福祉サービス分野 > 第64講 認知症対応型通所介護とは|3類型・定員12人と3人・若年性認知症をわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CHAPTER 3 | SEC13 | 認知症デイサービス
認知症対応型通所介護とは
利用者を認知症の人(急性の状態にある者は除く)に限定した通所介護=認知症デイサービス。身近な地域で、小規模で家庭的な環境の介護を提供します。
- 目的:❶住み慣れた居宅での自立した生活の継続 ❷社会的孤立感の解消
- ❸心身機能の維持 ❹家族の介護負担の軽減
第64講、認知症対応型通所介護です。いわゆる認知症デイサービスですね。
利用者を認知症の人に限定した通所介護です。ただし、認知症の原因となる疾患が急性の状態にある人は除きます。地域密着型サービスの特性を生かし、身近な地域で、小規模で家庭的な環境の介護を提供します。
目的は4つ。住み慣れた居宅での自立した生活の継続、社会的孤立感の解消、
心身機能の維持、そして家族の介護負担の軽減です。
第28回で出題
若年性認知症の人も利用できる
- 要介護認定を受けた40〜65歳の若年性認知症の人も利用できる
- 若年性認知症の利用者を受け入れ、個別に担当者を定めて特性や家族のニーズに応じたサービスを行った事業者は若年性認知症利用者受入加算を算定できる
- 若年性認知症の者も対象とする事業所の設置市町村は広域的な利用が求められ、他市町村から指定の同意の申し出があれば原則、同意する
若年性認知症の扱いが最近の試験で出ています。要介護認定を受けた、40歳から65歳の若年性認知症の人も利用できます。
若年性認知症の利用者を受け入れ、個別に担当者を定めて、本人の特性や家族のニーズに応じたサービスを行った事業者は、若年性認知症利用者受入加算を算定できます。
また、若年性認知症の人も対象とする事業所の設置市町村は、広域的に利用させることが求められていて、他の市町村から指定の同意の申し出があった場合には、原則として同意を行うこととされています。
過去問です。若年性認知症の要介護者は、指定認知症対応型通所介護を利用することができない。第28回の出題で、答えはバツ。急性の状態にない限り、利用できます。
定員12人以下
3つの類型①:単独型・併設型
- 単独型:特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院・社会福祉施設・特定施設に併設されていない事業所が単独で行う
- 併設型:上記の施設に併設して行う
類型は3つあります。まず単独型。特別養護老人ホームや病院、介護老人保健施設などに併設されていない事業所が、単独で行うものです。
併設型は、それらの施設に併設して行うものです。
単独型と併設型の利用定員は、どちらも12人以下です。
1ユニット1日3人以下
3つの類型②:共用型
- 共用型:(介護予防)認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の居間や食堂、地域密着型特定施設・地域密着型介護老人福祉施設の食堂などを活用して行う
- 定員は1ユニット1日当たり3人以下
- 事業者は、介護サービス事業または介護保険施設の事業で3年以上の経験を有する事業者に限る
3つめが共用型です。グループホーム、つまり認知症対応型共同生活介護の事業所の居間や食堂、地域密着型特定施設や地域密着型介護老人福祉施設の食堂などを活用して行います。
定員は、1ユニット1日当たり3人以下と、かなり小さめです。
また、共用型の事業者は、介護サービス事業または介護保険施設の事業で、3年以上の経験を有する事業者に限られます。
過去問です。認知症対応型共同生活介護事業所の居間や食堂を活用して行うのは、併設型である。第24回の出題で、答えはバツ。これは共用型です。
作るのは管理者
サービスの内容と計画
- サービス内容はどの類型でも大きな違いはない:❶入浴・排せつ・食事などの介護 ❷生活等の相談や助言・健康状態の確認 ❸個別機能訓練 ❹栄養改善サービス・口腔機能向上サービス
- 管理者が、居宅サービス計画に沿った認知症対応型通所介護計画を作成する
サービスの内容は、どの類型でも大きな違いはありません。入浴、排せつ、食事などの介護。生活等の相談や助言と健康状態の確認。個別機能訓練。そして栄養改善サービスや口腔機能向上サービスです。
計画の作成者に注意です。認知症対応型通所介護計画は、管理者が、居宅サービス計画に沿って作成します。夜間対応型ではオペレーションセンター従業者でしたね。サービスごとに作成者が違います。
重要度B
人員基準(単独型・併設型)
- 生活相談員:提供時間数に応じて専従で1人以上確保できる必要数(1人以上は常勤)
- 看護職員または介護職員:サービス単位ごとに専従で2人以上確保できる必要数(うち1人以上は提供時間数に応じて専従、1人以上は常勤)
- 機能訓練指導員:1人以上
- 管理者:必要な知識経験を有し、研修を修了した者。常勤専従
人員基準です。単独型・併設型では、まず生活相談員。提供時間数に応じて専従で1人以上確保できる必要数で、1人以上は常勤です。
看護職員または介護職員は、サービス単位ごとに専従で2人以上確保できる必要数。うち1人以上は提供時間数に応じて専従、1人以上は常勤です。
機能訓練指導員は1人以上。
管理者は、必要な知識経験を有し、研修を修了した者で、常勤専従です。研修修了がキーワードです。
実施施設に準じる
共用型の人員と設備基準
- 共用型は実施施設の人員基準に準じる。利用者数は、実施施設の利用者数に認知症対応型通所介護の利用者数を加えた数とする
- 2021(令和3)年度改定:共用型の管理者は、管理上支障がなければ本体施設・事業所の職務とあわせて他の職務に従事可能に
- 日常生活やレクリエーション・行事を通じて行う機能訓練は、機能訓練指導員以外の生活相談員または介護職員が兼務して行ってもよい
- 設備基準:食堂・機能訓練室・相談室を設ける
共用型の人員は、グループホームなど実施施設の人員基準に準じます。その際、利用者数は、実施施設の利用者数に、認知症対応型通所介護の利用者数を加えた数として計算します。
2021年度、令和3年度の介護報酬改定で、共用型の事業所の管理者は、管理上支障がない場合、本体施設・事業所の職務とあわせて、他の職務に従事することが可能となりました。
また、日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練は、機能訓練指導員以外の生活相談員または介護職員が、兼務して行っても差し支えないとされています。
設備基準は、食堂、機能訓練室、相談室を設けることとされています。
条件つきで両方OK
運営基準:屋外OK?同居OK?
