福祉サービス分野 > 第69講 介護老人福祉施設(特養)とは|要介護3以上・特例入所4つ・週2回入浴・10.65㎡をわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
本体の「特養」・重要度A
第69講 介護老人福祉施設
第3章 SEC18。特別養護老人ホーム(30人以上)=介護老人福祉施設。重要度Aの頻出単元です。
- 介護老人福祉施設とは何か、指定の仕組みを説明できる
- 要介護3以上の原則と特例入所の4つの事情を言える
- 人員・設備・運営の数字をおさえる
- 前講の地域密着型との違いを整理する
第69講を始めましょう。今回は、介護老人福祉施設。いわゆる特養、特別養護老人ホームです。重要度Aの、大事な単元です。
今日のゴールは4つです。
1つ目、介護老人福祉施設とは何か、指定の仕組みを説明できる。
2つ目、要介護3以上の原則と、特例入所の4つの事情を言える。
3つ目、人員・設備・運営の数字をおさえる。
4つ目、前講の地域密着型との違いを整理する。
特養30人以上+知事の指定
介護老人福祉施設とは
老人福祉法で特別養護老人ホーム(入所定員30人以上)として認可されている施設が、都道府県知事によって介護保険施設として指定を受けたもの。
介護老人福祉施設は、老人福祉法で、特別養護老人ホーム、入所定員30人以上のものとして認可されている施設が、都道府県知事によって、介護保険施設としての指定を受けたものです。
つまり、指定を受けるには、特別養護老人ホームの認可を受けていることが、前提となります。
前講との対比です。定員29人以下なら、地域密着型介護老人福祉施設で、市町村長の指定。30人以上なら、介護老人福祉施設で、都道府県知事の指定です。
常時の介護+居宅で困難=要介護3以上
入所対象
- 「身体上または精神上に著しい障害があるために常時の介護を必要とし、居宅においてこれを受けることが困難な者」
- 具体的には要介護3以上の要介護者が対象
- 要介護1・2は、やむを得ない事情がある場合に限り特例的に認められる
入所の対象は、身体上または精神上に著しい障害があるために、常時の介護を必要とし、居宅においてこれを受けることが困難な者、とされています。
具体的には、要介護3以上の要介護者を対象とします。
要介護1、2の場合は、やむを得ない事情がある場合に限り、特例的に認められます。
認知症・障害・虐待・単身
★特例入所(やむを得ない事情4つ)
要介護1・2の特例入所。4つの事情は丸ごと暗記。
やむを得ない事情、4つを見ていきましょう。
1つ目、認知症の行動・心理症状などが重度で、在宅生活が困難。
2つ目、知的障害・精神障害などが重度で、在宅生活が困難。
3つ目、家族等による、深刻な虐待が疑われる。
4つ目、単身などで家族等からの支援が受けられず、地域の介護サービスなども十分でない。
さらに、地域の実情等を踏まえ、各自治体において必要と認める事情があれば、それも考慮されます。
過去問、第22回。虐待等のやむを得ない事由があれば、要介護1または2の者を入所させることができる。答えは、マル、です。
入浴・清拭は週2回以上
サービスの内容(8項目)
- ①入浴または清拭(週2回以上)←数字が問われる
- ②排せつ自立の援助 ③日常生活上の世話(離床・着替え・整容など)④食事の提供(寝食分離の支援を含む)
- ⑤相談および援助 ⑥社会生活上の便宜の供与(教養娯楽・レクリエーション、行政手続きの代行、家族等との交流機会、外出の機会確保など)
- ⑦機能訓練 ⑧健康管理
サービスの内容は、8項目。
入浴、または清拭は、週2回以上。ここは数字が問われます。
排せつ自立の援助。日常生活上の世話。食事の提供、寝食分離の支援を含みます。
相談および援助。社会生活上の便宜の供与。教養娯楽やレクリエーションの提供、行政手続きの代行、家族等との交流機会、外出の機会確保などです。
そして、機能訓練と、健康管理です。
過去問、第28回。入浴又は清拭の頻度の下限については、定めがない。答えは、バツ。1週間に2回以上です。
居宅復帰を念頭に・人格の尊重
めざすところ
- 可能な限り居宅における生活への復帰を念頭に置く
