介護支援分野 > 第22講 介護支援専門員|登録・義務・倫理を押さえる/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
第22講 はじめに
介護支援専門員ってなに?
第22講は介護支援専門員(ケアマネジャー)。資格の取り方から義務・倫理・役割までを扱います。
- 位置づけ:登録・更新・配置・法定義務
- 基本姿勢:基本倫理5つ+基本視点4つ
- 役割と機能:利用者本位・チーム・記録ほか
第22講は、介護支援専門員、ケアマネジャーです。資格の取り方から、義務・倫理・役割までを扱います。
1つ目は位置づけ。登録・更新・配置・法定義務です。
2つ目は基本姿勢。基本倫理5つと、基本視点4つ。
3つ目は役割と機能。利用者本位・チーム・記録などです。
この回は、登録と専門員証の5年、義務と処分、倫理と視点が問われます。数字に注意しましょう。
調整役・必置
介護支援専門員の位置づけ
ケアマネジャーは、介護サービスの効果的な提供の調整役・責任者です。
- 制度全般への専門知識と、利用者への深い理解が求められる
- 居宅介護支援事業所と介護保険施設には必ず配置(必置)
ケアマネジャーは、介護サービスの効果的な提供の、調整役・責任者です。
制度全般への専門知識と、利用者への深い理解が求められます。
居宅介護支援事業所と、介護保険施設には、必ず配置されなければなりません。
居宅介護支援事業所と介護保険施設に必置。どこに置く義務があるかが問われます。
知事の試験→研修→登録
登録までの流れ
介護支援専門員になるには、都道府県知事のもとで段階を踏みます。
介護支援専門員になるには、都道府県知事のもとで段階を踏みます。
1つ、都道府県知事の行う実務研修受講試験に合格。
2つ、実務研修を受講・修了。
3つ、都道府県知事の登録を受ける。
4つ、介護支援専門員証の交付を受けます。
養成対象は、医療・福祉・介護の専門職で、その業務に5年以上従事した人。試験・研修・登録はすべて都道府県知事です。
有効期間5年
専門員証と更新・移転
交付された介護支援専門員証には、有効期間と更新があります。
- 有効期間は原則5年、申請により更新
- 登録地以外の都道府県で働くときは登録移転を申請(新たに専門員証の交付を受ける)
交付された介護支援専門員証には、有効期間と更新があります。
有効期間は原則5年。更新には、都道府県知事が実施する更新研修の受講が義務づけられています。
有効期間は原則5年で、申請により更新します。
登録地以外の都道府県で働くときは、登録移転を申請し、新たに専門員証の交付を受けます。
専門員証は5年、更新研修は知事。あとの登録消除の、5年間再登録不可と数字を混同しないようにします。
5つの義務
介護支援専門員の義務
介護保険法は、介護支援専門員の義務を定めています。
- 公正・誠実な業務遂行(サービスの種類・事業者に不当に偏らない)
- 基準の遵守(厚生労働省令の定める基準に従う)/資質向上の努力
- 専門員証の不正使用・名義貸し・信用失墜行為の禁止
- 秘密保持(正当な理由なく秘密を漏らさない/やめた後も同様)
介護保険法は、介護支援専門員の義務を定めています。
1つ、公正・誠実な業務遂行。サービスの種類や事業者に、不当に偏らないこと。
2つ、基準の遵守。厚生労働省令の定める基準に従います。そして資質向上の努力。
3つ、専門員証の不正使用・名義貸し・信用失墜行為の禁止。
4つ、秘密保持。正当な理由なく秘密を漏らさない。介護支援専門員でなくなった後も同様です。
引っかけ。正当な理由があれば名義を他人に使用させられる、はバツです。名義貸しは禁止です。第24回で出ています。
従わないと業務禁止
知事による指示と処分
義務に違反すると、都道府県知事が段階的に対応します。
- 公正・誠実/基準遵守の義務違反と認めるとき→必要な指示や指定研修を命じる
- それに従わない場合→1年以内の期間を定めて業務禁止処分
義務に違反すると、都道府県知事が段階的に対応します。
まず、業務について必要な報告を求めます。
次に、必要な指示や、指定する研修を受けるよう命じます。
従わなければ、業務禁止処分です。
公正・誠実、または基準遵守の義務に違反と認めるとき、必要な指示や指定研修を命じます。
それに従わない場合、1年以内の期間を定めて、業務禁止処分とします。
報告、指示・研修、業務禁止、1年以内、の順。処分を行うのは都道府県知事です。
申請等と職権
登録の消除
一定の場合、知事は登録を消除しなければなりません。2系統あります。
申請等に基づく消除
本人の申請/死亡の届出/心身の故障の届出/不正での試験合格取消
職権に基づく消除
欠格事由に該当/不正手段で登録・専門員証交付/業務禁止処分に違反