- 認知症対応型通所介護計画の作成と利用者への説明・同意・交付、利用者ごとのサービスの実施状況・達成状況の記録
- 原則は事業所内で提供。ただし、あらかじめ計画に位置づけられ、効果的な機能訓練等が提供できる場合は屋外での提供も可
- パーテーション等で空間を明確に区別すれば、一般の通所介護と認知症対応型通所介護を同じ事業所で同一の時間帯に行える
運営基準です。計画の作成と、利用者への説明、同意、交付。そして、利用者ごとのサービスの実施状況や達成状況を記録します。
サービスは原則、事業所内で提供します。ただし、あらかじめ計画に位置づけられていて、効果的な機能訓練等のサービスが提供できる場合は、事業所の屋外で提供することもできます。
また、パーテーション等で間を仕切るなどして、職員、利用者、空間を明確に区別すれば、一般の通所介護と認知症対応型通所介護を、同じ事業所で同一の時間帯に行うことができます。
重要度C
認知症対応型通所介護の介護報酬
- 基本サービス費は、施設の類型ごとに、要介護度別・所要時間別にそれぞれ決められている
介護報酬です。基本サービス費は、単独型、併設型、共用型という施設の類型ごとに、要介護度別、所要時間別に、それぞれ決められています。
通所系なので、通った時間の長さで変わる、と押さえておけば十分です。
要支援者むけ | 重要度C
介護予防認知症対応型通所介護
- 介護予防を目的に要支援者に提供。内容・基準・介護報酬は認知症対応型通所介護と同様
- あわせて指定を受け、同一事業所で一体的に運営している場合、認知症対応型通所介護の基準を満たしていれば、予防の基準も満たしているものとみなされる
- 介護予防認知症対応型通所介護計画を作成。管理者は、サービス提供期間中に少なくとも1回実施状況を把握・記録し、指定介護予防支援事業者に報告する
要支援者むけの、介護予防認知症対応型通所介護です。サービスの内容や事業の基準、介護報酬は、認知症対応型通所介護と同様です。
認知症対応型通所介護とあわせて指定を受け、同一事業所で一体的に運営している場合は、認知症対応型通所介護の基準を満たしていれば、介護予防のほうの基準も満たしているものとみなされます。
提供にあたっては、介護予防認知症対応型通所介護計画を作成します。そして管理者は、サービス提供期間中に少なくとも1回、サービスの実施状況を把握・記録し、指定介護予防支援事業者に報告することとされています。報告先まで覚えましょう。
第64講のゴール
まとめ:認知症対応型通所介護
- 認知症限定デイ(急性は除く・若年性40〜65歳もOK)。目的4つ=継続・孤立解消・維持・負担軽減
- 類型3つ:単独型・併設型=12人以下/共用型=グループホーム等の居間・食堂で1ユニット1日3人以下・3年以上経験の事業者
- 計画は管理者が作成(管理者=研修修了・常勤専従)。屋外提供・同一時間帯併用は条件つきOK。予防版は一体運営ならみなし+指定介護予防支援事業者へ報告
まとめです。認知症対応型通所介護は、認知症の人に限定したデイサービス。急性の状態の人は除きますが、40歳から65歳の若年性認知症の人は利用できます。
類型は3つ。単独型と併設型は定員12人以下。共用型はグループホームなどの居間や食堂を使い、1ユニット1日3人以下、3年以上の経験をもつ事業者に限られます。
計画は管理者が作成し、管理者は研修修了者で常勤専従。屋外での提供や、一般のデイとの同一時間帯の併用は、条件つきで可能。予防版は一体運営ならみなし規定があり、報告先は指定介護予防支援事業者でした。
第64講はここまでです。3つの類型と数字を、一問一答で固めましょう。おつかれさまでした。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
認知症対応型通所介護は、利用者を認知症の者に限定した通所介護であり、認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者は除かれる。
答えと解説
◯ 正しい。地域密着型サービスの特性を生かし、身近な地域で小規模で家庭的な環境の介護を提供する。
若年性認知症の要介護者は、指定認知症対応型通所介護を利用することができない。
答えと解説
✕ 誤り。急性の状態にない限り利用できる(第28回-問55)。要介護認定を受けた40〜65歳の若年性認知症の人も対象。
認知症対応型通所介護の目的には、社会的孤立感の解消や家族の介護負担の軽減が含まれる。
答えと解説
