福祉サービス分野 > 第74講 後期高齢者医療制度とは|広域連合・75歳以上・自己負担1〜3割・財源5:4:1をわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
広域連合・75歳・5:4:1
第74講 後期高齢者医療制度
第3章 SEC23。ケアマネの利用者の多くが加入する75歳以上の医療保険。数字が並ぶ単元です。
- 保険者と被保険者——広域連合と75歳以上をおさえる
- 保険給付と自己負担1割・2割・3割を言える
- 財源の5対4対1をおさえる
第74講を始めましょう。今回は、後期高齢者医療制度。福祉サービス分野の、締めくくりに近い、横断単元です。
今日のゴールは3つです。
1つ目、保険者と被保険者。広域連合と、75歳以上をおさえる。
2つ目、保険給付と自己負担。1割・2割・3割を言える。
3つ目、財源の、5対4対1をおさえる。
高齢者医療確保法・2008年4月実施
概要
- 高齢者医療費の増加を背景に、負担の公平化・財政責任の明確化・心身の特性に応じた適切な医療の提供等を趣旨として創設
- 2006(平成18)年に老人保健法を全面改正した高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)に基づき、2008(平成20)年4月から実施
後期高齢者医療制度は、高齢者医療費の増加を背景に、負担の公平化、財政責任の明確化、高齢者の心身の特性に応じた、適切な医療の提供等を趣旨として、創設されました。
2006年に、老人保健法を全面的に改正した、高齢者の医療の確保に関する法律、高齢者医療確保法に基づき、2008年、平成20年4月から、実施されています。
老人保健法から、高齢者医療確保法へ。この、法律名の切り替わりは、頻出です。
広域連合・75歳以上・保護世帯は除外
★保険者と被保険者
今回いちばんの狙われポイント。
- 保険者=都道府県ごとにすべての市町村(特別区含む)が共同で設立する後期高齢者医療広域連合
- 保険料徴収や届出等の受付窓口は市町村
- 被保険者=75歳以上の人+65歳以上75歳未満で一定の障害のある人
- 生活保護世帯に属する者は適用除外(医療扶助で対応)
ここが今回いちばんの狙われポイント。保険者と、被保険者です。
保険者は、都道府県ごとに、すべての市町村、特別区を含む、が共同で設立する、後期高齢者医療広域連合です。
ただし、保険料徴収や、届出等の受付窓口は、市町村です。
被保険者は、75歳以上の人、後期高齢者と、65歳以上75歳未満で、一定の障害のある人です。
そして、生活保護世帯に属する者は、適用除外。医療扶助で対応します。
過去問、第21回。75歳以上の者であって、生活保護世帯に属する者も、後期高齢者医療制度の被保険者となる。答えは、バツ。適用除外者と、されます。
広域連合の条例・均等割+所得割
保険料
- 保険料は各広域連合が条例で定める
- 均等割+所得割で構成。所得が同じなら都道府県内では同額
- 徴収方法は介護保険料と同様:特別徴収と普通徴収の2方式
保険料は、各広域連合が、条例で定めます。
加入者全員の均等割と、所得に応じた所得割で構成され、所得が同じなら、都道府県内では、保険料は同じになります。
徴収の方法は、介護保険料と同様で、特別徴収と、普通徴収の、2方式となっています。
決めるのは広域連合、集めるのは市町村。役割分担を、意識しましょう。
75歳の誕生日から・前日に脱退
加入の手続き
- 75歳の誕生日から被保険者となる
- それまで加入していた医療保険は誕生日の前日に脱退
- 65歳以上75歳未満で一定の障害のある人は、年金手帳や身体障害者手帳などを添えて市町村に届け出て、障害認定を受ける
加入の手続きです。75歳の誕生日から、後期高齢者医療制度の被保険者となります。
それまで加入していた医療保険は、誕生日の前日に、脱退となります。
65歳以上75歳未満で、一定の障害のある人は、年金手帳や、身体障害者手帳などを添えて、市町村に届け出て、障害認定を受けます。
手続きなしで、自動的に切り替わる75歳と、届出と認定が要る、65歳から74歳。ここも、対比です。
訪問看護療養費も含む・被扶養者なし
保険給付
- おおむね他の医療保険の医療給付と同様
