福祉サービス分野 > 第75講 高齢者住まい法とは|サ高住・原則25㎡・60歳・登録は知事等をわかりやすく/全文
この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。
サ高住の生みの親
第75講 高齢者住まい法
第3章 SEC24。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の根拠法。数字と「誰が」を固めれば得点できます。
- 法の目的と3つの措置を言える
- 基本方針と計画——誰が定めるか・義務か任意かを区別できる
- サ高住の登録基準の数字(25㎡・60歳)をおさえる
第75講を始めましょう。今回は、高齢者住まい法です。
今日のゴールは3つです。
1つ目、法の目的と、3つの措置を言える。
2つ目、基本方針と計画。誰が定めるか、義務か任意かを、区別できる。
3つ目、サービス付き高齢者向け住宅の、登録基準の数字をおさえる。
2001年制定・国交と厚労の共管
高齢者住まい法の概要
正式名称=高齢者の居住の安定確保に関する法律。
- 高齢者の居住の安定の確保を図り、福祉の増進に役立てることを目的に2001(平成13)年制定
高齢者住まい法。正式には、高齢者の居住の安定確保に関する法律です。
高齢者の居住の安定の確保を図り、福祉の増進に役立てることを目的に、2001年、平成13年に、制定されました。
住まいの面から高齢者を支える法律。国土交通省と、厚生労働省の、共管の法律です。
登録・供給促進・終身建物賃貸借
3つの措置
この3本柱を「措置」として定めている。
高齢者住まい法の措置は、3つです。
1つ目、福祉サービスの提供を受けることができる、良好な居住環境を備えた、高齢者向けの賃貸住宅などの、登録制度の設置。
2つ目、良好な居住環境を備えた、高齢者向けの賃貸住宅の、供給促進。
3つ目、高齢者が安定的に居住することができる賃貸住宅についての、終身建物賃貸借制度の設置です。
大臣は義務・自治体は「できる」
★基本方針と計画
ここが狙われポイント。誰が・義務か任意か。
- 国土交通大臣と厚生労働大臣は、賃貸住宅・老人ホームの供給の目標等を含む基本方針を定めなければならない
- 都道府県および市町村は、基本方針に基づき高齢者居住安定確保計画を定めることができる(義務規定ではない)
ここが狙われポイント。基本方針と、計画です。
国土交通大臣と、厚生労働大臣は、高齢者に対する賃貸住宅および老人ホームの、供給の目標の設定など、基本方針を、定めなければなりません。
2人の大臣の共管。国交大臣と、厚労大臣です。
また、都道府県および市町村は、基本方針に基づき、高齢者居住安定確保計画を、定めることができます。
大臣の基本方針は、義務。自治体の計画は、定めることができる、で、義務規定ではありません。ここが、対比です。
2011年に3つの住宅を一本化
サービス付き高齢者向け住宅とは
- サ高住=介護・医療と連携し高齢者の安心を支えるバリアフリー構造の賃貸住宅
- 事業者の申請に基づき都道府県知事・政令指定都市・中核市の長が登録
- 2011(平成23)年の法改正で、高齢者専用賃貸住宅・高齢者円滑入居賃貸住宅・高齢者向け優良賃貸住宅を廃止しサ高住に一本化
サービス付き高齢者向け住宅。サ高住です。介護・医療と連携し、高齢者の安心を支える、バリアフリー構造の賃貸住宅です。
事業者の申請に基づき、都道府県知事、政令指定都市・中核市の長が、登録を行います。
2011年、平成23年の法改正によって、高齢者専用賃貸住宅、高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅を廃止し、サービス付き高齢者向け住宅に、一本化されました。
3つの高齢者住宅を、1つにまとめた。この経緯も、たまに問われます。
60歳以上・原則25㎡
★登録基準①(入居対象・設備)
- 入居対象=単身高齢者または高齢者+その同居者
- 高齢者=60歳以上、または要介護・要支援認定を受けている40歳以上60歳未満の者
- 設備=各居室の床面積原則25㎡以上・構造設備が一定基準・バリアフリー構造
登録基準です。まず、入居対象。単身高齢者、または、高齢者とその同居者です。
高齢者とは、60歳以上、または、要介護・要支援認定を受けている、40歳以上60歳未満の者です。
設備は、各居室の床面積が、原則25平方メートル以上。構造・設備が一定の基準を満たすこと。そして、バリアフリー構造であることです。
25平方メートル。特養の10.65、グループホームの7.43と並べて、住まい系の、面積3兄弟で覚えましょう。
最低ライン=状況把握+生活相談
登録基準②(サービス・契約)
- サービス=少なくとも状況把握(安否確認)サービスと生活相談サービスを提供
- 例:食事の提供、清掃・洗濯等の家事援助 など
- 契約=書面による契約/権利金その他の金銭を受領しない(敷金・家賃・前払金を除く)/前払金の保全義務
サービスの基準です。少なくとも、状況把握、安否確認サービスと、生活相談サービスを、提供すること。
例として、食事の提供や、清掃・洗濯等の家事援助などがあります。
契約内容は、書面による契約。権利金その他の金銭を受領しないこと。ただし、敷金、家賃、前払金を除きます。そして、前払金の保全義務などです。
最低ラインは、見守りと相談。この2つが、サ高住の、サービス付き、の中身です。
立入検査・登録取消し/L67の回収
監督と住所地特例
- 登録した知事等は、必要に応じ報告を求め、事務所や登録住宅への立入検査を行う
- 改善指示違反や登録基準の不適合の場合、登録を取り消すことができる
- 2015(平成27)年以降、サ高住のうち有料老人ホームに該当するものは、すべて住所地特例が適用
登録した都道府県知事、政令指定都市・中核市の長は、必要に応じ、報告を求めたり、事務所や登録住宅への、立入検査を行います。
業務に関する改善指示違反や、登録基準の不適合の場合、登録を、取り消すことができます。