- 入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立ってサービスを提供するよう努め、自立した日常生活を送るための支援を行う
介護老人福祉施設がめざすところ。可能な限り、居宅における生活への復帰を、念頭に置くこと。
その配慮をもとに、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立ってサービスを提供するように努め、自立した日常生活を送るための支援を行います。
入所判定委員会・必要性の高い人を優先
実施の留意点
サービス実施の留意点です。
サービスの提供にあたっては、施設長、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等で構成する、入所判定委員会による、入所検討が行われます。
その際、サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を、優先的に入所させるよう、努めなければなりません。
入所が決定した場合、計画担当介護支援専門員が、施設サービス計画を作成します。
計画のあとは、計画担当介護支援専門員が、特段の事情がない限り、定期的に入所者と面接して、モニタリングを行い、その結果を記録しなければなりません。
公・独法・社福に限られる
施設の基準(設置運営者)
- 特別養護老人ホームとしての認可が前提
- 設置運営者は原則として地方公共団体・地方独立行政法人・社会福祉法人に限られる
施設の基準です。介護老人福祉施設は、特別養護老人ホームとしての認可が前提です。
ですから、施設の設置運営者は、特別養護老人ホームと同様に、原則として、地方公共団体、地方独立行政法人、社会福祉法人に限られます。
営利企業は、特養を開設できない。ここも問われるポイントです。
相談員100:1・現場3:1
人員基準① 医師〜看護介護
- 医師:必要数(非常勤可)
- 生活相談員:入所者100人またはその端数を増すごとに1人以上(常勤)
- 看護・介護職員:入所者3人あたり1人(常勤換算)
- 看護職員:30人未満で1人/30〜50人未満で2人/50〜130人未満で3人/以降50人ごとに1人追加(1人以上は常勤)
- 介護職員:夜勤を含めて常勤で1人以上
人員基準です。医師は、必要数。非常勤でも構いません。
生活相談員は、入所者100人、またはその端数を増すごとに、1人以上。常勤です。
看護・介護職員は、入所者3人あたり1人。常勤換算です。
看護職員の数は、入所者30人未満で1人以上。30から50人未満で2人以上。50から130人未満で3人以上。以降、50人またはその端数を増すごとに、1人追加。1人以上は常勤です。
介護職員は、夜勤を含めて、常勤で1人以上とされています。
ケアマネは常勤専従+100:1追加
人員基準② 栄養士〜管理者
- 栄養士または管理栄養士:1人以上(40人以下の施設は他施設の栄養士等との連携で適切な栄養管理が行われ処遇に支障なければ配置しなくて可)
- 機能訓練指導員:1人以上(兼務可)
- 介護支援専門員:常勤専従で1人以上(支障がなければ兼務可)。入所者100人ごとに1人追加
- 管理者:常勤専従(支障がなければ同一敷地内の他の事業所・施設等の職務と兼務可)
栄養士、または管理栄養士は、1人以上。ただし、40人以下の施設で、他施設の栄養士等との連携により適切な栄養管理が行われ、入所者の処遇に支障がなければ、配置しなくて可です。
機能訓練指導員は、1人以上。兼務可。
介護支援専門員は、常勤専従で1人以上。支障がない場合は兼務可。そして、入所者100人、またはその端数を増すごとに、1人追加します。
過去問、第27回。処遇に支障がない場合、介護支援専門員は非常勤でもよい。答えは、バツ。常勤専従が原則で、支障がなければ、他の職務との兼務が可能、です。
管理者は、常勤専従。支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務と兼務できます。
10.65㎡・廊下1.8m・中廊下2.7m
設備基準
- 静養室・浴室・医務室(医療法に規定する診療所)・食堂・機能訓練室など