- 療養の給付・入院時食事療養費・入院時生活療養費・保険外併用療養費・療養費・訪問看護療養費・特別療養費・高額療養費・高額介護合算療養費・移送費など
- +条例で定める給付(葬祭費など)を行うことができる
- 被扶養者という考え方はない(75歳になれば全員が自分自身で被保険者)
保険給付です。おおむね、他の医療保険の医療給付と、同様です。
療養の給付のほか、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、高額療養費、高額介護合算療養費、移送費などがあります。
さらに、条例で定める給付、葬祭費などを、行うことができます。
過去問、第27回。後期高齢者医療給付には、訪問看護療養費の支給は含まれない。答えは、バツ。含まれます。
なお、被扶養者、という考え方はありません。75歳になれば、全員が、自分自身が被保険者です。
介護予防等と一体的に実施
高齢者保健事業
- 広域連合は、医療給付とは別に高齢者保健事業(健康教育・健康診査等)に努める
- 国民健康保険の保健事業や地域支援事業などと一体的に実施
広域連合は、医療給付とは別に、高齢者保健事業に努めるものと、されています。健康教育、健康診査などです。
保健事業は、国民健康保険の保健事業や、地域支援事業などと、一体的に実施されることと、されています。
医療、介護予防、保健を、バラバラにしない。一体的実施、がキーワードです。
1割・2割・3割の3段階
★自己負担
- 2割負担の開始=2022(令和4)年10月1日から
- 2025(令和7)年9月30日までは、1か月の自己負担増加額を最大3,000円までとする経過措置があった(終了済み)
自己負担です。原則、1割。
一定以上の所得のある人は、2割。現役並み所得者は、3割です。
2割負担が開始されたのは、2022年、令和4年10月1日から。2025年9月30日までは、1か月の自己負担の増加額を、最大3000円までとする、経過措置がありました。
1割・2割・3割の、3段階。介護保険の利用者負担と、そっくりの構造です。
公費5割・支援金4割・保険料1割
★財源
- 後期高齢者支援金=医療保険者からの拠出金(現役世代からの支え)
保険給付の財源です。公費が、5割。国、都道府県、市町村です。
後期高齢者支援金。これは、医療保険者からの拠出金ですが、これが4割。そして、保険料が、1割です。
5対4対1。この数字の三点セットは、そのまま出題されます。
広域連合が財布・市町村が窓口
制度のしくみ(流れ)
制度のしくみを、流れで確認しましょう。
被保険者は、市町村に、保険料の納付や、各種申請・届出を行い、保険証は、広域連合から、市町村を経由して、交付されます。
被保険者は、医療機関に保険証を提示して、1割から3割の窓口負担で診療を受け、医療機関は、広域連合側へ、医療費を請求します。
広域連合が財布を持ち、市町村が窓口を担う。この、二人三脚の絵を、頭に入れましょう。
広域連合・75歳・除外・5:4:1
まとめ
- 根拠法=高齢者医療確保法・2008年4月実施。保険者=都道府県単位の広域連合・窓口は市町村
- 被保険者=75歳以上+65〜75歳未満で一定の障害。生活保護世帯は適用除外
- 自己負担1割・2割・3割/財源=公費5:支援金4:保険料1/被扶養者という考え方はない
まとめです。
根拠法は、高齢者医療確保法。2008年4月実施。保険者は、都道府県単位の広域連合で、窓口は、市町村。
被保険者は、75歳以上と、65歳以上75歳未満で、一定の障害のある人。生活保護世帯は、適用除外。
自己負担は、1割・2割・3割。財源は、公費5割、支援金4割、保険料1割。被扶養者という考え方は、ありません。
お疲れさまでした。問題演習で知識を固めましょう。第74講、終了です。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
後期高齢者医療制度は、老人保健法を全面改正した高齢者医療確保法に基づき、2008(平成20)年4月から実施されている。
答えと解説
◯ 正しい。負担の公平化・財政責任の明確化・高齢者の心身の特性に応じた適切な医療の提供等を趣旨として創設された。
後期高齢者医療制度の運営主体(保険者)は、市町村である。
答えと解説
