福祉サービス分野 > 第57講 通所介護(デイサービス)とは|通所介護計画は誰が作る?人員基準・送迎の扱いをわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CH3 SEC6
第57講 通所介護
通所介護は、いわゆるデイサービス。居宅要介護者に通ってもらい、入浴・食事・相談助言・機能訓練などを提供します。
- ①目的3つ(孤立感の解消・心身機能・家族の負担軽減)
- ②サービス内容と通所介護計画(管理者が作成)
- ③人員基準(介護職員の15人ルール・機能訓練指導員)
- ④介護報酬(規模・所要時間・要介護度/送迎の扱い)
第57講を始めましょう。テーマは通所介護、いわゆるデイサービスです。
今日のゴールは4つ。1つめ、目的3つ。社会的孤立感の解消、心身機能の維持・向上、家族の負担の軽減です。
2つめ、サービス内容と通所介護計画。計画は管理者が作成します。
3つめ、人員基準。介護職員の15人ルールと、機能訓練指導員を押さえます。
4つめ、介護報酬。事業所規模、所要時間、要介護度で決まる仕組みと、送迎の扱いです。
概要
通所介護の概要・目的
居宅要介護者に、老人デイサービスセンターなどに通ってもらい、入浴や食事、相談や助言、機能訓練などを提供します。
- ①利用者の社会的孤立感の解消
- ②心身機能の維持・向上
- ③家族の負担の軽減(家族の身体的及び精神的負担の軽減が基本方針に含まれる=第28回で○)
通所介護は、居宅の要介護者に、老人デイサービスセンターなどに通ってもらい、入浴や食事、相談や助言、機能訓練などを提供するサービスです。
目的は3つ。1つめ、利用者の社会的孤立感の解消。
2つめ、心身機能の維持・向上。
3つめ、家族の負担の軽減です。基本方針に、家族の身体的及び精神的負担の軽減を図ることが含まれる。これは第28回で正しい肢として出ました。
内容
サービスの内容(8つ)
- ①送迎(通常の事業区域内では送迎費用は不要)/②個別機能訓練(訓練が必要で実施可能な者に)/③グループによる機能訓練(作業療法・ゲームによるリハビリなど)
- ④レクリエーション/⑤食事の提供/⑥入浴の提供・介助(希望者のみ)
- ⑦排せつ介助(必要に応じて)/⑧生活相談
サービスの内容は8つです。送迎。通常の事業区域内では、送迎費用は不要です。個別機能訓練と、作業療法やゲームによるリハビリなどのグループによる機能訓練。
レクリエーション、食事の提供、そして入浴の提供・介助。入浴は希望者のみです。
排せつ介助は必要に応じて。そして生活相談です。
内容
通所介護計画
- 管理者が、居宅サービス計画に沿った通所介護計画を作成(介護支援専門員が作成=×・第22回再)
- 実際の作成業務は、サービス提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに行う
- 心身状況・環境・利用者や家族の希望を踏まえ、機能訓練の目標や具体的なサービス内容を計画に含める。利用者と家族に説明し、同意を得て交付
サービス提供にあたっては、管理者が、居宅サービス計画に沿った通所介護計画を作成します。介護支援専門員が作成しなければならない、という肢は誤り。第22回再試験で出ました。
実際の作成業務は、サービスの提供に関わる従業者が共同して、個々の利用者ごとに行います。
利用者の心身状況や環境、利用者や家族の希望を踏まえて、機能訓練の目標や、目標達成のための具体的なサービス内容を計画に含めます。利用者と家族に説明し、同意を得たうえで交付します。
事業の基準
事業者/管理者・生活相談員
- 事業者:都道府県知事の指定を受けた指定通所介護事業者(老人デイサービスセンター・特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・老人福祉センターなど)または基準該当通所介護事業者
- 管理者:専従1人。資格要件はなし(支障がなければ兼務可。社会福祉主事任用資格が必要=×・第26回)
- 生活相談員:社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事など(都道府県により異なる)。サービス提供時間に応じて専従1人以上
事業の基準です。事業者は、都道府県知事の指定を受けた指定通所介護事業者。老人デイサービスセンター、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、老人福祉センターなどです。基準該当通所介護事業者も認められます。
管理者は専従1人で、資格要件はありません。支障がなければ兼務もできます。社会福祉主事任用資格が必要、という肢は誤り。第26回で出ました。
生活相談員は、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事など。要件は都道府県により異なります。サービス提供時間に応じて、専従1人以上を置きます。
事業の基準
看護職員・介護職員
- 看護職員(看護師または准看護師):単位ごとに専従1人以上。※提供時間帯を通じて専従する必要はなく、訪問看護ステーション等との連携も可
- 介護職員は単位ごとに常時1人配置
