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訪問介護とは|身体介護と生活援助の違い・医行為でない行為・2時間ルールをわかりやすく

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福祉サービス分野 > 第55講 訪問介護とは|身体介護と生活援助の違い・医行為でない行為・2時間ルールをわかりやすく/全文

この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。

CH3 SEC4

第55講 訪問介護

訪問介護は、いわゆるホームヘルプ。訪問介護員等が居宅を訪問し、生活全般にわたる援助で、居宅での日常生活の継続を支えます。

第55講を始めましょう。テーマは訪問介護です。

訪問介護は、一般にホームヘルプとよばれるサービス。訪問介護員等が居宅を訪問し、生活全般にわたる援助を行うことで、利用者が居宅での日常生活を継続できるように援助します。

今日のゴールは4つ。1つめ、サービス内容の仕分け。身体介護、生活援助、通院等乗降介助です。

2つめ、医行為でないと考えられる行為。

3つめ、生活援助に該当しないもの。ここは毎回のようにねらわれます。

4つめ、事業の基準と介護報酬です。

概要

訪問介護の目的

役割の核快適な日常生活の実現+日常的な訪問を通じた早期発見→次の支援へ結びつける。

訪問介護の目的は5つです。

1つめ、生活習慣や価値観を尊重した生活基盤を整えること。

2つめ、生活の自立の拡大、つまり自立支援。3つめ、社会との交わりを図り、自らの存在価値が実感できるようにする自己実現です。

4つめ、健康状態の把握、異常の早期発見、事故防止。5つめ、利用者の状態変化を発見して、他の職種へつなぐこと。

快適な日常生活の実現と、日常的な訪問による早期発見を次の支援に結びつけることが、訪問介護の役割です。

内容

サービスの3区分

訪問介護のサービスは、身体介護生活援助通院等のための乗車または降車の介助の3つに分けられます。

サービスは3区分。身体介護、生活援助、通院等のための乗車または降車の介助です。

生活援助を使えるのは、利用者が一人暮らしの場合、同居の家族等に障害や疾病がある場合。そして、障害や疾病がなくても、やむを得ない事情のために家事を行うことが困難な場合です。同居家族がいても一律に使えないわけではありません。

内容

身体介護の内容

身体介護の内容です。排せつ介助、食事介助、清拭・入浴介助、身体整容・更衣介助、移乗・移動介助、起床・就寝介助、体位変換、服薬介助、通院・外出介助などです。

頻出ポイント。嚥下困難者のための流動食の調理など、特段の専門的配慮をもって行う調理は、生活援助ではなく身体介護です。第24回で、生活援助として算定できる、という誤り肢が出ました。

自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助。安全を確保しながら、常時介助できる状態で行う見守りも、身体介護です。

研修を受けた介護職員による喀痰吸引や経管栄養といった、特別な医療的ケアも身体介護に位置づけられます。

内容

生活援助の内容/回数の届出

生活援助の内容です。健康チェックや安否確認などのサービス準備、掃除、洗濯、ベッドメイク、衣類の整理・補修、一般的な調理と配下膳、日用品の買い物や処方薬の受け取りなどです。

制度ポイント。2018年10月から、介護支援専門員が、厚生労働大臣が定める回数以上の生活援助中心型を居宅サービス計画に位置づける場合には、利用の妥当性を検討し、計画に必要な理由を記載したうえで、市町村に届け出なければなりません。

内容

通院等のための乗降介助

通院等のための乗車または降車の介助です。通院の必要がある要介護者に対し、外出前の用意、車への移動・移乗の介助、病院などでの受付・受診の介助、帰宅までの援助を行います。

車は、介護者が自ら運転するか、タクシーを利用します。

2021年度の介護報酬改定で、居宅が始点または終点になる場合には、病院等から病院等への移送や、事業所から病院等への移送も算定対象になりました。

医行為

医行為でない行為①

介護職は原則として医行為を行えません。線引きが難しいものは、2005(平成17)年に厚生労働省から「医行為でないと考えられる行為」の通知が出ています。次の行為は身体介護として行うことができます