一定の場合、知事は登録を消除しなければなりません。2系統あります。
申請等に基づく消除は、本人の申請、死亡の届出、心身の故障の届出、不正での試験合格取消です。
職権に基づく消除は、欠格事由に該当、不正手段での登録や専門員証交付、業務禁止処分への違反です。
重要。登録が消除されると、5年間は再登録できません。専門員証の有効期間5年と、取り違えないようにします。
人権・主体性・公平
基本倫理(前半)
介護支援専門員の基本姿勢は、基本倫理と基本視点。まず基本倫理の前半です。
- ①人権尊重(求められる絶対的な倫理)
- ②主体性の尊重(利用者・家族の参加、意思の表明、自己決定を尊重)
- ③公平性(公平な対応と、ニーズに応じた適正な配分)
介護支援専門員の基本姿勢は、基本倫理と基本視点です。まず基本倫理の前半。
1つ、人権尊重。求められる絶対的な倫理です。
2つ、主体性の尊重。利用者・家族の参加、意思の表明、自己決定を尊重します。
3つ、公平性。公平な対応と、ニーズに応じた適正な配分です。
2つ目の自己決定がキーワード。利用者だけでなく、家族の参加・意思も尊重します。
中立・責任・個人情報
基本倫理(後半)
基本倫理の後半。立場と情報の扱いです。
- ④中立性(関係者間・サービス提供機関に対する中立を保つ)
- ⑤社会的責任(専門職の活動には社会的責任が伴うと自覚)
- ⑥個人情報の保護(了解を得ず、問題解決の目的以外に漏らさない)
基本倫理の後半。立場と情報の扱いです。
4つ、中立性。関係者間や、サービス提供機関に対する中立を保ちます。
5つ、社会的責任。専門職の活動には社会的責任が伴うと自覚します。
6つ、個人情報の保護。了解を得ず、問題解決の目的以外に漏らしてはいけません。
中立性は事業者に偏らないこと。個人情報は、了解なし・目的外で漏らさない、が要点です。
自立・ノーマライゼーション・QOL・生涯発達
基本視点(4つ)
基本姿勢のもう一本、基本視点は4つです。
- ①自立支援(対人援助の基本理念。自分らしく生きる支援)
- ②ノーマライゼーション(区別なく、みんなが普通に暮らせる地域社会)
- ③QOL(生活の質を高めることが支援の基本)
- ④生涯発達(人は生涯発達を続ける。すべての高齢者を尊重)
基本姿勢のもう一本、基本視点は4つです。
1つ、自立支援。対人援助の基本理念で、自分らしく生きることを支援します。
2つ、ノーマライゼーション。区別なく、みんなが普通に暮らせる地域社会をめざします。
3つ、QOL。生活の質を高めることが支援の基本です。
4つ、生涯発達。人は生涯発達を続けるという考えで、すべての高齢者を尊重します。
自立、ノーマライゼーション、QOL、生涯発達。倫理5つと視点4つを、取り違えないようにします。
利用者本位・チーム・ケアプラン
役割と機能(前半)
介護支援専門員の役割と機能。まず前半です。
- 利用者本位の徹底(チーム全員が利用者本位を貫けるよう配慮)
- チームアプローチ(関係者との合議・協働をコーディネート)
- ケアプラン作成・モニタリング・修正(状況により再作成)
- 情報提供と秘密保持/信頼関係の構築
介護支援専門員の役割と機能。まず前半です。
利用者本位の徹底。チーム全員が利用者本位を貫けるよう配慮します。
チームアプローチ。関係者との合議・協働をコーディネートします。
ケアプランの作成・モニタリング・修正。状況によっては再度作成します。
情報提供と秘密保持、そして信頼関係の構築です。
モニタリングでは、利用者本人だけでなく、サービス事業者からも情報を得ます。第17回で出ています。
社会資源・家族・記録2年
役割と機能(後半)と記録
役割の後半と、記録。記録の保存年数が頻出です。
- 社会資源の開発(インフォーマル支援の開発・地域ケア会議への参画)
- 家族への支援(家族の自己実現も視野に)
- ケアマネジメントの記録の作成:フェイスシート・アセスメント票・課題分析/居宅サービス計画・苦情・スーパービジョンの記録など
役割の後半と、記録です。記録の保存年数が頻出です。
社会資源の開発。インフォーマル支援の開発や、地域ケア会議への参画などです。
家族への支援。家族の自己実現も視野に入れます。
ケアマネジメントの記録の作成。フェイスシート、アセスメント票、課題分析や居宅サービス計画、苦情、スーパービジョンの記録などです。
記録は、指定居宅介護支援事業者が、完結の日から2年間、整備・保存する義務があります。
注意。記録の保存は完結の日から2年間。専門員証の5年や、再登録の5年と区別しましょう。
5年と2年
ひっかけ・数字まとめ
この単元の数字とひっかけを整理します。
- 専門員証の有効期間=5年(更新研修は知事)
- 登録消除後の再登録不可=5年
- 記録の保存=完結の日から2年
- 業務禁止処分=1年以内/養成対象=実務5年以上