✕ 誤り。都道府県ごとにすべての市町村(特別区を含む)が共同で設立する後期高齢者医療広域連合である。保険料徴収や届出の窓口は市町村。
被保険者は、75歳以上の人と、65歳以上75歳未満で一定の障害の認定を受けた人である。
答えと解説
◯ 正しい。65〜75歳未満の人は、市町村に届け出て広域連合の障害認定を受けることで被保険者となる。
75歳以上の者であって生活保護世帯に属する者も、後期高齢者医療制度の被保険者となる。
答えと解説
✕ 誤り(第21回-問60)。生活保護世帯に属する者は適用除外者とされ、医療扶助で対応する。
保険料は、各広域連合が条例で定め、均等割と所得割で構成される。
答えと解説
◯ 正しい。所得が同じであれば、都道府県内では保険料は同額になる。
保険料の徴収方法は、介護保険料と同様に、特別徴収と普通徴収の2方式である。
答えと解説
◯ 正しい。決めるのは広域連合、集めるのは市町村という役割分担。
後期高齢者医療給付には、訪問看護療養費の支給は含まれない。
答えと解説
✕ 誤り(第27回-問60)。訪問看護療養費の支給も含まれる。
保険給付には、高額療養費や高額介護合算療養費、移送費の支給が含まれる。
答えと解説
◯ 正しい。おおむね他の医療保険の医療給付と同様で、条例で定める給付(葬祭費など)も行うことができる。
後期高齢者医療制度には、被扶養者として給付を受ける仕組みがある。
答えと解説
✕ 誤り。被扶養者という考え方はなく、75歳以上は全員が自分自身で被保険者となる。
自己負担は原則1割であるが、一定以上の所得がある者は2割、現役並み所得者は3割である。
答えと解説
◯ 正しい。2割負担は2022(令和4)年10月から開始された。
保険給付の財源は、保険料が約5割、公費が約4割、後期高齢者支援金が約1割で構成される。
答えと解説
✕ 誤り。公費約5割・後期高齢者支援金(医療保険者からの拠出金)約4割・保険料約1割である。
保険料の徴収や各種届出等の受付窓口は、市町村である。
答えと解説
◯ 正しい。保険証も広域連合から市町村を経由して交付される。
五肢複択
後期高齢者医療制度の保険者・被保険者について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 保険者は、都道府県ごとにすべての市町村(特別区を含む)が共同で設立する後期高齢者医療広域連合である。
- 65歳以上75歳未満で一定の障害のある人は、市町村に届け出て障害認定を受けることで被保険者となる。
- 被保険者は、80歳以上の人に限られる。
- 生活保護世帯に属する75歳以上の者も、被保険者となる。
- 75歳に到達したとき、被保険者となるには本人の加入申請が必要である。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。運営は広域連合、窓口は市町村。
2 正しい。年金手帳や身体障害者手帳などを添えて届け出る。
3 誤り。75歳以上の人(+障害認定を受けた65〜75歳未満の人)である。
4 誤り。生活保護世帯に属する者は適用除外(第21回-問60)。医療扶助で対応する。
5 誤り。75歳の誕生日から被保険者となり、それまでの医療保険は誕生日の前日に脱退となる。
後期高齢者医療制度の給付・負担・財源について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 自己負担は原則1割で、一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割である。
- 保険給付の財源は、公費約5割、後期高齢者支援金約4割、保険料約1割で構成される。
- 高額介護合算療養費は、後期高齢者医療給付には含まれない。
- 保険料は、全国一律の額が国によって定められる。
- 葬祭費など条例で定める給付を行うことはできない。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。介護保険の利用者負担と同じ3段階構造。
2 正しい。後期高齢者支援金は医療保険者からの拠出金。
3 誤り。高額介護合算療養費の支給も含まれる。
4 誤り。各広域連合が条例で定める(均等割+所得割)。
5 誤り。条例で定める給付(葬祭費など)を行うことができる。