバツです。指定するのは都道府県。調査機関もセンターも、指定するのは知事です。
第16講 おつかれさまでした
まとめ & 次の講へ
第16講のまとめです。「情報公表はまるごと都道府県知事」を背骨に整理します。
- 主体は都道府県知事:公表・調査・調査機関の指定・センターの指定、ぜんぶ知事(地域密着型も知事)
- 報告は義務/タイミングは提供開始時 + 計画策定時
- 情報=基本情報(事実)・運営情報(取り組み)+任意報告・経営情報
- 命令違反→指定取消・効力停止/調査機関もセンターも知事が指定・秘密保持義務
第16講のまとめです。情報公表はまるごと都道府県知事、を背骨に整理します。
主体は都道府県知事。公表・調査・調査機関の指定・センターの指定、ぜんぶ知事です。地域密着型も知事です。
報告は義務。タイミングは、提供開始時に加えて計画策定時です。
情報は、基本情報、つまり事実と、運営情報、つまり取り組み。これに任意報告情報と経営情報が加わります。
命令違反は指定取消・効力停止。調査機関もセンターも、知事が指定し、秘密保持義務が課されます。
おつかれさまでした。次は第17講、または問題演習で力だめししてみましょう。
この講の一問一答(◯×10問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
介護サービス情報を公表するのは、都道府県知事である。
答えと解説
◯ 正しい。報告を受けた知事が基本情報・運営情報を公表します。市町村ではありません。
地域密着型サービスの情報公表は、市町村長が行う。
答えと解説
✕ 誤り。地域密着型サービスの情報公表も都道府県知事が行います。主体のすり替えに注意。
事業者の情報報告は、サービス提供開始時のほか、都道府県が計画で定めるときにも行う。
答えと解説
◯ 正しい。「提供開始時だけ」とする引っかけに注意しましょう。
基本情報とは、所在地や利用料金などの基本的な事実情報である。
答えと解説
◯ 正しい。運営情報は外部連携・苦情対応・職員研修などの取り組みの状況です。
報告をしない事業者に対して、都道府県知事は調査命令を出すことができる。
答えと解説
◯ 正しい。命令に従わなければ、指定の取消や効力停止もできます。
指定情報公表センターの指定は、市町村の事務である。
答えと解説
✕ 誤り。指定情報公表センターを指定するのは都道府県です。
指定調査機関には、秘密保持義務が課される。
答えと解説
◯ 正しい。指定情報公表センターも同様に秘密保持義務が課されます。
報告内容の調査事務は、都道府県の附属の調査機関が行わなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。知事が行うが、指定調査機関に行わせることもできます(附属機関ではない)。
介護サービス事業者経営情報の制度は、2024年4月に創設された。
答えと解説
◯ 正しい。収益・費用などを知事に報告し、国がデータベース化して公表します。
公表される情報には、基本情報・運営情報のほか、任意報告情報がある。
答えと解説
◯ 正しい。任意報告情報は知事が定め、公表に配慮するものとされます。
五肢複択
介護サービス情報の公表について、正しいものを2つ選べ。
- 情報を公表するのは都道府県知事である。
- 地域密着型サービスの公表は市町村長が行う。
- 報告は提供開始時のみ行う。
- 報告しない事業者に知事は調査命令を出せる。
- 指定情報公表センターの指定は市町村の事務である。
答えと解説
正解:1・4
1 正しい。
2 誤り。地域密着型も知事。
3 誤り。計画策定時にも行う。
4 正しい。従わなければ指定取消も。
5 誤り。指定するのは都道府県。
公表制度の機関と情報について、正しいものを2つ選べ。
- 調査事務は都道府県の附属機関が行わなければならない。
- 指定調査機関には秘密保持義務が課される。
- 基本情報は所在地や利用料金などの事実情報である。
- 運営情報は事業所の所在地や利用料金である。
- 経営情報の制度は2014年に創設された。
答えと解説
正解:2・3
1 誤り。指定調査機関に行わせることもできる。
2 正しい。
3 正しい。
4 誤り。それは基本情報。
5 誤り。2024年4月創設。