- 支障がない広さを確保できるときは食堂と機能訓練室を同一の場所にできる
設備基準です。居室定員は、原則として1人。サービス提供上、必要な場合は2人可。1人あたりの床面積は、10.65平方メートル以上です。
グループホームの7.43と、特養の10.65。入れ替えに注意しましょう。
廊下幅は1.8メートル以上、中廊下の幅は、2.7メートル以上です。
静養室、浴室、医務室、これは医療法に規定する診療所です。そして食堂、機能訓練室などを設けます。
食事の提供、または機能訓練に支障がない広さを確保できるときは、食堂と機能訓練室を、同一の場所とすることができます。
褥瘡予防・入院3か月で再入所
運営基準
他の介護保険施設と同様のほか、次のような基準。
- 生活相談員・介護支援専門員等で検討し、居宅での生活が可能と認められる入所者に円滑な退所のための援助を行う
- 褥瘡の発生を予防するための体制を整備しなければならない
- 入所者の負担により従業者以外の者による介護を受けさせてはならない
- 教養娯楽設備等を備え、適宜レクリエーション行事を行わなければならない
- 入所者が入院した場合、3か月以内に退院できる見込みのときは退院後の再入所ができるようにする
運営基準です。他の介護保険施設と同様のほか、次のような基準があります。
生活相談員、介護支援専門員等で検討し、居宅での生活が可能と認められる入所者に、円滑な退所のために必要な援助を行う。
褥瘡、床ずれの発生を予防するための体制を、整備しなければならない。
入所者の負担により、当該施設の従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。
教養娯楽設備等を備え、適宜、入所者のためのレクリエーション行事を行わなければならない。
入所者が入院となった場合、3か月以内に退院できる見込みのときは、退院後の再入所ができるようにする。3か月、覚えましょう。
要介護度別×規模別×従来/ユニット別
介護報酬・まとめ
- 基本サービス費=要介護度別・施設の規模別・従来型/ユニット型別で区分、1日あたりの額。措置入所した入所者についても設定
- 特養30人以上=知事の指定。新規入所は要介護3以上・特例4つ(認知症・障害・虐待・単身)
- 入浴・清拭週2回以上/居室10.65㎡/入院は3か月見込みで再入所
- ケアマネは常勤専従1人+100人ごと1人追加/設置は公・独法・社福のみ
介護報酬です。基本サービス費は、要介護度別、施設の規模別、従来型・ユニット型別で区分され、1日あたりの額が決められています。介護保険施行前に、特別養護老人ホームに措置入所した入所者についても、設定されています。
まとめです。
特養30人以上は、知事の指定。新規入所は要介護3以上、特例は4つ。認知症、障害、虐待、単身。
入浴・清拭は週2回以上。居室10.65平方メートル。入院は、3か月見込みで再入所。
ケアマネは常勤専従1人以上、100人ごとに1人追加。設置できるのは、地方公共団体、地方独立行政法人、社会福祉法人です。
お疲れさまでした。次は、社会資源。フォーマルとインフォーマルです。第69講、終了です。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
介護老人福祉施設は、老人福祉法上の特別養護老人ホーム(入所定員30人以上)として認可された施設が、都道府県知事の指定を受けたものである。
答えと解説
◯ 正しい。特別養護老人ホームの認可を受けていることが指定の前提となる。
新規入所者は原則として要介護3以上であり、要介護1・2の者が入所できる特例は認められていない。
答えと解説
✕ 誤り。やむを得ない事情(認知症重度・知的精神障害重度・虐待の疑い・単身で支援なし等)がある場合、特例的に入所が認められる。
家族等による深刻な虐待が疑われる場合、要介護1又は2の者でも特例的に入所が認められる。
答えと解説
◯ 正しい(第22回-問57で出題)。特例入所の4つの事情の1つ。
入所者の入浴又は清拭の頻度の下限については、定めがない。
答えと解説
✕ 誤り(第28回-問57)。1週間に2回以上、入浴または清拭を行わなければならない。
