福祉サービス分野 > 第65講 小規模多機能型居宅介護とは|登録定員29人・通い15人・泊まり9人をわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
CHAPTER 3 | SEC14 | 重要度A
小規模多機能型居宅介護とは
利用者が住み慣れた地域で暮らし続けることをめざし、2006(平成18)年度から開始。同一の事業所で通所介護・訪問介護・短期入所生活介護を一体的に提供します。
- 通いを中心に、訪問・宿泊を利用者の希望に合わせて組み合わせ→柔軟な対応が可能
- 通いや宿泊で外出機会を増やし、生活リズムをつくる目的も
第65講、小規模多機能型居宅介護です。重要度Aの、地域密着型の主役級サービスです。
利用者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるようにすることをめざして、2006年度、平成18年度から開始されました。同一の事業所で、通所介護と訪問介護、短期入所生活介護を一体的に提供します。
通いを中心に、訪問と宿泊を利用者の希望に合わせて組み合わせることで、柔軟な対応が可能になります。
通いや宿泊のサービスで、利用者の外出機会を増やし、生活リズムをつくるという目的もあります。
通い・訪問・宿泊
サービスの3本柱
- ❶入浴・排せつ・食事などの介護、健康状態の確認、相談・助言、機能訓練など/❷自宅を訪問して行う介護/❸短期間入所してもらい介護・日常生活の世話
サービスは3本柱です。まず通いサービス。入浴、排せつ、食事などの介護、健康状態の確認、相談や助言、機能訓練など。通所介護にあたるサービスです。
次に訪問サービス。自宅を訪問して行う介護で、訪問介護にあたるサービスです。
そして宿泊サービス。利用者に短期間入所してもらい、介護やその他の日常生活の世話を行います。短期入所生活介護にあたるサービスです。
デイとヘルパーとショートステイを、1つの事業所の顔なじみのスタッフがまとめて提供する。これが小規模多機能のイメージです。
車で20分・2か所まで
サテライト型事業所
- 本体事業所(3年以上の経験がある事業者が設置した小規模多機能型居宅介護事業所または看護小規模多機能型居宅介護事業所)と密接な連携を図りつつ、別の場所で運営
- 本体事業所との距離は車で20分以内
- 1つの本体事業所につきサテライト型事業所は2か所まで
事業所には、通常の事業所とサテライト型事業所の2つの類型があります。サービス内容に大きな違いはありません。
サテライト型事業所は、3年以上の経験がある事業者が設置した本体事業所と、密接な連携を図りつつ、別の場所で運営される事業所です。
本体事業所との距離は、車で20分以内。
そして、1つの本体事業所につき、サテライト型事業所は2か所までとされています。
過去問です。本体事業所とサテライト事業所の距離は、自動車等でおおむね20分以内の近距離でなければならない。第23回の出題で、答えはマルです。
登録は1か所だけ
利用登録と計画
- 利用登録は1か所の事業所に限る(なじみの関係を築くため)
- 事業所の介護支援専門員が、居宅サービス計画と小規模多機能型居宅介護計画を作成し、説明・同意を得る
- 計画には、他の居宅サービス(訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・福祉用具貸与に限る)を含めることもできる
利用にあたっては、利用登録をしてもらいます。登録できるのは、1か所の事業所に限られます。利用者と従業者が、なじみの関係を築きながらサービスを提供するためです。
計画は、事業所の介護支援専門員が、利用登録者の居宅サービス計画と、小規模多機能型居宅介護計画の両方を作成し、利用者と家族に説明して同意を得ます。ケアプランごと事業所のケアマネが担当するのが特徴です。
計画には、他の居宅サービスを含めることもできます。ただし、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与に限られます。この4つは要チェックです。
過去問です。利用者は、1か所の小規模多機能型居宅介護事業所に限って、利用者登録をすることができる。第19回の出題で、答えはマルです。
サテライトは18人
登録定員:29人以下
- 登録定員・利用定員の基準は「従うべき基準」から「標準とする基準」に見直され、2021(令和3)年8月26日より市町村が独自に基準を定めることも可能に
数字の主役、定員です。登録定員は29人以下。サテライト型では18人以下です。
なお、登録定員および利用定員に関する基準は、従来の従うべき基準から、標準とする基準に見直され、2021年8月26日より、市町村が独自に基準を定めることも可能になっています。