注意原通知には「軟膏は褥瘡の処置を除く」「耳垢は耳垢塞栓の除去を除く」などの除外条件あり。最新の詳細は教科書で確認。

介護職は、原則として医行為を行うことができません。線引きの難しいものについては、2005年、平成17年に厚生労働省から、医行為でないと考えられる行為の通知が出ています。これらは身体介護として行うことができます。

11項目です。一般的な方法による体温測定、自動血圧計による血圧測定、パルスオキシメーターの装着、軽微な切り傷ややけどなどの処置。

軟膏をぬる、湿布を貼る、目薬の点眼などの医薬品使用の介助。爪切り・やすりがけ、歯みがきなどの日常的な口腔ケア、耳垢の除去。

ストーマ装具のパウチにたまった排せつ物の除去、自己導尿のカテーテルの準備や姿勢の保持など、そして市販品の浣腸の使用です。なお、軟膏は褥瘡の処置を除くなど、除外条件があります。

医行為

医行為でない行為②

さらに2022(令和4)年12月、介護現場で実施が多い行為を中心に整理した通知が出ました。まずインスリンと血糖測定の関係です。

さらに、2022年、令和4年12月に、介護現場で実施されることが多い行為を中心に、医行為ではないと考えられる行為を整理した通知が出ています。まずインスリン関係です。

インスリン注射の実施にあたって、介護職員ができるのは、指示されたタイミングでの声かけと見守り、未使用の注射器等の患者への手渡し、使い終わった注射器の片づけと記録。ただし、注射器の針を抜いて処分する行為は除かれます。注射そのものは行えません。

患者が血糖測定と確認を行った後に、その血糖値が、あらかじめ医師から指示された範囲と合致しているかを確認すること。患者が準備した注射器の目盛りが、指示された単位数と合っているかを読み取ることもできます。

血糖測定の関係では、持続血糖測定器のセンサーの貼付や、測定値の読み取りといった、血糖値の確認ができます。

医行為

医行為でない行為③

2022年通知の続きです。まず経管栄養。チューブを留めるテープが外れたときの再貼付、栄養を注入する行為を除く準備と、停止する行為を除く片づけができます。ただし、チューブの位置の確認、胃ろうなどの状態の確認、内容物の確認は、医師または看護職員が行います。

喀痰吸引の関係では、吸引器に溜まった汚水の廃棄や水の補充。在宅酸素では、あらかじめ指示された酸素流量の設定や、装着の準備、離脱後の片づけができますが、酸素吸入の開始と停止は、医師、看護職員、または本人が行います。

人工呼吸器を使う人の体位変換では、医師または看護職員の立会いの下での位置の変更。膀胱留置カテーテルでは、蓄尿バッグからの尿の廃棄、尿量や色の確認、テープの再貼付などができます。

医行為

医行為でない行為④

服薬等の介助は、容態が安定していること、経過観察が必要でないこと、使用方法に専門的な配慮が必要でないこと、この3条件を医師などが確認した場合に行えます。

半自動血圧測定器による血圧測定、とろみ食を含む食事の介助、入れ歯の着脱と洗浄も、医行為ではないとされています。

ただし、病状が不安定であることなどにより専門的な管理が必要な場合には、医行為とされる場合もあります。試験では、自動血圧測定器による血圧測定は医行為に当たらず、訪問介護員が行うことができる、が正しい肢。第22回で出ました。

内容

生活援助に該当しないもの

生活援助に該当しないものは2系統。まず、直接本人の援助に該当しない行為。主として家族の利便に関する行為で、利用者以外への洗濯や調理、利用者の居室以外の掃除、来客の応接、洗車などです。

次に、日常生活の援助に該当しない行為。草むしりや水やり、ペットの世話、家具の模様替え、大掃除、窓のガラス拭き、床のワックスがけ、家屋の修理、正月や行事用の調理などです。ワックスがけは第26回で、生活援助として算定できる、という誤り肢で出ました。

