介護支援分野 > 第20講 国保連・審査請求|誰に・いつまで・何を/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第20講 はじめに
国保連と審査請求ってなに?
第20講は国保連と審査請求。介護保険のお金の審査・支払いと、処分に納得いかないときの不服申立てを扱います。
- 国保連:介護報酬などの審査・支払い、苦情処理
- 審査請求:被保険者の不服申立て(誰に・いつまで)
- 介護保険審査会:審査請求を受ける機関(委員構成)
第20講は、国保連と審査請求です。介護保険のお金の審査・支払いと、処分に納得いかないときの不服申立てを扱います。
1つ目は国保連。介護報酬などの審査・支払いや、苦情処理を行います。
2つ目は審査請求。被保険者の不服申立てを、誰に、いつまでに行うか。
3つ目は介護保険審査会。審査請求を受ける機関で、委員構成がポイントです。
この回は、国保連の業務、審査請求の対象と期限、審査会の委員と任期が問われます。
都道府県単位の機関
国保連ってなに?
国保連(国民健康保険団体連合会)は、国民健康保険の保険者が共同でつくった機関です。
- 国保の保険者が共同で、都道府県単位に設置
- 本来は、国民健康保険の診療報酬の審査・支払いを行う
- 介護保険制度の創設で、介護保険の業務も担うように
国保連、国民健康保険団体連合会は、国民健康保険の保険者が共同でつくった機関です。
国保の保険者が共同で、都道府県単位に設置します。
本来は、国民健康保険の診療報酬の審査・支払いを行う機関です。
介護保険制度の創設で、介護保険の業務も担うようになりました。
まず、国保連は都道府県単位で、保険者が共同設置。市町村が単独でつくる機関ではありません。
6つの仕事
国保連の介護保険業務
国保連が介護保険で担う業務は、大きく6つです。
- 介護報酬の審査・支払い(市町村からの委託)
- 総合事業の費用の審査・支払い(市町村からの委託)
- 苦情処理等/第三者行為求償事務(損害賠償金の徴収・収納)
- 介護サービスの提供事業や介護保険施設の運営/事業の円滑運営に資する事業
国保連が介護保険で担う業務は、大きく6つです。
1つ、介護報酬の審査・支払い。市町村からの委託を受けて行います。
2つ、総合事業の費用の審査・支払い。これも市町村からの委託です。
3つ、苦情処理など。そして第三者行為求償事務。損害賠償金の徴収・収納を行います。
4つ、介護サービスの提供事業や、介護保険施設の運営。さらに、事業の円滑な運営に資する事業です。
審査・支払いは、市町村からの委託を受けて行う点がポイント。国保連が勝手に行うのではありません。
指導・助言まで
苦情処理業務
国保連の苦情処理は、利用者の声を受けて事業者を指導・助言するしくみです。
- 利用者からの苦情を受け付け→事実関係の調査
- 改善が必要なら、事業者・施設に指導・助言
- 対象は事業基準違反にならない程度の苦情。受付は原則書面(必要に応じて口頭も可)
国保連の苦情処理は、利用者の声を受けて、事業者を指導・助言するしくみです。
利用者からの苦情を受け付け、事実関係の調査を行います。
改善が必要と認められれば、事業者や施設に指導・助言をします。
対象は、事業基準違反にならない程度の苦情です。受付は原則書面、必要に応じて口頭でもよいとされます。
よく出ます。国保連は指定居宅サービス事業者に指導・助言を行う、はマル。苦情処理業務としてです。ただし、命令や処分まではしません。第28回で出ています。
国保連に置かれる
介護給付費等審査委員会
国保連には、請求書を審査する介護給付費等審査委員会が置かれます。
- 役割:介護給付費請求書・総合事業費請求書の審査
- 委員=サービス担当者代表・市町村代表・公益代表の3者(各同数)
- 公益代表委員のなかから会長を選出
国保連には、請求書を審査する、介護給付費等審査委員会が置かれます。
役割は、介護給付費請求書や、総合事業費請求書の審査です。
委員は、サービス担当者代表、市町村代表、公益代表の3者。それぞれ同数です。
会長は、公益代表委員のなかから選びます。
3者が同数で、公益から会長。次のスライドの任期2年と、セットで覚えましょう。
任期2年・過半数
審査委員会の委嘱と審査
委員を選ぶのは国保連。審査は過半数がキーワードです。
- 委員定数の過半数の出席で審査ができる/審査は出席委員の過半数の議決
- 必要時、知事または市町村長の承認を得て、事業者に報告・書類提出・出頭を求められる
委員を選ぶのは国保連です。審査は、過半数がキーワードです。
委員は国保連が委嘱し、任期は2年。あとで出てくる介護保険審査会の任期3年と、取り違えないようにします。
委員定数の過半数の出席で審査ができ、審査は出席委員の過半数の議決で行います。
必要なときは、知事または市町村長の承認を得て、事業者に報告・書類提出・出頭を求められます。
取り違え注意。審査委員会は国保連が委嘱で任期2年、介護保険審査会は知事が任命で任期3年です。
