福祉サービス分野 > 第66講 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは|定員5〜9人・居室7.43㎡・要支援2をわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
グループホーム=認知症の人の「家」
第66講 認知症対応型共同生活介護
第3章 SEC15。いわゆるグループホームを学びます。数字と「使えないサービス」が狙われます。
- グループホームの概要と対象者を説明できる
- 入居中に使えるサービス・使えないサービスを区別できる
- 定員・人員・面積など数字を正確に覚える
- 介護予防認知症対応型共同生活介護との違いが分かる
第66講を始めましょう。今回は、認知症対応型共同生活介護。いわゆるグループホームです。
今日のゴールは4つです。
1つ目、グループホームがどんなサービスか、対象者とあわせて説明できる。
2つ目、入居中に使えるサービス、使えないサービスを区別できる。
3つ目、定員や人員、面積などの数字を正確に覚える。
4つ目、介護予防認知症対応型共同生活介護との違いが分かる。
家庭的な環境・役割・自尊心
グループホームとは
認知症対応型共同生活介護は、一般にグループホーム(認知症高齢者グループホーム)とよばれるサービス。
共同生活用の住居で、認知症のある利用者に介護・日常生活上の世話・機能訓練などを提供します。
- 大規模施設や医療機関とは異なる家庭的な環境での介護
- 生活を通して地域住民との交流の機会が増える
- 共同生活で自分の役割を見いだしていける
認知症対応型共同生活介護は、一般にグループホーム、または認知症高齢者グループホームと呼ばれるサービスです。
共同生活用の住居で、認知症のある利用者に、介護や日常生活上の世話、機能訓練などを提供します。
大規模な施設や医療機関とは違う、家庭的な環境で介護が行えるのが特徴です。
生活を通して、地域住民との交流の機会が増える。
共同生活を送ることで、自分の役割を見いだしていける。
こうした暮らしが、利用者に自尊の気持ちや自信をもたせることにつながります。
認知症の要介護者・少人数の共同生活OK
対象者
- 認知症などで、自宅で日常生活を送るのに支障が出る程度の記憶障害・認知機能障害にある要介護者
- 少人数による共同生活を営むことに支障のない人
対象者を確認しましょう。
認知症などで、自宅で日常生活を送るのに支障が出る程度の、記憶障害や認知機能障害にある要介護者。
そして、少人数による共同生活を営むことに支障のない人です。
要介護者向けのサービスなので、要支援の人は原則対象外。ただし要支援2だけは、介護予防版で利用できます。これは最後のスライドで説明します。
世話+機能訓練、家事参加、地域交流
サービスの内容
共同生活住居で、入浴・排せつ・食事などの日常生活上の世話と機能訓練を行います。
- 認知症の程度に応じ、食事づくり・配膳・洗濯物をたたむなど利用者自身の家事への参加もすすめる
- 「してあげる」だけでなくできることは本人が → 役割と自信に
- 近隣の行事参加・住民の訪問などで地域との交流を増やし、日常生活の活性化を図る
サービスの内容です。共同生活住居において、入浴、排せつ、食事などの日常生活上の世話と、機能訓練を行います。
ポイントは、利用者の認知症の程度に応じて、食事づくり、配膳、洗濯物をたたむなど、利用者自身の家事への参加もすすめることです。
お世話するだけでなく、できることは本人にやってもらう。これが役割と自信につながります。
さらに、近隣の行事への参加や住民の訪問などを通じて、地域との交流機会を増やし、日常生活の活性化を図ります。
また、一定の要件を満たした事業所では、空いている部屋、空床を利用して、30日以内の短期入所もできます。
程度確認→計画→説明・同意・交付
入所までの流れ
サービス開始までの流れです。
利用者の入所申し込みに基づき、医師の診断書などで、認知症の程度を確認します。
入所が決まったら、計画作成担当者が、認知症対応型共同生活介護計画を作成します。
作成した計画は、利用者と家族に説明し、同意を得たうえで交付します。この、説明、同意、交付の流れは頻出です。
居宅介護支援なし・療管だけOK