ただし、家族が高齢で行うのが難しい家事や、家族が不在で行わないと支障が生じる家事など、事情によってはサービスの対象とすることが認められています。

事業の基準

人員・設備基準/サ責

2.5訪問介護員は常勤換算2.5人以上(サービス提供責任者を含む)

事業の基準です。管理者は常勤専従で1人。資格要件はありません。管理者は介護福祉士でなければならない、という肢は誤り。第27回で出ました。

サービス提供責任者は、介護福祉士や実務者研修修了者などの常勤の訪問介護員から、利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上。一定の要件を満たすと50人ごとで足ります。

訪問介護員は、サービス提供責任者を含めて常勤換算2.5人以上です。

サ責の業務が頻出。訪問介護計画の作成、実施状況の把握、訪問介護員への指示や技術的な指導、ケアマネへの服薬状況や口腔機能などの情報提供、サービス担当者会議への出席などです。訪問介護計画の作成は管理者の業務、という肢は誤り。第25回で出ました。

設備は、専用の区画と、プライバシーに配慮した相談室など。なお、生活援助従事者研修課程は、人材確保のため2018年度に創設されました。

事業の基準

運営基準/共生型

運営基準です。サービス内容と手続きの説明・同意、計画に沿った提供、初回訪問時や求めがあったときの身分証の提示、緊急時の対応とサービス提供の記録などが規定されています。

同居家族に対するサービス提供は禁止。提供が困難なときは、居宅介護支援事業者に連絡し、適当な他の指定訪問介護事業者を紹介するなどの措置をとります。業務継続計画の定期的な見直しも必要です。

利用者が保険給付の範囲外のサービスを希望した場合は、居宅介護支援事業者または市町村に連絡し、市町村の独自サービスや住民参加型福祉サービス、ボランティアなどの活用を助言します。

共生型訪問介護は2017年の法改正で創設。障害福祉制度の居宅介護や重度訪問介護の指定を受けた事業所であれば、基本的に指定を受けられます。

介護報酬

介護報酬・まとめ

数字の総整理身体4区分・生活2区分/2時間ルール/サ責40人ごと(例外50人)/訪問介護員2.5人以上。改定で動く数値は最新を教科書で確認。

最後に介護報酬です。基本サービス費は、身体介護中心の場合は20分未満などの4区分、生活援助中心の場合は2区分の時間によって決まります。通院のための乗降介助が中心の場合は、別の基準で1回単位です。

2時間ルール。1人の利用者に1日複数回サービスを提供する場合、原則として次の提供までに2時間以上の間隔を空けます。空けずに提供した場合は、1回のサービスとみなして、所要時間を合算して算定します。

ただし、看取り期の利用者にサービスを提供する場合は、合算せずに、それぞれの所定単位数を算定することができます。

第55講は以上です。おつかれさまでした。

この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)

すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →

  1. 嚥下困難な利用者のための流動食の調理は、生活援助として算定できる。

    答えと解説

     ×(特段の専門的配慮をもって行う調理に含まれるので、身体介護として算定できる。第24回問50)。

  2. 安全を確保しながら常時介助できる状態で行う見守り的援助は、身体介護に含まれる。

    答えと解説

     ○。自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助として、身体介護に位置づけられている。

  3. 同居の家族がいる利用者は、生活援助を利用することができない。

    答えと解説

     ×(同居の家族等に障害や疾病がある場合や、やむを得ない事情のため家事を行うことが困難な場合には利用できる)。

  4. 介護支援専門員が、厚生労働大臣が定める回数以上の生活援助中心型を居宅サービス計画に位置づける場合には、その妥当性を検討し、市町村に届け出なければならない。

    答えと解説

     ○。2018(平成30)年10月から、必要な理由を計画に記載したうえで市町村への届出が必要となった。

  5. 通院等乗降介助では、居宅が始点または終点になる場合、病院等から病院等への移送も算定対象となる。

    答えと解説

     ○。2021(令和3)年度の介護報酬改定で、事業所から病院等への移送とともに算定対象になった。

  6. 自動血圧測定器により血圧を測定することは、医行為に当たらないため、訪問介護員が行うことができる。

    答えと解説

     ○。原則として医行為ではないとされており、訪問介護員が行うことができる(第22回問50)。

  7. 在宅介護等の介護現場において、介護職員がインスリン注射を実施することができる。

    答えと解説

     ×(2022〈令和4〉年12月の通知で介護職員が行えるとされたのは、声かけ・見守り・未使用の注射器等の手渡し・使い終わった注射器の片づけ〈針を抜き処分する行為を除く〉・記録などであり、注射の実施はできない)。