不服があるとき
審査請求とは
認定などの処分に不服があるとき、被保険者は審査請求ができます。
- できるのは保険給付に関する処分(被保険者証の交付請求・認定に関する処分を含む)
- 保険料その他の徴収金に関する処分
認定などの処分に不服があるとき、被保険者は審査請求ができます。
できるのは、保険給付に関する処分。被保険者証の交付請求や、認定に関する処分を含みます。
もう1つは、保険料その他の徴収金に関する処分です。
大きく、保険給付の処分と、保険料などの処分の2本。要介護認定への不服も、ここに含まれます。
財政安定化基金など
審査請求できない処分
保険料などの処分でも、一部は審査請求の対象外です。
- 財政安定化基金拠出金に関する処分
- 介護給付費・地域支援事業支援納付金と、その延滞金に関する処分
保険料などの処分でも、一部は審査請求の対象外です。
1つは、財政安定化基金拠出金に関する処分。
もう1つは、介護給付費・地域支援事業支援納付金と、その延滞金に関する処分です。
引っかけ。財政安定化基金拠出金への拠出額に関する処分は審査請求できる、はバツです。法律で例外として除かれています。第26回で出ています。
介護保険審査会へ・3か月
審査請求の手続き
審査請求は介護保険審査会あてに行います。期限と前置がポイント。
- 提出先=都道府県の介護保険審査会(市町村を通じて提出も可)
- 期限=処分を知った日の翌日から3か月以内
- 訴訟は審査請求の裁決を経てから(審査請求前置)
審査請求は、介護保険審査会あてに行います。期限と前置がポイントです。
まず、市町村が処分を行い、申請者に届きます。
申請者が、審査会に審査請求をします。
審査会が裁決を出します。
なお不服なら、裁判所に訴訟を起こします。
提出先は、都道府県の介護保険審査会。市町村を通じて提出することもできます。
期限は、処分を知った日の翌日から起算して、3か月以内です。
訴訟は、審査請求の裁決を経てからでないとできません。これを審査請求前置といいます。
審査会あて・3か月以内・前置。流れは、処分、審査請求、裁決、不服なら訴訟です。
設置と委員構成
介護保険審査会①
介護保険審査会は、審査請求を受けて裁決する機関です。
- 都道府県ごとに1つ設置。知事の付属機関だが、指揮監督を受けない独立性をもつ
- 委員=被保険者代表3人・市町村代表3人・公益代表3人以上
- 委員は都道府県知事が任命。公益代表の数は政令の基準に従い都道府県条例で定める
介護保険審査会は、審査請求を受けて、裁決する機関です。
都道府県ごとに1つ設置されます。知事の付属機関ですが、指揮監督を受けない独立性をもちます。
委員は、被保険者代表3人、市町村代表3人、公益代表3人以上です。
委員は都道府県知事が任命します。公益代表の数は、政令の基準に従い、都道府県条例で定めます。
引っかけ。委員に被保険者代表が含まれる、はマル。第27回で出ています。知事の指揮監督を受ける、はバツで、独立性があります。
任期3年・会長・専門調査員
介護保険審査会②
任期や会長、専門調査員もよく問われます。
- 公益代表委員のうちから会長を選任
- 専門調査員:知事が保健・医療・福祉の学識経験者を任命できる(非常勤の特別職)
任期や会長、専門調査員もよく問われます。
委員の任期は3年。非常勤で、特別職の地方公務員、守秘義務があります。審査委員会の任期2年と区別しましょう。
会長は、公益代表委員のうちから選任します。
専門調査員は、知事が保健・医療・福祉の学識経験者を任命できます。これも非常勤の特別職です。
会長が公益代表から、というのは審査委員会と同じ。違うのは、任期が3年で、任命者が知事という点です。
認定かどうかで変わる
合議体の使い分け
審査は合議体で行い、内容によって構成が変わります。
要介護認定等の審査
公益代表のみ
公益代表委員からなる合議体で取り扱う
それ以外の審査
3者 各3名
会長を含む公益代表・被保険者代表・市町村代表 各3名
審査は合議体で行い、内容によって構成が変わります。
要介護認定などの審査は、公益代表委員だけからなる合議体で取り扱います。
それ以外の審査は、会長を含む公益代表・被保険者代表・市町村代表が、各3名の合議体です。
ポイント。認定の審査は公益代表だけ、それ以外は3者そろう。どちらの合議体かが問われます。
出るところ
ひっかけ総まとめ
この単元の頻出ポイントを一気に確認します。
- 国保連の審査・支払いは市町村からの委託/苦情処理は指導・助言まで
- 審査委員会=国保連が委嘱・任期2年/審査会=知事が任命・任期3年
- 審査請求先は都道府県の介護保険審査会・3か月以内・審査請求前置
- 財政安定化基金拠出金の処分は審査請求できない(例外)
- 審査会=3+3+3以上・知事の付属だが独立・認定審査は公益のみ
この単元の頻出ポイントを、一気に確認します。
国保連の審査・支払いは市町村からの委託。苦情処理は指導・助言までです。