★使えないサービス
ここが今回いちばんの引っかけポイント。
- 入居中、居宅介護支援は行われない。サービス提供は認知症対応型共同生活介護計画に基づく
- 外部のケアマネのケアプランではなく、ホームの計画作成担当者の計画で動く
- 居宅療養管理指導以外の居宅サービス・地域密着型サービスは利用できない
ここが今回いちばんの引っかけポイントです。
グループホームに入居すると、居宅介護支援は行われません。サービスの提供は、認知症対応型共同生活介護計画に基づきます。
つまり、外部のケアマネのケアプランではなく、ホームの計画作成担当者がつくる計画で動くわけです。
そして、居宅療養管理指導以外の居宅サービスと、地域密着型サービスは利用できません。
逆に言えば、医師や薬剤師などが訪問する居宅療養管理指導だけは、併用できるということ。試験ではここが問われます。
地域密着型・市町村が条例で
事業の基準
- 認知症対応型共同生活介護は地域密着型サービス
- 事業の基準は、厚生労働省令の範囲内で市町村が条例で定める
- 2021(令和3)年度介護報酬改定でサテライト型の類型が創設され、基準も緩和
事業の基準です。認知症対応型共同生活介護は、地域密着型サービスです。
事業の基準は、厚生労働省令が定める基準の範囲内で、市町村が条例で定めます。
また、2021年度、令和3年度の介護報酬改定で、サテライト型の類型が創設され、基準も緩和されました。
日中3:1・夜間は通じて1人以上
人員基準① 介護従業者
人員は共同生活住居(ユニット)ごとに定められています。
人員基準は、共同生活住居、つまりユニットごとに定められています。まず、介護従業者。
夜間および深夜以外の時間帯は、利用者3人、またはその端数を増すごとに1人以上。常勤換算です。
夜間および深夜の時間帯は、時間帯を通じて1人以上必要です。
ただし、3つの共同生活住居の場合、安全対策など一定の要件のもとで、夜勤を2人以上に緩和できます。
経験3年は管理者
人員基準② 計画・管理・代表
- 計画作成担当者:知識・経験があり厚労大臣の定める研修を修了した者を専従で事業所ごとに1人以上
- うち1人以上は介護支援専門員。サテライト型は介護支援専門員でなくてもよい
- 管理者:3年以上の認知症介護の経験+管理者研修修了(常勤専従)。サテライト型は本体の管理者が兼務可
- 代表者:認知症ケアの従事経験または保健医療・福祉サービスの経営経験+厚労大臣の定める研修修了
次に、計画作成担当者。知識・経験があり、厚生労働大臣の定める研修を修了した者を、専従で、事業所ごとに1人以上置きます。
そのうち1人以上は、介護支援専門員でなければなりません。ただし、サテライト型の場合は、介護支援専門員でなくてもよいとされています。
管理者は、3年以上の認知症介護の経験を有する、管理者研修の修了者で、常勤専従です。サテライト型では、本体事業所の管理者が兼務できます。
代表者は、事業所などで認知症ケアの従事経験がある者、または、保健医療・福祉サービスの経営経験のある者で、厚生労働大臣の定める研修修了者です。
3年、という数字が出たら管理者。ここを覚えておきましょう。
1〜3ユニット・5〜9人・7.43㎡
設備等の基準
- 居間・食堂・台所・浴室など必要な設備(居間と食堂は同一の場所OK)
- 立地は住宅地(または同程度に家族・地域住民との交流機会が得られる場所)
設備の基準は、数字のオンパレードです。ひとつずつ。
事業所に設けることができる共同生活住居は、1以上3以下。サテライト型の場合は、1または2です。
1つの共同生活住居の定員は、5人から9人。過去問では、15人以上20人以下、という引っかけが出ました。
居室は原則、定員1人。処遇上必要な場合は2人も可。床面積は、7.43平方メートル以上です。
居間、食堂、台所、浴室など、必要な設備を設けます。居間と食堂は、同一の場所とすることができます。
立地は、住宅地、あるいは住宅地と同程度に、利用者の家族や地域住民との交流機会が得られる場所です。
証に日付・外部評価を公表
運営基準
計画の作成と説明・同意・交付のほか、次のようなもの。
- 利用料の受領:食材料費・理美容代・おむつ代等は受領できる
- サービス提供の記録:入退居に際して年月日を被保険者証に記録