サービスの内容には、行政手続きの代行や外出の機会の確保など、社会生活上の便宜の供与が含まれる。
答えと解説
◯ 正しい。教養娯楽・レクリエーション、家族等との交流機会の提供なども含まれる。
入所に際しては、入所判定委員会による検討を行い、サービスを受ける必要性が高いと認められる申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
答えと解説
◯ 正しい。施設長・生活相談員・介護職員・看護職員・介護支援専門員等で構成する入所判定委員会が検討する。
入所が決定した場合、施設サービス計画は生活相談員が作成する。
答えと解説
✕ 誤り。計画担当介護支援専門員が施設サービス計画を作成し、定期的に入所者と面接してモニタリングを行い記録する。
介護支援専門員は、常勤専従で1人以上とし、入所者100人またはその端数を増すごとに1人追加する。
答えと解説
◯ 正しい(第27回-問57の論点)。常勤専従が原則で、支障がなければ他の職務と兼務可能。
居室の床面積は、1人あたり7.43平方メートル以上とされている。
答えと解説
✕ 誤り。介護老人福祉施設の居室は1人あたり10.65㎡以上。7.43㎡はグループホームの基準。
食事の提供または機能訓練に支障がない広さを確保できるときは、食堂と機能訓練室を同一の場所とすることができる。
答えと解説
◯ 正しい。設備基準に定められている。廊下幅1.8m以上・中廊下2.7m以上もあわせて覚える。
入所者が入院した場合、退院後の再入所について配慮する必要はない。
答えと解説
✕ 誤り。3か月以内に退院できる見込みのときは、退院後の再入所ができるようにする。
事業者は、褥瘡の発生を予防するための体制を整備しなければならない。
答えと解説
◯ 正しい。運営基準に定められている。
五肢複択
介護老人福祉施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 介護老人福祉施設の指定を受けるには、特別養護老人ホームの認可を受けていることが前提となる。
- 施設の設置運営者は、原則として地方公共団体、地方独立行政法人、社会福祉法人に限られる。
- 新規入所者は、原則として要介護1以上とされている。
- 単身で家族等からの支援が受けられないことは、特例入所の事情には含まれない。
- 入所定員29人以下の介護老人福祉施設も、都道府県知事が指定する。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。老人福祉法上の特養(30人以上)の認可+都道府県知事の指定という2段階。
2 正しい。特別養護老人ホームと同様の制限があり、営利企業は設置できない。
3 誤り。原則として要介護3以上(要介護1・2はやむを得ない事情がある場合の特例のみ)。
4 誤り。単身などで家族等の支援が受けられず地域の介護サービスも十分でない場合は、特例入所の事情に含まれる。
5 誤り。定員29人以下は地域密着型介護老人福祉施設として、市町村長が指定する。
介護老人福祉施設の人員・設備の基準について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 医師は必要数を置くこととされ、非常勤でもよい。
- 生活相談員は、入所者100人またはその端数を増すごとに、常勤で1人以上置く。
- 看護・介護職員の総数は、入所者5人あたり1人(常勤換算)である。
- 栄養士または管理栄養士は、施設の規模にかかわらず必ず配置しなければならない。
- 廊下幅は1.2メートル以上あればよい。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。医師は必要数(非常勤可)。
2 正しい。生活相談員は100:1で常勤。
3 誤り。入所者3人あたり1人(常勤換算)。看護職員は30人未満1人・30〜50人未満2人・50〜130人未満3人・以降50人ごとに1人追加。
4 誤り。入所定員40人以下の施設では、他施設の栄養士等との連携により適切な栄養管理が行われ、処遇に支障がなければ配置しなくて可。
5 誤り。廊下幅は1.8m以上、中廊下は2.7m以上。