過去問です。小規模多機能型居宅介護の登録定員は、12人以下としなければならない。第26回の出題で、答えはバツ。29人以下です。
通い15・泊まり9
1日あたりの利用定員
- 通いサービス:登録定員25人までの場合、登録定員の2分の1〜15人(サテライト型は2分の1〜12人)。登録26〜27人=16人まで、28人=17人、29人=18人
- 宿泊サービス:通いサービスの利用定員の3分の1〜9人(サテライト型は3分の1〜6人)
1日あたりの利用定員です。通いサービスは、登録定員が25人までの場合、登録定員の2分の1から15人。サテライト型では2分の1から12人です。登録定員が26人、27人では16人まで、28人では17人、29人では18人まで広がります。
宿泊サービスは、通いサービスの利用定員の3分の1から9人。サテライト型では3分の1から6人です。
基本形は、登録29、通い15、泊まり9。この3つの数字をまず固めましょう。
看護師or准看護師が1人以上
人員基準①:居宅介護従業者
- 通いサービス提供者:常勤換算で利用者3人につき1人以上
- 訪問サービス提供者:常勤換算で1人以上/夜間・深夜の勤務にあたる者1人以上
- 上記のうち1人以上は看護師または准看護師/1人以上は常勤
- 宿泊利用者がいない場合、夜間・深夜の連絡体制が整っていれば夜勤・宿直の配置は不要
人員基準です。居宅介護従業者のうち、通いサービスの提供者は、常勤換算で利用者3人につき1人以上。
訪問サービスの提供者は常勤換算で1人以上。夜間・深夜の勤務にあたる者も1人以上必要です。
そして、従業者のうち1人以上は、看護師または准看護師でなければなりません。また、1人以上は常勤です。
例外として、宿泊利用者がいない場合は、夜間および深夜の時間帯における連絡体制が整っていれば、夜勤・宿直の配置は不要です。
過去問です。従業者として、理学療法士又は作業療法士を置かなければならない。第27回の出題で、答えはバツ。置くべきは看護師または准看護師です。
みんな「研修修了」
人員基準②:介護支援専門員・管理者・代表者
- 介護支援専門員:厚生労働大臣が定める研修(小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修)修了者。専従(支障がなければ兼務可)
- 管理者:事業所などで3年以上認知症ケアに従事した経験+厚生労働大臣が定める研修修了者。常勤専従(兼務可)
- 代表者:認知症ケアの従事経験、または保健医療・福祉サービスの経営に携わった経験+研修修了者
介護支援専門員は、厚生労働大臣が定める研修、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修の修了者で、専従。支障がなければ兼務できます。
管理者は、事業所などで3年以上認知症ケアに従事した経験がある者で、厚生労働大臣が定める研修の修了者。常勤専従で、支障がなければ兼務可能です。
代表者は、認知症ケアに従事した経験がある者、または保健医療サービス・福祉サービスの経営に携わった経験がある者で、研修修了者です。ケアマネ・管理者・代表者、いずれも研修修了がセットです。
7.43㎡・原則1人
設備基準:宿泊室と立地
- 居間・食堂・宿泊室を設ける。宿泊室は定員1人(処遇上必要な場合は2人も可)、1室の床面積は7.43㎡以上
- 立地:住宅地あるいは住宅地と同程度の、家族や地域住民との交流機会が得られる場所
設備基準です。居間、食堂、宿泊室を設けます。宿泊室は原則として定員1人で、1室の床面積は7.43平方メートル以上。ただし、処遇上必要な場合は定員2人も可能です。
事業所の立地は、住宅地、あるいは住宅地と同程度の、利用者の家族や地域住民との交流機会が得られる場所にあることとされています。
過去問です。宿泊室については、宿泊専用の個室でなければならない。第28回の出題で、答えはバツ。処遇上必要なら2人部屋も認められます。
3分の1・2か月に1回
運営基準のポイント
- 利用料の受領(食費・宿泊費・おむつ代等)/介護支援専門員による計画の作成と説明・同意・交付/利用者負担による他の事業者によるサービス提供の禁止
- 社会生活上の便宜の供与(外出機会の確保・行政手続きの代行など)/協力医療機関の確保・協力歯科医療機関確保の努力
- 運営推進会議の設置・開催(おおむね2か月に1回以上)
- 通いサービス利用者が登録定員に比べ著しく低い状態(おおむね3分の1以下)を続けてはならない/通わない日は訪問や電話連絡などで適切なサービスを提供
- 身体拘束の禁止、やむを得ず行った場合の記録と本人・家族への説明/安全・質・職員の負担軽減の委員会を定期開催(2027〈令和9〉年3月末までは努力義務)