- 非常災害対策:計画作成・従業者への定期的な周知・避難訓練等
- 利用者の負担により従業者以外の者の介護を受けさせてはならない
- 自己評価+定期的に外部の者による評価→結果を公表し常に改善
運営基準です。計画の作成と、説明、同意、交付のほか、次のようなものがあります。
利用料の受領。食材料費、理美容代、おむつ代などは、利用者から受け取ることができます。
サービス提供の記録。入退居に際して、年月日を、利用者の被保険者証に記録します。
非常災害対策。具体的な計画の作成、従業者への定期的な周知、避難訓練などです。
利用者の負担により、従業者以外の者の介護を受けさせてはなりません。
自らサービスの質の評価を行うとともに、定期的に、外部の者による評価を受けて、結果を公表し、常に改善を図ります。自己評価、プラス、外部評価、そして公表。セットで覚えましょう。
要支援2だけ・一体的運営はみなし
介護報酬と介護予防
- 基本サービス費:共同生活住居の数により要介護度別に1日あたりの額。短期利用の設定もあり
- 介護予防認知症対応型共同生活介護:認知症であって要支援2の者に提供(要支援1は×)
- サービス内容・事業基準は認知症対応型共同生活介護と同様
- あわせて指定を受け同一事業所で一体的に運営→本体の基準を満たせば予防の基準もみなし
- 計画作成担当者が介護予防認知症対応型共同生活介護計画を作成。提供期間中に少なくとも1回実施状況を把握
介護報酬です。基本サービス費は、共同生活住居の数により、要介護度別に、1日あたりの額が設定されています。短期利用の設定もあります。
最後に、介護予防認知症対応型共同生活介護。介護予防を目的に、認知症であって、要支援2の者に提供されるサービスです。要支援1は使えません。
サービスの内容や事業の基準は、認知症対応型共同生活介護と同様です。
あわせて指定を受けて、同一事業所で一体的に運営している場合、認知症対応型共同生活介護の基準を満たしていれば、介護予防の基準も満たしているものとみなされます。
計画は、計画作成担当者が、介護予防認知症対応型共同生活介護計画を作成し、サービス提供期間中に、少なくとも1回、実施状況を把握します。
数字と「療管だけOK」を持ち帰る
まとめ
- グループホーム=認知症の要介護者が5〜9人で暮らす家。家庭的環境・役割・自尊心
- 入居中は居宅療養管理指導以外の居宅サービス・地域密着型サービスは使えない
- 数字:ユニット1〜3・定員5〜9人・居室7.43㎡・管理者は経験3年
- 介護予防版は要支援2のみ。一体的運営なら基準はみなしでOK
まとめです。
グループホームは、認知症の要介護者が、5人から9人で暮らす家。家庭的な環境と、役割、自尊心がキーワードです。
入居中は、居宅療養管理指導以外の、居宅サービスと地域密着型サービスは使えない。
数字は、ユニット1から3、定員5人から9人、居室7.43平方メートル、管理者は経験3年。
介護予防版は、要支援2のみ。一体的に運営していれば、基準はみなしでOKです。
お疲れさまでした。問題演習で知識を固めましょう。第66講、終了です。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
認知症対応型共同生活介護は、一般にグループホームとよばれ、共同生活住居において認知症のある利用者に介護や日常生活上の世話、機能訓練などを提供するサービスである。
答えと解説
◯ 正しい。家庭的な環境での介護により、利用者に自尊の気持ちや自信をもたせることにもつながる。
認知症対応型共同生活介護の1つの共同生活住居の入居定員は、15人以上20人以下である。
答えと解説
✕ 誤り。1つの共同生活住居の入居定員は5人以上9人以下(第27回で出題済みの引っかけ)。
日常生活上の世話では、利用者の認知症の程度に応じて、食事づくりや配膳など利用者自身の家事への参加もすすめられる。
答えと解説
◯ 正しい。できることは本人が行うことで、役割や自信につながり日常生活の活性化を図る。
認知症対応型共同生活介護の入居者は、必要に応じて訪問介護などの居宅サービスを利用できる。
答えと解説
✕ 誤り。居宅療養管理指導以外の居宅サービスおよび地域密着型サービスは利用できない。