審査委員会は国保連が委嘱で任期2年、審査会は知事が任命で任期3年。
審査請求の先は、都道府県の介護保険審査会。3か月以内で、審査請求前置です。
財政安定化基金拠出金の処分は、審査請求できません。例外です。
審査会は3プラス3プラス3以上。知事の付属だが独立。認定の審査は公益代表のみ。
特に、2年の審査委員会と、3年の審査会の取り違えが狙われます。正しい形で覚えましょう。
第20講 おつかれさまでした
まとめ & 次の講へ
第20講のまとめ。「国保連は委託で審査支払+苦情処理/審査請求は審査会へ3か月/2年と3年」が背骨です。
- 国保連=都道府県単位・委託で介護報酬/総合事業の審査支払・苦情処理(指導助言)
- 介護給付費等審査委員会=国保連が委嘱・任期2年・過半数
- 審査請求=介護保険審査会へ・3か月以内・前置(財政安定化基金拠出金は対象外)
- 介護保険審査会=都道府県に1つ・知事が任命・任期3年・認定審査は公益のみ
第20講のまとめです。国保連は委託で審査・支払いと苦情処理、審査請求は審査会へ3か月、2年と3年、が背骨です。
国保連は、都道府県単位。委託で介護報酬や総合事業の審査・支払い、そして苦情処理として指導・助言を行います。
介護給付費等審査委員会は、国保連が委嘱、任期2年、過半数で審査します。
審査請求は、介護保険審査会へ、3か月以内、前置。財政安定化基金拠出金は対象外です。
介護保険審査会は、都道府県に1つ、知事が任命、任期3年。認定の審査は公益代表のみの合議体です。
おつかれさまでした。次は第21講、または問題演習で力だめししてみましょう。
この講の一問一答(◯×11問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
国民健康保険団体連合会は、国民健康保険の保険者が共同で都道府県単位に設置した機関である。
答えと解説
◯ 正しい。国保連は保険者が共同で都道府県単位に設置します。
国保連が行う介護報酬の審査・支払いは、市町村からの委託を受けて行う。
答えと解説
◯ 正しい。総合事業費の審査・支払いも市町村からの委託です。
国保連は、苦情処理業務として、サービス提供事業者の指定を取り消すことができる。
答えと解説
✕ 誤り。苦情処理では指導・助言までで、指定取消などの処分はしません。
国民健康保険団体連合会は、指定居宅サービス事業者に対する必要な指導及び助言を行う。
答えと解説
◯ 正しい。苦情処理業務として行います(第28回)。
介護給付費等審査委員会の委員は都道府県知事が委嘱し、任期は3年である。
答えと解説
✕ 誤り。委員は国保連が委嘱し、任期は2年です。介護保険審査会(知事任命・任期3年)と取り違えない。
介護給付費等審査委員会は、サービス担当者代表・市町村代表・公益代表の委員を各同数で構成する。
答えと解説
◯ 正しい。会長は公益代表委員のなかから選びます。
審査請求は、都道府県に設置された介護保険審査会に対して行う。
答えと解説
◯ 正しい。市町村を通じて提出することもできます。
審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に行う。
答えと解説
✕ 誤り。3か月以内です。
財政安定化基金拠出金への拠出額に関する処分について、審査請求が認められる。
答えと解説
✕ 誤り。法律で例外として除かれています(第26回)。
介護保険審査会の委員は都道府県知事が任命し、任期は3年である。
答えと解説
◯ 正しい。非常勤の特別職地方公務員で守秘義務があります。
要介護認定に関する審査請求は、公益代表委員のみで構成する合議体で取り扱う。
答えと解説
◯ 正しい。要介護認定等以外の審査は3者各3名の合議体です。
五肢複択
国民健康保険団体連合会(国保連)について、正しいものを2つ選べ。
- 国保連は都道府県単位に設置される。
- 国保連は市町村が単独で設置する。
- 介護報酬の審査・支払いは市町村からの委託を受けて行う。
- 苦情処理業務として事業者の指定を取り消す。
- 国保連には介護給付費等審査委員会は置かれない。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。
2 誤り。保険者が共同で都道府県単位に設置。
3 正しい。
4 誤り。指導・助言まで。
5 誤り。介護給付費等審査委員会が置かれる。
審査請求と介護保険審査会について、正しいものを2つ選べ。
- 審査請求は介護保険審査会に対して行う。
- 審査請求は処分を知った日の翌日から6か月以内に行う。
- 財政安定化基金拠出金に関する処分は審査請求できない。
- 介護保険審査会の委員の任期は2年である。
- 介護給付費等審査委員会の委員の任期は3年である。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。
2 誤り。3か月以内。
3 正しい。例外として除外。
4 誤り。任期は3年。
5 誤り。任期は2年(国保連が委嘱)。