看護職員は、看護師または准看護師を単位ごとに専従1人以上。ただし、サービス提供時間帯を通じて専従する必要はなく、訪問看護ステーション等との連携も認められます。
介護職員は、利用者15人まで1人以上。15人を超える場合は、超える部分の数を5で割った数に1を足した人数以上です。資格要件はなく、兼務もできます。
そして介護職員は、単位ごとに常時1人を配置します。
事業の基準
機能訓練指導員/常勤要件
- 機能訓練指導員:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師(一定の経験)のいずれか。1人以上(兼務可)。「機能訓練指導員」という資格があるわけではない
- 生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤
- 生活相談員は、地域生活を支える取り組みのための事業所外での活動時間も勤務延時間数に含められる
機能訓練指導員は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、一定の経験のあるはり師・きゅう師のいずれかで、1人以上。兼務できます。機能訓練指導員という名前の資格があるわけではありません。
常勤要件として、生活相談員または介護職員のうち、1人以上は常勤としなければなりません。
なお生活相談員は、利用者の地域生活を支える取り組みのために必要な、事業所外での活動の時間も、勤務延時間数に含めることができます。
事業の基準
設備基準/宿泊サービスの届出
- 設備:食堂・機能訓練室・相談室の設置
- 事業所の設備を利用して、夜間・深夜に通所介護以外の目的で宿泊サービスを提供する場合→開始前に都道府県知事に届出
設備基準です。食堂、機能訓練室、相談室の設置が規定されています。
また、事業所の設備を利用して、夜間および深夜に、指定通所介護以外の目的で宿泊サービスを提供する場合は、その開始前に、都道府県知事に届け出なければなりません。いわゆるお泊まりデイの届出です。
事業の基準
運営基準
- 区域外の送迎費・おむつ代・日常生活費等の利用料等の受領/通所介護計画の作成・交付/説明・同意
- サービスの実施状況と目標の達成状況の記録/利用定員の遵守(災害等のやむを得ない事情を除く)/非常災害対策/事故発生時の対応 など
- 2021(令和3)年度改定:地域住民やボランティア団体等との連携・協力など地域との交流に努めることとされた
運営基準です。区域外の送迎費、おむつ代、日常生活費等の利用料等の受領。通所介護計画の作成・交付、サービス内容や手続きの説明と同意。
サービスの実施状況と目標の達成状況の記録。利用定員の遵守。ただし、災害等のやむを得ない事情がある場合は除きます。非常災害対策、事故発生時の対応なども規定されています。
2021年度の介護報酬改定では、地域住民やボランティア団体等との連携および協力を行うなど、地域との交流に努めなければならないこととされました。
事業の基準
共生型通所介護
- 2017(平成29)年改正で創設された共生型サービス
- 障害福祉制度の生活介護・自立訓練・児童発達支援・放課後等デイサービスの指定を受けた事業所なら、基本的に共生型通所介護の指定を受けられる
共生型通所介護は、2017年、平成29年の介護保険法改正で創設された共生型サービスの一つです。
障害福祉制度における生活介護、自立訓練、児童発達支援、放課後等デイサービスの指定を受けた事業所であれば、基本的に共生型通所介護の指定を受けられるものとして、基準が設定されています。
介護報酬
介護報酬・送迎の扱い
基本サービス費は、事業所規模(月延べ750人以下/750人超〜900人以下/それ以上)×所要時間(3〜4/4〜5/5〜6/6〜7/7〜8/8〜9時間の6区分)×要介護度で決まります。
- 送迎費は基本サービスに含まれる(区域内は費用不要)
- 送迎時間は所要時間に含まれない(第27回で×)。ただし送迎時の居宅内での介助は1日30分以内を限度に含められる(計画に位置づけ・介護福祉士等の資格と経験を満たす者が行う場合)
介護報酬です。基本サービス費は、1か月あたりの延べ利用者数による事業所規模の3区分、3時間から9時間までの所要時間の6区分、そして要介護度ごとに決まります。
送迎費は基本サービスに含まれます。通常の事業区域内であれば、送迎費用は不要です。
頻出ポイント。送迎に要する時間は、所要時間に含まれません。第27回で、含まれるとする誤り肢が出ました。
ただし、送迎時に実施した居宅内での介助は、1日30分以内を限度に含めることができます。居宅サービス計画と個別サービス計画に位置づけ、介護福祉士等の資格と経験を満たす者が行う場合に限られます。第57講は以上です。おつかれさまでした。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
通所介護の基本方針には、利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図ることが含まれる。
答えと解説
◯ ○。通所介護は、社会的孤立感の解消、心身機能の維持・向上、家族の負担の軽減を図るものである(第28回問51)。