認知症対応型共同生活介護の入居者は、居宅療養管理指導を利用することができる。
答えと解説
◯ 正しい。居宅療養管理指導だけは例外的に併用できる。
入退居に際しては、その年月日を利用者の被保険者証に記録する。
答えと解説
◯ 正しい。運営基準に定められたサービス提供の記録である。
居室の床面積は、10.65平方メートル以上でなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。居室は床面積7.43㎡以上(原則定員1人、処遇上必要な場合は2人可)。
居間と食堂は、同一の場所とすることができる。
答えと解説
◯ 正しい。居間・食堂・台所・浴室など必要な設備を設けるが、居間と食堂は兼用できる。
管理者は、1年以上の認知症介護の従事経験があれば、研修を修了していなくてもよい。
答えと解説
✕ 誤り。3年以上の認知症介護の経験を有し、認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した常勤専従の者。
事業者は、自らサービスの質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受けて、その結果を公表しなければならない。
答えと解説
◯ 正しい。自己評価+外部評価→公表し、常にその改善を図る。
介護予防認知症対応型共同生活介護は、要支援1の者も利用することができる。
答えと解説
✕ 誤り。介護予防を目的に、認知症であって要支援2の者に提供されるサービス。要支援1は対象外。
一定の要件を満たした事業所では、空床を利用して30日以内の短期入所をすることができる。
答えと解説
◯ 正しい。空床利用の短期入所(30日以内)が認められている。
五肢複択
認知症対応型共同生活介護の事業・設備の基準について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 事業所に設けることができる共同生活住居は、1以上3以下である。
- 1つの共同生活住居の入居定員は、10人以上15人以下である。
- 居室は原則定員1人だが、処遇上必要な場合は2人とすることができる。
- 事業所は、利用者の家族や地域住民との交流を避けられる閑静な場所に設けなければならない。
- 夜間および深夜の時間帯は、介護従業者を配置しなくてもよい。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。ユニット数は1以上3以下(サテライト型は1または2)。
2 誤り。1ユニットの定員は5人以上9人以下。
3 正しい。居室は原則1人、処遇上必要な場合は2人可(床面積7.43㎡以上)。
4 誤り。立地は住宅地または住宅地と同程度に、家族や地域住民との交流機会が得られる場所。
5 誤り。夜間および深夜の時間帯は、時間帯を通じて1人以上の介護従業者が必要。
認知症対応型共同生活介護の人員基準・計画について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 計画作成担当者は、専従で事業所ごとに1人以上置き、そのうち1人以上は介護支援専門員でなければならない。
- 入居者へのサービスは、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成するケアプランに基づいて提供される。
- 管理者は、3年以上の認知症介護の従事経験を有し、所定の研修を修了した常勤専従の者である。
- 介護従業者は、夜間および深夜以外の時間帯は、利用者5人またはその端数を増すごとに1人以上配置する。
- 代表者について、経験や研修修了に関する要件は定められていない。
答えと解説
正解:1・3
1 正しい。なおサテライト型の場合は、介護支援専門員でなくてもよい。
2 誤り。居宅介護支援は行われず、計画作成担当者が作成する認知症対応型共同生活介護計画に基づく。
3 正しい。認知症対応型サービス事業管理者研修の修了者(サテライト型は本体の管理者が兼務可)。
4 誤り。利用者3人またはその端数を増すごとに1人以上(常勤換算)。
5 誤り。認知症ケアの従事経験または保健医療・福祉サービスの経営経験のある者で、厚生労働大臣の定める研修修了者。