◯ 正しい。住み慣れた居宅での自立した生活の継続、心身機能の維持とあわせて4つの目的があげられる。
認知症対応型共同生活介護事業所の居間や食堂を活用して行うのは、併設型指定認知症対応型通所介護である。
答えと解説
✕ 誤り。グループホーム等の居間や食堂を活用して行うのは共用型である(第24回-問55)。
単独型・併設型の指定認知症対応型通所介護の利用定員は、12人以下である。
答えと解説
◯ 正しい。共用型は1ユニット1日当たり3人以下。数字の入れ替えに注意。
共用型の指定認知症対応型通所介護の利用定員は、1ユニット1日当たり12人以下である。
答えと解説
✕ 誤り。共用型は1ユニット1日当たり3人以下。12人以下は単独型・併設型の定員。
共用型の事業者は、介護サービス事業または介護保険施設の事業で3年以上の経験を有する事業者に限られる。
答えと解説
◯ 正しい。共用型認知症対応型通所介護の事業者要件として定められている。
認知症対応型通所介護計画は、管理者が、居宅サービス計画に沿って作成する。
答えと解説
◯ 正しい。作成者は管理者。管理者は必要な知識経験を有し研修を修了した者で、常勤専従とされている。
認知症対応型通所介護は、いかなる場合も事業所の屋外でサービスを提供することはできない。
答えと解説
✕ 誤り。あらかじめ計画に位置づけられ、効果的な機能訓練等のサービスが提供できる場合は、屋外での提供が可能。
空間を明確に区別すれば、一般の通所介護と認知症対応型通所介護を、同じ事業所で同一の時間帯に行うことができる。
答えと解説
◯ 正しい。パーテーション等で職員・利用者・空間を明確に区別することが条件。
介護予防認知症対応型通所介護の管理者は、サービスの実施状況を居宅介護支援事業者に報告しなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。管理者は、サービス提供期間中に少なくとも1回実施状況を把握・記録し、指定介護予防支援事業者に報告する。
認知症対応型通所介護の基本サービス費は、施設の類型ごとに、要介護度別、所要時間別に定められている。
答えと解説
◯ 正しい。単独型・併設型・共用型の類型ごとに、要介護度別・所要時間別に設定されている。
五肢複択
認知症対応型通所介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 利用者を認知症の者(急性の状態にある者を除く)に限定した通所介護である。
- 若年性認知症の要介護者は利用できない。
- 単独型・併設型の利用定員は12人以下である。
- 共用型の利用定員は、1ユニット1日当たり3人以下である。
- 事業の基準は、都道府県が条例で定める。
答えと解説
正解:1・3・4
1 正しい。認知症デイサービスとして、小規模で家庭的な環境の介護を提供する。
2 誤り。急性の状態にない限り利用でき、要介護認定を受けた40〜65歳の若年性認知症の人も対象。
3 正しい。単独型・併設型とも定員は12人以下。
4 正しい。共用型はグループホーム等の居間や食堂を活用し、1ユニット1日当たり3人以下。
5 誤り。地域密着型サービスの基準は、厚生労働省令の範囲内で市町村が条例で定める。
認知症対応型通所介護の人員・設備基準について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 機能訓練指導員を1人以上置かなければならない。
- 管理者は、必要な知識経験を有し、研修を修了した者で、常勤専従とされている。
- 生活相談員を配置する必要はない。
- 看護職員または介護職員は、サービス単位ごとに1人確保すればよい。
- 設備基準として、食堂・機能訓練室・相談室に加え、宿泊室の設置が義務づけられている。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。機能訓練指導員は1人以上。なお、レクリエーション等を通じた機能訓練は生活相談員や介護職員の兼務でも差し支えない。
2 正しい。共用型では2021年度改定により、管理上支障がなければ他の職務との兼務が可能となった。
3 誤り。生活相談員は提供時間数に応じて専従で1人以上確保できる必要数(1人以上は常勤)を配置する。
4 誤り。サービス単位ごとに専従で2人以上確保できる必要数(うち1人以上は提供時間数に応じて専従、1人以上は常勤)。
5 誤り。設備基準は食堂・機能訓練室・相談室であり、宿泊室は含まれない。