通常の事業実施区域内の送迎については、送迎費用を利用者から受け取ることができない。
答えと解説
◯ ○。送迎費は基本サービスに含まれ、区域外の送迎費は運営基準により受領できる。
通所介護における入浴の提供・介助は、希望者のみに行う。
答えと解説
◯ ○。入浴の提供・介助は希望者のみに行い、排せつ介助は必要に応じて行う。
通所介護計画は、介護支援専門員が作成しなければならない。
答えと解説
✕ ×(通所介護計画は、通所介護事業所の管理者が作成しなければならない。第22回再問53)。
通所介護事業所の管理者は、社会福祉主事任用資格を有するものでなければならない。
答えと解説
✕ ×(通所介護事業所の管理者に特段の専門資格は不要である。第26回問52)。
通所介護の看護職員は、サービス提供時間帯を通じて事業所に専従する必要はなく、訪問看護ステーション等との連携も認められる。
答えと解説
◯ ○。看護職員は単位ごとに専従1人以上とされるが、提供時間帯を通じた専従は求められていない。
通所介護の介護職員は、利用者15人までは1人以上を配置する。
答えと解説
◯ ○。15人を超える場合は、超える部分の数を5で割った数+1以上を配置し、単位ごとに常時1人を置く。
生活相談員と介護職員は、すべて非常勤の職員で差し支えない。
答えと解説
✕ ×(生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤としなければならない)。
機能訓練指導員は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員などの資格を有する者が担い、兼務することができる。
答えと解説
◯ ○。柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、一定の経験を有するはり師・きゅう師も担うことができ、「機能訓練指導員」という資格があるわけではない。
事業所の設備を利用して、夜間および深夜に通所介護以外の目的で宿泊サービスを提供する場合は、開始前に都道府県知事に届け出なければならない。
答えと解説
◯ ○。いわゆるお泊まりデイの提供には、開始前の都道府県知事への届出が必要である。
通所介護の利用定員は、いかなる場合も超えてはならない。
答えと解説
✕ ×(利用定員の遵守が原則だが、災害等のやむを得ない事情がある場合は除かれる)。
通所介護費の算定の基準となる所要時間には、送迎に要する時間も含まれる。
答えと解説
✕ ×(送迎時間は所要時間に含まれない。ただし送迎時に実施した居宅内での介助は、要件を満たせば1日30分以内を限度に含めることができる。第27回問51)。
五肢複択
通所介護の事業の基準について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 生活相談員は、社会福祉士や社会福祉主事などが担い、サービス提供時間に応じて専従1人以上を置く。
- 介護職員は、利用者20人までは1人以上を配置すればよい。
- 設備基準では、食堂、機能訓練室、相談室の設置が規定されている。
- 2021年度の介護報酬改定で、地域住民やボランティア団体等との連携・協力など地域との交流に努めることとされた。
- 共生型通所介護の指定を受けられるのは、障害福祉制度の重度訪問介護の指定を受けた事業所である。
答えと解説
正解:1・3・4
1 正しい。生活相談員の資格要件は都道府県により異なり、事業所外での地域活動の時間も勤務延時間数に含めることができる。
2 誤り。介護職員は利用者15人まで1人以上、15人を超える場合は超える部分の数を5で割った数+1以上を配置する。
3 正しい。食堂・機能訓練室・相談室の設置が規定されている。
4 正しい。2021(令和3)年度改定で、地域との交流に努めなければならないこととされた。
5 誤り。共生型通所介護は、生活介護・自立訓練・児童発達支援・放課後等デイサービスの指定を受けた事業所が対象である(重度訪問介護は共生型訪問介護)。
通所介護の介護報酬について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 基本サービス費は、事業所規模、所要時間、要介護度ごとに決まる。
- 送迎費は、基本サービスに含まれない。
- 送迎時に実施した居宅内での介助は、要件を満たす場合、1日30分以内を限度に所要時間に含めることができる。
- 所要時間の区分は、3時間から9時間までの6区分である。ただし送迎に要する時間も所要時間に含まれる。
- 事業所規模は、1週間あたりの延べ利用者数によって区分される。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。事業所規模(月延べ750人以下/750人超〜900人以下/それ以上)×所要時間×要介護度で決まる。
2 誤り。送迎費は基本サービスに含まれる。
3 正しい。居宅サービス計画・個別サービス計画に位置づけ、介護福祉士等の資格と経験を満たす者が行う場合に限られる。
4 誤り。所要時間は3〜9時間の6区分だが、送迎に要する時間は所要時間に含まれない(第27回問51)。
5 誤り。事業所規模は、1か月あたりの延べ利用者数によって区分される。