なお、2015年、平成27年以降、サービス付き高齢者向け住宅のうち、有料老人ホームに該当するものは、すべて、住所地特例が適用されています。
第67講で学んだ、サ高住と住所地特例の話は、この法律の話だったんですね。伏線回収です。
共管・25㎡・見守りと相談
まとめ
- 2001年制定・国交/厚労の共管。大臣の基本方針=義務/自治体の計画=「できる」
- サ高住の登録=知事・政令指定都市・中核市の長。入居は60歳以上など・居室原則25㎡以上
- サービスの最低ライン=状況把握+生活相談。契約は書面・前払金の保全義務
まとめです。
高齢者住まい法は、2001年制定。国交・厚労の共管で、大臣の基本方針は義務。自治体の計画は、定めることができる。
サ高住の登録は、知事、政令指定都市・中核市の長。入居は60歳以上など、居室は、原則25平方メートル以上。
サービスの最低ラインは、状況把握と生活相談。契約は書面、前払金には、保全義務です。
お疲れさまでした。次は、災害対策基本法です。第75講、終了です。
この講の一問一答(◯×12問・五肢複択2問)
すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →
高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)は、高齢者の居住の安定の確保を図ることなどを目的に、2001(平成13)年に制定された。
答えと解説
◯ 正しい。国土交通省と厚生労働省の共管の法律である。
高齢者住まい法に基づく基本方針は、厚生労働大臣が単独で定める。
答えと解説
✕ 誤り。国土交通大臣と厚生労働大臣が、基本方針を定めなければならない(共管)。
都道府県および市町村は、基本方針に基づき、高齢者居住安定確保計画を定めることができる。
答えと解説
◯ 正しい。「定めることができる」規定であり、義務規定ではない。
都道府県は、高齢者居住安定確保計画を定めなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。高齢者居住安定確保計画は「定めることができる」とされており、義務規定ではない。
サービス付き高齢者向け住宅の登録は、都道府県知事、政令指定都市・中核市の長が行う。
答えと解説
◯ 正しい。事業者の申請に基づき登録を行う。市町村長ではない点に注意。
2011(平成23)年の法改正により、高齢者専用賃貸住宅などが廃止され、サービス付き高齢者向け住宅に一本化された。
答えと解説
◯ 正しい。高齢者専用賃貸住宅・高齢者円滑入居賃貸住宅・高齢者向け優良賃貸住宅の3つが一本化された。
サービス付き高齢者向け住宅の入居対象となる高齢者は、65歳以上の者に限られる。
答えと解説
✕ 誤り。60歳以上の者、または要介護・要支援認定を受けている40歳以上60歳未満の者である。
サービス付き高齢者向け住宅の各居室の床面積は、原則として25㎡以上とされている。
答えと解説
◯ 正しい。あわせてバリアフリー構造であることが求められる。
サービス付き高齢者向け住宅では、少なくとも食事の提供サービスを行わなければならない。
答えと解説
✕ 誤り。必須とされるのは状況把握(安否確認)サービスと生活相談サービス。食事の提供や家事援助は例示にとどまる。
契約は書面によることとされ、敷金、家賃、前払金を除き、権利金その他の金銭を受領してはならない。
答えと解説
◯ 正しい。前払金については保全義務が定められている。
登録を行った都道府県知事等は、登録住宅への立入検査を行うことはできない。
答えと解説
✕ 誤り。必要に応じ報告を求め、事務所や登録住宅への立入検査を行うことができ、基準不適合等の場合は登録を取り消すことができる。
2015(平成27)年以降、サービス付き高齢者向け住宅のうち有料老人ホームに該当するものは、すべて住所地特例が適用されている。
答えと解説
◯ 正しい。有料老人ホーム該当分=特定施設として住所地特例の対象となる。
五肢複択
高齢者住まい法について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 基本方針は、国土交通大臣と厚生労働大臣が定めなければならない。
- 高齢者住まい法の措置には、終身建物賃貸借制度の設置が含まれる。
- 高齢者居住安定確保計画は、市町村が定めなければならない義務規定である。
- サービス付き高齢者向け住宅の登録は、市町村長が行う。
- 高齢者住まい法は、1963(昭和38)年に老人福祉法と同時に制定された。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。国交・厚労の共管で、賃貸住宅・老人ホームの供給目標などを含む基本方針を定める。
2 正しい。登録制度の設置・供給促進・終身建物賃貸借制度の設置の3つの措置がある。
3 誤り。「定めることができる」規定であり、義務ではない。
4 誤り。都道府県知事、政令指定都市・中核市の長が登録を行う。
5 誤り。2001(平成13)年に制定された。
サービス付き高齢者向け住宅の登録基準について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 入居対象となる高齢者は、60歳以上の者、または要介護・要支援認定を受けている40歳以上60歳未満の者である。
- サービスとして、少なくとも状況把握(安否確認)サービスと生活相談サービスを提供する。
- 各居室の床面積は、原則として10.65㎡以上である。
- 前払金を受領する場合の保全義務は、定められていない。
- バリアフリー構造であることは、登録基準に含まれていない。
答えと解説
正解:1・2
1 正しい。単身高齢者または高齢者とその同居者が入居対象。
2 正しい。食事の提供や家事援助は例示であり、必須はこの2つ。
3 誤り。原則25㎡以上(10.65㎡は介護老人福祉施設の居室基準)。
4 誤り。前払金の保全義務が定められている。
5 誤り。バリアフリー構造であることが求められる。