運営基準です。食費や宿泊費などの利用料の受領。介護支援専門員による計画の作成と、説明、同意、交付。そして、利用者負担による、他の事業者によるサービス提供は禁止されています。
外出機会の確保や行政手続きの代行といった、社会生活上の便宜の供与。協力医療機関の確保と、協力歯科医療機関確保の努力も定められています。
地域との連携として、運営推進会議を設置し、おおむね2か月に1回以上開催します。小規模多機能は2か月グループです。
また、通いサービスの利用者が、登録定員に比べて著しく低い状態、おおむね3分の1以下を続けてはなりません。利用者が通いを利用していない日は、可能な限り、訪問サービスや電話連絡などで適切なサービスを提供します。
身体拘束は禁止で、やむを得ず行った場合は記録と、本人または家族への説明が必要です。さらに、安全、サービスの質、職員の負担軽減を検討する委員会の定期開催も求められています。2027年3月末までは努力義務です。
月額包括+予防はC
介護報酬と介護予防小規模多機能型居宅介護
- 基本サービス費:要介護度別に、同一建物居住者とそれ以外に分けて1か月あたりの額。短期利用の設定は1日あたりの額
- 介護予防小規模多機能型居宅介護:要支援者対象・内容と基準は同様。一体的運営なら基準はみなし
- 介護予防サービス計画と介護予防小規模多機能型居宅介護計画を作成。提供期間中に少なくとも1回実施状況を把握し、指定介護予防支援事業者に報告
介護報酬です。基本サービス費は、要介護度別に、同一建物居住者と、同一建物居住者以外に分けて、1か月あたりの額が決められています。また、短期利用の設定もあり、こちらは1日あたりの額です。
要支援者むけの介護予防小規模多機能型居宅介護は、内容や基準は同様で、一体的に運営していれば、基準を満たしているものとみなされます。
提供にあたっては、介護予防サービス計画と、介護予防小規模多機能型居宅介護計画を作成します。サービス提供期間中に少なくとも1回、実施状況を把握し、指定介護予防支援事業者に報告することとされています。
第65講のゴール
まとめ:小規模多機能型居宅介護
- 通い・訪問・宿泊を1事業所で。登録は1か所限定、計画は事業所のケアマネが作成(他サービスは訪看・訪リハ・居宅療養管理指導・福祉用具貸与のみ追加可)
- 数字:登録29人(サテライト18人)・通い15人・泊まり9人・車で20分・サテライト2か所まで・宿泊室7.43㎡
- 従業者に看護師or准看護師1人以上・通い3:1/運営推進会議2か月に1回以上・通い利用3分の1以下継続NG/報酬は月額包括(短期利用は日額)
まとめです。小規模多機能型居宅介護は、通い、訪問、宿泊を1つの事業所で一体的に提供。利用登録は1か所限定で、居宅サービス計画も事業所の介護支援専門員が作成します。追加できる他のサービスは、訪問看護、訪問リハ、居宅療養管理指導、福祉用具貸与の4つだけでした。
数字を総ざらいします。登録定員29人、サテライトは18人。通いは15人、泊まりは9人。本体との距離は車で20分以内、サテライトは2か所まで。宿泊室は7.43平方メートル以上です。
従業者には看護師または准看護師が1人以上、通いは利用者3人に1人。運営推進会議は2か月に1回以上で、通いの利用が登録定員の3分の1以下の状態を続けてはいけません。報酬は月額の包括で、短期利用のみ日額です。
第65講はここまでです。数字が多いので、一問一答を何周かして固めましょう。おつかれさまでした。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
小規模多機能型居宅介護は、通いを中心に、訪問、宿泊を組み合わせたサービスを利用者の希望に合わせて提供する。
答えと解説
◯ 正しい。同一の事業所で通所介護・訪問介護・短期入所生活介護にあたるサービスを一体的に提供する(2006〈平成18〉年度開始)。
小規模多機能型居宅介護の本体事業所とサテライト型事業所の距離は、自動車等でおおむね20分以内の近距離でなければならない。
答えと解説
◯ 正しい。1つの本体事業所につきサテライト型事業所は2か所までとされている(第23回-問55)。
利用者は、複数の小規模多機能型居宅介護事業所に利用者登録をすることができる。
答えと解説
✕ 誤り。なじみの関係を築きながらサービスを提供する観点から、利用登録は1か所の事業所に限られる(第19回-問56)。
小規模多機能型居宅介護の登録定員は、12人以下としなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。登録定員は29人以下(サテライト型事業所は18人以下)である(第26回-問55)。