- 名義貸しは禁止(正当な理由があってもできない)
この単元の数字とひっかけを整理します。
専門員証の有効期間は5年。更新研修は知事が実施します。
登録消除後、再登録できないのは5年間。
記録の保存は、完結の日から2年。
業務禁止処分は1年以内。養成対象は、実務5年以上です。
名義貸しは禁止。正当な理由があってもできません。
5年は専門員証と再登録、2年は記録、1年は業務禁止。数字の取り違えが狙われます。
第22講 おつかれさまでした
まとめ & 次の講へ
第22講のまとめ。「知事のもとで登録/義務と処分/倫理5・視点4/記録2年」が背骨です。
- 登録=実務5年→知事の試験・研修・登録→専門員証(5年・更新研修)
- 義務=公正誠実・基準遵守・資質向上・不正/名義貸し禁止・秘密保持
- 処分=報告→指示研修→業務禁止(1年)/消除後5年再登録不可
- 姿勢=基本倫理5+基本視点4/記録は完結から2年
第22講のまとめです。知事のもとで登録、義務と処分、倫理5と視点4、記録2年、が背骨です。
登録は、実務5年、知事の試験・研修・登録、専門員証は5年で更新研修。
義務は、公正誠実・基準遵守・資質向上・不正や名義貸しの禁止・秘密保持。
処分は、報告、指示研修、業務禁止1年。消除後は5年再登録不可。
姿勢は、基本倫理5つと基本視点4つ。記録は完結の日から2年です。
おつかれさまでした。次は第23講、または問題演習で力だめししてみましょう。
この講の一問一答(◯×11問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
介護支援専門員は、居宅介護支援事業所と介護保険施設に必ず配置されなければならない。
答えと解説
◯ 正しい。両者に必置です。
介護支援専門員実務研修受講試験を実施するのは市町村である。
答えと解説
✕ 誤り。都道府県知事が実施します。登録も知事が行います。
介護支援専門員の養成対象は、医療・福祉・介護の専門職でその業務に5年以上従事した者などである。
答えと解説
◯ 正しい。欠格事由も設けられています。
介護支援専門員証の有効期間は原則として5年で、更新には更新研修の受講が必要である。
答えと解説
◯ 正しい。更新研修は都道府県知事が実施します。
介護支援専門員は、正当な理由があれば、その名義を他人に使用させることができる。
答えと解説
✕ 誤り。名義貸しは禁止されています(第24回)。
介護支援専門員は、業務上知り得た秘密を、介護支援専門員でなくなった後は漏らしてもよい。
答えと解説
✕ 誤り。秘密保持義務は、介護支援専門員でなくなった後も同様に続きます。
都道府県知事は、指示や研修命令に従わない介護支援専門員に対し、1年以内の期間を定めて業務禁止処分とすることができる。
答えと解説
◯ 正しい。報告→指示・研修→業務禁止(1年以内)の順です。
介護支援専門員の登録が消除されると、3年間は再登録できない。
答えと解説
✕ 誤り。再登録できないのは5年間です。
介護支援専門員の基本視点には、自立支援・ノーマライゼーション・QOL・生涯発達が含まれる。
答えと解説
◯ 正しい。基本視点は4つです。基本倫理(5つ)と区別しましょう。
指定居宅介護支援事業者は、ケアマネジメントの記録を完結の日から2年間保存しなければならない。
答えと解説
◯ 正しい。記録の保存は完結の日から2年間です。
介護支援専門員は、モニタリングにあたり、居宅介護サービス事業者からも情報を得て行う。
答えと解説
◯ 正しい。事業者との連絡を継続的に行います(第17回)。
五肢複択
介護支援専門員の登録・専門員証について、正しいものを2つ選べ。
- 実務研修受講試験を実施するのは都道府県知事である。
- 専門員証の有効期間は原則3年である。
- 専門員証の更新には更新研修の受講が必要である。
- 登録は市町村が行う。
- 養成対象に従事年数の要件はない。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。
2 誤り。原則5年です。
3 正しい。
4 誤り。登録は都道府県知事が行う。
5 誤り。実務5年以上などの要件があります。
介護支援専門員の義務・処分について、正しいものを2つ選べ。
- 名義貸しは正当な理由があっても禁止されている。
- 秘密保持義務は退職後は適用されない。
- 基準の遵守は厚生労働省令の定める基準に従う。
- 業務禁止処分は3年以内の期間を定めて行う。
- 登録消除後はただちに再登録できる。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。
2 誤り。退職後も同様に続く。
3 正しい。
4 誤り。1年以内です。
5 誤り。5年間は再登録できません。