  8. 在宅酸素療法における酸素吸入の開始や停止は、医師、看護職員または患者本人が行う。

    答えと解説

     ○。訪問介護員が行えるのは、指示された酸素流量の設定や装着等の準備、離脱後の片づけなどである。

  9. 掃除の際に特別な手間をかけて行う床のワックスがけは、生活援助として算定できる。

    答えと解説

     ×(床のワックスがけは「日常生活の援助」に該当しない行為であり、生活援助の不適正事例である。第26回問50)。

  10. 指定訪問介護事業所の管理者は、介護福祉士でなければならない。

    答えと解説

     ×(管理者は常勤専従1人とされるが、特段の資格要件はない。第27回問50)。

  11. 訪問介護計画は、サービス提供責任者が作成する。

    答えと解説

     ○。すでに居宅サービス計画が作成されている場合は、それに沿って作成する(第25回問50では管理者の業務とした肢が誤り)。

  12. 1日に複数回訪問介護を提供する場合、原則として次のサービス提供までに2時間以上の間隔を空けなければならない。

    答えと解説

     ○。2時間以上空けずに提供した場合は1回のサービスとみなし所要時間を合算して算定する(看取り期の利用者は合算せず算定可能)。

五肢複択

  1. 訪問介護のサービス内容について正しいものはどれか。2つ選べ。

    • 嚥下困難な利用者のための流動食の調理は、身体介護として算定できる。
    • 利用者の家族のための調理や洗濯は、生活援助として算定できる。
    • 処方薬の受け取りは、生活援助に含まれる。
    • ペットの世話や草むしりは、生活援助に含まれる。
    • 研修を受けた介護職員による喀痰吸引は、訪問介護では行えない。
    答えと解説

    正解:1・3

    1 正しい。特段の専門的配慮をもって行う調理は身体介護に含まれる(第24回問50)。

    2 誤り。主として家族の利便に関する行為は「直接本人の援助」に該当せず、生活援助では算定できない。

    3 正しい。日用品等の買い物や処方薬の受け取りは、生活援助に含まれる。

    4 誤り。ペットの世話や草むしりは「日常生活の援助」に該当しない行為であり、生活援助には含まれない。

    5 誤り。喀痰吸引や経管栄養といった特別な医療的ケアは、身体介護に位置づけられている。

  2. 訪問介護の事業の基準と介護報酬について正しいものはどれか。3つ選べ。

    • サービス提供責任者は、利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上置く。
    • 訪問介護員は、常勤換算で2.5人以上置かなければならない。
    • 同居家族に対してもサービスを提供することができる。
    • 利用者が保険給付の範囲外のサービスを希望した場合は、市町村独自サービスやボランティアなどの活用を助言する。
    • 看取り期の利用者に2時間未満の間隔で複数回サービスを提供した場合、所要時間を必ず合算して算定する。
    答えと解説

    正解:1・2・4

    1 正しい。常勤のサービス提供責任者を3人以上配置するなどの要件を満たす場合は、利用者50人ごとに1人以上でよい。

    2 正しい。サービス提供責任者を含めて常勤換算2.5人以上とされている。

    3 誤り。同居家族に対するサービス提供は禁止されている。

    4 正しい。居宅介護支援事業者または市町村に連絡し、市町村独自サービス・住民参加型福祉サービス・ボランティアなどの活用を助言する。

    5 誤り。看取り期の利用者にサービスを提供する場合は、所要時間を合算せずにそれぞれの所定単位数を算定することが可能である。

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