小規模多機能型居宅介護計画と利用登録者の居宅サービス計画は、事業所の介護支援専門員が作成する。
答えと解説
◯ 正しい。介護支援専門員は小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修の修了者で、専従(支障がなければ兼務可)。
小規模多機能型居宅介護従業者として、理学療法士又は作業療法士を置かなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。従業者のうち1人以上は、看護師または准看護師でなければならない(第27回-問56)。
通いサービスの提供者は、常勤換算で利用者3人につき1人以上とされている。
答えと解説
◯ 正しい。訪問サービス提供者は常勤換算で1人以上、夜間・深夜の勤務にあたる者は1人以上。宿泊利用者がいない場合、連絡体制が整っていれば夜勤・宿直は不要。
小規模多機能型居宅介護の宿泊室は、宿泊専用の個室でなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。宿泊室は原則定員1人(1室の床面積7.43㎡以上)だが、処遇上必要と認められる場合は1室あたり定員2人も可能(第28回-問56)。
居宅サービス計画には、訪問看護や福祉用具貸与など、他の居宅サービスを含めることもできる。
答えと解説
◯ 正しい。含められるのは訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・福祉用具貸与に限られる。
通いサービスの利用者が登録定員に比べ著しく低い状態(おおむね3分の1以下)を続けてはならない。
答えと解説
◯ 正しい。利用者が通いサービスを利用しない日は、可能な限り訪問サービスや電話連絡などで適切なサービスを提供する。
小規模多機能型居宅介護の基本サービス費は、1日あたりの額で定められている。
答えと解説
✕ 誤り。要介護度別に、同一建物居住者とそれ以外に分けて1か月あたりの額で定められている。短期利用の設定のみ1日あたりの額。
小規模多機能型居宅介護の運営推進会議は、おおむね2か月に1回以上開催しなければならない。
答えと解説
◯ 正しい。地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護(おおむね6か月に1回以上)との頻度の違いに注意。
五肢複択
小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 通いサービス、訪問サービス、宿泊サービスを一体的に提供する。
- 利用者は、複数の事業所に利用者登録をすることができる。
- 登録定員は29人以下(サテライト型事業所は18人以下)である。
- 従業者のうち1人以上は、看護師または准看護師でなければならない。
- 事業の基準は、都道府県が条例で定める。
答えと解説
正解:1・3・4
1 正しい。通所介護・訪問介護・短期入所生活介護にあたるサービスを同一事業所で提供する。
2 誤り。利用登録は1か所の事業所に限られる。
3 正しい。1日あたりの利用定員は、通いサービスが登録定員の2分の1〜15人、宿泊サービスが通いの3分の1〜9人。
4 正しい。理学療法士・作業療法士の配置義務はない。
5 誤り。地域密着型サービスの基準は、厚生労働省令の範囲内で市町村が条例で定める。
小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 管理者は、3年以上認知症ケアに従事した経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了した者とされている。
- 介護支援専門員は、研修を修了していなくても従事できる。
- 宿泊サービスの1日あたりの利用定員は、通いサービスの利用定員の3分の1人〜9人である。
- 宿泊利用者がいない場合でも、夜勤・宿直の職員を必ず配置しなければならない。
- 利用者負担であれば、他の事業者によるサービスを受けさせることができる。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。管理者は常勤専従(支障がなければ兼務可)。代表者も認知症ケアの経験または経営経験+研修修了が要件。
2 誤り。厚生労働大臣が定める研修(小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修)の修了者でなければならない。
3 正しい。サテライト型では3分の1人〜6人である。
4 誤り。宿泊利用者がいない場合、夜間・深夜の連絡体制が整っていれば夜勤・宿直の配置は不要。
5 誤り。利用者負担による他の事業者によるサービス提供は禁止されている。